仮面ライダーARTHUR 王の名を持つ仮面の騎士   作:名もなきA・弐

28 / 67
 今回は雪泉編です。正直に言うと彼女のキャラデザは完成しすぎているなと思う今日この頃です。清楚なのに何処か色っぽい…その上料理も出来て素敵なお嫁さんを目指す。完璧すぎません?
 あ、後今回のエラーは自分で言うのもあれですが、中々にカッコよくなっていると思います。では、どうぞ。


COMBO9 正義×狙撃

夜も更けた、午前零時過ぎと言う一般人もいない暗い道の中を雪泉は自分の寮へと向かって歩いていた。

安土・桃山時代から存在した由緒正しき善忍の育成学校『死塾月閃女学館』の選抜メンバーのリーダーが彼女である

忍務を依頼してきた相手が性質の悪い人物でありしつこく彼女に食い下がっていたところを、友人である飛鳥の祖父であり伝説の忍『半蔵』に助けられ、その彼に帰るよう促された雪泉は、彼に頭を下げその場から離れたのだ。

 

「…これでは、おじいさまに顔向け出来ません」

 

学生としても忍としても優秀である彼女にとって、例えどんな忍務でも完璧に遂行するべきもの……。

しかし、第三者に助けられ、なおかつ不良みたいに深夜に帰宅するという行為に今は亡き祖父に謝罪していた。

その気持ちによって自然と歩く速度も上がって行き、このまま帰ろうと思った時だった。

 

「っ!?…今の音は?」

 

軽く弾けたような音が聞こえたのだ。

気のせいかと思ったが、続けて二発、三発と誰もいない路地で音が響く。

瞬時に頭を切り替えた雪泉は音の発生源へと向かうと、そこには惨劇が広がっていた。

雪泉の目にまず映ったのは身体中に空けられた穴から血を流している男性で出血の量から生きていないだろう。

そして、その場には黒い異形がいた。

軍隊における特殊部隊のような漆黒の武装で身を包み、右手にはトカレフを巨大化させたような銃を右手に持っている。

雪泉は悲鳴こそあげなかったが、気配で分かったのだろう…『スナイパー・エラー』は照準器を彷彿させる白いモノアイを持つ頭部を彼女に向けた。

 

『おや?まさか人がいるとはな、どうするマスター』

『…無駄な殺生は好まん。だが…』

 

「しばらくは眠ってもらう」とクールな男性の人格に呟きながらトカレフを捨てたスナイパーは狙撃銃を召喚すると彼女に向けて構え発砲した。

 

「…くっ……!!」

 

予想よりも早く放たれた銃弾に回避することも出来ず脇腹に命中する。

殺傷能力がなかったのか傷こそなかったが、衝撃によって彼女は撃たれた場所を抑え、膝をついてしまう。

本来の彼女ならば造作もないことだったが忍務を終わらせてきた今のコンディションではどうすることも出来なかった。

そして、スナイパーが二発目を発射しようとした時だった。

 

『ガハッ!?』

 

雪泉の背後から放たれた衝撃波がスナイパーを怯ませたのだ。

突然の事態に驚いた二人は視線を向ける。

 

「うぇっぷ…気持ち悪い……」

「いや、上出来上出来。さっすが真希奈」

 

そこには、気持ち悪そうにしている黒のボブヘアーの女性と、彼女に肩を貸している銀髪をツインテールにした女性がおり、会話から担がれている女性が先ほどの衝撃波を飛ばしたのだろう。

突然の乱入者に驚きながらもスナイパーは狙撃銃を構えるが…。

 

「よっとっ!!」

「んぅ…すぅー……」

 

銀髪の女性『恵利奈』が召喚した槍を投擲する。

人ひとり担いでいるのにも関わらず凄まじいスピードで飛んでいくのに合わせて黒のボブヘアーの女性『真希奈』が吐き気を堪えて息を吸うと、先ほどと同じように音の衝撃波を飛ばした。

高速に振動する槍の一撃をまともに受けたスナイパーは身体に煙をあげながらも態勢を崩さず彼女たちを睨む。

 

『クッ!…まあ良い。標的は後一人だ』

 

加工された声で呟くと新たに召喚したマグナムの銃弾を撃って地面から煙を発生させると、それに紛れて姿を消した。

煙が晴れたのと同時にスナイパーの気配が完全に消えたのを確認した二人は傷口を抑えている雪泉の元へと駆け寄る。

 

