すみません、投稿遅くなりました!
これからもリアルの事情で遅くなることあると思いますが、頑張って書いていきます!
今回もカズマ視点が多いです。原作の主人公なので書きやすいんです。すみません、言い訳でした。
カズマside
「ドナドナドーナードーナー………」
「「「「…………」」」」
「お、おいアクア。もう街の中に入ったんだからその歌は止めてくれ。ボロボロのオリに、膝を抱えた女を運んでいる時点で皆の注目を集めてるんだよ。て言うか、いい加減出てこいよ!」
「ねえ、アクアお願いだから檻の中から出てきて。皆の視線が集まって凄く居心地悪いから……」
「嫌。この檻の中こそが私の聖域よ。外の世界は恐いからしばらく出ないわ」
すっかり引きこもってしまっているアクアを湖から街まで馬で引っ張ってきた、俺達は無事? にクエストを終えて街の皆に何やら温かい視線を集めつつギルドに向かっていた。
あれから頑なに檻の中から出ようとしないアクアがいるので移動速度は遅い。
でも、今回のクエストはアクアにトラウマができたが、それ以外は被害らしい被害は出ていないので良い方だと思う。
今回は珍しく何の問題もなくクエストが終わったなあ………。
そんな事を考えてしまったからだろうか。
「女神様っ! 女神様じゃないですかっ! 何をしているのですか、こんな所で!」
突然叫んできて、檻に入っているアクアに駆け寄り、鉄格子を掴む男。
そいつはあろう事か、ブルータルアリゲリーターの破壊できなかったオリの鉄格子を、いとも容易くグニャリと曲げる。
「えっ!」
「まじですか!」
「何!」
俺の仲間が驚き唖然としている中、その見知らぬ男は中のアクアに手を差しのべた。
「………おい、私の仲間に軽々しく触れるな。貴様、何者だ?」
手を差しのべている男なにダクネスが詰め寄った。
モンスターの中に飛び込もうとしていた時とは違い、今のダクネスは誰が見ても立派な騎士の姿だ。
……いつもこんな感じだと良いんだけどなあ……。
男はダクネスを一瞥すると、溜息を吐き首を振る。
いかにも、厄介事に巻き込まれたく無かったが仕方がないと言う感じで。
……いや、先にやって来たのあなたですからね?
ダクネスもその男の態度に明らかにイラッとした顔をした。
シロナが男とのこの状況を早く抜け出したいのでアクアにそっと耳打をする。
「……ねえ、あの人アクアの知り合いなんでしょ? 女神とか言ってるし。お願いだからあの男くらい何とかしてよ!」
「………?」
………?
「……あ、ああっ! そうよ女神! 女神よ私は!」
こいつ! 本当に自分が女神って事忘れてたんじゃないだろうな。ほらっ! シロナだって疑いの眼差しをむけてるだろ!
もぞもぞと檻の中から出てきたアクアは、その男に向き合い。
「さあ、女神の私にして欲しい事は何かしら!………………って、あんた誰?」
知り合いじゃないのかよ!
いやっ、間違いなく知り合いだ。男が驚き
多分アクアが忘れているだけだろう。
「僕です! あなたに、魔剣を頂いた
「…………?」
アクアかなお首を傾げている中、シロナが俺の方にこっそり寄って来てあの男に聴こえないように小声ではなす。
「………ねえ、名前はあれだけど、多分私達と同じ転生者じゃないかな?」
「ああ、アニメの主人公みたいな名前とイケメンでイラッとするが、俺より先に送られた転生者で間違いないと俺も思う。美少女も連れているし、正直ぶん殴ってやりたい」
「うん、その気持ちは良く分かるけど……まだ、檻を破壊しただけだから、それは止めてね?」
おっとミツルギさん。シロナさんから本音を漏れさせていますよ。
「ああっ! いたわね、そんな人も! ごめんね、だつて結構沢山の人を送ったし、忘れたってしょうがないわよね!」
必死のミツルギの説明で、今、ようやく思い出したアクア。
若干
ふむ、やっぱりイケメンだ。イラッとする。
「ええと、お久しぶりですアクア様。あなたに選れた勇者として、日々頑張っています。……ところでアクアは何故オリの中に?」
ミツルギはチラチラと俺の方を見ながら言ってくる。
……アクア。お前まさか、毎回転生者達に選ばれた勇者とか、あなたにしかできない事とか、適当な事言ってこの世界に送りこんでいたのか? おい、視線をそらすな。
今まで、忘れていた事からどれだけいい加減に送ってきた事がわかるだろう。
隣のシロナがアクアを呆れた目で見ている。アクアは必至にシロナから視線に合わせないようにしている。
と、言うか。ミツルギには俺がアクアを檻の中に入れた様に見えているのか?
