すみません。パーティー交換を書いていますが、投稿が遅くなりそうなので、原作には無いパーティー交換の前の出来事を書いてみました。
いつもの半分くらいで短いです! 面白く無かったらすみません!
あとお気に入り200越えました! ありがとうございます! これからも頑張って書いていきます!
白奈side
冬将軍の出来事から次の日の事。
「さあさあ、皆さん見ていって、新鮮なバナナですよー! 普段なら一房三百エリスの所、今なら一房ニ百エリスです。どうですか! 買いませんか!」
アクセルの朝、街中に声が響き渡る。
私は今、路上の八百屋の前でバナナ売りを手伝っていた。
さて、何故こうなったかは少し時間を遡る。
数十分前。
「ん…………?」
私は珍しく朝早くに起きた。回りを見ると全員が寝ていた。まだ起きるには早い時間だ。回りが寝ていても不思議じゃない。
昨日の事を思い出す。
私は勢いでカズマに抱きついてしまった。今思い出すと自分でも凄い事をやってしまった事が分かった。それを気付いたらどんどん顔が赤くなり恥ずかしくなっていく。
今は冬で、時間は朝だ。
この熱くなった体を冷やすには良いし、今までのんびりと街を見れる時間が無かったので丁度良いと思ったのだ。
「おい、そこの姉ちゃん!」
「はい、どうかしましたか?」
そして、宿を出てしばらく歩くと八百屋の店主らしき人に声をかけられた。
「すまねえが、この売れ残ったバナナ売るの少しだけやってくれねえか? しっかりバイト代は多めに出すからよ」
「ええと、すみません。私、接客業とか無理ですし……」
そう言ってやんわりと断ろうとするが店主は顔を横に降り。
「いや、店の前に立って、この川から捕ってきたバナナを売るために呼び掛けるだけでいいんだよ。お願いできるか?」
「ああ、それなら良いで………あれっ? ちょっと待って今川から捕れたって言った?」
そして、借金の返済を少しでも楽にするために良いかと思いちょっとしたバイトを始めて今に至る。
何やら私が呼び掛け始めたら、興味を持ってくれたのか数分で人が大勢集まってきて、朝だと言うのに客の数が凄い事になっている。
「おい、姉ちゃんこっちにニ房くれ!」
「何!? ならこっちには三房くれ!」
「私にも同じ数お願いね!」
前の客に負けじとそれよりも多い数を買っていく。お掛けで凄い勢いで売れていく。
「ありがとうございます! はい、これどうぞっ! ええと、そっちの方は4房でしたね? お買い上げありがとうございます!」
そう言って私は客に笑いかける。何だろう、集まっているのが男性客が多いのは気のせいだろうか。
いや、私の見た目は良い方ではないし、これはきっと気のせいだよね。
しばらく続けていると店主さんが笑いながら話しかけてきた。
「いやー、姉ちゃん本当、助かるよ! これなら今日の分、全部売り切れそうだ! これなら前の赤字から黒字になるよ! 姉ちゃん頼んで良かった!」
「いえ、私はただ皆に呼び掛けているだけなので偶然ですよ偶然」
「全くあの二人とは大違いだな。……………実はな、結構前に水色の髪の少女と茶髪のの少年にバイトお願いしたら。なんと水色の髪の少女に商品のバナナ全部消されてよ。大赤字だったんだ。いやー本当に助かるよ」
「へえー、なるほど。そんな事が………あれっ?」
私の気になる単語が出た気がする。
…………水色の髪の少女と、茶髪の少年?
