少年士官と緋弾のアリア   作:関東の酒飲

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遅れてしまい本当に申し訳ありません!!リアルは忙しいわスランプだわで・・・(言い訳)


中間試験中なので、一気に書き上げられました。あぁ、留年が近づいてくる・・・。





魔法少女リリカル〇のは  高町一家怪しすぎだろ・・・

師匠ある程度は手を抜いてくれたようで、一昨日のようなきついものではなかった。朝ごはんを食べ、早速はやてちゃんちへ・・・っと思ったが約束の時間まではだいぶ時間があった。みんなでゆっくり行くかと、みんなで話しながら歩いていたら、昨日温泉で一緒だった年齢と見た目が全く違うお父さんに出会った。

「おはよう、イブキ君。絞られたみたいだね。」

「おはようございます。まぁ、いつもよりは手を抜いてくれたからよかったですよ。今日帰るんですか?」

俺は大きめの荷物を持つ士郎さん、恭也さん、美女美少女(美幼女)達を見た。

「長い間、店閉めるのはできないからね。」

「そうですか。」

ほんとに喫茶店経営してるのか・・・。俺はそう思いながら再、再び美女美少女(美幼女)達を見た。士郎さんの奥さんだと思われる美女(見た目20代前半)、恭也さんの彼女と妹さん。それに紫がかった黒髪の少女、金髪の少女、昨日の魔法少女(?)、イタチ(?)が仲良くしゃべっている。・・・ん?なんでこの子がいる!?

 魔法少女(?)のほうも俺に気づいたらしく、俺をガン見・・・。

「イブキ君・・・うちのなのはに興味があるんじゃないだろうね・・・。」

士郎さんからオーラが出始めた。

「違いますよ!?昨日の夜、散歩してたらこの子に会ったんですよ!?迷子になってたみたいで!?ねぇ!?」

俺は魔法少女(?)に慌てながら聞いた。

「え?うん。このお兄さんが送ってくれたの。」

すると士郎さんから出ていたオーラは消えた。

「そうだったのかい?僕はてっきり・・・。いやぁ、送ってくれてありがとう。」

「いえいえ~・・・。そういえば昨日自己紹介してなかったね。俺は村田維吹大尉。海軍軍人で、訳ありで武偵もやってる。気軽にイブキって呼んで。」

「えっと・・・私は高町なのはって言います。聖祥大付属小学校の3年生です。」

「私は同級生のアリサ・バニングスです。」

「私は月村すずかです。」

3人組が名前を教えてくれた。この「なのは」っていう子は要注意人物だな。あとでメガネさんに報告して、この子の背景を調べてもらうか。

「なのはちゃんにアリサちゃん、すずかちゃんね。袖振り合うも多生の縁だ。よろしくね。」

だいぶ縁がありそうだしな。

「「「はい。」」」

「それじゃぁ士郎さん、喫茶店に行った時はよろしくお願いします。」

そう言って俺たちはその場を去った。

 

 

 

 

「イブキ、あのような体形が好みかい?だったら創り変えるけど・・・。」

「エルさん!?あなたは今のままで十分美しいですよ!?それに好みじゃないし!?夜に会った子かどうか確認するためにジッと見たんですよ!?」

「まさかマスターがロリコンで捕まるかと思ったぜ。」

「ベオウルフ!?おまえもか!?」

 

 

 

「・・・ということで高町なのはについて調べてくれませんか?」

俺はみんなと歩きながら、メガネさんに携帯で報告をしていた。

「ちょっと待ってください・・・・・・。出ました。高町なのは、私立聖祥大学付属小学校3年生で9歳。高町家の次女で5人家族だそうです。第一中隊と警察もこの子に注目しているみたいですね。ですが警察のほうは捜査をやめたようですね。」

え?

「どういうことです?確かに第一中隊が動くほどですから危険なため・・・とかで捜査終了ですか?」

あの警察が・・・銭形警部がこんなこと起こって素直にあきらめるとは思えない。

「表向きはそうみたいですが、政治家から圧力があったみたいです。その意趣返しかどうかはわかりませんが、第一中隊に警察の一部が出向しています。」

警察は政治家からの圧力に弱いところはある。しかし、軍だと文民統制の原則(軍のトップは政治家だよ、という原則)はあるけど、基本的に政治的圧力に強い(政治家は軍事のド素人なので)。

「その圧力をかけた政治家が過去に不破にボディーガードを受けてもらっていたようです。」

「不破・・・なんでその一族と?」

確かに不破と御神はその世界ではだいぶ有名だが・・・なぜこの事件に関わってくる?

