少年士官と緋弾のアリア   作:関東の酒飲

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明日テストですができました。いや~テストがあるとはかどりますね。(サボってるとも言う)




若頭はないだろ・・・

 キンジとアリアがまた喧嘩してアリアが部屋を出ていった。どうせ2~3日で戻ってくるだろうとか思ってたら、1週間たっても帰ってこない。こりゃ最高記録更新だな。アリアは「話しかけるな」というようなオーラを出しているためにキンジはカジノの件を話せないでいる。あ、そうだ。

「キンジ、カジノのあれあるだろ?俺も参加させてくれよ。」

「ん?お前単位不足してないだろ?」

「いや、ちょっとでかい出費があってな。カジノで稼ぎながら、さらに金をもらえるってメチャクチャいい仕事と思わないか?・・・まぁ、そこのカジノに知り合いがいるからってのもあるけどな。」

「お前・・・まぁ、人数が心配だったから助かるけど・・・。」

「おう、まぁ稼がせてもらうわ。」

確実に3000万は吹っ飛ぶからな・・・。稼いどかないと・・・。

 

 

 さて、武偵高の夏休みは早い。何と7月7日には夏休みに入ってしまうのだ。で・・・だ。俺の前には二つの券がある。これは二つの違う商店街の福引でネロとベオウルフ、ニトの当てた旅行券だ。一つは海鳴温泉3泊4日の4人分券、そして、ロサンゼルス4泊5日の4人分チケット・・・。

 このチケットのせいで、今年の夏の予定が決まった。・・・が、2つ問題があった。一つ、券が足りない。まぁ、これはみんなでお金を出し合うということで解決した。そしてもう一つ、俺の勘が

「行くなよ!!絶対に行くなよ!?絶対だぞ!?」

と言っているのだ。振りじゃなくてガチのほうだ。俺の勘は危機察知に関しては外れたことがない。なので行きたくないのだが・・・。

「主殿!!旅行楽しみですね!!」←牛若

「日本の温泉は気持ちいと聞きます。楽しみですね。」←ニト

「イブキ様!!今から準備しますね!!」←リサ

「日本のテルマエに祭り・・・なんと楽しみであるか・・・。」←ネロ

「折角だ。ハメを外すか。」←師匠

「うふふ。滾ってきた……滾ってきましたよぉ」←玉藻

「楽しいといいね、マスター」←エル

「殴って蹴っていい汗かいて、汗を流す・・・。こいつぁ最高だ!!」←ベオウルフ

「旅行だと!?しかもアメリカ!?開発を急がなくては!!耐久EXの本領を見せてやろう!!ぬっはっはっはっはー!!!」←エジソン

これを目にして、行くのを反対できる人はいますか・・・。ということで旅行計画が進行していった。

 さて、俺達家族は7月7日に旅行に必要なもの(パスポートとか旅行鞄とか・・・)を申請したり買いに行ったりしよう、そういう話になった。そして当日、新宿へ行こうと俺が玄関を出て外に出たところ、待ち伏せていた鬼塚中尉に拉致られた。・・・うん、なぜ?

 

 

「よぉボウズ!!」

俺は今、C-1の中で第2中隊の面々に囲まれていた。

「・・・鬼塚中尉、なんで俺を拉致ったんですか?」

「梅干し作りの人手が足りなくてよ。だからお前を連れてきた。・・・あと、俺昇進したからな。」

そう言って鬼塚中尉は襟章を見せた。・・・この人少佐になってるよ。何があったんだよ。

「えぇ、私たちもあの後、色々とやりましてね。結果昇進という事です。」

そう言って神城さんも襟章を見せた。・・・中佐になってやがる・・・。

「あれ、角山中隊長は?さすがに少将で中隊長はきついんじゃ・・・。」

「この希信が説明しよう!!角山少将は今!!第4航空艦隊司令をやっていらっしゃる!!」

あぁ、少将になったのか。・・・ん?では中隊長は?

