少年士官と緋弾のアリア   作:関東の酒飲

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 アッハッハッハ、明日というか今日、英語のテストが二つ!!それに、今週の日曜までにレポート出さなきゃいけないなんて!!しかも今週末は法事で時間ないのに!!それなのにどんどんアイディアが出てくる!! 
 ……笑えねぇ。


パロディのチーム名は勘弁してくれ……

俺は裁判所にいた。しかも被告側に

「村田維吹を、ボディービルダーの刑に処す。」

裁判長と思われる人が木槌を打ち鳴らし、俺に判決をいきなり言った。

「何だよ!!その刑は!!その前に俺が何をしたんだよ!!」

俺は文句を言うが、俺の横にいた謎の二人が俺の脇を抱え、無理やりその部屋から出されてしまった。

「ボディービルダーの刑って何だよ!!」

 

 

 

俺は、黄色いパンツだけを履かされ、牢屋に投げ入れられた。

「ちょっと待て!!ここから出してくれー!!」

俺は牢屋の鉄格子に捕まって抗議するが、その二人はそのまま去っていった。

「新入りかい?」

俺の斜向かいの牢屋から声が聞こえた。

「あ、あんたは……?」

「俺は………ウェイトレスさ!!」

 ……ウェイトレスのコスプレをした鈴藤さんがいた。

「まさかボディービルダーが捕まるとは思いませんでしたな!!」

正面の牢屋から、違う声が聞こえた。

「あんたは……」

「私はですねぇ……カミナリです!!」

 ……鉄腕アトムのようなカツラに子供の人形を背負った藤崎さんがいた。

「「俺たちを忘れちゃ困るぜ……」」

他の声が聞こえた。まさか……

「俺は筋肉だ!!」

「俺はマッドサイエンティストだ!!」

 ……筋肉の書かれた服を着て、その上からスーツを着る和泉さんと、爆発した髪・瓶底メガネ・汚れた白衣を着た安浦さんがいた。

「……このコスプレって刑罰なんですか?」

「……お前、それを知らないで来たのか?確かに、ボディービルダーの刑は軽いからな。」

また違う声が聞こえた。

 ……この声はまさか!!

「キンジか!?」

「……いや、深窓の令嬢だ。」

 ……目つきの悪い女性が、牢屋の中の椅子に腰をかけていた。いや、こいつは女装をしたキンジだ。

「俺もいるぞ!!……まぁ、お前よりは軽いけどな。」

「武藤!?」

俺は声がしたほうを向くと、

「いや、俺は消防士だ!!」

 ……武藤が消防士のコスプレをしていた。

「うるせぇなぁ……気持ちよく寝てたのに起きちまったじゃねぇか。」

ドスの聞いた声が聞こえた。

「この、裸スーツ様を起こすとはなぁ!!」

 ……裸の上に、マーカーでスーツを描いた音野さんが起きてきた。

「ガリガリガリガリ!!!」

音野さんは自分の鉄格子の触れると、顎でガリガリと柵を削っていき、最後はその柵をへし折った。

「よくも俺の安眠を妨害しやがったなぁ!!!!」

「う、うわぁあああああああああ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁああああああああああ!!!」

  ガバッ!!

俺は辺りを見回した。ここは武偵病院だ。俺は何度も入院しているからわかる。

「……よ、よかった。」

あれは夢だったようだ。

 俺は何とか息を整え、周りを見ると、俺の体に点滴と何かの機械のコードがくっついていた。よくドラマや映画である脈を測る機械じゃねぇか?

