1:コスプレ
俺達HS部隊第2中隊第1小隊は「七生報国」を胸に、今日も訓練に明け暮れていた。そんな部下たちを見守るのが「自走式暴力装置」こと鬼塚鬼次中尉。その暴君ぶりからみんなに恐れらている中尉だが、秘密のブログ「あおぞら特殊部隊 ~部下と過ごす楽しい日々~」を開設し、部下との思い出をマメに綴るなど見かけによらず部下思いの一面もある。そんな中尉だからこそ、部下たちに関する悩みは人一倍深いようだ。
「厳しい戦いになるな・・・。」
「ハイ?」
そう言って鬼塚中尉は去っていった。部下の命を預かる上官としての責任と重圧、それがどれほど重い物なのか、俺もいつか知るときが来るんだろう。
ちょうど辻さんが通りかかったので、
「辻さん、鬼塚中尉が独り言で‘‘厳しい戦いになる’’って言ってたんですけど・・・。」
「少なくても、この希信が知っている限りないと・・・あぁ、もしかして・・・。」
「知ってるんですか?」
「いや、何でもない。まだ希信の憶測を出ないからな。」
なんか嫌な予感するなぁ・・・。
俺は兵舎近くで食料弾薬の運搬をしていた。すると兵舎から鬼塚中尉が出てきた。
「ボウズ!!」
「はい、なんでしょう?」
「ちょっといいか?」
鬼塚中尉はまじめな顔をし、
「岩下、呼んで来い。」
なにか重要な事でもあるのか?
俺は岩下さんを呼び出しに行った。岩下さんは銃の整備をしていたが、それをすぐ片付け、中尉の部屋へ俺と一緒に向かった。途中で田中さんとメガネさんも加わった。
「なんで俺だけ呼び出されるんッスよ・・・。中尉、イブキに何か言ってたッスか?」
「いえ、俺は呼んで来いとしか聞かれてないです。でも、やけにまじめな顔で言ってましたね。それに最近悩んでいるようだったので、岩下さんに伝えたいことでもあるんですかねぇ?」
「まーた、一緒に遊園地とか笑えないッスよ・・・。」
そう言って岩下さんはため息をついた。
「岩下、入ります。」
そう言って岩下さんは鬼塚中尉の部屋へ入って行った。もちろん俺、田中さん、メガネさんは聞き耳を立てる。
「そこ座れ。」
「な、なんスか、改めて話って・・・。」
「俺なりに考えた結果だ。恨んでくれるなよ・・・。お前は次の作戦の選抜メンバーだ。」
「え?選抜メンバー?またまた!なんスか、選抜メンバーって!こないだみたいに平日の徹マンとかは厳しいんで勘弁してほしいッスよ・・・。へへへ・・・。」
そして、しばらくたった後、鬼塚中尉は言った。
「残念だが、今回は遊びじゃねぇ・・・。作戦は市街で行われる。ハチの巣つついたような戦場よ!!俺に・・・命預けるか?」
「・・・余裕ッス!!」
「よし・・・今から言うことを頭に叩き込め!!!」
「ハイ!!」
「一つ目!!お前の語尾は‘‘ヤンス’’!!」
「はぁ?」
「お前のキャラ設定はこうだ!‘‘かつては盗賊を生業とする子悪党!!現在はその俊敏さを生かし、主人公と行動を共に!」
「何言ってるんスか?」
「語尾に‘‘ヤンス’’をつけろといっただろうが!!あの戦場に飛び込んだら生半可じゃ勝てねぇんだ!!口を開く際には語尾に‘‘ヤンス’’をつけ、努めてすばしっこく行動しキャラへの理解を深めるように!!以上だ!!」
それを盗み聞きしていた俺たち三人は逃げだした。俺たちまで被害が来る前に逃げなくては!!
だが、岩下さんは絶対に道連れにしてやるという執念か
「オヤビンがお呼びでヤンスよ。」
そう言って田中さんを引きずっていった。田中さんあなたのことは忘れないよ。
「俺もかよ~~~!!!」
そして、メガネさんも岩下さんと田中さんに
「オヤビンがお呼びでヤンスよ。」
「呼んでるでゴワス。」
「なんで俺もなんですか~~!!」
メガネさん犠牲は忘れない!!