「あの・・・じゃぁ・・・。第2中隊中隊長は・・・」

「この希信である!!!」

そう言って辻大佐(昇進してた)は軍刀を正面で杖のように持ち、いつも以上の大声で言った。・・・この人が中隊長とか大丈夫なのかな・・・。

「・・・皆さん、昇進おめでとうございます。でも、言ってくれたらちゃんと行きましたよ。なんで拉致ったんですか?」

「「「そのほうが面白いからな!!(ですね)(である!!)」」」

・・・俺がこんな部隊に所属していた、ということに改めて驚いたよ。

 

 

 

俺はそのままC-1で駐屯地まで拉致され、その日から4日間、梅干しが乗っている大量のザルを出し入れしたり、箸で1個1個丁寧に梅をひっくり返していたりしていた。

 

 

 

 

そういえば、雇った人にジミさんや博打仲間の山本さんはともかく、両川さんはないだろ。両川さんは警官だぞ。・・・まぁ、あの人勤務中に賭け事やってる不良警官だけどさ・・・。

 

  

 

 

俺が帰った時、部屋の中ではいつも通りアリアがキンジをいじめている姿があった。よかった、アリアは戻ってきたのか

「イブキ、カジノ警備用の服が届いてるから試着しといてくれ。」

「おう、キンジありがとな。」

そう言って俺はキンジからビニールに包まれた服を受け取った。そのビニール上に紙が付いていた。たぶん演じる役でも書いてあるんだろうとでも思い見てみると・・・。

「やくざの若頭」

・・・黒のスーツに黒のワイシャツ、灰色のネクタイ、ご丁寧にシール式の入れ墨まであらぁ。

「おい!!これなんだよ!!やくざの若頭とか絶対警備に向いてないだろ!!」

「まぁまぁ、落ち着けって。」

「・・・なぁキンジ、お前の役は?」

「青年IT社長。」

「キンジ、お願いだから代わってくれないかなぁ・・・。」

俺がそう言うと、キンジは俺の正面に立ち、両手を俺の肩に置いた。

「無・理。」

ですよねー。

 

 

 

 

 月日は流れ、7月24日。俺とキンジは港区アクア・エデンにいた。今回の警備任務参加者は、俺、キンジ、アリア、白雪、レキ、ニトの6人。ニトは俺が誘った。何でも、キンジが「人数が足りない」と言ってきたからな。まぁ、たぶんエジプト関係者が裏に居そうだから対策として連れてきた。で、その6人うちの女子のほうは早めに行くことになっているため、俺とキンジとは別行動だ。

「なぁイブキ、ここの警備って本当にいるのか?中に入るだけでも大分厳重だぞ。」

アクア・エデンに入るためには身分証明書、血液検査、持ち物のX線チェック、金属検査まである。武偵や警察、軍人は申請すれば銃刀の持ち込みはできるが、その申請にも一苦労だ。

「まぁ、需要があるってことはいるんだろ。ちょっと早く着いたしなぁ・・・。キンジ小腹が空いてないか?うまいカフェ知ってるんだ。」

そう言って俺たち二人はアクア・エデンの街を歩きだした。

 

 

 

「そういえばイブキ。若頭の役似合ってるぞ。周りの人たちがお前を避けていってるし。」

「キンジ、それは触れない約束だぞ。」

 

 

 