「大丈夫?」

「はっ、はい…ありがと、う…ご、ざ…」

 

声を掛けてきた恵利奈に感謝の言葉を言おうとするも、その途中で彼女の意識は途切れた。

 

 

 

 

 

「ん、んぅ……」

 

眼を覚ました雪泉が最初に見たのは知らない天井だった。

ベッドで寝ている彼女は寝ぼけ眼で昨日のことを思い返してみる。

見たこともない怪物に襲われて…そして……。

 

(確か…あの方たちに)

 

そう、助けられたのだ。

そうなるとここはあの二人の家、もしくはどちらかの自宅だろうか?

雪泉の思考を遮るように近くに置いてあった自分のスマホが振動する。

スマホの画面には「夜桜」と表示されておりスマホを手に取り通話状態にしたそれを耳に当てる。

 

『雪泉っ!?無事ですか!一体何があったんじゃっ!?』

 

予想以上に大きかった声に雪泉は少しだけスマホから距離を取るも彼女に事情を説明し何とか落ち着かせる。

最初は夜桜も彼女を助けた人物に警戒していたが、雪泉の必死の説得により落ち着きを取り戻してきた。

 

『そうですか…では安静にしていてください。ですが、もしその二人が怪しい反応を見せたら…!』

「分かりました。では、失礼します」

 

そこで通話を切ると、雪泉は上体を起こし掛け布団を捲る。

ピンクカラーにパンダがプリントされた自分の趣味と合わない寝間着に着替えさせられており(サイズが微妙に合わなかったのは内緒である)、先ほどスマホがあった場所の近くに自分の学生服が畳まれていた。

雪泉は名前を知らない恩人に感謝すると、自分の来ていた学生服に着替えようとパジャマのボタンを外していく。

ボタンが外れていく度に、本人の意思とは裏腹に成長している胸が微かに揺れ、肌色の面積が広がっていく

そして四つ目のボタンに手を掛けた時にドアがいきなり開いた。

 

「「え?」」

 

ドアを開けた本人…戒と雪泉が揃って声を出した。

戒の手にはタオルを持っており恐らくは恵利奈か真希奈に頼まれて持ってきたのだろう…そんな彼の目の前には以前出会ったGカップ美少女が着替えており白い柔肌の谷間が大きく見える。

両者は互いに何が起こっていたのか処理が追いつかなかったが、やがて現状を理解し始めていき……。

 

「…き……///」

「え、えとっ!その、ち、違…///」

「きゃああああああああああっっ!!!///」

「ご、ごめんなさ…ブベラッ!?」

 

顔を赤くし瞳を潤ませた彼女は手元に置いてあった自身のスマホを渾身の力で投げると、同じく顔を赤くし動揺しながらも何とか事情を説明しようとした戒の顔に見事クリーンヒットしたのであった。

 

 

 

 

 

雪泉を保護した場所…真希奈の音楽教室兼自宅内では戒が、着替えを終えた雪泉に対して頭を下げていた。

 

「すいませんでしたーーーーーーーーっっっ!!!!」

「あ、頭を上げてください。私にも非がありますので」

 

地面に両手と頭をつく見事なまでのDOGEZAをする彼に、雪泉は戸惑いながらも先ほどの事故を許す。

戒はわざとドアを開けたわけではないし、雪泉の反応も年頃の少女としては当然の反応である。

その後、しばらく互いに謝罪をする謝罪合戦が続いたがおじやを作っていた恵利奈と真希奈が来たおかげで終止符を打つことが出来た。

助けてくれた二人に雪泉は頭を下げると、恵利奈たちは改めて自己紹介を始める。

 

「私は政宗恵利奈。ラジオパーソナリティをやってるよ、よろしく雪泉ちゃん」

「政宗真希奈だよ~。ここで子どもたちに音楽教室を教えているんだ~♪」

「月閃女学館三年の雪泉と申します。この度は助けていただき、感謝いたします」

 

互いに挨拶をした三人はしばらく談笑をすると、雪泉は改めて戒の方を向く。

 

「お久しぶりです。門矢さん」

「こちらこそ。飛鳥さんから聞きましたけど忍だったんですね」

「あっ、えっと……」

 

