仮面ライダーARTHUR 王の名を持つ仮面の騎士 作:名もなきA・弐
それでは、どうぞ。
世の中は常に不条理だ…だからこそ、正義や裁きが執行されない。
だけど、そこから一歩踏み出すことでそれを行える可能性が出来るのだ。
そう、それをするだけの勇気があればだ……。
少年『
目の前に映るのは自分と同い年ぐらいの少女…彼女の周囲には柄の悪い男性、数人の不良がたむろしており、下種な視線を向けている。
目の前の少女が怯えている…そしてこの現場に気づいたのは自分だけ、それならば自分が助けるのが道理だ。
だけど、怖い……。
もしもこの後自分があの連中に絡まれたら?もしもその次の日に顔を覚えられていたら?
そんな妄想にも近い恐怖心が彼の内に宿る正義感を鈍らせていく。
(僕は…僕はっ!!)
ぎゅっと強く瞑っていた目を開くと、その足を一歩踏みだしていた。
「やっ、やめろっ!!!」
必死に声を搾り出して、大声を張り上げる。
裏返ったその声は確かに周囲に響き渡り、先ほどまで上機嫌だった不良たちの顔が怪訝なものに変わると、自分を睨みつける。
「何だ、てめぇ?」
「や、やめろっ…その子、嫌がっているだろっ」
口調こそ強気だったがその弱々しい言動がおかしかったのか不良たちは爆笑する。
逃げ出したい気持ちや恥じらいの中に宿ったのは微かな怒り…まるで炎のようにそれが燃え上がって行く。
ニヤニヤと笑いながら不良の一人が近づいていく、「もう駄目だ」と思った時だった。
「何をやっとるんじゃっ!!」
一人の女性の声が響いた。
護は帰り道を重い足取りで歩いていた。
あの後は自分より年上の女子高生に不良たちは追い払われてしまい、絡まれていた少女も無事に助かった。
彼女は自分の行いについて「勇気ある行動でした」と褒めてくれたが何も嬉しくはなかった。
結局のところ、自分は何も出来なかった…あの不良たちに臆してしまい何をすることが出来なかった。
だからこそ彼は思う、もしも自分に力があればと……。
自分に、悪を滅ぼすための力と勇気があれば良かったのにと……。
その思いは、やがて現実となる。
『だったら、テメーの本当の力を解放してやるよ』
エラーという歪んだ形として……。
夜桜は昨日のことが頭から離れなかった。
忍務の帰り道に不良に襲われている中学生二人を見つけ、追い払うことが出来たがあの男子中学生のことが気になったのだ。
あの時の彼の目…自分の正義こそが絶対だと信じてならないあの目、まるでかつての自分たちのような少年の目に嫌な予感を覚えた。
もちろん、自分の気のせいだということはある…だがどうしても頭から離れない。
何か、嫌なことが起きるような……。
(…て、何を考えているのですかわしは!!)
頭を振って思考を止める、今自分のすることはこの場にいない少年のことではなく食材の買い出しだ。
必要な材料は買ったし「後は」と夜桜が紙のメモを取り出して確認していた時、小石か何かに躓いてしまったのか前のめりになってしまう。
受け身を取ろうにも両手は持っている買い物袋によって塞がれているため、どうすることも出来ない。
(倒れるっ!)