 時間は3時14分、周りが暗いので午前のほうか。

 

 

 

俺はナースコールを押してしばらくすると、血相を変えた矢常呂先生とナースたちがやってきた。

 しばらく俺を検査すると、矢常呂先生が説明してくれた。なんでも、昨日の20時前に急患で運ばれてきた俺を処置したが、結局死んでしまった。俺の仲間には明日言うはずだったようだが、まさか俺が蘇生するとは思わなかったようだ。

「……きっと矢常呂先生は疲れていたから死亡判定間違えたんですよ。」

「私が!!二度も間違えるわけないでしょう!!」

「まぁまぁ落ち着いてくださいって。」

 

 

 

 

 その後、プンスカと怒る矢常呂先生を何とかなだめ、俺は4日間の入院の後、俺は何とか退院できた。

 その入院中に、家族に軍の皆さん、官僚の方に粉雪が見舞いに来てくれ、大騒ぎになったことは割愛しよう。

 

 

 

 

 

 

 

 俺は何とか退院でき、自分の部屋に戻ることができた。

「ただいまぁ~。」

俺はそう言いながらリビングに入ると……

「も~!!」

「ンモーーー!!」

理子と白雪が四つん這いで頭突きをしていた。そして……

「声援を上げよ!!ファイトー!!」←ネロ

「……(ニコニコ)。」←エルキドゥ

「二人とも頑張りませい!!このファラオたる私が応援していますよ!!」←ニトクリス

「あ、主殿!!(俺に抱き着く)」←牛若丸

「イブキ様!!おかえりなさいませ!!」←リサ

 ……ゴメン、どういうことだい?

 

 

 

 

 

 

 

 

 白雪がキンジのお世話を嬉々としてしている時に、理子が揶揄(からか)っていたそうだ。

さて、理子がそんな事をやったり、和泉さんと安浦さん達が出演する劇を見たりして幾日かたった後、俺達はある問題に直面した。

「え~、第2回チーム名考案会議を始めます。」

キンジと白雪がいない時、俺・ネロ・エル・牛若・ニト・リサ・理子によるチーム名を考える会議が始まった。

「え~、昨日の第一回は結局酒飲んじゃって有耶無耶(うやむや)になっちゃったから今日でチーム名を考えるぞ。………ところで理子。」

「何イブイブ?」

理子は小首をかしげた。

「なんでいるの?」

「あれ?イブイブのチームに入るって言ってなかった?」

「昨日、理子殿が‘‘私たちのチームに入る’’とおっしゃっていましたよ?」

牛若が答えた。

「……そうなの?」

昨日はみんないい感じになった時に理子が来たから、理子の発言は全く覚えてない。

「イブイブ~。理子りんの言葉覚えてないの~?」

「昨日だいぶ酔ってたから覚えてねぇ……。まぁ、そんなことはとりあえず、チーム名を決めよう。とりあえず意見がある奴は挙手をした後、何でもいいから言ってくれ。」

すると、ニトがスッと手を上げた。

「はい、ニト。」

「やはり、チーム名には神の恩恵があるといいと思うので‘‘あぁメジェドさまっ’’などはどうでしょう。」

「いや、それパロディーになるから!!似たような題名のアニメがあるよ!?」

俺が思わずそう言った。リサは備えてあったホワイトボードに‘‘あぁメジェドさまっ’’と書いた。

「そうなのですか?」

「そうなの!!」

次にエルが手を上げた。

「はい、エル。」

「なら、Nice  Action Clans から、‘‘チームN〇Cs’’に……。」

「それ、一昨日に和泉さんと安浦さんの出る演劇みたからそうなったんだよね!?多分それで登録したら、その二人以外にも抗議されるから!!」

俺がそう抗議しても、リサはホワイトボードに‘‘チームNA〇s’’と書いた。

 今度は、牛若が手を上げた。

「……牛若。」

「はい!!いろんな‘‘さーばんと’’が集まっているので、‘‘/Grand Order’’はどうでしょうか?」

「別に俺達は人理継続とかやらないからね!?多分それだと面倒なことになるよ!?」

俺がは思わずそう言ったが、リサはホワイトボードに‘‘/Grand Order’’と書いた。

 ……いやね、意見を出しまくった後に議論するのが当たり前だし、さっきから意見を出したすぐ後に反論出すのはマナー違反でもあるけど……パロディー臭が半端ないんだよ!!

