UAが10000を越えました! ありがとうございます!
今回は題名から分かる通りやっとデュラハン戦が終わります!
そしてシロナの特典の本領はっきします! 今までは魔法しか使っていませんでしたので。
白奈side
「この俺自ら、相手をしてやろう!」
ベルディアが大剣を構えてこちらへと駆け出した。
やばいやばいやばい、どうしよう!
少しの時間稼ぎならできるかもしれない。
だけど時間稼ぎしかできない。私の攻撃じゃ全くダメージを食らわせられない。
私は予想できた状況に少し混乱する。
その間にもベルディアは私達のもとに走ってくる。
「………はっ! シロナー! 少し時間稼ぎできるか!?」
……えっ?
「わ、分かった! やってみる!」
「……ほう? 続けてお前が相手をするのか? 力を使った所悪いが遠慮なくいかせてもらう!」
ベルディアは片手に持っている自分の首を空高く放り投げようとする。
あ、あの動作はまさかっ! やらせない!
「『エンハンス・ウインド』!」
「何っ!?」
突然自分の目の前までやってきた私にベルディアは驚く。
今の魔法は《自己付属魔法》。
自己付属魔法は、火、水、光 土、風など、各属性があるスキルだ。本当は二属性以上を組み合わせて使えるのだが残念ながらそのような器用さは私にはない。風の付属魔法は自らの回りに風を纏わせ自分の速度上昇や鎧になる本当に攻守一体の便利な魔法だ。詠唱も短く、とても使いやすい。
だが、この理不尽な世界だ。勿論
まず一つ目は消費する魔力が凄く多いことだ。今は加減しているが私の魔力で全力を出すと1分くらいしか持たない。
二つ目は例えば初級魔法なら習得するだけで全部の属性を使えるようになるが、この魔法は一属性ずつ習得していかないといけない。これが意外と辛い。習得するのにかかるスキルポイントはバカみたいに多いし、習得する事じたい大変なのだ。
自分の首を空に投げるのを封じられたベルディアは握っていた大剣を直ぐに握り直し斬りかかってくる。
私はそれを出力を風を強くし、相手の剣の速度を少し落とし、そして皆よりは良い筈の動体視力と反応速度でぎりぎり回避する。
いつも思う。
いつも引き込もってゲームをしていたお陰かな?
「何っ!? 小賢しい!」
ベルディアは自分の剣が避けられたのが余程意外だったのかまた驚く。
私は回避した直後魔法で早くなった剣を振るうが回避される。そしてまたベルディアが攻撃を回避する。
だが、流石に何度もこれは辛い。
カズマは一体何の策があるんだろう。
カズマside
「おお、スゲー!」
俺の目線の先にはシロナとベルディアの攻防が繰り広げられていた。
時間稼ぎ出きるとは思っていたけど本当に出きるとは。チート持ちってやっぱスゲーな。いつもの事だが、シロナが仲間に入ってくれた事に感謝だ。
だけどさっきあんな魔法使った直後だ。魔力が直ぐに切れると思う。
そろそろあいつが来る頃だと思うんだが……。
「カズマ、悪い遅れた。いろいろと手間取ってしまってな」
「おお! やっときたかダクネス。今すぐシロナとデュラハンの間にいってシロナの盾になってくれ! 硬いだけのお前なら結構時間稼ぎくらいできるだろ!」
「んんっ! 来て直ぐに盾になれとはなんと言う仕打ち! カズマはやっぱり違うな!」
うん、こいつは平常運転で落ち着くな。
「違うわ! そう言う意味で言ったんじゃねえよ! このド変態!! このままじゃシロナが危ないから盾になってくれっていったんだよ!」
「何っ、シロナが!? 今すぐ行ってくる!」
そう言うとダクネスはシロナの方に駆け出していった。
あとこの場で切り札になりそうなアクアはシロナの戦いを見守っている。
お前も何かしろよと言いたい。
「……ほう? 貴様も俺の相手をするのか?」
シロナを庇う形でベルディアの前に立ち塞がったダクネスにまた、面白そうに手の上の首を突き出した。
自らの大剣を正眼に構え、シロナを庇うダクネスの姿はさっきの変態発言したとは思えない、立派なクルセイダー姿だ。
ベルディアはアクアやめぐみん、シロナの力を目の当たりにし、恐らくダクネスにも何かあると警戒しているのだろう。
良く見るとシロナの風がもう少なく無くなっていた事から本当にぎりぎりたった事が分かる。
「シロナ、交代だ。……聖騎士として……守る事を生業とする者として相手をしよう」
「あ、ありがとうダクネス」
そう言うとダクネスは大剣を正眼に構え直し、ベルディアに向かって駆け出した。
「ほう、相手な聖騎士とは是非も無し。さあ、全力でかかってこい!」
ベルディアはそれを迎え撃つ。
ダクネスが両手で握る大剣を見て、受け止めるのが嫌だったのか、ベルディアは身を低く落とし、回避の構えを見せている。
いや、ちょっと待て! 誰も攻撃しろなんて言ってないぞ! 俺はただ盾になって足止めをしてくれと言う意味でお願いだけで、そもそもお前が剣を振ってもっ!