夜桜が衝撃に備えて目を瞑ったがしばらくしても衝撃が来ない、恐る恐る目を開けると視界には黒い何かに覆われており一瞬何が起こっているのか分からない。
「大丈夫ですか?」
優しい声に顔を上げると見覚えのある少年の顔が見える。
「……門矢君」
「こんにちは」
へらへらと笑う彼と今の状況…彼に支えられている状況に少しだけ夜桜は顔を赤くするのであった。
「よい、しょっと。これで大丈夫ですか?」
「は、はいっ。ありがとうございます」
買い物袋を二つ持って尋ねる彼に夜桜は笑顔でお礼を述べる。
自分の持っている袋の量を見て戒が手伝ってくれたのだ、最初こそ彼女は「気を遣わなくて良い」と言ったが放っておけないらしくこうして持ってくれたのだ。
そんな彼に対して夜桜は再び胸の内で感謝すると帰路を歩き始める。
「結構多いですけど、何時もこの量を?」
「はい、全員が良く食べるので」
「へー」と感心する彼に対して夜桜は楽しそうに笑う…まるで弟のような彼の反応に懐かしさを感じる。
「雪泉が気に入るのも分かるな」と思いながらも彼女は戒に対して思慕の感情を抱いていたが…。
その後は他愛もない会話を楽しそうに交えている中、ふと帰り道にある空き地に昨日の不良たちと、そして少年がいるのを見つける。
複数の不良たちと対峙する一人の少年…まるで昨日の出来事を再現しているかのようだ。
「あの子…?」
「知り合いですか?」
「いえっ、ですが昨日も不良たちを立ち向かおうとして」
「どちらにせよ、放っておくわけには…っ!?」
夜桜と話しながらも、戒は彼らの元へ向かおうとするが少しだけ立ち止まってしまう…今さら臆病風に吹かれたわけでもない、ならば何故止まってしまったのか。
それは少年から異様な気配を感じたからだ。
「昨日の臆病者君じゃーん、何っ?今日はあのボインなねーちゃんはいねーの?」
「別に良いんじゃね?昨日の慰謝料ってことでこいつからもらおうぜ」
「良いねー、賛成っ!!」
そう言って、笑い合う不良たちに対して少年…護は握っていた拳をさらに強く握り締めるとやがて小さな声で話し始めた。
「……が」
「あっ?」
聞き取れない声量で呟いた彼に対して不良の一人が眉をひそめて聞き返そうとするが、それよりも早く護が大きな声で叫んだ。
「ゴミがって言ったんだよ、害悪どもっ!!!」
その言葉に楽しげに笑っていた不良の表情が怒りで赤く染まる、その様子を夜桜は驚き最初に抱いていた嫌な感覚が湧き上がる。
不良たちの殺気にも表情を変えず、正義は独り言を言いながらポケットからエラーカセットを取り出し、両手で持ったそれのスイッチを押した。
「腐ってるっ、お前たちは腐っているんだ…だからみんな腐って行くんだ、だったら…!!」
【LOADING…GAME START…】
電子音声と共に護の身体はデータ状の魔力に包まれて変化していく。
一言で表すならば全身に白い炎を纏った狐のような姿だが白いボディには赤いラインが所々ペイントされており、何処かヒロイックな印象を与える姿だ。
炎のように燃え上がる青白いモノアイを持つ炎の異形……『フラム・エラー』は白い西洋剣を生成する。
「はっ…な、何だよっ、お前っ?」
その姿に、今まで得意気であった不良たちも恐怖してしまう…対して護が融合変身したフラムはぶつぶつと呪詛のように言葉を紡ぐ。
『腐ってる…世界のゴミは…灰に帰さなきゃ……』
『あはははははっっ!!そうだ、今の君はヒーローだ!さぁ、ゴミ掃除といこうじゃないかっ!!』
フラムの言葉に、自我を獲得したエラーカセットが少年の声で楽しそうに叫ぶと西洋剣を構える。
そこでようやく不良たちは理解する、本気で自分たちを始末するのだと……。
「うっ、うああああああああああああああっっっ!!!」
恐怖に耐えられなくなった不良の一人が逃げ出そうとするが、フラムの身体から白い炎が放出されるとやがてそれはフラムそっくりの姿へと変わる。
次々と逃げ道を封じるように現れた分身たちに完全に包囲された彼らを見下すように、フラムは西洋剣を両手で構える。