戒の発言に雪泉は恵利奈たちの方を見ながらどう答えようか迷うが、恵利奈たちは「普通じゃないから大丈夫」と軽く流してくれたため自身の素性と、昨夜のこと…スナイパー・エラーが人の命を奪っていた現場を改めて話す。

警察は既に動き出しているが、恵利奈と真希奈から事情を聞いていた美海と佑斗は独自のルートで活動を開始しており、半蔵学院の生徒たちと共に行動を共にしている。

事情を聞いた戒が呟く。

 

「やっぱり…美海姉さんが今朝話してくれた事件と同じ、か」

「私の秘密能力、正義アンテナが役に立ったね~」

「あなたは深夜までぶっ続けで飲んでただけでしょうが」

 

真希奈の戯言を流しながら身支度を始める戒に対して雪泉は疑問をぶつける。

 

「あの、どちらに…」

「情報収集、ですかね?」

 

彼女の質問に、にへらと笑った。

 

 

 

 

 

「ええ、確かに菅井さんはうちの患者さんだね。丁寧な物腰をしていたが…こう上手くは言えないのだが何処か胡散臭くてねぇ…まぁきちんと治療は施したよ」

 

そう話すのは、ここ『黒宮病院』に勤務する医者『源田』…少し猫背気味の中年の男性だが眼鏡の奥に温厚そうな瞳を宿している。

戒はその男性と話としていた…理由はもちろん、最初の被害者である菅井についてである。

 

「誰かと話したりは、していませんでしたか?」

「いやぁ……そう言えば、誰かと会う約束をしていたみたいだが詳しくは…」

「ふむ……」

 

収穫なしか……一先ず源田に感謝の言葉を述べて外に出ようとしたが、ふと彼の机に会った写真に気付き、質問する。

 

「この写真は…?」

「ああ、せがれの昔の写真です……口は悪いが素直な奴でね。サッカーが、好きだったんですよ…」

 

そう言って暗い表情を見せた彼に「すいません」と謝罪するが、源田は「気にしなくて良い」と笑顔を取り繕う。

そんな彼に再び一礼すると、戒はボーラーハットを被りその場を後にした。

 

「だからですかね、どんな人間であれ治したいと思えるようになったのは」

 

誰に聞かせるわけでもなく、一人彼はそう呟くのであった。

 

 

 

 

 

待ち合わせの場所である病院の食堂に行くと、そこには恵利奈たちが待っていた。

ただし。

 

「む~……」

「どうだ?お嬢ちゃん、これで終わりだ」

「うわっちゃー、轟さん容赦ないよー」

 

真希奈と、「轟さん」と呼ばれていた初老の男性が碁を打っていたが。

囲碁に夢中の三人を無視して戒は雪泉の向かいの席に座って事件の概要をまとめようとすると、先ほどの男性『轟』が割って入る。

 

「坊主、菅井のことを知りたいんだろう?嬢ちゃんたちから聞いたよ、教えてやろうか」

 

真希奈と交代している恵利奈と打ちながらも、轟は勝手に話し出す。

 

「あいつ、いやあいつらはな…若者を狙って金をむしり取る悪質な『詐欺師』さ」

「……随分とはっきり言いますね、お爺さん。根拠はあるんですか?」

「そう言われると困っちまうなぁ…けど外であいつが会話をしているのを偶然聞いちまってな、偉く楽しそうに話していたよ」

 

あまりにも突拍子もない内容…しかし目の前の男性は口元に笑みを浮かべながらもぎらついた視線を一瞬だけ向ける。

それに対して戒は警戒しつつも黙って話を聞く。

雪泉も戒と轟のただならぬ雰囲気を感じ取り両方の顔を見ている。

 

「『田荘』って奴が事故で脚を骨折したとかで入院している。俺の話が本当かどうかはそいつに聞いてみたらどうだ、坊主」

「貴重なお話、ありがとうございました…事件と関係ありませんが以前は何を?」

「国を守る正義のヒーロー。可愛い孫に胸を張って答えられる仕事をやってたよ」

 

そう言って恵利奈をあっさりと下した轟は携帯用碁盤を自分のトレンチコートにしまうと、食堂から出て行ってしまった。

息を吐くのと同時に無意識に入れていた力を抜くと、雪泉が尋ねる。

 

