テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー3 ─そして、僕の伝説─   作:夕影

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今回は多分賛否両論ある話です。
ただ現在、この状態で話を進め、もうある程度書いてもいるので、書き直しは出来ませんのでその事はご了承下さい;;


第四十六話

 

 

 

「――ハァアァアァァァっ!」

 

 

「――シェアァアァァァっ!」

 

 

 

 

――晴天の下、甲板にて僕は木刀と星晶剣を手に、双剣を持ったスパーダと模擬戦をしていた。

理由としては、僕の体調もよくなったということで久々の運動や、星晶剣と木刀の二刀流の練習として、スパーダに付き合ってもらっているのだ。

 

 

「オラオラっ!魔神剣・双牙っ!」

 

 

「なんのっ!魔神連牙斬っ!」

 

 

前方から飛ばされてきた二つの斬撃に、相殺と反撃の意味を混ぜて斬撃を三つ飛ばし返す。

以前はユーリに、『二刀流になっていない』と一蹴されてしまったが、今ではあれから数ヶ月も経ち、大分対応出来るようになってきていた。

スパーダの飛ばしてきた斬撃の二つを相殺し、三つ目の斬撃がスパーダへと向かう。

スパーダはそれを避けると剣を構える。

 

 

「へっ…なかなか上手いじゃねぇか!烈空斬っ!」

 

 

 

剣を構えたままスパーダはそう言うと跳び、剣と身体を回転させて接近してくる。

 

 

「それはありがとう…散沙雨っ!ついでに…秋沙雨っ!」

 

 

「っ!うぉっ!」

 

 

回転し、接近してくるスパーダに僕は構えると、星晶剣と木刀の二本で連続突きを放つ。

烈空斬は空中での回転攻撃である為、地上からの対応攻撃…今のような散沙雨や炎の衝撃を放つ魔王炎撃破には極めて回避が弱い。スパーダもそれに気付き、回転途中であった剣を甲板に突き抜けない程度に突き刺し、回転の勢いを止める。

だけど…その隙は見逃さないっ!

 

 

「隙ありっ!裂震虎砲っ!」

 

 

「ぐぉあぁっ!?」

 

 

星晶剣と木刀を納め、足に力を込めて跳び、スパーダの前まで行くと両掌をスパーダの腹部に向け、虎の頭を模した闘気を打ち込む。

着地したばかりで対応に遅れたスパーダにそれは直撃し、後方に吹き飛び甲板に倒れ込んだ。

 

 

―――――――――――

 

 

 

 

 

「――いッててて……ちったぁ手加減しろよ、お前」

 

 

「ご、ごめん…ちょっとやりすぎた…よね…?」

 

――模擬戦を終え、先程甲板に落ちた身体の部分をさすりながら言うスパーダに、僕は慌てて謝罪した。

自分なりに加減はしたつもりなんだけど…まさかあそこまで綺麗に飛ぶとは……。

 

 

 

「ん…まぁ、衛司。前に一回見た時より、二刀流が遥かに上達してんのは事実だ。良かったな、これからは二刀流でも十分行けると俺は思うぞ?」

 

 

「ほ、本当…ユーリ?」

 

 

スパーダに謝っていると不意にそう、僕達の模擬戦を見ていたユーリがそう言い、僕は少し不安気に首を傾げる。

そんな僕にユーリはニッと笑うと小さく頷いた。

 

 

「おう。現に今、二刀流でスパーダに勝てたんだ。少なくとも前に比べりゃ、格段に強くなってるよ。…よっし、なんならその感覚忘れない内に、俺と一戦やっとくか?」

 

 

 

 

 

 

「それは…うん、それじゃあやろ―「――駄目に決まってるでしょっ!」―痛っ!痛い痛いっ!」

 

 

小さく笑ったまま刀を手に取りそう言ってきたユーリに、僕は頷いて武器を構えようとした所で……模擬戦をユーリと共に見ていたカノンノに思いっきり耳を掴まれ止められた。

…って痛いっ!本当に痛いっ!

 

 

 

「全く…病み上がりなんだし、もし無茶し過ぎて怪我したりしたら駄目でしょっ!今日の鍛錬はこれでおしまいっ!分かったっ!?」

 

 

「分かった、分かりましたっ!だから早く耳を…痛っ!本当に分かってるから力を強くしないでっ!?」

 

 

僕の様子に呆れながらも少し怒っている様子でそう言い、僕の耳を思いっきり引っ張るカノンノ。

ってそろそろマジで痛いっ!千切れるっ!千切れるよっ!?

 

 

 

「ぁー……あそこまで行くとまるで夫婦漫才だな」

 

 

「ユーリ…お前、ああなる事予測して言っただろ?」

 

 

「おう。じゃねぇとつまんねぇし」

 

 

「ま、そりゃ同感だな」

 

 

 

そんな僕達の様子を見ながら正に『ニヤニヤ』という擬音が似合いそうな笑みを浮かべるユーリとスパーダ。

くそ…あの二人わざとか…って痛いっ!そろそろマジで痛いってっ!