「はい!!」

「……理子、お願いだからまともなのだしてくれ。」

「イブイブ任せて!!せっかく7人の武偵がいるから……」

「‘‘七人の武偵’’か?」

「イブイブ!!ひどいよ!!先に言うなんて!!」

 ……まだ、さっきまで上げられたやつよりはいいけどさ。

リサはホワイトボードに‘‘七人の武偵’’と書いた後、手を上げた。

「リサ……信じてるからな?」

「……?わかりました!!皆様は過去や現在の、また親族が勇者様とお聞きしましたので‘‘伝説の勇者様達の伝説’’はどうでしょうか?」

「……リサまでも裏切るなんて。」

「え!?イブキ様!?リサが何かしましたか!?」

リサがオロオロと慌てだした。

「……とりあえずホワイトボードに書いといて。」

「え?…あ、はい。」

リサは若干手が震えながら、ホワイトボードに‘‘伝説の勇者様達の伝説’‘と書いた。

「イブキ?さっきから否定してばっかりだけど、イブキの案はあるのかい?」

エルが聞いてきた。

「あぁ、ネタと真面目なの、どっちがいい?」

「イブイブ!!ネタから!!」

理子が勢いよく言った。

「相手を沈黙できるように‘‘沈〇の鉄拳’’ってのがネタの方。」

リサはホワイトボードに‘‘沈黙〇鉄拳’’と書いた。

「真面目なのは、今日は9月22日だから、‘‘0922隊’’でいいかなって。」

「「「「「「え~……」」」」」」

みんなは気に入らないようだ。

 

 ……俺にまともなネーミングセンスがあると思っているのだろうか?‘‘四次元倉庫’’や‘‘影の薄くなる技’’だって、もともと仮の名前だったのに、まともな名前がないからそれが正式名称になっちまってんだぞ?

 

リサは渋々、ホワイトボードに‘‘0922隊’’と書いた。

「ふっふっふ……。」

唐突にネロが笑い出した。

「ここは至高の芸術家たる余が!!皆をあっと言わせるチーム名を発表しよう!!」

ネロはダンッと机に手をつき、立ち上がった。

「余たちは酒を酌み交わすことが多い!!そこで!!」

ネロはリサからマーカーを奪い取り、ホワイトボードにでかでかと書いた。

 

  『COMPOTO』

 

「‘‘COMPOTO’’はラテン語で‘‘酒を飲みかわす’’という意味だ!!余たちにピッタリであろう!!」

 ……あれ?意外といいじゃん。正直に言って、ネロの案は期待していなかったから、この案は意外だ。

「これ良くない?」←俺

「そうですね。よいと思います。」←ニト

「そうだね。わかるとも。」←エル

「主どのが良いと言ったので、いいと思います!」←牛若

「ネロっち!!ナイスアイディア!!」←理子

「流石です!!ネロ様!!」←リサ

「そうであろう!そうであろう!!」←ネロ

 ……さて、ではチーム名も決まったことだし、由来道理にしますか。

「じゃぁ!!チーム名決定を祝い!!今日は飲みかわすぞ!!」

「「「「「「おぉ~!!」」」」」」

 

 

 

 

「お前ら何飲んでんだよ!!」

「おぉ~キンジ帰ったか。お前も飲むか?」

「俺は未成年だ!!」

「しょうがねぇなぁ……。」

  すっ

「なんだこれ?」

「サラトガ・クーラー。ノンアルコールカクテルだ。」

「……ありがとな。」

「おうよ!!リサ~、ラム持ってきて~!!ハバナクラブで~!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 宴会をやった数日後、俺達『COMPOTO』は探偵科(インケスタ)の屋上にいた。ここでチーム編成・登録・撮影をするためだ。

 俺は再び申請書を見た。

『 チーム名COMPOTO(コンポート)

 

メンバー

◎村田維吹(強襲科(アサルト)

〇峰理子(探偵科(インケスタ)

 ・ネロ・クラウディウス(強襲科(アサルト)

 ・源牛若(強襲科(アサルト)

 ・ニトクリス(超能力研究科(SSR)

 ・エルキドゥ(超能力研究科(SSR)

 ・リサ・アヴェ・デュ・アンク(救護科(アンビュラス)

 

