遅れた理由ですが……『学校生活が始まったから』と言うのは間接的な理由で、直接的な理由は『前話で‘‘一話あげてから事件が始まる’’と書いた』からです。はい。
いや、『ギリギリ1話で収まるかな~』って思って書いていたら、余裕で2話分の文字数(正確には2.5話分)にまで膨れ上がってしまって……。
全く、誰があんなこと書いたんでしょうね!!(自業自得)
さて、俺は車を見てドン引きする
なんでも、この‘‘CiRCLE’’で5バンド合同ライブをやるらしく、その会議をそこでやるらしい。
……あれ?こういう仕事って普通マネージャーがやるものじゃないか?
俺は疑問に思いつつ、‘‘CiRCLE’’の駐車場に車を停めた。
ボロボロのビュートを駐車場に停め、ボンネットを開けてエンジンの状態を確認した後、一緒に‘‘CiRCLE’’へ入って行った。
‘‘CiRCLE’’の中は自分が予想していた小さなライブ会場とは全く違っていた。内装は白を強調させ、ポスターは2枚ほどしか張られていない。日光を淡く反射させる木の床は、隅々までキレイにされている。
……へぇ、ここまでキレイなライブ会場があるんだ。
確かに、この施設は建設されてから結構立っているだろう。しかし、軍艦の甲板ほどではないが、適当な軍の施設ほどにはキレイにされていて、清潔感が半端ない。
会議場はまだ準備が終わっていないらしい。なので暇な‘‘パスパレ’’メンバーは椅子に座り、適当に時間を潰していた。
俺もポケットから本をだし、時間を潰そうとしたら……
「イブキさん!!‘‘ブシドー’’を教えてください!!」
‘‘パスパレ’’メンバーの一人、若宮イヴが目を輝かせながら俺に頼んできた。
この『若宮イヴ』という少女、ハーフの帰国子女で日本の文化に人一倍の興味があるそうだ。特に‘‘武士道’’にたいして並々ならぬ興味を持っている。
そして、この少女は‘‘羽沢珈琲店’’でバイトをしており、俺が強盗をボコボコにしたところ間近で見ている。そのせいで……俺のことを『現代に生きる武士』として見ているのだ。
……俺はそんな高潔な人間じゃないんだけどなぁ
俺は思わずため息をついた。自分は欲にまみれた俗物なのだ。若宮イヴちゃんの‘‘純粋な目’’を見て、罪悪感が湧き出でる。
「俺はそんな立派な人間じゃない。それに強いて言うなら‘‘武士’’と言うか‘‘忍者’’に近いかr……近いのか?」
HS部隊にいた頃は、暗殺・破壊工作がメインだったのだが……陰に‘‘忍んで’’いたとは言えない。むしろ堂々と突撃して、力ずくで落としていた。
……あれ?やっていることは‘‘忍者’’よりなのに、やり方は‘‘武士’’よりだぞ?
そもそも海軍なのに陸戦って……などと、自分の進んだ道が理想と正反対に位置していることを知って、俺は落ち込んだ。
「これが‘‘ケンソン’’ですね!!ですがイブキさん、あの時の行為は‘‘ブシドー’’です!!」
若宮イヴちゃんの‘‘純粋な瞳’’をみて、余計にあの時の真意を言えなくなった。
……あの時、喫茶店を黙って去っていったのは、酒を飲みたかったからだ。そんなこと言えるかよ。
こんな情けない理由を
「あ~……こう、すぐに身に付くものでもないし、学がないから単純な言葉で教えられないかr……」
「じゃぁ、剣術を教えてください!!」
「いや、ここでやったら危ないぞ!?」
会議場の準備が終わり、開場したときには……俺は若宮イヴちゃんに
「ここは関係者以外立ち入り禁止なのですが。」
「……ん?」
俺はパスパレに当てられた席の後ろの壁にもたれかかると、この前お世話になった‘‘花咲川高校の風紀委員’’がいた。
「……スイマセン、お名前は?」