その後、三人の執念はすごく、「影を薄くする技」を使っても連行された。マジかよ・・・。
「オヤビンがお呼びでヤンスよ。」
「呼んでるでゴワス。」
「呼んでるニョ。」
「俺もか~~!!あとメガネさんが女装とか俺はどうなるんだぁ~~!!」
連行され、鬼塚中尉の前に出された。
「お前は主人公を助ける妖精!!語尾は‘‘ピポ’’だ!!」
「不幸だピポ~~!!」
東京ビックサイトにおいて、辻さん、神城さん、それになぜか角山中隊長三人で大きなドラゴンの被り物で暴れていた。(獅子舞のようにやって大きなドラゴンを再現)そこにヌンチャクの先に鎌をつけ飛行帽をかぶった岩下さん、毛皮を着てハンマーを持つ田中さん、ツインテールで女装するメガネさん、羽の生えた服を着る俺が来た。
「おいでやすったでヤンスね。」
「オイドンに任せるでゴワス。」
「あの子泣いてるニョ。」
「ピポー!あのモンスターに僕らの村は滅ぼされたピポ!!主人公キャラじゃないと倒せないピポ!!」
そして、ビックサイト上空を飛んでいるC-1から大きな剣を担いだ鬼塚中尉が飛び降りてきた。(もちろんパラシュート無し)
「呼んだかーー!!」
そしてきれいに着地、見ている人たちからフラッシュの雨が・・・。
「超撮られてるッスよ・・・。」
「中尉にとっちゃ、最高のブログネタだな。」
「あの、ハマりそうなの、俺だけですか?」
「メガネさん、きっと疲れてるんですよ。きっと・・・。」
中尉はドラゴンに向けて剣を振り、
「9999、9999、9999、俺強ぇえええええええええ!!!」
悩みぬいた鬼塚中尉の配役がうまかったのか、エフナルエフタジーのコスプレショーで多くのギャラリーを魅了することに成功した。
「〇〇テレビの者ですが・・・。」
マジかよ・・・。
2:かなめ
「とりあえず俺の義妹になったからよろしく。」
「イブキにぃの義妹の村田かなめです!!よろしく!!」
俺の家族を追い出そうとしたりしたら、縁斬るぞって脅したから何とか大丈夫そうかな。
「まさかの妹キャラ!!もっと押さないと良妻の位置が危ういか!?」
意外に玉藻は敵愾心全開あれぇ?
「イブキ・・・新しい女かい?なぜか、こう、むかむかするっていうのかな?」
エルさん、瞳孔開いて僕を見ないでください。
「主殿の義妹ですか!!よろしくお願いします!!」
あぁ、牛若が暴走しないでよかった。
「余はネロ・クラウディウス!!かなめとやらも美しいな!!イブキよ!よくぞ連れてきた!!」
ネロさん、あなた手出しちゃだめだよ。
「そうですか、私はニトクリス。イブキの同盟者であり、ファラオです。」
「彼女は信じられないがファラオだ!私はトーマス・アルバ・エジソンである!」
「スカサハだ。」
「ベオウルフ。じゃあ、殴りに行こうぜ!!って引くなよ・・・。」
・・・まぁ、最初の印象はよかったのかな?
「イブキにぃ、顔がライオンの人がいるんだけど・・・。」
「大丈夫、顔がライオンでもすごく優秀な人だから。」
かなめはだいぶ驚いてた。
数日後、かなめはみんなと仲良くなった。特に玉藻にはだいぶ懐いたようだ。よく玉藻と一緒に家事をしたりしている。玉藻曰く
「娘のような、妹のような子と思ってますねぇ。」
でも玉藻さん、かなめに一夫多妻去勢拳を教えるのやめてください。怖いです。
3:島流し
私は山口多聞丸少将。第5艦隊参謀長で司令長官代理だ。第5艦隊は日本の北方を守る艦隊だ。
「中央から荷物が届きました。」
そう言って従卒の兵と数人で人間が一人は入るくらいの箱を持ってきた。
「何でも兵部省直轄部隊から来たようです。」
となるとHS部隊か?なぜそんなところから。
「開けてくれないか?」
「は!!」
そうして箱を開けると、軍服を着た少年が気絶していた。これは村田少尉か。彼は士官候補生の時に会っていたな。幼年学校から一気に海軍兵学校の実地訓練まで行ったのは初めてだそうなので驚いた覚えがある。おや?彼の上に手紙がある。
「北方部隊での研修をお願いします。
HS部隊第2中隊長 角山中佐
HS部隊第2中隊第1小隊長 鬼塚中尉」
・・・なるほど。たぶん「自走式暴力装置」による結果か。ここまで噂が広まっているんだ。本当のことなのだろう。お?少年が起きたようだ。
「え?はい?って山口少将!!」
「落ち着きなさい。ここは第5艦隊だ。」
そうして彼にどうしてここにいるかということを伝えた。とりあえず私の近くで研修してもらおう。士官候補生の時もだいぶ面白かったし。
村田少尉が来て数日後、所属不明の漁船群が我々の艦に向かって攻撃してきたそうだ。幸い弾は当たらなかったそうだ。
「攻撃しろ!!すべて沈めろ!!」
私は頭にきた。我が艦隊を攻撃だと!?すべて沈めてしまえ!!
