少年士官と緋弾のアリア   作:関東の酒飲

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やっと家に帰ってこれた。


辻さんの使い過ぎもよくない・・・

俺達5人は東京武偵高に来た。とうとう来てしまったんだな。おかしいな、平穏に生きるため海軍に入り、軍艦の中でボタンを押す仕事になりたかったのに・・・。

 東京武偵高で手続きをし、俺達は荷物を整理するため、それぞれ充てられた寮の部屋へ行った。(なお、サーヴァント4人はみんな同じ部屋だそうだ)

「どうも~、転入する村田維吹です。って何だキンジか。」

「転入生がここに住むって聞いてたからまさかとは思ったけど、イブキとはな。」

まぁ、確かこいつは原作では一人ででかい部屋に住んでたんだっけ。それなら充てられても不思議じゃないな。

「キンジ、お前強襲科なんだって?俺もなんだ。先輩よろで~す。」

「まぁ、多少のことは教えてやるけどさ。イブキのほうが実力上だろ?俺が引き取られた後、空港でテロリストとやりあったってニュースで聞いたぞ、‘‘不死の英雄(ノーライフ・ヒーロー)’’だっけ?」

この野郎、からかってやがる。

「実は軍の意向で変更になってね。‘‘不死の英雄(ノーライフ・ヒーロー)’’から‘‘不死の英霊(イモータル・スピリット)’’になったんだ。あとからかってるだろう。」

「悪かったって。あと妹の件、頭は大丈夫か?」

やっぱり信用できないよなぁ・・・。

「軍の秘密作戦で保護されてな。まぁ、DNAでキンジの父さんが親ってことがわかったから、キンジの妹なんだ。ついでに俺が引き取ったから俺の義妹でもある。」

「そうなのか、複雑な関係だなぁ・・・。父さん、不倫してたのか・・・。」

あ、そう思っちゃうよな。

「軍機だから出生のことは言えないけど、少なくともキンジの父さんが不倫してできたってわけじゃないから安心しろ。あとキンジの弟もいるから。」

そう言ったらキンジはorzの体勢になってしまった。急に家族が増えたんだ、気持ちはわかる。

 

 そして次の日、久しぶりに白雪に会った。そこにエルと牛若、ネロ、ニトが来て一悶着があったが気にしない。その後、俺たち5人は武偵ランクを計るために東京武偵高に来ていた。俺とネロ、牛若は強襲科、エルとニトはSSRに行った。エルは強襲科に行きたかったみたいだが、さすがに戦い方がなぁ・・・。自由履修ができるなどと言い、何とか説得した。

 強襲科に行った俺たちは部屋に案内された。そこから一人づつ呼ばれ教官と戦い、簡単なランク付けをするそうだ。何でも、どうせ近々来年のためのランク付けの試験があるし、仮でいいだろって思ったからだそうだ。

「村田~。お前の番だ。」

「ハイ。」

生徒であろう人に呼ばれ、俺は試験が行われるであろうとこまで誘導された。って強襲科の円形闘技場みたいなとこでやるのか、なんか多くの生徒が見てるし。そして闘技場の中には私服の師匠がいた。why?

「あの、師匠?なんでここにいるんですか?」

「ここで非常勤であるが教師をしている。セタンタほどではないがここには勇者が沢山いるから教えがいがあっていい。さぁ、お主の実力を計るとするか。イブキ、私を殺せるか?」

道場のバイトに加えて教師もやってたのか。だから俺が東京武偵高に行くって言った時何も言わなかったのか。今理解した。

「師匠が相手とか、きつすぎでしょ。はぁ・・・やるしかないんですよね・・・。」

「当り前だ。力を見せるがよい、勇士よ。出来なければお前の命を貰うまで。」

チクショウめ!!

「てやんでぇ!!その命!もらって見せラァ!!」

 

 もちろん、負けましたよ、えぇ。闘技場が壊れるから宝具なしの技術勝負だったけど。というかやっぱり師匠は異常だ。25ミリ機銃撃っても槍で弾を弾く、銃は効かないからって「影を薄くする技」を使って近づいても普通に対応してくる、懐に入っても槍で普通に対応するってどういうことだよ?距離1メートルもないところから拳銃撃っても対応するとか化け物過ぎる。

 ネロと牛若も師匠と対決したらしい。二人も負けたそうだ。宝具さえ使えれば・・・って言ってたけど使ったらこの学園島、最悪沈むぞ。

 俺とネロ、牛若はAランク(仮)だそうだ。正式じゃないから、殺そうとしていたから、という理由でSではないらしい。どう考えても師匠と対決するなら殺す気でやらないときついし、師匠は死なないだろうという考えでやったのがまずかったかな。ニトとエルはSSRでのランクはS相当のA(仮)だそうだ。こっちは正式じゃないからという理由でAらしい。納得の結果だ。

 

 俺達5人は1週間ほどでずいぶんとなじんだ。キンジが友達の武藤や不知火を紹介してくれたり、4人に慕われてるからって強襲科で戦いを挑まれたり、エルが強襲科に居座るようになったり、挙句の果てに4人のファンクラブができたらしい。まぁ、ドンパチが多いが、この世界ではほとんどできなかった学生生活を謳歌していた。その時、あるニュースが飛び込んできた。キンイチさんが死んだという話だ。ただでさえキンジは家族親戚は少ないのにキンイチさんが死んだというのはショックのようだ。さらに、キンイチさんが乗っていた船の船会社は責任をすべてキンイチさんに押し付けようとしていた。これにマスコミが便乗、連日寮の部屋の玄関までカメラが回る。さすがに俺はこのことにブチギレた。

