7歳のクリスマス、俺は両親に連れられてアメリカ、ロサンゼルスにいた。この世界に来て初めての外国だ。とてもわくわくする。なぜロサンゼルスに来たのかというと、日系アメリカ人が作った会社「ナカジマ商事」のクリスマスパーティーに出席するためだ。両親曰く
「ナカジマ商事は結構お世話になってるから今年こそは出なきゃ」
だそうで。でもなぜか・・・俺の勘はここにいるとまずいと言っているんだが・・・大丈夫かね。
この時、勘に従ってホテルに閉じこもっていればなぁ・・・と今は思う。
ナカジマ商事のクリスマスパーティー中、どうしてもトイレに行きたくなった。ジュースでも飲みすぎたか?まぁ、やけにうまかったからな、ジュースより酒のほうが飲みたかったけど。
「父さん、母さんトイレ言ってくるわ」
「迷子にならないでね。迷子になったら近くのウェイターさんやウェイトレスさんに声かけるのよ」
「分かってるよ」
このころの記憶力ってすごいな。外国語とか古典漢文とかすらすら覚えられるの。転生前に中高で必死に英語を勉強したのがバカバカしいと思うぜ。
当時の俺(今もだけど)英語堪能だから、外国なのに一人でトイレ行かせちゃってもいいやとか思ってたのだろうな。ここでもし、俺の親が一緒に行ったら何か変わっていたかな・・・。うん親と一緒に殺されていたかもな。
トイレで用を足している時、後ろから疲れてそうな30代の白人のおっさんが来た。なぜか知らないが、無性にこのおっさんに声をかけなきゃいけないと思ったんだ。
「メリークリスマス、おっさん。おっさんもパーティーに?」
「ん?あぁ・・・そういうところだ」
「へぇ~、おっさん刑事やってるの?」
「なんでそう思ったんだ?」
「靴がやけにすり減ってる。歩くような職についてる、それなら刑事としか思えない」
「記者だってそうじゃねぇか。」
「肩が不自然に下がっている。この国でも銃を携帯しているのは警察かせいぜい軍人でしょ?」
「・・・・すげぇな坊主」
「おっさんの名前なんていうの?」
「お前、親から名前を聞くときは自分からって聞いたことあるか?まぁ、いい、俺の名前はジョニー・マクレーだ」
「おっさん結局自分の名前いうのかよ、俺は村田維吹って言うんだ。」
ん?「ナカジマ商事」、「ナカジマプラザでパーティー」、「ジョニー・マクレー」、なんか映画で似ているの見たことがあるぞ。あれは確か・・・・
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!!!!!!!!!!
「なんだなんだ!!!。くそッタレ!!!」
ダイ・〇ード!!!!!!!!!!!?????????え?なんで?ここ緋弾のアリアじゃないの?
「おい、坊主!!ここでじっとしてろ!!!」
「・・・うん」
なんか若干違うけど、ダ〇・ハードまでクロスかよ!?
数分間じっとしてたけど、ここで隠れていてばれたら殺されるんじゃね?とか考えて、マクレーのおっさん探したんだ。だって、緋弾のアリアよりも前に見たんだぜダイ・ハー〇。覚えてるの、それこそ有名なアクションシーンぐらいしかねぇよ。
もしかしたらテロリストは子供に平気で銃撃つかもしれねぇ。それならまだマクレーのおっさんについて行ったほうがいい。そう思ったんだ。だけど、今だからこそ言える。当時の俺、馬鹿じゃねぇの?
