急いで書いてるけどここまでクロスが難しいとか・・・。
年末年始に次話書きたいけどバイトが・・・。
一日一話どころか週一で上げられる人を尊敬します。
翌日フィリス先生から退院許可が出たので、家族が来るまでロビーでボーっとしていた。流石に病院のロビーで武器の整備なんてできないし暇だなぁ・・・などと考えているとすずかちゃんと彼女の姉であろう人、メイドさんの3人がロビーに入ってきた。
「お?すずかちゃんか、ちゃんと眠れたかい?」
小学三年生で誘拐はトラウマものだろうに。
「はい!ぐっすり眠れました。」
「そいつぁよかった。」
俺はそう言って頭を一撫でした。
「昨日は妹と妹の友人を助けてくださりありがとうございます。」
すずかちゃんの姉であろう人が俺に頭を下げた。
「いえいえ職務ですから。それとあなたは?」
「私はすずかの姉の月村忍と申します。」
ここで姉が登場するか。メイドを連れてきているところから良家のお嬢さんなのだろう。それなのに親が来ることができないということは海外にいるか、黄泉の国にいるか・・・。
「自分は村田維吹大尉です。命令により東京武偵高に出向しています。」
「お見舞いの品を持ってきたのですが・・・退院祝いになってしまいましたね。」
「わざわざそこまでしていただかなくても・・・。大きな怪我はありませんし、念のための入院ですから。」
今の言葉、フィリス先生が聞いたらすっ飛んできて説教されるな、きっと。
忍さんはメイドさんの持っていた包みをもらい、俺に渡してきた。
「急だったのでこの程度の物しか用意できませんでしたが・・・受け取ってください。」
ここは貰っとかないとダメか・・・。
「すいません、いただきます。」
「少し場所を変えてお話しませんか?」
話?お礼はもらったし・・・ほかに話すことが?
「そうですね、中庭にでも行きますか。」
俺たち4人は中庭に移動した。
「単刀直入に聞きます。‘‘夜の一族’’についてどこまで聞きましたか?」
中庭のテーブルに座ったとたん第一声がこれだった。・・・・・・あれはあの男の妄言ではなさそうだな。忍さんは真剣な顔をしている。
「あの男の妄言をまともにしちゃぁいけませんよ。」
俺は肩をすくめた。
「ごまかさないでくれませんか?」
おおぅ、怖い怖い。俺はお互いそんなことを知らなかった、ということで一件落着させたかったのだが・・・。全く・・・。
「‘‘夜の一族’’は吸血鬼。あの男の話だとその吸血鬼の中でも有名な一族であるらしいという事。俺の部署は海外担当だったが‘‘夜の一族’’は聞いたことがないから有名な国内の一族。だけれど、国内担当の先輩から‘‘夜の一族’’なんて話は聞いたことがない。となると、有名なだけ、又は落ちぶれた一族である・・・。ついでにアクア・エデンに行っていないとなるとだいぶ歴史があるのだろう。あの男の証言をもとに考えるとこうなりますね。」
俺がそう言うと忍さんは苦虫をこれでもかというほど噛み潰したような表情を浮かべた。
「あれだけでそこまで・・・。ほとんど考えの通りです。」
はぁ、なんか嫌な予感がするんだよなぁ・・・。俺はすずかちゃんを見た。・・・・・・なんか目をキラキラさせてるんですけど、ナゼ?
「ところで、私たち‘‘夜の一族’’には掟があります。」
コイツが本題だな。
「掟とは・・・。どこかの小説のようですね。」
「正体を知ってしまった者は秘密を共有して生涯連れ添う関係を築くか・・・記憶を書き換えるか。」
「ッ!!!」
俺はとっさに銃に手が伸びた。吸血鬼なら何かしらの特殊能力を持ち、力も一般人よりも強い。メイドさんは一般人や訓練された人と違う足取りだ。全く戦力が分からねぇ。地の利も人の数も、純粋な力も負けてる・・・。ここで戦になったらきついな。
「ほう・・・物騒ですね。」
結婚して身内になるか・・・記憶を消されるか、かぁ・・・。
「えぇ、そうですね。」
いや、落ち着け・・・。俺は公務員だ。バックには日の丸がいる。向こうは力のない一族だ。今、戦いになっても逃げることは可能だ。それにこの都市は戒厳されていて行政に司法の一部か全ては軍にある。何かしようとしても向こうが不利になる。そして第二中隊のみんなに何かやられたって知られたら何をするか・・・。これは俺が面倒になるわ。
「両方とも拒否します。」
「え?」
向こうはそう答えるとは思わなかったようだ。
「憲法によって結婚の自由は保障されています。あなたには恭也さんという彼氏がいるようだ。となると、もし結婚するとなったらすずかちゃん。この歳で、しかも10歳近く年上の婚約者を持つのは可哀想だ。」
そう言って俺はすずかちゃんを見た。うん・・・なんで悲しそうな顔をするんだい?