「門矢さん。これからどうするおつもりですか?」

「そうですね……あのお爺さんの話が本当かどうか確かめるためにも、田荘って奴に話しを聞く必要が…」

『うわああああああああああああああっっっ!!!!』

 

戒の言葉を遮るように、男性の悲鳴が響き渡ると入院していた患者や見舞客らがパニックに陥ってしまいその場にいた医師や看護師たちが落ち着かせようとする。

周囲の人たちの非難を恵利奈や真希奈たちに任せると脱兎のごとく、戒は悲鳴のあがった方へと向かった。

 

 

 

 

 

片足にギプスをはめていた男…田荘は自慢の七三ヘアーを乱しながら、自分を追跡して来る存在、スナイパーから松葉杖を駆使して必死に逃げ延びていた。

その際、両腕を狙撃されたため松葉杖を落としてしまうが、それでも這い蹲りながら必死に命乞いをする。

 

「や、やめてくれっ!!か、金ならいくらでも払う!だ、だから…」

『マスター。話に聞いた通りの救いのない男だな、こいつは』

『……すぐに仲間の元に送ってやる』

 

片足は元々の事故で怪我し、無事だった両腕もスナイパーに狙撃されたためまともに動かすことも出来ない。

恐怖で顔をグチャグチャにした田荘に、銃口を押し付けた時だった。

 

「オラ!」

『ぐっ!?』

 

戒がスナイパーに体当たりを仕掛けてバランスを崩した隙に真希奈と雪泉が避難誘導を行い、恵利奈が気絶した田荘を安全な場所まで運んだ。

 

「そこまでだ、銃撃事件の犯人さん?」

『やれやれ、こんなとこまで出張ってくるとは余程の暇人だな。仮面ライダー殿?』

 

皮肉気に問い掛けた戒に負けじとスナイパーの青年の人格が皮肉を飛ばすと両者は互いに対峙する。

全ての状況を終えた雪泉が戒の元に行くと、昨夜自分を襲ったエラーを見て驚愕し彼を守ろうと武器である扇子を構えて向かおうとするも真希奈に止められる。

 

「あれは……門矢さん!」

「大丈夫だよ~雪泉ちゃん。戒君なら大丈夫だから~」

「え?」

 

おっとりとした彼女の言葉に、雪泉は唖然とすると戒はアーサードライバーを装着しドラゴンカセットをスロットに装填し、バックルのグリップに手を掛けて叫ぶ。

 

「変身!」

【RIDE UP! DRAGON! 牙の連撃!RED KNIGHT!!】

 

戒がアーサーへと変身した雪泉は、口を開けて呆然としていたが我に返るとアイスブルーの瞳を輝かせていた。

 

「か、仮面ライダー……!?門矢さんがっ?」

 

以前仲間である四季が話していた都市伝説が本当だったとは……。

元々、正義を掲げている彼女にとって仮面ライダーと言う騎士は特別な存在だったのだろう…本物の仮面の騎士と出会えたことに感動を覚えるも、恵利奈に肩を叩かれた。

 

「ちょっと下がっててね、こいつらの相手しなきゃいけないから…サインは後でもらってね?」

 

あっけらかんと話すと、周囲には何時の間にかポーントルーパーが武器を構えており完全に包囲されていた。

恵利奈はスマホを起動させてある槍のマークをしたアプリをタップすると西洋タイプの槍を召喚し、真希奈も喉の調子を確かめるように「あーあー」と声を出すとポーントルーパーに向かって笑顔を向けた。

 

 

 

 

 

『……』

「オラッ!」

 

恵利奈たちから距離を取ったアーサーはグレンバーンを抜刀しスナイパーに斬りかかるが二丁のリボルバーで受け止めしばらく鍔迫り合いが続く。

弾き飛ばすとスナイパーはアーサーの胴体を蹴り飛ばして距離を離すと銃口を向けた。

 

「っ!?」

『踊れ。銃弾の雨の中でな』

 

青年の声と共にスナイパーはリボルバーから無数の銃弾を連射するアーサーは走って銃撃の嵐を避けていく。

しかし、それに翻弄されるほどアーサーは甘くもなければ未熟でもない。

赤いボタンを押して脚力を強化すると高速で動き回り、照準を合わせないようにする。

 