 

 

――模擬戦終了後、数時間僕の耳に痛みが残ったのは言うまでもない。

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

「――おや…どうしたんです、メリア様?」

 

 

「――…ロックス……ちょっと、考え事」

 

 

 

――食堂にて、ロックスは不意にどこか悩んでいる姿を見せるメリアに声を掛けた。

メリアは少し俯いた後顔を上げるとそう応えた。

 

 

「…悩み事…ですか。…衛司様の事ですか?」

 

 

「…ん…。…最近…衛司がカノンノと一緒にいる所を見てると…なんか…うん…モヤモヤする…」

 

ロックスの出した問いにメリアは小さく頷くと、不思議そうに、そしてどこか複雑そうに自分の胸元に手を当てそう応えた。

 

 

「…それはいつ頃から…?」

 

「…いつ頃からかは分からない…けど…衛司とカノンノが一緒にいるのを見てからはずっと…。……二人が…『恋人』…になってからは凄く…モヤモヤしてる」

 

 

メリアは胸元に手を当てたまま複雑そうに言うと、ロックスは納得したように小さく頷き、口を開いた。

 

 

「…やっぱり、ですか。…メリア様は多分…いえ、きっと…衛司様が好きなんでしょう。お嬢様同様、『友人』としてではなく、『異性』として」

 

 

「…?『異性』として…?」

 

 

「そうですね…。どういうかとえば……メリア様は衛司様とお嬢様、『友人』としてどちらが好きですか?」

 

 

「…それは…どっちも同じくらい」

 

 

「そうですね。…では…衛司様とお嬢様…もし隣に居て落ち着く方は…?」

 

 

「……それは……衛司の方…」

 

 

ロックスの問いに、一つ目は小さく首を横に振って答えるが二つ目は少し俯き、どこかもじもじとしながらそう応えるメリア。

その様子に、ロックスは小さく笑った。

 

 

 

「そういう事です。メリア様にとって、衛司様はきっと…掛け替えのない大切な存在なんでしょう」

 

 

「……よく、分かった。…でも……衛司の隣にはもう…カノンノが……」

 

 

ロックスの言葉にメリアは小さく頷くも、二人の事を思い出しそう言うと顔を俯ける。

 

 

「…だからといって、何もせずに諦めるんですか?」

 

 

「……え…?」

 

 

「自分の、相手に対する想いを隠したままアナタは諦めてしまうんですか、と聞いてるのです」

 

 

ロックスは真っ直ぐとメリアを見るとそう問いかける。

ロックスのその言葉に、メリアは俯いたまま小さく首を横に振った。

 

 

 

 

「……それは…嫌…。…でも…私……こういう時…どんな事を言えばいいか…」

 

 

 

「それなら簡単ですよ。自分の想っている事を相手に伝える、行動に移すだけです。例え結果がどうなろうと…伝えさせすれば、隠すよりずっといいですから。『隠す』より『話す』ですよ」

 

 

ロックスはそう言って小さく笑い、メリアは顔を上げ少し悩んだ様子を見せると決心したように小さく頷いた。

 

「…『隠す』より『話す』…。…ん…決めた。…ロックス…私、頑張る…っ!」

 

 

「はい。私も応援してますから、頑張って下さい、メリア様」

 

 

 

ロックスの応援にメリアは「…ん」と頷くと食堂を駆け足で出て行った。

ロックスはその様子をどこか満足そうに見送ると小さく微笑んだ。

 

 

「…命短し、恋せよ乙女…ですね。例え、ディセンダーだと呼ばれても…メリア様も立派な、一人の女性ですからね」

 

 

ロックスはメリアが出て行った扉を見ながらそう呟くと、食堂の片付けに移った。

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

「――全く…本当に衛司は油断も隙もないね」

 

 

「――うぅ…すみません…」

 

 

――ユーリとスパーダが居なくなった甲板にて、僕はカノンノに説教されていた。

いや、まぁ確かに…病み上がりで久々の鍛錬だから遂、まだ続けようとか思った僕が悪いんだけど。

 

 

 

「…全くもう…もし衛司に何かあったら私、心配なんだからね…」

 

 

「それは……うん、ごめん…」

 

 

そう言って怒りながらもどこか心配そうな表情を浮かべるカノンノに、僕は申し訳なくなりそう言うと、手を伸ばしてカノンノの頭を撫でた。

 

 

「ん…こんな事しても…別に許してあげないから」

 

 

「はは…それは残念だなー…」

 

 

頭を撫でられそう言いながらもどこか心地良さそうな表情をするカノンノに、小さく笑って頭を撫で続けながらそう返す。

 

――そんな時であった。

 

 

 

「――衛司っ!」

 

 

「?…メリア…?」

 

 

不意に少し大きめな僕を呼ぶ声に見ると、メリアが此方に駆け寄ってきた。

駆け寄ってくるメリアの表情はどこか真剣そうで…何かあったのかな?