「Roseliaの
「……よく知ってますね」
氷川紗夜さんはその
……正直に言っていい物なのだろうか
契約に『護衛の件を秘匿せよ』という文章も、暗喩する文章も無かった。しかし、ここで教えると……
……さて、どうしたものか。
マネージャーとか言って誤魔化しても、どうせすぐにボロが出る。氷川紗夜さんの‘‘賢そうな
俺は
……うん、別にバラしてもいいか。また持ち物検査やられた時に面倒事にならないだろうし。
「……パスパレに脅迫状が届いた。その護衛です。」
俺は姿勢を変えないまま、何でもないように、サラッと言った。
実際は『白鷺千聖へ脅迫状が届いた』のだが……まぁ、彼女の所属するアイドルユニット:
俺の言葉に、氷川さんと
「俺が見た限り……氷川さんは聡明なようだ。この事を打ち明けた理由をあなたは理解できるはず」
「そ、そうでしたか……。という事は転校の件も……」
「ご想像にお任せします」
「お、お疲れ様です」
氷川さんは頭を押さえながら『Roselia』と書かれた席に座った。
……あぁ、なんか向こうも苦労しているんだな。
さて、俺のことを‘‘黒い笑顔’’で睨む
「……」
「……ち、千聖ちゃんがむくれている所、初めて見た。」
俺は適当な軽口で
……しっかし、まぁ……流石は元‘‘子役’’、今は‘‘女優’’。こんな事をしても‘‘見てくれは’’良い。
俺がため息を吐くと同時に、会場の扉がバーンと開かれた。そして、‘‘金髪の長髪少女’’や‘‘橙色の短髪少女’’、‘‘宝塚にいそうな少女’’が堂々と入ってきた。
……あれ?あの水色の髪って……松原さん?
『極東戦役:極東編 いつ撮ったんだよ……』で登場した松原さんも申し訳なさそうに、ピンク色のクマと一緒に入ってきた。
「へぇ~、最近は着ぐるみもバンドにいるのか。…………って、着ぐるみ!?」
「……あ、やっぱりおかしいですよね。これって」
「しゃ、しゃべった!?」
……え?着ぐるみって喋らないんじゃないの!?というかバンドに‘‘着ぐるみ’’!?
俺は思わず蝦夷テレビの
俺が混乱している間に‘‘着ぐるみ(ミッシェルと言うらしい)’’は金髪少女に一言告げた後、部屋から出ていった。
……バンドに‘‘着ぐるみ’’って初めて聞いたぞ?えっと……こういう常識破りの事を‘‘ロック’’って言うのか?
『着ぐるみ=ロック(?)』という、新たな常識を知り……俺はうろたえていた。
そんな時、さっき‘‘ミッシェル(?)と話していた金髪少女’’が不思議そうに俺を見てきた。
「あら、あなた初めて見るわね」
「は、はい。つい最近‘‘花咲川’’に転向してきた村田です。い、今の着ぐるみは……・」
この金髪少女の名前は‘‘弦巻こころ’’。彼女は裕福な大富豪一家『弦巻家』の一人娘である。性格は無邪気で自由奔放・天衣無縫・好奇心旺盛で、何をしでかすか分からないそうだ。
ついでに、『花咲川高校』と検索し、すぐに『弦巻こころ』という名前が出てきた。あだ名は‘‘花咲川の異空間’’。
「着ぐるみ?」
「あの熊みたいなものはなんd……」
「‘‘ミッシェル’’って言うのよ!!」
「あぁ……蝦夷テレビの‘‘0uちゃん’’みたいなマスコットの様な物ですか?」
俺は適当に流して‘‘花咲川の異空間’‘から脱出しようとした時、俺の‘‘0uちゃん’’と言う言葉に興味持ったのだろう。弦巻こころの瞳はキラキラさせ、俺を見てきた。
「‘‘0uちゃん’’って何かしら!?」
「蝦夷テレビの‘‘ミッシェル(?)’’の仲間みたいなものか?‘‘黄色で丸い’’、酒好きなマスコットだ」
「なんて素敵なのかしら!!ミッシェルの‘‘仲間’’がいるなんて!!」
……ん?なんか間違えてないか?