「軍人は公務員です。法律のことは多少頭に入れさせられるんでね。」
そう言った後、再び視線を忍さんに戻す。
「記憶をいじられるのも嫌です。頭の中には機密がいっぱい詰まってるんで。これがバレたら最悪、俺と忍さんの首が物理的に飛ぶかもしれません。」
忍さんとメイドさんは目を丸くしたままだ。そう言えば、恭也さんの彼女が忍さんだよな。恭也さんもこの掟とやらを知ってそうだな。
「困りましたね。それでは私たちの面子が丸つぶれです。」
やっと回復したようだ。
「そう言われましても、法律を破るか、軍機をばらすか・・・。そんなに面子が大事ですか?」
「えぇ、分家の方々はうるさい人が多くて・・・。」
ハァ・・・二人でため息をついた。彼女も大分苦労してそうだな。多少は妥協するか。
「もし、結婚するとなるとすずかちゃんと・・・になるんですか?」
「そうですね・・・。分家の方々と・・・というわけにはいかないので。」
いや、分家のお年頃の人とも結婚しようとは思わないけど。
「これでどうです?『記憶の書き換えができなかったため、婚約ということになったがすずか嬢はまだ幼い。すずか嬢が結婚できる年齢になり、尚且つ大学・大学院を卒業してお互いに合意があれば結婚するということにした』・・・と。なんか言われたら『これは軍の意向だ』って脅されて仕方なくこうなったとでもいえばいい。」
問題先送りの将来ご破算な提案だ。まだ結婚する気はないぞ。
「記憶の削除ができないって言うのはさすがに・・・。」
「できないでしょう?軍機のせいで。」
あ!!という声を忍さんが出した。彼女も納得したようだ。
実際は『記憶を(軍機のせいで)書き換えなかった』だが、分家の人には『記憶を(書き換えようとしたけど)書き換えができなかった。』と誤解させればいい。
「これでいいですか?」
「そうしましょう。」
俺と忍さんはグッと握手をした。
「すずかちゃんも形式上とはいえ、こんな婚約者持って迷惑だろう。ゴメンな。」
「いえ!!イブキさんを大学卒業までにオトすので大丈夫です!!」
は?
「イヤイヤ・・・多分年上の憧れとか吊り橋効果とか入っちゃってるから、それ。」
「いい女になるので待っていてください!!」
なんだこの子!!すごい気迫・・・!!
「あ・・・うん・・・。在学中にいい相手見つけるんだよ?」
「はい!!もう見つけたので、あとは磨くだけです!!」
・・・最近の小学生はマセテルンダナ。・・・いや、落ち着け!!大学卒業は大体23~24くらいだ。となると今から13~14年後。つまり俺は三十路だ。三十路のおっさんを好きになる事はないはず・・・。
忍さんとの交渉(笑)が終わった後、全員ロビーに戻った。
「イブキさん!!好きな食べ物は何ですか?」
「・・・好き嫌いはないけど、寿司は好きだね。」
「そうですか・・・お嫁さんは料理できる人のほうがいいですか!?」
「・・・職業柄、家はなれること多いからね。できるほうがいいよね。・・・ところですずかちゃん。」
「何ですか?」
「なんでそんなにくっつくのかな?」
すずかちゃんは俺の腕をギュッと抱きしめている。
「イブキさんを落とすためです!!」
彼女は自分の胸(?)を俺の腕に押し当てているようだが、悲しいかな・・・(どこが、とは言わないけど)ペタンコなので肋骨が当たってる。
「うん、俺が社会的に死ぬからやめようか。」
「死んだら私が責任もって結婚するので大丈夫です!!」
最近の子はマセてるんだな・・・。
ダダンダンダダン!!ダダンダンダダン!!