「高町なのはの父・高町士郎は婿養子で、旧姓は不破だそうです。今は足を洗って喫茶店を営んでいるのですが、前はSPや裏の仕事で有名だったみたいです。その政治家とも知り合いのようですね。ついでにその喫茶店、結構繁盛していてシュークリームで有名だそうです。食えログでも高評価ですね。」

そうか・・・士郎さん、マジで喫茶店経営していたのか。てっきり冗談か、やっていても武道喫茶とか開いているのかと・・・。・・・って不破!?あの鍛えよう・・・納得できるな。

「家族構成も複雑ですね。長男は高町士郎の内縁の妻との子、長女は姪に当たりますね。今の妻との子は高町なのは一人です。それについ最近まで居候が3人いたようです。そのうち一人は歌手のフィアッセ・クリステラです。」

フィアッセ・クリステラ・・・英国の有名歌手か・・・。日本好きで日本語もペラペラって情報は聞いたことがあるな。

「とりあえず、高町なのはの父・高町士郎が政治家に何らかの形で接触し、その政治家が捜査の妨害をした・・・と。」

「そのようです。あ、今ちょうど携帯会社の通話記録が出ました。・・・高町なのはが第一の現場の公園から帰ってきた後、すぐに電話をしているようですね。」

・・・高町家、怪しすぎるな。調べれば調べるほど怪しさ満載だ。

「少し脱線してしまいましたね。高町なのはについてですが、最近フェレットを飼い始めたようです。飼い始めたのが事件発生と同じ時期なのですが・・・このフェレットもおかしいことが多いです。」

あれ、イタチじゃなくてフェレットだったのか。

「何がおかしいんですか?」

「まず一つに、毎回事件発生の時に連れて行っているようです。それに偶然音声の記録が見つかったのですが・・・会話しています。」

「え・・・フェレットと?」

「そう考えないと理屈が合いません。一応腹話術かもしれないと思って音声を調べましたが全くの別物です。」

・・・あのフェレットはしゃべっていたのか。てっきり腹話術か、幻聴かと・・・。

「もう一つなのですが・・・あのフェレット、今までに見つかっている種類に該当しないそうです。要は未発見の種類です。」

「もしかしたら、地球のものではないかもしれない・・・と?」

「そうかもしれません。あの高町家、権力も武力もあります。くれぐれも慎重にお願いします。ほかにわかったことがあったら連絡しますね。」

「お願いします。」

「では。」

プー、プー、プー・・・

電話が切れた。それにしてもさらに面倒なことになったな。

「イブキ様、何を話されていたのですか?」

リサが聞いてきた。

「この地域で結構重大な事件が発生していてね・・・。もしかしたら、さっきの人たちが中心人物かもしれないって。」

俺がそういった瞬間、みんなの空気が変わった。

「いや!!状況証拠だけでまだ犯人と決まったわけじゃないから!!??」

「余の旅行を邪魔するものがいるとはな・・・。」

「いいねぇ・・・。殴って蹴って・・・いい旅行になりそうじゃねぇか。」

「ネロにベオウルフ!?いま第一中隊が動いているからへんなことしちゃだめだからね!?」

事件よりも先にこっちの問題のほうが深刻だな・・・。

 

 

 

 ネロとベオウルフ、その他不安のある人達を説得していたら、すぐに目的地についてしまった。驚いたことに彼女は家の前で俺たちを待ってくれていたようだ。汗の量からだいぶ前から待っていてくれたのだろう。もっと早くにつけばよかったかな。

 はやてちゃんは俺たちを見つけたら大きく手を振っていた。

「いやぁ、案内してくれるなんてありがとね。」

「いえいえ、夏休みで暇なので。何処か行きたいところあります?」

車椅子の少女が外でずっと待機しているのに付き添いの人がいない。まして俺たち怪しい集団に娘を一時預けるのだ。親が出てくるのが普通なのに出てくる気配はない。

「まずは海鳴公園に行きたいんだけど。」

とりあえず第一現場に行ってみるか。

「タマモ~、商店街に寄ってみたいな~。この翠屋って言う喫茶店は有名で行ってみたかったんですぅ~。」

「あそこのシュークリームは美味しいですよ!!」

玉藻がそんなことを言うと、はやてちゃんも反応をした。

「まぁ、昼に行けばいいでしょ。・・・・・・それに第一現場だからね(ボソッ)」

「しょうがないですねぇ・・・。まぁ、今行っても早いですけど。」

俺がボソっと言ったことが聞こえたのだろう。

「あそこ、最近ガス爆発があったみたいですけど・・・行きます?」

ガス爆発のせいになったか・・・。ガス会社の人、どうもすみません。

「お願いするよ。あと敬語いらないから。」

「え?でも・・・。」

「仕事柄、敬語ばっかりで疲れるんだ。オフくらいはそう言うのは・・・ねぇ?」

「わかりまし・・・わかったわ!!こっちや!!」

はやてちゃんが指さした方向に俺は彼女の車椅子を押して進み始めた。

 