「‘‘0uちゃん’’は他には何ができるのかしら!!」
弦巻こころは好奇心旺盛な、キラキラとした純粋な瞳を俺に向けてきた。正直に言って、その瞳は心に刺さるからやめて欲しい。
「酒好きで、牛乳の一気飲みとか、(パーティー用の)
「そうなの!?大砲を!?」
俺は早く彼女との会話を終えたいため、‘‘0uちゃん’’と言うよりは、‘‘
その様子をジーッと見ていた、会場の扉の離隔に立っている‘‘サングラスとスーツの女性’’達が何か電話を急いでかけている。俺はその姿を見て、嫌な予感がするのだが……気のせいに違いない。
イブキはまだ知らない。後日、この失言によって‘‘
「みんな!!今日は集まってくれてありがとう!!」
「以前からお話をさせて頂いていた『CiCLE合同ライブ』ですが、この
『Poppin'Party』と書かれた席に座る‘‘猫耳少女’’と‘‘黒髪ショートカット少女’’の発言によって、会議が始まった。
ここ最近、なんでも最近は‘‘ガールズバンド’’と言う、‘‘女子だけのバンド’’が流行っているらしい。
そこで、ここの地域で有名な‘‘ガールズバンド’’達が集まり、この『ライブハウス CiRCLE』で合同ライブを開催するそうだ。
もちろん、‘‘ガールズバンド’’であるからには、この部屋にいるのは女子だけなので……
……全く、肩身が狭いったらありゃしない
俺は思わずため息をついた。
この場にいる『Poppin' Party』・『Afterglow』・『Pastel*Palette』・『Roselia』・『ハロー、ハッピーワールド!』という5バンド全て、女性だけで構成されている。
しかも、『Afterglow』というバンドには……2話前の『有能な人間は癖がある……』で人質になっていた‘‘黒髪赤メッシュ少女’’がいる。おそらく、助けた人物が俺であることを分かっているのだろう。その『Afterglow』のメンバー5人は俺をジーッと見ており、時々俺を見ながらヒソヒソと話し合っている。
……あぁ、早く帰りたい。
帰るとなると、あの
……もう疲れた。
俺は再びため息をついた。
『ため息をつけば幸運が逃げる』と言われるが……もし本当なら、今頃この人生全ての幸運が逃げ出しているはずだ。
そんなことを考えている俺を置いて、会議は進んでいく。
「あぁ~そうだ!!ライブする順番でも決めましょうか!!」
『Poppin' Party』の席に座る‘‘ポニーテールの少女’’が慌てて提案した。
「あたし達は自分たちの演奏ができればいいから順番なんて……」←『Afterglow』
「最後は私達に決まっているわ」←『Roselia』
「すみません、その日は仕事が入ってるので最後にしてもらえると……」←『Pastel*Palette』
「ラストにあたし達の歌で、ドーンッてリボンのシャワーを撃ったら、みんな笑顔になれると思うの!!」←『ハロー、ハッピーワールド!』
「最後に全員・25人で、‘‘きらきら星’’歌いたい!!」←『Poppin' Party』
「……やっぱり、あたし達も最後がいいかな」←『Afterglow』
……こんな個性的な5つのバンドをまとめるって大変だな
俺は‘‘我関せず’’とばかりに、‘‘四次元倉庫’’から水筒を出して水を飲んだ。
「あの……そこで立っているあなたはどう思いますか?」
そんな俺を、『Poppin' Party』の席に座っている‘‘金髪ツインテールの巨乳少女’’は目ざとく見つけて尋ねてきた。
「すいません。自分は音楽に
俺はシレッと答え、再び水を飲んだ。
「……どうしよう沙綾ちゃん!!」」
「じゃぁ、タイトル!!タイトル決めましょう!!」
『Poppin' Party』の席に座る‘‘ポニーテール少女’’が再び提案するが……順番もまともに決められないのだから、さらに重要なタイトルなど決められるはずがない。
大いに荒れる会場を尻目に、俺は大きなあくびをした。
……次の予定はなんだ?
俺は懐から予定表を取り出した。
その予定表によると、次は『
何でも、地方テレビの番組で‘‘東京観光’’の番組をやっているそうだ。その今回のゲストが
『初めてのテレビ撮影、緊張する~!!』と、‘‘ピンク髪の
……あの
ドスッ!!!