俺たちはアクア・エデンの一角にあるカフェバーに来ていた。

「キンジ、ここだ。ここのBLTサンドはうまいぞ。」

「へぇ・・・、楽しみだな。」

カランカラン

俺は店の扉を開けた。

「いらっしゃいませー。アレクサンドリアへようこs・・・ひぃいいい!!」

「待って大房さん!!俺、俺だって。イブキだって!!」

青がかっている黒色の髪のウエイトレスがあからさまに怯えた。俺は急いでサングラスを取った。

「あ、あれ?イブキさん?」

「そうです。イブキです。だからそんな露骨に怯えないで。ほら、他のお客さんこっちガン見してるから。」

俺がそう言うと、他の客は急いで視線を俺たちのほうから逸らした。

「・・・イブキさん。なんでそんな恰好を?」

「まぁ大きな声で言えないけど・・・任務の都合上ね・・・。」

そう言ったら納得し、俺達をカウンターのほうへ誘導してくれた。

 カウンターへ座ると、赤みがかった茶髪で細目の色っぽいお姉さんが向かいに来て、水の入ったコップを2つ置いた。彼女はここのマスターだ。

「あらイブキ君。久しぶりね。」

「淡路さんご無沙汰してます。すいません、最近来れなくて。」

「いえいえ、軍人から武偵に出向でしょ。大変よねぇ。」

相変わらず、しゃべってないのになぜか情報を持ってる・・・。

「・・・なぁイブキ。ここってカフェじゃなくてバーか?」

キンジがジト目で俺に聞いてきた。キンジ君、確かにこの店は酒の瓶をドンと置いているし、俺は酒が好きだけど、さすがに昼間の仕事前からは飲まないから。

「うちは、昼間はカフェ、夜はバーをやってるのよ。二人とも、何を頼む?」

「BLTサンド4人分で。俺は紅茶、こいつにはコーヒーを。」

「ちょ・・おま・・・。」

「かしこまりました~。」

そう言って淡路さんは奥の厨房へ行ってしまった。

 

 

 

「イブキ、昼食ってるから2人分なんて食えないぞ!」

「何言ってるんだ、キンジ?俺が3人前食うんだけど?」

 

 

 

 

「キンジ、ここへ来た目的はBLTサンドともう一つあるんだ。」

そう言って俺は水を飲んだ。

「俺の勘がアクア・エデンで何か起こるって言ってるんだ。俺の勘の危機察知能力はすごいぞ。ビルに空港、エアジャック、全部外れたことがねぇ。・・・まぁ、結局避けられないんだけどな。」

俺がそう言うと、キンジは呆れたような表情で俺を見て言った。

「避けられないんじゃ意味ないだろ。」

「まぁ・・・心持ちが違うだろ?・・・言ってて悲しくなるからそれ以上そのことは言わないでくれ。・・・で、だ。ここのマスターの淡路さんはアクア・エデンについて知らないことはない。情報のスペシャリストだ。」

「知らないことは知らないわよ。お姉さんは知っていることがちょっと多いだけよ。」

そう言って淡路さんは厨房から出てきた。

「BLTサンドはもう少しかかるから待っててね。」

そう言って淡路さんは紅茶とコーヒーを入れながらしゃべり始めた。。

「イブキ君の連れてきた子は遠山キンジ君。イブキ君の幼馴染。両親ともに他界。兄はシージャック事件の時から行方不明。でも最近女装姿で再会したみたいね。」

キンジは目と口を大きく開けた。

「今日ここに来たのはキンジ君の単位取得のため、ピラミディオンでのカジノの警備。イブキ君、若頭の役似合ってるわよ。キンジ君、砂糖とミルク入る?」

淡路さんがそう言うと、キンジは慌てながら「ブラックで」と言った。

「まぁ・・・ありがとうございます。・・・淡路さん、単刀直入に言いますが、アクア・エデンで最近出たおかしい噂とかないですか?」

俺がそう言うと、淡路さんは手を顎に当て、「そうねぇ」と言いながら少し考えた後、

「最近、エジプト神話に出てくる頭がジャッカルのアヌビス?を見たって噂があるわね。それに海を走る人間や艦首と艦尾に長い柱をつけた船を見たっていう噂もあったわね。」

そう言って淡路さんは俺とキンジへ紅茶とコーヒーを置いた。うん、ニト連れてきて正解だったな。

「そうそう、日本では確認できない外来種のコガネムシが発見されたみたい。風紀班が全力で駆除してるみたいよ。このくらいかしら。」

うわぁ・・・虫の駆除は大変だ。後で風紀班の二人に差し入れしておくか?