以上七名が申請します。』

 牛若だけは面倒回避のため、苗字を使っている。

 さて、このチームは良い編成だと俺は思っている。前線を張る俺、牛若、エル。前線に行ってもよし、援護もよし後方警戒もよしのネロと理子。前線支援、魔術的なものへの対処、救護もできるニト。救護に補給、交渉、情報分析などの、ある意味最も必要な人材であるリサ。

 ……ぶっちゃけ言って、このチームなら長期戦も可能だ。

俺は‘‘防弾制服・黒(デウィーザ・ネロ)’’のネクタイを直しながらそう思った(俺の‘‘防弾制服・黒(デウィーザ・ネロ)’’はギリギリ間に合った)。

「イブキよ!!何を見ているのだ?」

ネロはそう言って俺の手にある申請書を背伸びして覗いてきた。

「申請書だよ。……我ながらいいチーム編成に洒落た名前だなと。」

 ……銃弾ではなく、酒を飲み交わせるような世の中にしたいものだ。

「ふっふっふ!!そうであろう!!流石であろう!!」

ネロはそう言って胸を張った。

「おい、次早くしろ!!……イブキ達か。」

師匠が急かしてきた。俺は近くにいたベオウルフに申請書を渡した。

「ほぉ~……特化型じゃなくてバランス型か。これはこれで殴り甲斐のあるチームだな。」

「……お願いだから腕試しとか言って潰さないでよ?」

「お、おう……わかってらぁ!!」

 ……だったら、目を背けないでくれないかなぁ。

「まぁ…いいか……チーム‘‘COMPOTO(コンポート)’’、村田維吹が直前申請(ジャスト)します!!」

俺はそう言って

「そうか……よし、笑うな!!斜向け!!」

これは武偵の習わしで、正体を微妙にぼかす目的で、真正面を向かないそうだ。全員黒服なのも、そんな理由だそうで……

「9月23日10時14分、チーム‘‘COMPOTO(コンポート)’’……承認、登録!!」 

  パシャ!

我らが師匠の持っているカメラからフラッシュが出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 後日、師匠に撮ってもらったチーム全ての写真がブレすぎていて、撮り直しになったのはご愛敬だろう。

「ちゃうちゃう、こうやった後、こうするんや。」

「こ、こうか?」

  パシャ!!

「これだとピント合ってないやん!!」

「むぅ……最近の機械はわからん。」

「婆ちゃんか!!」

……あ?

「いや……なんでもないです、はい。」

師匠に蘭豹が仲良くカメラを教える姿が見られたとかなんとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 チームを登録したその日、軽い夕立があった後、カラッカラの雲一つない快晴になり、沈んでいく太陽が東京の西の空を橙色に染め上げ、東の空が紫に染まり始めた。

 その時、学園島の西端の海を望む転落防止柵の外に、俺とキンジ、理子とレキ、ハイマキ(狼)がいた。

 何でも、前に俺を轢いた狼ことハイマキは比叡山で俺達を守るために囮になり、野犬(ココ達がそれで俺達を襲わせていたらしい)と大立ち回りをしたらしい。その時キンジは、ハイマキに魚肉ソーセージ箱買いの約束をしたそうだ。なので、キンジとレキはその約束を果たすため、俺と理子は知らない間に囮になってもらったお礼として、俺達は魚肉ソーセージのビニールを必死で剥がしていた。

「……ほら、食えよ。これ全部ビニール剥くの面倒だったんだからな。」

「助かった。ありがとな、ハイマキ。」

俺とキンジで重い箱をハイマキの足元に置く。

「流石だよ~。ありがと~」

理子は満面の笑みで、ハイマキをムツ○ロウさんのようにわしゃわしゃとなでる。ハイマキはよだれを垂らしながら魚肉ソーセージをギロリと見た後、

「ウォオンッ!」

一吠えして頭をソーセージの山に突っ込み、ガツガツと食い始めた。ハイマキの白い尻尾はプロペラの如くブンブンと振り回されている。

「………。」

レキはハイマキの傍らに膝を揃えてしゃがみ、その背中を撫でてやっている。レキの目尻が少し下がっているような気がする。

 ……全く、初めてまともに観光できたと思ったらあんなことになるなんて……まぁ、蝦夷テレビの人たちの方がもっと不幸だろうけど。

 