……いや、普通はそう見えるか。
シロナはパッと見たら日本人に見えない。
そうなると俺になるな。
どうせミツルギに「本人が檻の中から出たがらなかったんです」と言っても信じてくれないだろう。
まあ、俺だってそんな女神がいる事を、この目でみても信じられなかったのだ。
俺は、自分と一緒にアクアがこの世界にきた経緯と、この状況になるまでので事をミツルギに説明した……。
「はあ!? 女神様をこの世界に引き込んで!? 今回のクエストでは檻に閉じ込めて湖に浸けた!? 君は一体何を考えているのですか!?」
俺はミツルギに胸ぐらを捕まれていた。
それをアクアが慌てて止める。
「ちょっ、ちょっと!? 私は別に毎日結構楽しい生活を送っているし、ここに連れてこられたことはもう気にしてないんだけどね? そ、それに魔王を倒せば帰れる訳たし! 今回のクエストだって、怖かったけど結果的に誰も怪我もしないですんだんだし。し、しかも、今回のクエスト報酬の三十万全部くれるって言ってくれてるの!」
そのアクアこ言葉に哀れみの眼差してアクアを見る。
「……アクア様、どうこの男に丸め込まれたのかは知りませんが、あなたは女神ですよ!? それでそんな目にあったのに、たったの三十万? ……突然ですが今はどこに寝泊まりしているんです?」
こいつ、初対面のくせに言いたい放題だな。アクアの事をろくに知らないくせに。お前なんかアクアを事を知ったらどうなる事か……。
ミツルギの言葉に、アクアがおずおずと答えた。
「え、えっと、皆と一緒に小さな家で寝泊まりしてるんですけど……」
「そうか、馬小屋などじゃなくて安心したよ」
「でも、ちょっと前までは馬小屋に………」
アクアめ余計な事に言いやがった! なにも言わなければすんだ物を!
ミツルギがさらに力を込める。
「おい、いい加減その手を放せ。さっきから礼儀知らずにも程があるだろ」
「黒より黒く…………」
バガな事を口走る時以外は落ち着いて静かなダクネスが、珍しく怒ってる。
後ろにいるめぐめんは杖を構え、爆裂魔法の詠唱を………って、おい、それは止めろ! 俺が死ぬ! おっ! シロナが止めてくれた。助かった~。
ミツルギは俺はから手を放すと、興味深そうにダクネスとめぐめんを観察する。ミツルギが見た瞬間、シロナが極力関わりたくないのかサッとダクネスの後ろに隠れる。
「……クルセイダーにアークウィザードか? パーティーメンバーには恵まれているんだね。君はこんな優秀そうな人達を連れているのにアクア様にこんな生活をさせて恥ずかしいとは思わないのか?」
こいつの話だけを聞いていると、自分がスゴく恵まれている環境にいる様に思えてくる。だが……。
お前から隠れたシロナが優秀なのは認めるよ? だけど他の奴等が優秀? そんな、片鱗、一度も、見た事が、無いんだが!!
「君達、今まで沢山苦労したようだね。だが安心してくれ。これからは僕達と共に来ると良い。必要な武器や防具を変え揃えて上げよう。と言うか貴方達が来るとパーティー的にも凄くバランスが良いじゃないか。攻撃役の僕と僕の仲間も戦士に、タンク役のクルセイダーの貴方。そして僕の仲間の盗賊と、後方で戦うアークウィザードのその子にアクア様。どうだい? 凄く完璧なパーティー見えないかい?」
ミツルギの言葉に隠れているシロナが不機嫌の顔になる。
おっと、俺とシロナが入ってませんよ。
いや、シロナは入ってなくて当然か。この男はシロナにまだ気付いていないんだからな。
………ん? 持て、良く考えろ。これを要求を飲んだら俺のパーティの問題児が居なくなり、俺はちっとも構わない。むしろ、俺の仲間の三人の待遇も悪くないし、アクアもミツルギについていった方が魔王討伐の可能性が高くて良いじゃないか。
このイライラするミツルギだが、悪くない考えだ。もう一度言うが待遇も悪くないし、俺の仲間もアクアもこころが動いたかなと背後で会話している話に聞き耳をたてると………。
「ねえ、ちょっとヤバイんですけど。まじで引くくらいヤバイんですけど。ナルシストも入ってる系で本気で怖いんですけど」
「どうしよう。責めるより受ける方が良い私はだが、あの男は無性に殴りたいだが」
「撃って良いですか? 撃って良いですか?」
「駄目だってば、その気持ちは痛いほど分かるけど、カズマが間違いなく死んじゃうから!」