急に携帯からターミネーターのBGMが流れてきた。鬼塚少佐からの電話だな。
「ちょっと電話出てきます。」
俺は忍さんとすずかちゃんにそう言い、すずかちゃんの拘束から逃れた。
病院の外に出て電話を出ると、やはり鬼塚少佐が出た。
「よぉボウズ!!ケガは平気だな!!」
怪我の心配はないんですか・・・。
「鬼塚少佐・・・。確かにケガは平気ですけど・・・。心配ぐらいしてくださいよ。」
「そのくらいケガに入らねぇだろ?」
そんな・・・全身打撲に大量出血だぞ。普通では大怪我で・・・うん、今迄から考えるとケガのうちに入らないや・・・。おかしいな、平和に生きるために軍に入ったはずなのだけど・・・。大怪我ばかりして銃弾の雨に毎回吶喊してるような気がする・・・。
「・・・ボウズ、急に黙ってどうした?」
「いえ・・・人生儘ならないなと・・・。」
「?」
「・・・ところで鬼塚少佐、急な電話ですがどうしたのですか?」
「そうだった!!ボウズ!!今どこにいる!?」
「海鳴大学病院にいますが・・・。」
「よし!!そこで待ってろ!!」
ツー・・・ツー・・・ツー・・・
電話を切りやがった。病院のロビーで待ってたほうがいいのか?
「おはようございます。」
目の前にアリサちゃんと執事さんがいた。電話中に来たようだ。
「おはよう。大丈夫?昨日は眠れた?」
この子は大企業を経営する家の一人娘。流石にすずかちゃんのような事は起きないはず・・・はず・・・。
「はい。眠れました。昨日は助けてくださりありがとうございました。」
アリサちゃんはそう言って一礼。流石はお嬢様、礼一つとっても上品だな。
「いえいえ、軍人として当然のことをしただけです。」
「鮫島。」
「はい、お嬢様。」
そう言って執事さんは手に持っていた物を俺に差し出した。
「このくらいの物しか用意できませんでしたが・・・受け取ってください。」
月村家の受け取ってバニングス家から受け取らないのはいけないよなぁ・・・。
「こんな恐縮です。ありがとうございます。」
「イブキさんまだですか?・・・あ、アリサちゃん!!」
すずかちゃんが病院から出てきた。
「すずか?昨日はあの後大丈夫だった?」
「大丈夫だったよ!!」
二人は仲良く話し始めた。うん、和やかでいいな・・・。
「にいちゃーん!!」
はやてちゃんがタマモに車椅子を押されながら来た。
「にいちゃん!ケガ大丈夫?」
そうだよ!!普通は心配してくれるようなケガだよな・・・。
「もう大丈夫。退院許可をフィリス先生が出してくれたよ。今日は何処へ案内してくれる?」
「え・・・?どないしよ!!考えとらんかった!!」
キキーーーーー!!!
病院の前に高機動車が止まった。
俺は高機動車の中で揺れていた。
「・・・あの、さすがにこのやり方は誤解を生むと思うんでやめてください。」
辻さん達は俺を拉致したのだ。俺は今、誤解を解くためのメールを打つので必死だ。
「イブキ大尉には悪いが・・・時間が無いため希信はあのような形になった。」
辻さんが焦り顔で言った。辻さんが焦るなんて珍しい・・・、これは何かヤバいな。
「本来はもう2~3日後に海鳴に着く予定だったんですよ、村田君。」
神城さんが説明を始めた。
「四日前まで大きな作戦についてました。休息をとっていたらM関係(魔術関係という意味の隠語・海軍式)の大きな事件に名家の娘の誘拐があったという報告を受けまして・・・。」
瀬島中佐はそこまで考えてたのか・・・。
「それで海鳴に今日の朝着いたら早速結界が張られたようです。」
は?結界が?
「イブキ大尉!!この日本に対しテロ行為など!!この希信が許さん!!!敵と会っているのだろう!?情報を教えてくれ!!」
・・・全く。あの時捕まえてればよかったな。
「わかりました。敵は・・・・・・
現場に到着し、田中さんが結界を破り高機動車は結界内に入った。
「岩下、狙撃位置に行け、田中は偵察及び罠の有無、村田は田中が戻るまで待機だ。」
鬼塚少佐が流れるように命令をした。
「「「了解」」」
岩下さんと田中さんはそれぞれの得物を持って走っていった。大きな音が聞こえるから目標の位置はすぐわかるだろう。
田中さんは3分もしないで戻ってきた。
「目標10時方向に500mです。付近に罠はありませんでした。」
「おう、ボウズ行くぞ!!辻中隊長と神城参謀長も来られますか?」
「「当り前だ(です)!!!」」
・・・この二人は本当に元気だな、おい・・・。
現場に着くと、黒い服を着た少年が金髪の少女に電撃を撃ち、撃墜させた瞬間だった。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・!!!!