「あの、すみません。その二人ついて聞いても良いですか?」
「んっ、興味あるのか? なんか二人とも訳わからん事言っててよ、少年の方は川から捕れた事に怒っててよ、水色の少女の方は自分の事を女神とか何かとか言っててよ。全く訳わからん」
私の質問に店主は意外そうな顔をし、懐かしむように説明してくれた。
…………。
そう言って溜息を吐く店主さん。
たが、私はその人物に心当たりがあった。と言うか、だいたい誰なのか分かった。
私は冷や汗をかく。そんな私を店主は心配そうに。
「んっ、どうした?」
「………本当にすみません。もう少し働いてもいいですか? 代金は通常で良いですから」
「?」
店主は不思議そうな顔をしていた。
………本当にすみません。店主さん、私の仲間が。
そして更にバナナのバイトを終わって数分後。
「すみません。これなんですか?」
私の目の前には縄で縛られたある食べ物が置かれていた。
「は? 姉ちゃん冗談やめてくれよ。どんな生き方をしてきたんだよ。さくらんぼって知らねえのか?」
私は道沿いにある店で売られているある商品が気になり店主に質問していた。
「いえ、知っています。知っていますよ、さくらんぼって果物ですよね? あのピンク色の。夏に良く捕れる」
「そうそう、そのさくらんぼだ。果物。ピンク色で甘くて美味しいやつだ。この季節では捕れないヤツだな」
「はい、分かります。それは分かっているんです。ですが………すみません。この
店主は一言。
「さくらんぼだよ」
………………どうしよう、このさくらんぼを空に向けて投げ捨てたい。
カズマside
いつも通り昼に起き、隣を見ると、シロナがもういない事に気が付いた。何処かに出掛けているんだろう。
アクアじゃあるまいし、問題を起こす事はないだろう。ひと安心ひと安心。
ダクネスとめぐみんの姿も無いが爆裂魔法の日課に行っているんだろう。二人にはしっかりと場所を選べと言っておいたので大丈夫だと…………思う。
そんな事を考えているとドアが開いた。入ってきたのは、何だか凄く疲れた表情をしたシロナだった。
「…………ど、どうしたんだ、シロナ? そんな疲れた顔して」
「カズマ突然なんだけど聴いて良い?」
何だこのタイミングで。
「んっ、何だ?」
「確認なんだけどサンマって何処で捕れる?」
………なるほど、その質問か。
「…………日本なら海」
「うん、そうだよね。海だよね海、うんうん」
シロナは自分に言い聞かせる様に何度も言い、そして………。
「じゃあ、
シロナの質問に俺は一言。
「畑」
「やっぱりおかしいと思う」
「それを言うな。俺も同じ事を思った」
それは俺がここに来てバイトをしてシロナと同じ事を思った。
「あっ、そうだ。もうひとつ聞きたい事があるんだけど………バナナを売るアルバイトってアクアとやった事ってある?」
「ある。それについては俺達はクビになったんだ。………アクアのせいで」
シロナはやはりと言った様な顔をして。
「…………やっぱりアクアなんだね」
チラッと二人で窓際を見る。そこには盛大ないびきをして寝ているアクアの姿があった。腹をかき、よだれをたらして寝ていて、そこに女神らしさなんてものは全くもってなく、おっさんかと言いたくなる。
この姿で寝ておいて美しくも麗しいとか良く言えるな。
毎回、自分の事を女神女神言うからそれ頷ける行動をして欲しい物だ。
………こいつ、本当に女神なのか?
こんな事を思うのは仕方が無いだろう。
窓際に置いてある小瓶の雪精がなにやら透明になってきている気がするが放っておいていいだろう。
「さて、俺は二度寝をするが、シロナはどうする?」
「寝るよ。なんか昨日から連続で疲れた」
そんな事を言い合った瞬間、ドアがバタンと開き。
「カズマ、アクアー、起きていますか! そろそろ起きてください、もう昼ですよ。お、シロナもいましたか、なら丁度良いです!」
……あ、丁度良い?
「ああ、そうだな。借金もまだあるし、今度こそ強烈な一撃を食らわせてくるモンスターの討伐に行こう!」
俺達は一言。
「断る。俺は寝る。それじゃあおやすみ」
「嫌だ。私は寝るよ。おやすみ」
「「なっ!?」」
なぜ昨日死んだばかりなのに、またクエストに行かなくてはならないのか。
さらに、昨日は大金がはいり、借金もかなり減らせたのだ。一日二日休んでも誰も文句は言わないはずだ。
と言うか、この傷が癒えるまで休みたい。
俺は二人の騒ぐ声を聞きながら、もう一度眠りについた。
次回はしっかりパーティー交換にしますよ!