『くっ!』

 

小回りに動き回って銃弾を回避していくアーサーに焦りを見せ始めたスナイパーはリボルバーを投げ捨て、刃の付いたライフル銃を召喚するとアーサーに向かって振り下ろし、アーサーの身体を切り裂こうとした時だった。

 

『っ!?』

 

捕えたと思ったアーサーの姿が消えていたのだ。

しかし、周囲が薄暗くなったことに気付いたスナイパーが頭上を見上げた時だった。

 

「オラアアアアアアアアアアアアッ!!」

 

ドーパントは慌てて頭上を見ると抜刀したグレンバーンを上段に構えたアーサーが落下の勢いを利用した炎の刀身でスナイパーを斬りつけた。

 

『ぐあああああっ!!』

 

縦一文字に火花を散らしてよろめいたスナイパーを追撃するようにアーサーは鞘による打撃と足技を絡めた戦闘スタイルで追いつめて行ったと同時に恵利奈たちの方でも決着がついた。

恵利奈が槍で周囲のポーントルーパーを浮き上がらせ、真希奈の音の衝撃波で粉砕するとアーサーが締めのストレートキックで吹き飛ばした。

 

『っ!?避けろ戒っ!!』

「うわっ!」

 

ウェルシュの声の通りに今いた場所からバックステップすると、止めを刺そうとするアーサーを邪魔するように火炎弾が周囲に放たれ爆発する。

顔を上げるとその場にはフェニックスが立ち塞がっており、手にはボウガンを構えている。

 

「またお前かよ。鳥擬き」

『これも、我々の仕事ですよ。悪く思わないでください』

『……余計なことを』

『だが、逃げるならここしかない』

 

アーサーと対峙するフェニックスをスナイパーは忌々しそうに睨むが、エラーの人格の言葉に頷くとそのまま姿を消した。

 

『では、また私に倒されてくださいな』

 

ステッキとボウガンを向けると、火炎弾と羽根型の矢を大量に飛ばしてアーサーを圧倒させようとする。

今までのアーサーであったならば苦戦を強いられただろうが、今の彼にはとっておきの『切り札』があった。

 

『戒、あれを使うぞっ!』

「ああ!括目しなっ!!」

【RHYTHM!!】

【RIDE UP! RHYTHM! 音色と踊れ!GREEN BEAT!!】

 

ウェルシュの指示を受けるとドラゴンカセットを抜き取り、リズムカセットをセットしてバックルのトリガーを引きズムリンクへと姿を変えると、ピアノアローでフェニックスを狙撃する。

単純な軌道のそれをフェニックスは躱すがロックオンを発動させると矢は方向転換を行い背後に命中。

 

『ぐっ、何っ!?』

「どんどん行くぜっ!!」

【MAGICAL ARTS! BEAT BEAT! RHYTHM DE BEAT!!】

 

流れる音楽のリズムに乗って発射される無数の矢を撃ち落とそうとするが不規則な軌道とタイミングで放たれる射撃になす術もなくくらってしまう。

そして、赤のボタンを押してトリッキーな動きに手間取っているフェニックスの死角を解析するとそこ目掛けて放たれた矢に命中し、地面に叩き落とされてしまう。

 

「止めだっ!」

【CRITICAL ARTS! COMBO STRIKE! RHYTHM!!】

『っ!!』

 

シューティングフィーバーがフェニックスに全弾命中しその場で爆散した。

爆発が止むとフェニックスは立つこともままならない満身創痍の状態であったがボウガンを自身に向けて構えて引き金を引くと、羽根型の魔力が胸部に突き刺さる。

 

「なるほど、『回復能力』……」

『まさしく名前の通り、か…』

 

フェニックスが炎に包まれると、今までのダメージが全て消え去っており最初の内は息を荒げていたが次第に正常な呼吸へと戻る。

 

『はぁっ!はぁっ!…油断、しました。これは認識を改めなければなりませんね…!!』

 

そう一人ごちると、マントを羽のように変化させてその場から飛び去るがアーサーはそれを追跡することはせず変身を解除して雪泉たちの元へと向かった。

To be continued……。




 さて、今回は雪泉メインです。残りのメンバーについては近い内にシェアらせる(シェアリングナイトフォースさせるの略語)予定です。
 待て、次回。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。