探していたら、銃声がしたほうの階段からマクレーのおっさんと誰だかわかんない男が落ちてきた。そのあと、その誰だかわかんない男が動かないからか、安心しておっさんが男から手を放して肩で息していた。そしたら動かなかった男が急に動き出して・・・っておっさんが危ない!!!手に持っていたハンマーでとっさにその男を殴った。だいぶいい衝撃がして男はうごかなくなった。
「おっさん、油断すんなよ・・・」
「坊主なんでここにいやがる。トイレでじっとしてろッて言ったはずだぞ。」
「トイレでじっとするより、おっさんについて行ったほうが安全だと思ったんだ。敵は子供にも容赦なく撃ちそうな感じだったから。」
「来たって足手まといだ。すっこんでろ。」
「少なくとも今は役に立ったはずだぞおっさん。」
そういって動かない男の腰から拳銃を取り出して、10メートルくらい先のドアノブに向かって5発撃った。全て命中。意外と当たるもんだな。
「人を殺さなきゃなんねぇぞ。」
「どうせ殺さなきゃ、殺されるんだ。座して待つよりあがくほうがいい。」
「っけ!ませやがって。ロン・ロジャーにでもあこがれたか?足手まといになったら置いてくからな、くそッタレ!!」
「合点だぁ!!」
こうして、マクレーのおっさんと一人一人敵を無力化していったわけだ。通気口のとこもぐったり、俺の上着破いて作った即席の靴履いてガラス片ばかりのところ走ったり、屋上で俺がホース見つけてきて、それを使って二人一緒に屋上からダイブしたり・・・・。あのおっさん格闘は弱いというか力任せだから二人で一人に当たらないときついし、しかも爆弾をエレベーターに落としたのにずっとのぞきこんでるんだぞ。慌てて伏せさせて何とか負傷しないで済んだけど・・・。そして、敵のボスがおっさんの嫁さんの腕につかまって宙ぶらりんはさらに驚いた。慌てて俺がパンツの中に隠しておいた拳銃で敵のボスの頭に風穴開けてなんとか一件落着。そして敵のボス無力化した後、おっさんと嫁さんが濃厚なキッス・・・・・・大丈夫自分は空気が読める人間・・・・・・邪魔はしないさ。何分か待っているとキスが終わったのか嫁さんが
「そういえば、あの坊やは誰?」
「ん?あの坊主は俺の相棒だ」
うれしいこと言ってくれるじゃないか。そういえばマクレーのおっさんは嫁さんと別居中だっけか、
「こんばんは、マクレー夫人。ジョニー・マクレーさんと一緒に戦った、村田維吹と言います。戦闘中や移動中にさんざん夫人ののろけ話聞かされましたが、なるほど納得です。」
あ、マクレーのおっさん眉ひそめてる。
「あら、ずいぶんませたこと言うのね。この人が言えって言ったの?」
「本当のことですよ。戦闘に関係ある話以外は、ほとんどのろけ話・・・・。」
遠い目をしていった。これぐらいしたらマクレーのおっさんも喜ぶだろ。
「フフフ、本当みたいね。」
「そういえば坊主、お前両親に会ったらだいぶ絞られるんじゃないか?。」
無理やり話し変えたな、このおっさん。ってそういえばそうだった。
「っておい。なんでそこまで落ち込んでんだ坊主。」
orzの状態になっちまったよ。ヤバい、そうだった、忘れてた・・・。マクレーのおっさん思い出させるなよ・・。
「マクレーのおっさん助けてくれ。」
「俺はお兄さんだからな、おっさんって誰だw?」
このおっさん地味に歳のこと根に持ってやがった。
そんなこんなでナカジマプラザでのテロリスト襲撃事件が終わり、かろうじて生きてたやつも警察のおっさんが無力化して一件落着・・・・・・。
「維吹、何てことをしていたの!!!!。」
「心配したんだぞ!!!。」
俺の親と再会して、涙ぐみながら抱いてくれた我が両親は今、修羅になってます。お母様、お父様、ここ他人の目が沢山あるところ・・・。
「ちょっといいですか?」
「なんですか!!!」
マクレーのおっさん!!もしかして助けて・・・
「彼は本官と一緒にこのテロリスト達を無力化していました。彼は何度も本官を助けてくれました。まぁいささか蛮勇な部分もありましたけどね。ここでは人がたくさん見ています。ホテルで叱ってはどうですか?」
このおっさん、問題先送りにしやがった・・・・。
「私はニューヨーク市警察巡査部長のジョニー・マクレー。彼女は私の妻マリー・マクレー。」
「ご親切にどうも。私が維吹の父親の村田康夫、こちらが母の村田勝子です。」
「母の勝子です。」
「戦友をここで叱らせたままはさすがに私も思うところがあります。車でホテルまでお送りしましょう。」
って言ったらリムジンが来て乗るように誘ってきた。マクレーのおっさん・・・普通にしゃべれたんだな・・・似合ってねぇぞ。」
「おい、聞こえてるぞ坊主。こういうようにしゃべらないといけない場合があるんだよ。さぁお二人とも乗ってください。」
俺の両親はリムジンに乗ってナカジマプラザを後にした。
今ならよくわかる、あのおっさんと俺はよくテロリストに対して生きてたな・・・。あのおっさん火器爆薬の知識はあっても格闘は力任せ、俺は銃と棒は多少できるが、体が小さいせいで力が入らないし至近距離ではテロリストには完敗であっただろう。
これがマクレーのおっさんとの初めての出会いだった。
ダイ(死に)・ハー〇(辛い)
あの映画借りたいけど、今、お金がない・・・