 

 

 

「あ、財布と水筒忘れた。イブキ兄ちゃんもどって。」

「はやてちゃん、いくら何でも慣れるの早すぎない?」

「でも言ってたやんか。」

「いや、そうだけどさ。」

 

 

 

 

 公園に着くと、広範囲で公園の木々は荒れ果て、舗装はメチャクチャになっていた。そしてあちこちに「KEEP OUT」のテープが・・・。うん、よくこれを情報統制できるな。

「さっきも言ったけど、ガス爆発してこんなんになったんやって。近くの動物病院にも被害が出たそうや。」

「KEEP OUT」のテープ内には警察と軍人が多数いた。

「爆発さえなければ綺麗な公園だったろうね・・・。」

ここが第一現場か。実際にあのビームの威力を考えれば妥当か・・・。などと考えていると見知っている人を見つけた。

「瀬島少佐~!!」

「ん?あぁ、村田大尉か。それと私は昇進した。」

ん?襟章を見ると中佐になってる。

「おめでとうございます。ん?っていう事は、今は参謀長ですか?」

この人は瀬島龍二郎中佐。第一中隊の幹部だ。ついでに辻さんの永遠のライバル。

「それが今、中隊長が不在でな。中隊長代理もやっている。ところで辻大佐はいるのか?」

「いえ、旅行できたらこんなことになってました。」

「それは運がなかった。・・・まぁ村田大尉らしい。」

「それはないですよ!」

っはっはっは。お互いにそんなことを言って笑った。

 この人は戦略家で、戦術家の辻さんとは思考が違う。そのせいでよく辻さんと衝突が起きて、俺か中隊長が仲裁していた。そのおかげか俺と瀬島中佐とは仲がいい。

「やっぱりM関係(魔術関係という意味の隠語・海軍式)ですか。」

「それ以外考えられない。これがガス爆発に思えるか?」

「どうやっても見えませんね。」

本当にガス爆発だったらこの地域が燃えている。

「マ関(魔術関係という意味の隠語・陸軍式)の専門家に聞いたが、このような術式は初めて見るそうだ。」

師匠も言っていたけど・・・マジで宇宙人かもしれないな。

「辻大佐から後で聞くと思うが、情報統制されているため住民の避難はされてない。今うちで必死に犯人の特定をしているが何かあったら応援を頼む。」

そう言って瀬島中佐は頭を下げた。

「頭を上げてください瀬島中佐!!協力するのは当たり前ですよ!!」

瀬島中佐は作戦や戦略のためなら物乞いにも土下座をするような人だ。

「そういえば瀬島中佐、昨日の深夜に大規模結界があったのをご存知ですか?」

「あぁ・・・知っているが・・・」

「自分、あの中にいまして。中で高町なのはと金髪の少女に橙色の髪の女性が戦っていました。」

すると瀬島中佐は大きくため息をついた。

「やはりそうか・・・マークはしているが物的証拠がない。さらに後者の二人の身元は不明だ。」

ハァ・・・俺と瀬島中佐はため息をついた。

「あの・・・ガス爆発って誰かがやったんですか?」

ん?俺と瀬島中佐が声のしたほうに振り向いた。そこには車いすを自分で進ませてこっちに来ているはやてちゃんがいた。

「お嬢さん、ガス爆発なんてそうそう起きない。だから我々は人為的なものかどうか調べているところだ。まぁ・・・無いことを証明するのは難しいから面倒だ。」

「この人は隣の部署の幹部の人でね。結構お世話になっていたから声かけたんだ。」

俺と瀬島中佐ははやてちゃんに事実を隠蔽した。機密だしね。

「・・・そうですか。」

はやてちゃんはジト目で俺を見た。はやてちゃん、これ軍機だから答えられない・・・。

「瀬島中佐、お仕事を邪魔してしまい、すいませんでした。」

「あぁ、村田大尉も旅行を楽しめるといいな。全く・・・こんな事件がなければ妻と娘で旅行に行けたのだが・・・。」

あ、これは話が長くなる。

「では、失礼します!!」

「あぁ・・・今頃幼稚園かな・・・。この前のお遊戯会では・・・」

瀬島中佐の部下達が俺に「何しやがったこの野郎!!」みたいな視線を浴びせてきた。瀬島少佐は家族のことになると話が長くなるからな。最低でも1時間は嫁さんと娘の自慢と惚気話をしてくる。