 

 

「どうしたの、メリア…?」

 

 

「…衛司…わ…私は……」

 

 

「……?」

 

 

僕の問いにもじもじとしながら言うメリアに小さく首を傾げると、少しして決心した表情になり、真っ直ぐと僕を見て口を開いた。

 

 

「…衛司…私は……衛司の事が好き」

 

 

「え…?」

 

 

「…他の人に対しての『好き』と違う…衛司の時だけ感じる…ポカポカした別の『好き』…。今だから…よく分かる。私は…衛司の事が…本当に『大好き』…」

 

 

少し顔を赤くしてそう、真っ直ぐと僕を見て告げるメリア。

彼女の言ってる事が本当なら…今僕、メリアに告白されたのだろう。

そう考えると僕は思わず、顔が熱くなるのを感じる。

 

 

…ただ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

「メリア…僕は…」

 

 

「…衛司。自分の思った通りに答えてあげて。…実はね、私もメリアが衛司の事が好きだった事、知ってたんだ。それでね…私が衛司とこういう関係になったけど…もしメリアが先だったら、って考えた事があるんだ。…だからね、衛司。…私は例え衛司がどんな答えを出そうと、反論するつもりはないから…メリアにはちゃんと、答えてあげて」

 

 

僕がカノンノとの事を言おうとすると、そう先程まで黙っていたカノンノが僕とメリアを交互に見て真剣な表情でそう言った。

…カノンノの言葉に、僕は二人を見ると……少し深呼吸して決心し、口を開いた。

 

 

「…メリアの気持ち、凄く分かった。…僕もね、メリアが隣にいる時、安心できたり嬉しかったり、楽しかったりするんだ。もし…カノンノより先にメリアに告白されてたら…僕はメリアを選んでたと思う。それぐらい…僕もメリアの事が好きだよ」

 

 

「…衛司……」

 

 

「…だから、ね…僕にはどっちも選べない…ううん、違う。どっちも同じくらい…僕は二人の事が好きなんだ。友達とかじゃなく…異性として。……みっともないよね、本当…僕ってさ」

 

 

 

自分なりに想いを纏めそう言うと二人に顔を合わせづらくなり、顔を少し俯ける。

そのまま少し沈黙しといると、呆れたような…それでいて安心したような溜め息を漏らす音が聞こえた。

 

 

「…やっぱりね。衛司なら、そう言うと思った」

 

 

「え…?」

 

 

「…誰も傷つけたくない衛司なら、そう言うと思ってた…。…でも表情や様子からしたら…私達二人が好きっていうのは本当みたいだから…それが聞けて満足…」

 

 

二人の言葉に僕は顔を上げると、僕を見て頬を赤く染め微笑する二人。

そして二人は僕に歩み寄って来ると……カノンノは右側に、メリアは左側に抱き付いてきた。

え…?え……っ!?どういう事っ!?

 

 

「私達二人共好きって言ったんだから…ちゃんと私とメリア、同じくらい大事に思ってね…?」

 

 

「…………♪」

 

 

「えっと…つまり…?」

 

 

僕に抱き付きながらそう言って微笑むカノンノと、嬉しそうに僕に擦り付けメリアに僕は混乱したまま首を傾げる。

二人は一度お互いに顔を見合わせ僕に向き直ると、微笑して口を開いた。

 

 

「「私達二人共、衛司の恋人でOKって事♪」」

 

 

二人の出したその言葉と笑顔に、思わず顔を熱くなるのを感じる。

恋人二人って……いや、まぁ確かに二人とも好きだけど…。

…でも…まぁ…二人が満足なら…いいのかな…?

 

 

「……出来る限り、頑張りたいと思います」

 

 

―…守りたい物が、また増えた。

 

 

 

 

 

――おまけスキット『行動こそ勝利の一歩』

 

 

メリア「…ぁ…衛司…、ちょっとこっち見て」

 

 

衛司「ん?何、メリ―「…んっ」―…んっ!?」

 

 

カノンノ「なぁ…っ!?」

 

 

メリア「ん…ふふ…こっちは私が先…だね…」

 

 

カノンノ「…そ、それは卑怯だよっ!私も…って衛司、気絶してるっ!?」

 

 

衛司「ぅ…ぁぅぁぅぁぅ…」

 

 

 

メリア「んふふ…えーいじっ♪」

 

 

カノンノ「ぅぅ…今のキスは卑怯っ!絶対ノーカンっ!ノーカンだよっ!」

 

 

 

 





衛司『お前たちが、僕の翼だっ!』


…こんな内容で本当に申し訳ない←

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