後ろにとても大きなオーラを感じる・・・。後ろを振り向かないようにしよう。
「軍だ!!武器を捨て、手を頭に置き、地面に跪け!!!」
鬼塚少佐が大声で叫んだ。その声で俺は少年に向けて三八式を構えた。田中さんは墜ちた少女の救助と手当をしている。
「ま、待て!!僕は時空管理局執務官クロノ・ハラオウンだ!!銃を下ろせ!!!」
は?時空管理局?大丈夫かコイツ?
「うるせぇ!!10数えるうちに武器下ろして跪け!!10、9、8、7・・・」
少年の近くの空間にモニターが急に出てきて何か言ってるけど、手品か何かだろう。
「・・・2,1、やれ。」
パシュッ!!
急にクロノ・ハラオウン(?)の両肩両ひざから血が噴き出した。
ダァアアアアン!!
そして遅れて銃声が聞こえた。岩下さんがやったのだろう。岩下さんの狙撃は撃たれるまで気づかないからなぁ・・・敵ながら同情する。
岩下さんは軍で5本指には確実に入る狙撃兵だ。彼の
「狙撃しようとしてたら敵の護衛が俺のいる部屋に入って来たんッスよ。あの時は冷汗が出たッスね。」
そして観察力は目標の読んでいる文書すら読めるらしい(本人曰く)。
実際、演習だと岩下さんは何処にいるかわからない。そのため岩下さんの居そうなところに砲撃・爆撃がされるため、最初に死亡判定が出るか、最後まで生き延びるかの結果しか出していない。
クロノ・ハラオウン(?)が墜ちていく。
「確保ぉおおおお!!!」
鬼塚少佐、神城参謀長、辻さんが彼に一気に群がる。俺は高町なのはに接近した。
「やぁ、昨日ぶりだね。なのはちゃん。」
「は、はい・・・。」
「ちょ~と一緒に来てくれないかい?そこのフェレットも。」
これでM関係(魔術関係という意味の隠語・海軍式)の事件も一気に解決できるかな。
俺は瀬島中佐の取り調べをマジックミラーで見ていた。
金髪の少女、高町なのはとフェレット、少年の話は最初バカバカしく思った。魔法は隠さなきゃいけない?時空管理局は治安維持に司法と立法権の一部を有する組織?ジュエルシード?君たち、中二病で迷惑かけないでくれないかな。
「ジュエルシードは青い宝石のような形で、魔力が大量に入っていて危険なんです!!」
・・・あれ?最近そんなの見たような・・・。
「ん?これか?」
瀬島中佐は淡い青色のガラス(?)の粉を高町なのはとフェレットに見せた。
「・・・え?」
「魔力の大量に詰まった宝石を処分した残りカスだ。藤原が頑張って潜って取ってきてくれた。」
藤原さんが無理やりスキューバダイビングの資格取らされたって愚痴ってたけど・・・お疲れ様です。
「11個の残骸がここにある。危険物というのはこちらも知っている。君たちの持っている分を渡してくれないか?無理やり奪うのは気が引ける。」
その後、瀬島中佐は二人から5つジュエルシードをもらった。
月村家の問題とか時空管理局(?)などの事件があった翌日、海鳴旅行3泊目。俺は第2中隊第一小隊と辻さん、神城さんで「時の庭園」にいた。
「・・・あの、辻大佐?」
「どうした、イブキ大尉。」
「他人の家庭問題に武力介入していいんでしょうか?」
「違う。我々、希信達は彼女の家庭問題を解決しようと‘‘個人的に’’しているだけだ。」
「・・・あの人、俺らに攻撃してきたんですけど。」
「それなら希信は自衛のために反撃するほかない。」
フェイト・テスタロッサに似ている少女が入っているカプセルを守るように立つプレシア・テスタロッサがめっちゃ切れているように見える。
「お兄さん、私見えてるんでしょ?」
そしてカプセルに入っている少女に似た、色素が薄い(そのままの意味)の少女が浮きながら俺の頬をつつく。
どうしてこうなった!?
次話で魔法少女編は完結!!
できるといいなぁ・・・
魔法少女編の次はロサンゼルス編です。