『言い残すことは、ある…?』
「頼むっ!た、助けてっ、もうこんなことはしないっ!だから命だけはっ!!」
その言葉に残りの不良たちも土下座などで彼に対して必死に謝罪を繰り返すが、それはフラムの内に宿る『炎』を増幅させるだけだった。
自分はどうでも良い、昨日の少女や…それ以前にも彼らに絡まれて金を無心された罪のない人々が大勢いる。
巨悪よりも小さいがそれでも悪は悪だ…生きる価値などない。
フラムは西洋剣を掲げるように上げると……。
『お前たちみたいなゴミは……抹消する……!!』
そのまま彼らに向かって振り下ろした。
しかし、その攻撃は届かなかった。
「駄目じゃっ!!」
『『っ!?』』
その言葉と共に攻撃を防いだのは夜桜であり両腕に備えられた手甲でフラムの西洋剣をガードしているのだ。
そして、背後から不意打ち気味に何者かの跳び蹴りがフラムの胴体に命中し、彼は後ろに数歩下がってしまう。
「たくっ、危ないことするなっての」
その人物、戒は腰が抜けている不良たちに声を掛ける。
「ほらっ、さっさと逃げたらどうですか?あれに火葬されたいんなら残っても良いですけど…どうします?」
その言葉に我に返った不良たちは恐怖の悲鳴をあげながら空き地から逃げ出す、無論フラムは分身たちを使って追いかけようとするがドライグハートに乗って現れた真希奈と後ろに乗っていた琴音が進行を妨げる。
追跡が困難だと判断したフラムは改めて夜桜を見ると驚いたように狼狽える。
『昨日の、お姉ちゃん……』
「どうしてっ、こんなことを…」
『正義の、ため…だから…!!』
彼女の問いにそう答えたフラムは彼女を牽制するように武器を突きつけるがそれを庇うように戒が前に出る。
「お前がどんな奴かは知らない、でもその力は危険だ。だから融合を解除してくれ」
そう言ってエラーカセットを渡すように説得するがフラムは首を横に振って拒絶する。
「仕方がない」とばかりに戒はアーサードライバーを腰に巻きつけて変身シークエンスを開始する。
「変身っ」
【RIDE UP! DRAGON! 牙の連撃!RED KNIGHT!!】
『っ!仮面、ライダー…!?』
ドラゴンリンクに変身したアーサーは驚きを露わにするフラムの胴体にキックを叩き込もうとするがエラーの人格が西洋剣で防ぎそのまま武器を振るう。
アーサーはそれを回避すると、自身もグレンバーンを召喚して構える。
敵対行動を取る彼にフラムは絞りだすように声をあげる。
『邪魔をしないで…僕は…正義の……』
『面白くないなぁ…じゃあ、君たちが遊んでくれるの?』
正反対のことを口にしたフラムはぱちんと指を鳴らすと残りの分身たちも襲い掛かる。
だが、相手はアーサー一人ではない。
「させないっ!」
「わしらが相手じゃっ!!」
「二人とも、頑張れ~」
分身したフラムの攻撃をハルバードで防御している間に真希奈は言葉の魔力で二人の戦闘力を向上させる。
分身体の方は本体と同じ能力を駆使するがそれら全てが単純な動作となっておりあまり強いとは言えない。
しかし、中々に連携の取れた動きをしてくるため油断は出来ない…夜桜は分身体の攻撃を防御する。
西洋剣はフラムの身体から生成されたせいか炎の軌跡を描きながら斬撃を浴びせて行くが交代した琴音がハルバードを叩き込んで吹き飛ばし、真希奈の衝撃波で止めを刺す。
一体一体の分身を確実に倒す一方で、アーサーは炎を纏ったグレンバーンを抜刀する。
「オラァッ!!」
『ははっ、無駄無駄♪』
アーサーの攻撃は本体であるフラムの西洋剣に防がれただけでなく、グレンバーンの炎が吸収されているのを目撃する。
「まずい」と判断したアーサーはフラムを蹴り飛ばして距離を取る。
『フェニックスと違って、炎を吸収するタイプか』
「厄介だな、でもっ!!」
【MAGICAL ARTS! BOWA BOWA KACCHI-N!!】
もう一度、ボタンを押して冷気を纏うと抜刀術と蹴りを織り交ぜた戦闘スタイルで攻撃を行う。