 

「そう言えばアリアの奴、ポジションまで勝手に申請してやがったぞ。知ってたか?」

キンジのその言葉は俺を驚かせた。

「アリアは真面目だなぁ。ポジション申請は義務じゃねぇってのに。」

俺はポジション申請を書くのが面倒だったので放り投げた。

前衛(フロント)が俺とアリア……アリアが先駆け(PM)で、俺が隊長(UL)。……で、白雪とレキが支援(サポート)。……そういえばイブキ。」

「なんだ?」

「アリアが理子を取られたの悔しがってたぞ。後尾(テール)役が取られたって。」

 ……理子はアリアの誘いを蹴って来てくれたのか。理子には感謝しないとな。

「ふっふ~ん。理子りんはイブイブの物だから、アリアには渡さないよぉ~!!」

 ………。

「……いらないからやろうか?」

「え?ちょっと!!ひどくない!?」

理子は俺の背をポコポコと叩きだした。 

 ……完治してないところに叩くのはやめてほしい。

「冗談だ、冗談だからな。」

実際、本当にやろうとは一切思っていない。理子が居なかったら、このチームの撤退戦は冗談抜きで‘‘島津の退き口(敵に突撃して、そのまま突破して逃げる)’’が主力戦法になっていただろう。俺は撤退戦はできなくないがあまり得意ではないし、上司も‘‘イケイケドンドン突撃ヒャッハー!!’’な人ばかりだから教わる事もほとんどなかった。

 ……あれ?俺もあの上司たちに染まってきたのかなぁ?

「……大丈夫?」

俺が急に遠い目をしたので、理子が心配したようだ。

「あぁ……自分も同類になってきたのかなぁ……って。」

「「??」」

俺は大きなため息をついた後、ハイマキを一撫でしてキンジとレキに背を向けた。

 レキが何か話したそうにキンジを見た後、俺と理子を見ていた。レキはキンジと二人で何か話したいのだろう。邪魔者は退散するに限る。

「んじゃ、用事もあるし、ちょっと出かけてくる。キンジも飯前には帰れよ?……そういえばココ達は司法取引のあと中国に帰ったってよ。」

見舞いに来た官僚の人が言っていた。全く、変態二人(あんなの)が家に居たら、気が落ち着かないったらありゃしない。

「…そうか。飯前には帰る。」

「じゃあなレキ、また明日。理子いくぞー。」

俺は理子の腕を掴むと歩き出した。

「はい」

「ちょ、イブイブ!?腕痛い、痛いから!!叩いたのそんなに根に持ってるの!?」

 ……別に、理子の拳が、まだ完治してない場所に当たりまくったわけではない。

「あし~たがある~さ、あすがある~……」

 観光もまともにできず、毎回何かの犯人に会うほどツイてなくて、いつも傷を負って、変態に気に入られ、ヤバい上司達の考えに染まっていた事なんて歌を歌って忘れよう。

 坂〇九の‘‘明日が〇るさ’’でも歌えばもう陽気になる。なんたって俺はまだ若いんだ。ウル〇ルズもいいが、俺達学生には坂本○の方が似合っている。

 

……明日があるさ、だから、明日はさらにいい日になりますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イブイブ!!そろそろ不味いって!!う、腕の感覚が……。」

 ……ゴメン理子、歌ってたら忘れてた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後理子に散々文句を言われ、服を数着買わされた。その数日後、俺は二つの書状が届いた。一つはジャンヌから、もう一つは兵部省からだ。

 ……なんだか面倒なことになりそうだ。

俺の直感がそう告げた。俺は諦めて兵部省からの手紙を開いた。

『勤務召集令状

村田維吹海軍大尉

右勤務召集ヲ令セラル依テ左記日時ニ武装ノ上参着シ此ノ令状ヲ以テ当直ニ届出スベシ

 

到着日時

 ・平成〇〇年九月三十日午後十一時三十分

到着地

 ・旧羽田空港滑走路延長用人工浮島A

招集部隊

 ・兵部省直属特殊作戦部隊第二中隊』

 ……有難いことに兵部大臣(兵部省の大臣)と事務次官のハンコまで押してあらぁ。でも、なんだって書状で?普通に電話やメールでもいいだろうに。

俺は封筒を見た。その封筒には、よく見れば封筒には結界がつけられており、該当者以外には開けられないようになっている。 

 ……なんたってこんなに厳重なんだ?