だが、ダクネスは俺がそんな事を考えて事とは知らずに、ベルディアに体ごと叩きつけるように大剣を……!
……距離を見誤ったのかベルディアの目の前に大剣を叩き付けた。
「………は?」
ベルディアから気の抜けたを上げた。
……ああ、だからいったじゃん! て言うか動かない敵にすら当てられないなんてどんだけ不器用なんだよ。
あれうちの仲間何ですけど!
だがダクネスは当たらないのはいつもの事だと言うように、一歩前に進み剣を横に降った。
ベルディアはそれを更に身を低くし、ひょいとかわした。
「なんたる期待外れだ。もういい。……では次の相手………は?」
ベルディアは確実に倒したと言うか自信があったのだろう。
だが今ベルディアの前には鎧が派手に引っ掻いただけ終わったダクネスが立ち塞がった。
「何なんだ貴様らは? さっきの三人と言いお前といい………」
何かブウブツ言い出したベルディアの隙に、作戦を実行する。
「ナイス足止めだ、ダクネス! 『クリエイト・ウォーター』!」
俺の叫び声とともにバケツをひっくり返した様な勢いで、大量の水が三人にぶち撒けられる。
ダスネスとシロナは盛代に水を被り、ベルディアは俺の予想通り、思考するのをやめ大慌てでぶち撒けられる水を回避した。
やっぱりアンデットは水が弱点か! 確認が取れたところで……!
そんな事を考えていると水を被ったダクネスはほんのりと顔を火照らせて呟いた。
「……カズマ、こう言うのは嫌いじゃないが、時と場合を考えて欲しい……」
「カズマ、私にもかかってるんだけど。……もしかしてそう言う趣味?」
「ち、違う! そう言うのじゃない! ダクネスはもうしばらく足止めしていてくれ! シロナは俺達の所まで下がってくれ!」
「任せろ! 壁になるのは大得意だ!」
「わ、分かった!」
そう言うとダクネスは襲いかかろうとするベルディアに正眼に構えていた幅広い大剣を盾にするかの様に剣の腹を前にだした。
よしっ! あとは……。
「おい、アクア! お前は何ボケーと突っ立ってんだよ! あいつは水が弱点なんだ! お前もしかして水の女神なのに水一つも出せないのかよ! やっぱりお前は口だけのなんちゃって女神だったのか!?」
「!? あんた私はただ皆を女神らしく見守って上げてただけなんです! そしてなんちゃってなんかじゃなく、正真正銘水の女神です! 洪水クラスだってだせますから! 謝って! この偉大な女神様をバカにした事をちゃんと謝って!」
「後でいくらでも謝ってやるから、とっととやれよこの駄女神が!」
「わあああーっ! 今、駄女神って言った! 見てない女神の本気を見せてやるから!」
早くやれよダクネスが今以上にボロボロに前に。
俺の言葉に、アクアが一歩前に出た。
そのアクアの周囲にはなにやら霧の様なものが漂い………。
………て、えっ?
「くそ! 何で俺の攻撃がここまで通らな……?」
ダクネスに魔王軍幹部の常人離れした斬撃をあたえていたベルディアが動きを止めた。
流石は魔王軍幹部。アクアがこらからやろうとする事に、不穏な気配を感じたのだろう。
「この世に在る我が眷属よ。水の女神アクアが命ず……」
「こ、これは!?」
……嫌な予感がする。
回りの空気がビリビリと震えるこの感じ。
めぐみんが爆裂魔法を撃つときと似ている。
つまり、それくらいのやばい魔法が使われようとしているわけで……!
その不穏な空気はベルディアも感じていただろう。
ベルディアは、迷う事も無く潔くアクアから逃げようと……。
「行かせないぞ! ベルディア!」
………した所でダクネスがその前に立ち塞がった!
やがてアクアは手のひらをベルディアに向けると。
「『セイクリッド・クリエイト・ウォーター』!」
水を生み出す魔法を唱えた。
……んっ? 待て、アクアは言ったな「洪水クラスだって出す事ができる」と。さらにこうも言った。「女神の本気を見せてやる」と。つまり……っ!