やはり融合者が大人しいのもあるのか自身の能力を活かせず、攻撃を受けてしまい最終的には強烈なキックを受けて吹き飛んだ。
『ぐっ、うぅ…痛いっ』
『あーあーあーあー、もう飽きちゃったよ。主サマのチュートリアルも済んでいないし…バイバーイッ!!』
「待てっ!!」
強烈な炎を西洋剣で巻き起こすと、フラムは既に逃走しており夜桜たちと戦っていた分身たちも消滅する。
完全に敵がいなくなったのを確認したアーサーは変身を解除する。
その際、地面に落ちていた手帳らしき物体を拾うとぽつりと呟く。
「…面倒だな、あのエラー」
融合者ではなく、エラーカセットの方に警戒しながらも彼女たちのいるところへと向かった。
『この力、すごい…!!』
白く燃える炎が裏路地まで辿り着くと、人型へと変わる。
アーサーから逃走したフラムは荒い息を吐いていたが、自分の両手を見て驚きと歓喜に染まった声を出す。
この場にいるのはフラムだけだったがそんな彼に声を掛ける存在がいた。
『素晴らしいっ!ブラボーッ!!まさに君は僕の主サマに相応しいよっ!!!』
フラムが使用しているエラーカセットの人格だ。
自分の身体から聞こえてくる少年の声に戸惑いながらも彼は自分の中にいるもう一人の存在について知っていた。
知っていたというよりは少しばかり語弊がある…フラムがエラーカセットを使用した途端、エラーに関する情報が頭の中に入ってきたのだ。
そんなフラムに気にすることなく、明るい少年の人格は話を続ける。
『この力は主サマの潜在能力、つまり本来宿している力そのもの』
『僕の、力……』
『そうっ!!あの腐った連中に憤り、怒りの炎を燃やすその正義感が今の姿っ!まさに君は正義のヒーローだっ!!』
まるで彼の中にくすぶる炎を燃やすように、彼の純粋な想いを燃やしつくように……フラムに言葉を重ねて行く。
やがて、その言葉を聞いていたフラムのモノアイは青白く燃え上がる。
『僕の力、僕の姿…僕が、正義のヒーロー…!!』
身体中に白い炎を放出させると、フラムは彼らを追跡すべく炎と一体化して裏路地から姿を消した。
『風本護。「月野光中学校」の二年、クラスからの評判も悪くなければ良くもない。友達もいる普通の中学生です』
「他には?」
『警察官の父親がいたらしいですが…詳しいことまでは』
「分かった」
「ありがとう」とリアとの通話を終了させると、戒は脚を進める。
琴音と真希奈は標的となった不良たちの行方を追っており、戒と夜桜はフラム…風本護の行方を捜している。
クラスメイトたちにも話を聞くことが出来たが全員が「良い奴」・「悪い奴じゃない」と口々に証言しておりリアの情報と合わせれば彼の人柄は言いようもない真実なのだろう。
そして、現在二人は彼の自宅へと訪れていた。
「すいません、わざわざ拾っていただいて」
「いえ、当然のことをしただけですので」
頭を深々と下げる護の母親『風本美耶子』に対して戒は笑顔でそう告げると出されたお茶を飲む。
「あなたの息子が怪物になって悪党を襲っています」と彼女に言ったところで信じてもらえないだろうしあまり負担をかけないために『生徒手帳を届けに来た』という名目で彼女から話を聞いていたのだ。
「夫が亡くなってから、あの子は変わりました。門限を守るようになったし弟の面倒も見るようになりました。勉強も自分でするようになって…」
「…あんまり、嬉しくなさそうですね」
「無理をしているような感じがしているんです。まるで、あの人の代わりになろうとしているような、そんな気がして」
夜桜の言葉に美耶子は悲しそうに顔を伏せたが「すいません」と一言謝罪する。
どうやら、彼の正義感は父親が関係しているのかもしれないと考えていた途端、スマホに着信が入る。
「失礼」と短く言うと、琴音からの電話を始める。
『カー君っ!フラムを見つけたっ!!』
「…場所は?」
美耶子に気づかれないように冷静に尋ね、彼女からフラムの居場所を聞いた戒は通話を終わらせる。