おっと、素晴らしいくらいに大不評ですよ。
と、考えていると、アクアが俺の服の裾を引っ張る。
「ねえ、カズマ。私から魔剣あげといておいてなんだけど、あの人には関わらない方が良いと思うわ」
確かに、イチイチ腹が立つ男だが、ここはアクアの言う通り立ち去るべきだ。
「ええと、俺らのパーティは満場一致で貴方のパーティにはいきたくないようです。では、これで……」
俺はそう言うと、馬を引いてオリを引っ張り、ギルドに向かおうとした。
「待て!」
「はあ………どいてくれます?」
俺の前に立ち塞がるミツルギに、俺はさらにイライラしながら告げる。
「悪いが、アクア様をこんな境遇には置いてはいけない」
どうしよう。この人。人の話を聞かないタイプだ。この後の展開は目に見える。
この後の展開を予想できたであろうシロナがさすが痺れを切らして俺の前に出る。チラッとシロナの顔を見るにシロナもかなりイライラしているようだ。
「カズマここは任せて。………つまり、貴方は何が言いたいの?」
「君は………。いや、そんな事よりも勝負をしないか?アクア様を賭けて。僕が勝ったらアクア様を譲ってくれ。君が勝ったら何でも一つ、言う事を聞こうじゃないか」
「じゃあ、その勝負、カズマの代わりに私が受けるよ。勝った場合の言う事はカズマが決めて」
「君は見た感じ戦士って所かな? 僕の職業はソードマスター。剣の勝負で僕に勝てるとでも思っているのかい?」
「良いから早く剣を構えて」
シロナの発言ミツルギは戸惑いながらも腰にある魔剣を構える。
シロナ、どうやって勝つつもりなんだろう。
「……じゃあ、準備は言いかい? 僕がスタートといったら開始だ。三、二、一、スタート!」
「『セイクリッド・ウインドブレス』!」
「「「……えっ」」」
その間の抜けた声は誰のものか。
おそらく俺とシロナ以外の全員だったかもしれない。
シロナの突然の風魔法にミツルギは成す術もなく飛ばされ、運悪く頭を壁に壁に激突させた。
シロナside
「ふう、スッキリした!」
「この……卑怯者! 卑怯者卑怯者卑怯者ーっ!」
「そうよこの卑怯者! 正々堂々勝負しなさいよ!」
………?
ミツルギの仲間の、二人の少女の罵倒。
私はそれを疑問を持ちながら聞いていた。
卑怯、何で?私は一言も
「カズマ後はお願い」
「ああ、じゃあ勝負は俺らの勝ちって事で、"何でも"だよな? なら魔剣貰っていきますね」
その言葉に取巻きの一人がいきり立つ。
「なっ!? 待ちなさいよ! その魔剣はキョウヤにしか使えないんだから!」
自信たっぷりで言ってくる少女の言葉に、カズマがアクアの方を向いた。
「えっ? マジで? この魔剣、俺には使えないのか? せっかくこの魔剣でシロナの負担減らせるとおもったんだけど」
「残念だけど、その魔剣は痛い人専用よ。カズマが使ったって普通の剣よ」
「カズマの気持ちはうれしいよ。その魔剣だけど、せっかくなんだから貰っておけば? 貴方達は勝負で魔法無しと言わなかった貴方が悪いんだから恨みっこ無しって言っておいて」
「それもそうだな。じゃあアクア、ギルドに報告に行くぞ」
「なっ!? 待ちなさいよ! 私達はこんな結果認めない!」
……どうしよう。このままだと引き下がらなさそうだなあ
そんな事を考えているとカズマが急に立ち止まり、二人の少女達に手をワキワキさせて見せた。
「………真の男女平等主義者な俺は女性相手でもドロップキックをくらわせれる男。……手加減してもらえると思うなよ。公衆の面前で俺のスティールが炸裂するぞ」
「っ!!」
カズマの手を見た少女は身の危険を感じとったのか数歩下がる。
「さあ、どうする? ふははははは!」
「いやああああああ!!」
二人の少女は耐えきれず建物の隙間へと逃げていった……。
……カズマが本気じゃない………のかな? 結果的に助かった。けどっ!
「「「「うわあー………」」」」
「………ええと………頼む……シロナまで引かないでくれ。俺、本気でへこむから」
「…………無理!」
私達は借りていたオリをギルドに引きずって、ようやくギルドに帰ってきた。
次回はデュラハン戦まで書けるかな
これからも読みやすく出来るように頑張って書いていきます!
あと、片方の視点だけ多くならないように気をつけて書いていきます。