「淡路さん、ありがとうございます。」

「いえいえ~常連さんだもの。少しはサービスしちゃうわ。」

「BLTサンド4人前、おまたせしました。ってイブキさん?お久しぶりです。」

ほんわかした声で紫がかった髪のナイスバディなウエイトレスがBLTサンドを運んできた。

「やぁ稲叢さん、久しぶり。最近色々あってここに来れなかったんだ。そうそう、こいつは遠山キンジ、幼馴染で仕事仲間。」

「初めまして、稲叢莉音です。」

「初めまして。」

すると淡路さんはくすっと笑い

「後は若い子たちに任せるわ。」

そう言って厨房へ去って行ってしまった。なぜニヤニヤしてたんだろうか・・・。

「稲叢さん、寮のみんなは元気かい?」

俺が稲叢さんに尋ねると、稲叢さんは少し顔を曇らせた。

「元気ですけど、エリナちゃん寂しがってましたよ。」

最近、忙しかったり怪我したりでアクア・エデンに来れなかったからなぁ。

「最近、色々あって時間がなかったんだ。で、今日これからカジノ警備の任務があって、ちょうどエリナのとこのカジノで警備なんだ。稲叢さん、エリナは今日カジノにいる?」

俺がそう言うと、稲叢さんは笑顔を浮かべた。

「今日、エリナちゃんはカジノにいますよ。きっと喜びます。」

「それなら少し早めに行こうかな。・・・そうだ、風紀班の二人に伝言頼める?今俺武偵やってるんだ。何か困ったことがあれば割安で依頼を受けるよって。」

すると稲叢さんは首を傾げた。

「あれ?イブキさんって軍人さんでしたよね。」

「武偵に出向になったんだ。今は東京武偵高の二年生ってわけ。」

稲叢さんは納得したようだ

「イブキ、風紀班ってなんだ?」

キンジが俺に聞いてきた。

「あー・・・ここは賭博と風俗が合法の土地だ。そんな地だと治安が悪くなる。で、警察ができないようなことをして治安維持に努めるのが風紀班だ。」

本当は裏に吸血鬼とか人外とか関わってくるけど、そこら辺は軍機だからな。

 俺と風紀班との関係は、俺がHS部隊に所属していた頃まで遡る。俺の所属していた第2中隊は海外問題の処理が主な任務だ。しかし、なぜかアクア・エデンは第2中隊の管轄だった。そのせいで何度かここでの任務があった。その時、俺と歳が近いと言う理由で矢来さんや布良さんと協力して任務に当たっていた。

「なるほどな。軍関係で?」

「これ以上は軍機。」

 稲叢さんとキンジと俺で雑談しながらBLTサンドを食べていたらそろそろ時間が近づいてきた。

「キンジ、少し早いけど行くか。」

「そうするか。ごちそうさま。」

「あ、長々と喋っちゃってすいません。」

「いいって。・・・とちょうど100円玉しかないや。いいかい?」

「大丈夫ですよ。」

俺は財布から大量の100円玉を出した。

「行くよ〜。1、2、3、4、・・・・・・13、14、あれ?今何時だい?」

「え?えっと・・・3時です。」

「24時制だと?」

「15j・・・」

「16、17、・・・・・・よしぴったり。」

そう言って俺は稲叢さんの方を向くと、

「はい、確かに頂きました。」

そう言って稲叢さんは満面の笑みを浮かべた。おいキンジ、そんなに睨むな。からかってるだけだ。ちゃんと料金は払うぞ。

「稲叢さん、1枚足りないから。はい。」

「え?ちゃんと料金はもらいましたよ?」

「いやいや、もう一回数えてみなって。」

俺がそう言うと、稲叢さんはもう一回数え始めた。

「あれ?100円足りないです!」

「だから、はい。」

「ちゃんと数えたのに・・・」

そう言って稲叢さんは100円玉を受け取った。この子、ちょっと天然過ぎるんだよなぁ・・・。心配だ。

「それじゃ、伝言よろしくね。ごちそうさま。」

「はい、ありがとうございました!」

 




DRACU-RIOT!より大房ひよ里、淡路萌香、稲叢莉音、エリナ・オレゴヴナ・アヴェーンが登場しました。

アレクサンドリアではBLTサンドが有名ということにしました。

両川さんは次回詳しく。

実は夏休みで「ナショナル・トレジャー」クロスさせようかと思いましたが・・・あそこって某ネズミーな会社から出されたと知って急いで変えました。ロサンゼルスです。国立公文書館で独立宣言書盗むのを目撃するとか絶対にありません。

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