「キンジ、キンイチさんは武偵だろ?任務のために死んだことになっているだけだと思うぞ。キンイチさんの実力はキンジが良く知ってるはずだ。」

「そうかな・・・。」

「船会社とマスコミは俺が何とかする。キンジお前は部屋で休んでろ。」

「あぁ・・・。」

キンジは大分ショックを受けているのだろう、ふらふらとベットへ向かった。さて、マスコミ対策をするか。俺一人では何もできないが、マクレーのおっさん曰く「こういう時は、友人に頼むのがいいんだ」。早速俺は携帯を手に取った。

「もしもし?」

「おぉ!!イブキ大尉!!元気に学生を楽しんでいるか!?この希信は心配で。」

「あぁ大丈夫、楽しんでますよ。ところで辻さん、今暇?」

「毎日訓練だけで。希信は暇で暇で・・・。」

よし、暇だな。

「辻さん、その暇を解消させる出来事を持ってきたんですよ。」

「なんだと!?イブキ大尉!!この希信に早く!!」

よし!!食らいついた。

「最近ニュースで船が沈んで、そこにいた武偵が批判されていますよね?その武偵の弟が俺の友達で、しかもルームメイトなんですよ。その友人がこれの件で大分落ち込んじゃいまして。」

「なるほど、あのニュースは船会社の責任逃れのために色々と言ってるのはすぐに分かった。それにマスコミも便乗するとはおかしいはずだし、この希信もおかしいと思っていたが・・・。もしや・・・。」

「はい、辻さんに船会社にちゃんと責任を取らせるようにしたいなと。あと、俺たちの部屋にまでマスコミは来るし、マスコミの報道もだいぶ偏っています。ちょっとマスコミも自重ってのを覚えてもらいたいと思いまして。報道しない権利とか言って、偏向報道するのは国民の知る権利を阻害する。それにマスコミによって国防の危機になったこともありましたし。」

「この希信!!全力で協力しましょう!!なに、脛に傷がないやつはいない!!火のないところに煙は立たないが、人間は有史以来どこにでも火をつけられる!!この希信に任せなさい!!イブキ大尉は・・・。」

辻さんもやる気だな。そして辻さんは俺が何をすればいいかという作戦を伝えた。

「・・・わかりました。道具と人は送ってくれませんか?」

「明日の午前には着くだろう。作戦は早い方が良い、明日の午後には決行するように。希信は兵部省へ行き、陸軍省の永田鉄海中将、大本営の東条英雄少将にこのことを話す。すぐに決行されるはずだ。では。」

「よろしくお願いします。」

 

 次の日はちょうど休みだった。これは好都合だ。10時ぐらいに道具と憲兵さんがやってきて、キンジも加えこの作戦を話した。キンジは最初乗り気ではなかったが、俺が

「流石にマスコミに追われるのは嫌だろ?」

この一言で参加を決意したようだ。

 午後、俺たちはわざと玄関を半開きにした。そうしたらマスコミは来るわ来るわ、土足で上がり込むやつもいるし・・・。掃除が大変だな・・・。そしてマスコミは軍機と書かれてある紙を持つ俺、キンジ、憲兵を見つけた。

「シージャックについて・・・。」

「午後一時十二分、住居侵入罪および軍機保護法違反の現行犯によりお前らを逮捕する!!!」

そこから憲兵さん達はその場にいたマスコミを全員逮捕。留置所に連行された。また、船会社の幹部とマスコミが繋がっていたことが発覚。違うところからマスコミが軍・武偵を貶めようとしていた、という証言が出てきた。マスコミはこのことを少ししか報道しなかったが、SNSでは大炎上。これらのおかげでマスコミ各社と船会社の上層部は全員が辞職したようだ。やっと俺らはマスコミに追われることがなくなった。

「なぁ、これってイブキの仕業か?」

「俺じゃないけど、上司がやったんだ。後悔はしてないが反省はしてる。」

 後日、

「もしもし辻さん?そういえばあの件ってどこまで本当なんですか?」

「まぁ、証拠の大半は希信の作った捏造だが、ほとんど事実だ。だいぶ希信が大きくしたがね。あとはSNSで炎上させれば終わりだ。‘‘9割の凡人を扇動すれば、1割の知識人は動かざるを得ない’’このことは覚えておくといい。今はこの事件の処理で希信は忙しい。この件を持ってきてくれて希信は感謝する!!では。」

うん、無関係の方達、どうもすいませんでした。

 

 そして、俺達5人は武偵高校の授業を受けたり、依頼を受けたりした。意外に充実した生活に満足した。キンジは転科願いを出し、来年は探偵科になるそうだ。やっぱりあの事件を引きづっているようだな。

 学年末にテストを受け、俺達5人は全員Sランクを取った。あんな訓練していたんだ、取れて当然だと思うだろ?実は不殺がだいぶ難しかったんだ。テストの時に教師が試験場に潜んでいるのだが、俺の試験の時に潜んでいたのが師匠だった。流石に殺す気でいかないときつい。おかげでSランクギリギリだったそうだ。おい、師匠・・・。

 

そして時は過ぎ4月、とうとう原作が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 




軍機と書かれた紙には廃案になった昔の作戦が書かれてあって、仮にばれても痛いところはないという設定。

実は辻さん、これでも自重したほう。流石に部下に迷惑はあまりかけられないと思い、自重した・・・っていう設定。自重しなかったらどうなるんだろう・・・。

閑話を入れてから原作を開始します。


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