「ちょっと待ってください少将!!」
そこに村田少尉が手をあげ発言を求めた。
「少尉風情が意見具申か!!」
「大人にもなってない者が意見するか!!」
参謀たちが村田少尉を避難した。その光景を見て、私は少し落ち着いた。
「まぁまぁ、彼は入ったばっかりだ。柔軟な意見が聞けるかもしれない。」
そう言って私は村田少尉の意見を聞こうとした。士官候補生の時もだいぶ面白かったな。
「は!!私の意見としましては一部漁船を沈め、残りの漁船を逃がしてしまおうと思います!!」
「「「なんだと!!」」」
参謀たちは憤慨しているな。
「まだあります。その漁船を偵察機やレーダーで追い、どこ国に所属しているかを知り、そのことを中央に流します。そこから国を非難させようと思います!!」
「もし、中央が何もしなかったらどうする?」
「漁船が我々の艦を攻撃した映像は残っているはずです。その映像を流出させましょう。我が艦隊は架空の人物がその情報を流したとすればいいと思います。」
「面白い、その案を修正し実行してみよう。」
この少尉は面白い。何とか私の下におけないものか?
4:師匠再び
イブキが東京武偵高へ転入すると聞いて驚いた。最近、私は道場のバイト以外にそこの高校の非常勤ではあるが教師をやっていたからだ。エジソンがそこで働いており、彼からの推薦で入った。そこの生徒はセタンタやイブキほどではないが骨のあるやつが多い。道場より教えがいがあっていい。そこにイブキが転入か・・・。また私がイブキを修行させることができる!!私はうれしかった。
転入生は仮のランク付けをするため、教師と戦闘するらしい。そこで私が名乗り出た。イブキが軍でどのくらいになったのか知りたかったからだ。文句を言ったやつには槍を投げ、全員一致で私が担当することになった。
私は驚いた。イブキの銃はもう少しというところがあるが、あの「影の薄くなる技」で私は一瞬イブキがどこにいるかわからなくなった。また、懐の中にまで入ることができるようになっていた。もっと成長し、私を殺せるようになってほしい。
最近、ベオウルフもこの学校で非常勤で働いているらしい。殴り合いはいいが、全員イブキと同じようにはいかない。そのことを頭に入れろ。入って一週間で何人病院送りにしたんだ?まったく・・・。
5:勇者
リサはボストーク号にいた時、勇者様に出会いました。まさにシャーロック卿が言った通り、「東からくる。ちょっと目つきが悪くて、しゃべり方はぶっきらぼうで女たらし」「渡り蝶を空に見るとき。」東とは極東から、目つきはブラド様を解体してる時はとても悪かったです。しゃべり方はぶっきらぼうというより乱暴のほうが合ってるような気がしますね。女たらしかどうかはわかりませんがそうなのでしょう。渡り蝶とは、この世とあの世を渡る蝶という事だったんですね。流石シャーロック卿です。
「なので、リサはここを降ります。シャーロック卿、長い間お世話になりました。」
「うん、ちょっと待とうか。そんなこと僕の推理にないよ。」
「冗談がきついですよ。では。」
そうして私は一礼し、ここを降りた。
「イブキ様は軍人ですが今は東京武偵高校に通っているそうですね。きっとリサのご主人様になってくれるはずです!!」
早く会いたくてしょうがないです。
ボストーク号にて
「うん、あのタコ、イカ、ブイの襲撃は僕の条理予知にはない。それに彼女のことも予想外だ。推理が鈍った?いや違う・・・。僕の知らないイレギュラーがいるのか?」
師匠にベオウルフも学校関係者に・・・。他のキャラが魔改造されそう・・・。生徒の間では、師匠は「話は通じるけど、訓練がおかしい人」、ベオウルフは「話が通じるイイ兄貴だけど、脳筋」
シャーロックでも辻さんと鬼塚の行動は予想外。さらにその二人に神城とイブキの丈夫さはさらに予想外。このせいで推理に大きな穴が開いています。
次回から原作開始!!