「シロナ! この水何とか出来るか!」
唯一の
「いや、この量はどう考えても無理! 『エンハンス・ウインド』! カズマ、めぐみん! 捕まって! 大丈夫、少しならまだ魔力残ってるから!」
目標としたベルディアを始め、周囲にいたダスネスや冒険者。そして魔法を唱えた本人であるアクアまでもが……。
「ぎゃー! 溺れ……!」
「うわあああああ!」
突如出現した水に、俺達以外の全ての人が押し流された。
その膨大な量の水は街の正門前に盛大な飛沫あげ街の中心へと流れて行った。
白奈side
やがて水がひいたその後には、地面にぐったりと倒れ込む冒険者達と。
「……………ねえ、カズマ。捕まって言ったのは私だよ。うん、そこは理解できるんだよ。けど……何で手じゃなく
「………いや、シロナは捕まってと言っただけで何処にとは言って無かった。つまり俺は悪くない。そう悪くない」
「そ、そうなのかな?」
「違います! 違いますよシロナ! 騙されないでください!」
はっ! 危うく騙される所だった。カズマ後で覚えておいてね!
「何を考えてているだ貴様は。……馬鹿なのか? 大馬鹿者なこか貴様は!?」
同じくぐったりとしているベルディアが、ヨロヨロとしながら立ち上がった。
ベルディアの言葉に激しく同意したい。だが……。
カズマは一体何を何を考えているんだろう。
「今がチャンスよ、カズマ! この私の凄い活躍のお陰であいつが弱っている絶好の機会に何とかしなさい! ほら早くいって!」
相変わらずアクアはしょうがない。
どうせ後でカズマに泣かされるのだろう。
「ベルディア、お前武器を奪ってやるよ! これでも食らえぇ!」
そうか! 武器さえ取れば相手は丸腰、勝負をつける事が出きる!
「いくら弱体化したとは言え、駆け出し冒険者のスティールごときで俺の武器は盗らせはせぬわ! まとめて始末してやる!」
カズマと対峙したベルディアは、カズマに向けて叫びがら、再度自らの首を高く投げ、両手で大剣を構えて精一杯の威厳を放つ。
流石は魔王軍幹部だ。さっきは混乱して大丈夫だったが自分が対峙しているのでも無いのに足が震えそうになる。
今、あの時のをもう一度やれと言われても無理だ。
カズマはそんな魔王軍幹部に……!
「『スティール』ッッッ!!」
おそらく全魔力を込めたスティールを炸裂された!
たが……。
「「「ああ…………」」」
そんな声が周囲の冒険者達から上がった。勿論私からも。
ベルディアはまだ武器を握りしめている。つまり……
……失敗…した……?
そのまま、私達に向ける凄まじい斬撃を……。
放つ事は無く、そのまま突っ立っていた。
………あれっ?
その場の全員が今何が起こったのか分からず、シンと静まり返っていると。
「あ、あの……首……返して貰えませんかね……?」
それは困った様な、恐る恐ると言った様な感じのベルディアの小さい声が微かに聞こえてきた。
……………。
「おい、お前らサッカーしよーぜ! サッカーって言うのはなああ! 手を使わずに足だけでボールを遣う遊びだよおおお!!」
「えっ?」
カズマは冒険者達の前に、ベルディアの頭を蹴り込んだ!
「ぐわああああ! ちょ、おい、待て、止めっ!」
蹴られて転がるベルディア頭は、今まで何もできなかった冒険者達の格好のオモチャにされた。
「何だ足だけかよ」
「おい、でもこれ面白ぞ!」
「おーい、こっちにもパースパース!」
「おい、止めっ!? いだだだだ、止めえっ!?」
頭を蹴られるベルディアの体の方は片手に剣を持ったまま、前が見えずうろたえている。
一度だけデュラハンの頭を取ったらどうなるか考えた事はあるけど予想通りだったみたいだ。
「おいダクネス。お前結局ベルディアに一太刀も食らわせてないだろ?」
カズマはずぶ濡れで近寄ってくるダクネスにそう言うと。
「いや、私は良い。人思いにいかせてやってくれ」
……まあ、確かにベルディアのあの声を聞くと流石に可哀相だね。
「そうか、おし、アクア!」
「任されたわ!」
「やれ!」
水によって弱体化し、今頭を蹴られて痛がっているベルディアへ、アクアか何処からか飛んできた杖を掴み、構えた。
「『セイクリッド・ターンアンデット』ー!」
「ちょ、待っ…! ぎゃあああああ!」
アクアの魔法を受けたベルディアの悲鳴は、冒険者達の足元から聞こえてきた。
流石に今度のターンアンデットは効いたみたいだ。
ベルディアの身体が白い光に包まれて消えていく。
「おおりやあああああ! あれっ?」
ベルディアの首が突然消えたのか、サッカーを楽しんでいた冒険者達がどよめいていた。
こうして魔王軍の幹部は倒された。
風魔法を使ってベルディアとシロナが戦う所書きたかったんですよ!
次回で1章は終わりだと思います。