「藤原、ちょっと来い。」

すると奥からふっくらした顔の青年将校が走ってこっちへ来た後、中佐に敬礼をした。

「中佐殿、なんでしょうか!!」

この青年将校は藤原石町少佐。同じ飛び級卒、そして隣の課ということで、良く俺の指導をしてくれた。俺の先輩って感じか。

「いや・・・最近仕事が忙しくてな、娘にちょっこしか会ってないっちゃ・・・」

瀬島中佐の愚痴が始まった。

「む、村田!!なんで親バカモードにしちゃったの!?」

「うちの家族見たらこうなっちゃいました。」

お互い声を潜めてしゃべっていると

「藤原、聞いているのか?」

「はい!!聞いております!!」

「全く・・・この前のお遊戯会も仕事で・・・」

俺は藤原少佐を尻目に急いでその場を離れた。藤原少佐、今度ブラドから貰った酒を送るんで勘弁してください。

 

 

 

 

『翠屋、海鳴市商店街にある大人気な喫茶店。ここのケーキは有名であり、遠出して買う人もいる。特にここのシュークリームは絶品で・・・』

適当なワードでググったら出るわ出るわ。翠屋についてたくさん出てきた。確かに、これだけを見れば俺も楽しみでしょうがなかったはずだ。けれど、嫌な予感は当たるものだ。

「まさか、もう来てくれるとは思わなかったよ。」

問題の中心人物、高町士郎の喫茶店だとは思わなかったけどな!!いろんなブログに『店長さんが若い!!』とかあったけど、まさかこの人とは。

「ですよね~。まさかここの店長さんだとは思いませんでした。」

「あれ、言ってなかったけ?」

「喫茶店としか聞いてないですね。」

俺はそう言って紅茶を口にした。・・・うまい。俺は味や香りの違いで産地が分かるほどの舌と鼻は持っていない。が、いい茶葉を使っているのは俺のような素人でもわかる。

「これはダージリンですか?」

「わかるかい?F&Mの高級品だよ。」

適当に言ったら当たるものだな。

そう思いながら俺はシュークリームをかじる。うん、うまいな。ど素人の舌でもスーパーの安売りシュークリームと別格なのはすぐわかる。

俺は問題を隅に投げつけ、紅茶とシュークリームを堪能した。

 

 

 

「イブキ兄ちゃん!!私の分は私が払うんや!!」

「いやいや、年長者の顔立てさせてよ。小学生一人分ですら割り勘にする高校生に軍人とか情けないからさ。」

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 シュークリームを堪能した後、商店街をぶらぶらと歩きまわり、夕方となった。

「私の家で夕飯食っていかへん?」

「旅館が夕飯を用意していると思うし大丈夫かな。」

「お茶だけでもどう?」

「ちょ、なにするのよ!!」

「助けてー!!!」

は?

俺たちは悲鳴の聞こえたほうを向いた。そこには今朝自己紹介していたアリサちゃんとすずかちゃんが誘拐されようとしている現場だった。

・・・M関係(魔術関係という意味の隠語・海軍式)の次は誘拐ですか。海鳴市、ここってそんなに治安悪かったっけ?

止まっていたハイエースに二人を黒服が素早く押し込み、ダンケダンケ・・・じゃなかった、急発進した。ってこのままハイエースが進むとはやてちゃんが危ない!!

俺は駆け出し、はやてちゃんを庇おうと・・・

「あぶな!!」

はやてちゃんは自分で車椅子を動かし、車を避けた。え?

ガツッ!!!

・・・俺はただ、車に轢かれに行っただけかよ!!!

俺は車の衝撃で吹っ飛びながら、薄れ行く意識の中でそうツッコミを入れた。

 

   

 

         完

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ンなわけあるか!!!!」

 




高町一家って第三者から見れば怪しさ満点ですよね。


瀬島龍二郎中佐は陸軍の大本営作戦参謀などを歴任した陸軍軍人がモデルです。。

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