兵部省直属特殊作戦部隊第二中隊(HS部隊第二中隊)は俺の所属する部隊だ。ちょっと辻さんや神城さん、鬼塚少佐が電話一本かければすぐ行くってのに……。

 ……それに、集合場所の旧羽田空港滑走路延長用人工浮島Aってどこなんだ?

俺はゴーグル先生で検索をかけると……空き地島じゃん!!なんでそんなところに!?

 待て待て待て……勤務招集は基本、予備員を一定期間艦隊勤務に就かせる制度だ。そもそも俺が何で!?

 

 

 俺は考えることをやめ、ジャンヌの手紙を開けることにした。このジャンヌの手紙は昔の手紙のようにロウで封がされており、筆記体でJeanne d'Arc(ジャンヌ・ダルク)と書かれていた。

 俺はペーパーナイフで封筒の上を切ると手紙が二枚出てきた。一枚目は……達筆な筆記体の仏語で書かれていた。

 ……この野郎、人に読ませる気があるのか?

感覚としては、外国人に日本語の草書体で書いた手紙を送ったと思ってくれればいいだろう。

 ……リサと理子によって厳選されたフリッフリのドレスでも着させて、顔を真っ赤にしたところを写真に撮ってやる。

ジャンヌは顔もスタイルもいいから何でも似合うのに、本人自覚ないんだよなぁ……そんなことを考えながら、その手紙を解読しようとした時、手紙の下に小さな日本語が書いてあった。

『どうせ貴様は私の達筆な字は読めないだろうから、二枚目に日本語でも書いてやる。』

 ………返答を草書で書いてやろうか?

俺は二枚目を見た。

『 村田維吹殿

 

10月1日 夜0時

空き地島南端 曲がり風車の下にて待つ

武装の上、一人で来るように

 

ジャンヌ・ダルク 』

 ……短ッ!!わざわざ手紙で書くことか!?

いや待て、なんでこいつも、軍の命令書と同じ場所、同じ時間を指定したんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺はジャンヌに電話をかけた。

「村田か?読んだようだな。」

「あぁ、その……ジャンヌすまん。その日、なぜか軍の召集があるらしくてな、同じ場所で。」

「ほう……。」

ジャンヌは言葉の一片ですら聞き逃さないように雰囲気を変えた。

「だから、告白はその日の翌日にしてくれ。」

俺は冗談を言った。手紙で揶揄(からか)ったお返しだ。

「な!?……き、貴様!!この手紙が告白だと!!!」

「お前さんが勇気を出して書いてくれたのはわかるが、軍務でな。」

「い、いや!!武装した告白なんてあると思っているのか!?」

ジャンヌは大分慌てだした。

「武偵高ならあり得るだろ?キンジとレキの求婚騒動だって、お互い武装中だったそうじゃねぇか。」

「い、いや、ちょっと待て!!」

「ジャンヌのような可愛(かわい)くて、いい女に(した)われるったぁ、俺は幸運だな。」

「か、可愛い……って村田!!貴様は誤解をs……。」

「じゃあな。」

  ピッ

俺は電源を切った。ジャンヌから何度も電話がかかってきたが無視をした。

 俺は辻さんに電話をかけると、‘‘内容は軍機で言えない。黙ってきてくれ。武装は忘れるな’’と言われた。何があるんだろうか……?

 

 

 




 夢オチは北のテレビ局の番組にあるネタです。‘‘アルカトラズ 地下牢’’で検索すれば出てくるはずです。

 Google翻訳(ラテン語)で‘‘COMPOTO’’は‘‘酌み交わします’’と出ますが、‘‘compoto’’だと‘‘経理’’になるので注意です。(なぜかわかる人は教えてください)

 

  Next Ibuki's HINT!! 「寿司屋」

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