そして、彼女にお礼を言ってから外に出ると二人は止めてあったドライグハートで現場へと急行する。
そして、走行しながら戒は腰にアーサードライバーを巻きつけてドラゴンカセットを起動させる。
「変身っ!!」
【RIDE UP! DRAGON! 牙の連撃!RED KNIGHT!!】
アーサーはドライグハートのスピードを上げて現場に到着すると、後部に座っていた夜桜と共に跳び上がると彼はグレンバーンでフラムに攻撃する。
夜桜も琴音と真希奈が戦っていた分身体に手甲による打撃を叩き込むと戦闘を開始する。
「はっ、そらっ!!」
斬撃と蹴りを織り交ぜた攻撃でフラムを追い詰めようとするが身体を炎へと変化させるとアーサーの後ろに回り込んで西洋剣を振り下ろす。
「甘いっ!」
しかし、振り向きざまの一閃で防がれてしまいアーサーとフラムはそのまま鍔迫り合いを開始する。
互いの剣による摩擦で火花が散る中、フラムは西洋剣を振り払うとそのままアーサーを斬り裂き、後退させる。
『…何でゴミを助けるの……?』
「ゴミ?」
その言葉を聞き返したアーサーに対してフラムは頷くと話を始めた。
『あいつらは罪のない人々を、世界を腐らすゴミ…!だからっ、だから僕がそいつらを抹消する……だからっ、邪魔、しないでっっ!!!』
フラムは再度アーサーに西洋剣を振り下ろすがグレンバーンでそれを防ぐと鞘から抜刀して逆に斬ろうとするがそれを躱してバックステップする。
(最初の時よりも強くなってる!?)
アーサーの疑問の通り、フラムの戦闘力はかなり上がっておりぎこちない動きからヒーローに相応しい動きへと進化しているのだ。
『おやおやぁ?最初の時とは全然違うじゃーん、これは主サマが正義の体現者として相応しいってことだよねぇ!!』
『僕が…相応しい……』
エラーカセットの楽しそうな声にフラムは何処か高揚したような声色で呟く。
やはり、あの明るい人格の方は正義感でも、ましてや融合者のためでもない……ただ面白いから焚き付けているのだ。
二重の意味で厄介なエラーに毒づきつつも、フラムは距離を詰めて西洋剣を振り下ろした。
「それで、何とかなるほど甘くないんだよ」
【RHYTHM!!】
【RIDE UP! RHYTHM! 音色と踊れ!GREEN BEAT!!】
しかし、その攻撃を紙一重で躱すとリズムカセットを起動してリズムリンクへとチェンジすると、ピアノアローを至近距離で乱射する。
矢の弾幕に圧されるようにフラムは仰け反り続けるが、追撃するようにアーサーはピアノアローのキーボードを押す。
【DOREMIFA! LOCK ON!!】
「はっ!!」
『ぐぅっ!?』
ロックオンを付与したピアノアローで射撃を行い、フラムはそれを西洋剣で防ごうとするが不規則に変化する矢の軌跡にどうすることも出来ない。
【ATACK ARTS! MUSIC SEARCH!!】
弱点を解析したアーサーから放たれたピアノアローの狙撃はフラムを貫いた。
『ああああああああああああああっっ!!!』
吹き飛ばされて地面を転がるが、すぐに起き上がるとエラーカセットが融合者に話しかけてくる。
『主サマ、こうなったら…』
『えっ、で、でも…』
その後、しばらく色々と話し込んでいたが結果的にフラムの方が折れると西洋剣に炎を集め始める。
やがて、西洋剣から炎が噴き出すと思い切り振り下ろした。
膨大な熱量と火力を持った斬撃の衝撃波はアーサーとは違う方向へと向かう。
「何処を」と驚くが、すぐに気付いた。
「えっ……」
強大な斬撃波が分身たちと戦っていた琴音たちの方へと向かって行った。
To be continued……。
今回の怪人…フラム・エラーは146(名前考え中)さんからいただきました!146(名前考え中)さん、誠にありがとうございます!少しだけヒーローらしいデザインにしましたがどうでしたか?気に入らなかったらすいません…orz
エラーカセットに翻弄される風本少年を戒と夜桜は救うことが出来るのでしょうか?次回をお待ちください。
ではでは。ノシ