俺の顔の右、5センチほど離れた場所にボールペンが突き刺さった。俺は思わず前を見ると、
……
今度は顔の左、5センチ以内の場所に鉛筆が突き刺さった。ボールペンはともかく、鉛筆は壁に突き刺さるほどの強度を持たないはずなのだが……。
これ以上面倒事にさせないため、俺は‘‘降参だ’’とばかりに両手を上げた。
……それにしても、この‘‘羽田空港’’。なんか嫌な予感がするんだよな。
俺は予定表を見ながらそう思った。
何故だかわからないが……凄く嫌な予感がする。こう、『ナカジマ・プラザ』や『ジョン・F・ケネディ国際空港』の時の様な嫌な予感がする。
……まさか、あの
とりあえず、一番困るのは‘‘シャーロック’’に‘‘ハンナ・ウルリッヒ・ルーデル’’だが……アイツらが簡単に日本に来れるか?
そんな風に思考を巡らせていた時だった。
「みんな……」
「
『Poppin'Party』と書かれた席に座る‘‘猫耳少女’’が大声発し、全員の注目を集めた。
彼女は大物政治家でも出来ないような重厚なオーラを
……なんだ!?こいつ!?
俺は思わず身構えた。会議に参加していた他のメンバーたちもその少女に注目する。
『Poppin'Party』と書かれた席に座る‘‘猫耳少女’’は右手を後頭部、左手を腹に当てた。
「わたし……お腹すいたかも」
「じゃぁ、ファミレス行く?」
「いいねぇ~」
少女の言葉に反応し、この会議場にいるほぼ全員が席を立ち、会場を出ていこうとした。
「‘‘会議は踊る、されど進まず’’……か。普通の高校生はこういう会議が普通なのか?」
俺はため息をつきながら呟いた。
俺は一応‘‘士官の端くれ’’なので、時々会議に出席するのだが……ここまで‘‘ひどい会議’’は一度もなかった。まぁ、出席者の平均年齢が30~50歳という事もあるだろうが。
……さて、移動開始まであと20分。それまでに終わるだろうか。
さて、ファミレスで打ち合わせはもちろん行われず、のんびりとした時間が過ぎた。
出発時間が迫ったので、俺は
(ビュートは5人乗りなので、もちろん定員オーバー)
「では‘‘東京ぶらり旅’’!!今回のゲストはアイドルユニット‘‘Pastel*Palettes’’の皆さんです!!」
「「「「「こんにちはー!!」」」」」
俺達は今、羽田空港の国際線到着ロビーにいた。何でも、今回は『日本に戻ってきて最初に寄りたい店』をテーマに取材をするらしい。
俺はこのロケを撮るカメラの後ろにいた。俺はボケーッと到着ロビーへ入ってくる外国人や日本人を見ていた。
……この嫌な予感、ただの勘違いだといいんだが
そう思っていると……‘‘180センチほどの身長を持つ、スキンヘッドの白人の男性’’が到着ロビーに入ってきた。そして……その男と目が合った。
「……はぁ!?なんでいるんだよ!?」
俺は思わず叫んだ。このロケの関係者全員が俺を見てくるが……そんなことを気に掛けないほどの衝撃が俺を襲ってくる。
あの‘‘スキンヘッドの白人’’は
……なんで、あんな‘‘不幸を呼ぶ男’’がここにいるんだ!!
「(英語)ジョニー、どうしたの?……あらイブキ君じゃない!!」
隣にいる‘‘
「(英語)イブキ君!!また大きくなったわね!!夏以来かしら!!」
マリーさんは駆け寄ってくると、俺を我が子の様に抱きしめた。
俺は‘‘母親の愛’’に久方ぶりに触れ合ったため、受け入れそうになり……慌てて突き放した。
「(英語)何するんですか!?」
「(英語)私にとって、イブキ君は‘‘ヒーロー’’で‘‘息子’’よ?」
マリーさんは俺の手を振り払い、再び抱きしめた。正直に言って……恥ずかしいからやめて欲しい。
「(英語)マリー、こいつも男だ。そろそろ止めておけ」
「(英語)何?この子は私にとって‘‘ルーシー’’や‘‘ジャック’’の弟よ?」
……恥ずかしいからそろそろやめて欲しい。
俺は必死になってマリーさんの
Pastel*Palettesのメンバー5人が俺を注目しているのがよくわかる。
「(英語)なんで
「(英語)うるっせぇなぁ……。偶然日本行きのチケットが当たったんだよ!!俺も来たくなかったよクソッタレ!!」
「(英語)……………で、どこに泊まるんだ?お願いだから遠くに行ってくれ。」
「(英語)‘‘アクア・エデン’’のホテルだ。」
アクア・エデンとは……身分証が無いとは入れない、出入りがヤケに厳しい人工島だ。そして、日本でカジノや風俗が許される数少ない場所の一つだ。
……あ、淡路さんが『アクア・エデンを沈めたくない』って言っていた理由ってこれだったのか!!
『極東戦役:極東編 金は天下の回りもの……』で、『アレクサンドリア』のマスター:淡路萌香が言っていた言葉を思い出した。その時だった。
「なんであんた達が私の近くに来るのよ!!なんで……なんであの人を殺した二人が!!!!」
……なんだ?どうしたよ!?
俺は急いで
「「「「「…………」」」」」
空港のロビーには重苦しい空気が充満する。
「……白鷺千聖さんは体調がすぐれない様です。」
「……は、はい!!ロケ中止!!中止!!!」
あの後、俺は
……恨まれるのは仕事柄覚悟していたが、実際に会うと精神的に来るな。
俺はため息をついた。
俺は
その結果……家族も妹もピンピンに生きているようだ。しかし、彼女が‘‘子役’’を演じる初期から世話になっていたディレクター:
そのディレクターは‘‘ウィンザー114便’’に搭乗していたそうだ。‘‘ウィンザー114便’’は、『ジョン・F・ケネディ国際空港での事件』で墜落し、乗員乗客約200名は全員死亡した。
……その『ジョン・F・ケネディ国際空港での事件』を解決したのは俺と
俺は大きなため息をついた。
あの時、テロリストに反抗したのは『空港を管轄するハゲ署長』だ。確かに俺と
……責任はあの‘‘ハゲ所長’’に
プスン……プスン……
そんな事を考えていた時だった。‘‘ボロボロのビュート’’がボンネットから白煙を吹き出し始めた。俺は慌ててスピードを緩め、ブレーキを停めた。
俺はボンネットを開けて中を見ると……ウォッシャー液の
……全く!!心配させやがって、このボロ車!!
俺はそう思いながら横を向くと、そこは霊園だった。ここの霊園には俺の親父・お袋が眠っている。全くなんて巡り合わせだ。
……俺はあの時、最善を尽くした。結果的には親父とお袋を亡くし、沢山の人達が死んだけど……俺と
「なぁ、そうだろう?……そうじゃないと困るんだよ、チクショウめ」
俺は爪を手の平に食い込ませ、ビュートのタイヤを蹴飛ばした。
バコッ!!カランカラン……
「……」
俺がタイヤを蹴ったせいでホイールキャップが外れてしまった。
……このボロ車!!
俺はため息をつきながらホイールキャップを取り付け、運転席に戻りエンジンを掛けようとした。
キュルキュルキュル……
「ふざけんな!!動けよボロ車!!いい加減にしろよ!!」
キュルキュルキュル……
10分後
「お願いだから、機嫌直して……ゴメン、悪かったって」
キュルキュル……ドゥルン!!ドッドッドッド……
……俺が謝った瞬間、すぐにエンジンが動いたぞ!?どうなってやがるんだこのボロ車!?
俺はこのボロ車が怖くなった。そもそも曰く付きの車だ。どんなことが起こってもおかしくはない。
ドッドッ……プスン、プスン
「悪かったから、‘‘ボロ車’’と言ってスイマセンデシタ!!」
ドッドッドッド……
さっきまで不調だったエンジンは、いきなり滑らかに動き出した。そして、夕焼けの光を自慢げに反射させ、ビュートは東京を走っていった。
『0uちゃん、弦巻こころに目をつけられる』の回。この後日談を閑話にいれようと思ってます。
この会議は『ガルパピコ 7話』をモチーフにしています。
ジョニー・マクレーは『ジョン・マクレーン』をモデル(と言うかほぼそのまま)の人物。
この男が日本に上陸という事は……
今回は英語と日本語が入り混じるので、英語の場合は
「(英語)……」
となります。
白鷺千聖がイブキを嫌いだった理由がこれです。『あの人を見殺しにして置いて、何ちやほやされているのよ!!」と言う怒りはあったはずです。
それに、当時は白鷺千聖も小さかった(と言っても、小学6年だが)ため、事実を一部誤認しています。
Next Ibuki's HINT!! 「ボロ車とじゃじゃ馬 」