仮面ライダーARTHUR 王の名を持つ仮面の騎士 作:名もなきA・弐
ちなみに閃乱カグラをクロス先に選んだ第一理由は自分が好きな作品だからです。
「せーの」
『「「アーサーチャンネル!!~~~~」」』
ラジオのスタジオみたいな場所でウェルシュ、戒、琴音の三人が番組名を口にした途端、拍手や歓声が沸き上がった。
賑やか雰囲気の中、戒は挨拶を始める。
「どーもみなさん、おはこんばんにちわ!ボンボンで好きな漫画は『ロックマンX』の
『おはこんばんにちわ。ボンボンで好きな漫画は「サイボーグクロちゃん」のウェルシュだ。よろしく』
「え?これ言わなきゃ駄目な雰囲気なの?えーと、好きな漫画は『でんじゃらすじーさん』の
琴音が名乗った瞬間、拍手が止まる。
「何でっ!?」
「ボンボンの漫画で答えないから……さあ、やってまいりました『アーサーチャンネル!!』この番組はどんな番組かと言いますと!」
『本編で語れなかったとこ、感想であった身近な疑問を答えていく所謂「質問コーナー」だね、まえがきでも触れたがこの番組はメタ発言が多い…それを好まない人はバックすることを勧める』
「バックします、バックします」
「そこ!読者たちのトラウマを抉らない!!…でもそう言うメタ的な話って作者が直接出て私たちとコントしながら解説するものじゃないの?」
戒の言葉にツッコミを入れながらも、琴音はウェルシュに対して疑問をぶつける、確かにそう言った場合、作者が直接出るかもしれない。
だが、ウェルシュはそれに対しての答えを出す。
『彼はシャイだからね。それに、「作者とキャラは一線を引かなければならない」と考えているから、今後登場することはないよ』
「何その妙なこだわり…じゃあ作者が私たちと一緒に出ることはないってこと?」
「それだけの覚悟をしているってことだろ?その代わり、作者の声を俺たちが代弁するって形になる。分かったか琴音?」
変なところで凝り性な作者についての話を終わらせると、戒たちはいよいよ本題へと入っていく。
『さて、そろそろ話の本題へと入ろうか。最初はこれだ』
そう言って、ウェルシュは自分たちの真後ろにあるモニターを電子信号で点けると、最初のお題が映った。
【精霊について】
「多分、これが一番知りたいだろうなー……本編じゃ解説しきれなかったし」
「実際、今作での精霊の定義って何なの?ウェルシュ」
戒が苦笑い気味にしていると、琴音は精霊の専門家であるウェルシュに質問を始める。
『ふむ、本編でも触れているが精霊とは一般的に、人間が生まれた時から体内に宿しているとされる霊的エネルギーで、無意識の内にマナを取り込み、放出することによって潜在能力や成長を促しているんだ…「自然訶学」という名前の学問で研究も行われている』
「じゃあ、私たちの中にも精霊はいるの?」
『もちろん。体内に取り込んだマナは「魔力」として変換され、さらに己に宿る精霊を認知することで自然の力を自在に行使することが可能となる……これを「精霊術」と言う。感想の方でも少しふれたが、忍の使う忍法と精霊術は実は同じ存在だ』
「「え!?そうなの!」」
『何で君まで驚くんだ戒……彼女のたちの「秘伝動物」も精霊で、彼女たちが戦えるのもそのおかげという訳さ。オリジナル設定が閃乱カグラの世界観とかみ合ったのもクロスしようとした理由の一つだね』
そこまで話したところで、「ただし」とウェルシュは付け加える。
『これは、あくまでも一般定義だ。例外として自然界に誕生・生息する精霊と契約してその加護を得る者や、雲雀のように宿している精霊に「自我」が芽生えることもある…とにかく不思議が多いのさ。死んだ人間が精霊に転生したケースも確認されているらしいが、ね』
「それじゃ、『エラー』はどうなの?」
「それについては俺が答えるよ」
ウェルシュの精霊についての説明が終わるのを見計らい、次の質問をした琴音に答えたのは、ついさっきまで説明を聞いていた戒だった。
ボタンを押し、次のお題へと切り替えると説明を始める。
【エラーと仮面ライダーについて】
「まずエラーについてだけど、本編で語った通りエラーカセットで人間に宿っている精霊の魔力を具現化させて身体に融合させる通称『霊子生命体』だ……漫画を読む人は『イーブルナッツ』、仮面ライダーを知っている人は『ドーパント』や『融合進化態ロイミュード』が近いな」
「イーブルナッツって」と戒の微妙な例えにツッコミを入れたかったが、喉の奥まで出かかった言葉を抑え、琴音は話を促す。
「融合条件とかってあるの?」
「基本的に幹部たちの目的は『救済』だ。だから条件は悲しみ・憎悪・嫉妬などの『負の感情』を持つ人間だ。だからエラーたちの中には理不尽への復讐って奴もいる」
「知っていたけど……何だか、戦いづらいね……」
「だけど、一度エラーに融合すると精神が歪められるしもう片方の人格が悪質だからな。倒すと言うよりも、犯行を繰り返さないよう止めるって考えている」
ちなみに、エラー側の…融合者でない方の人格はエラーカセットが精霊に植え付けた擬似人格のため厳密には融合者が宿している精霊の人格ではない…ただしこれも例外あり。
そして、いよいよ本題は仮面ライダーの話へと入る。
「仮面ライダーアーサー…俺が変身するライダーだな。アーサードライバーとミラージュカセットによって変身する。モチーフはゲームと騎士だ」
「名前の由来は、ゲームや漫画で有名な騎士で王様の名前からだよね」
『そうだね、本来はゲームらしい名前にしようと考えていたがそれだとエグゼイドと被ると危惧した作者が名づけたらしい』
「でもハーメルン内で検索を掛けると…?」
「カー君、それ以上はやめよ?次にミラージュカセットだけどこれにもモチーフはあるの?」
これ以上は「禁句だ」と言わんばかりに戒を黙らせ、ミラージュカセットへの話題に入る。
「基本的にはダブルみたいにモチーフは自由だけど、実はスマホアプリが裏モチーフになっていたりする、基本フォームの『ドラゴン』はソロでも多人数でもプレイできるスマホゲームが元ネタだ」
「だから、アーサードライバーに『シェアリングナイトフォース』っていう機能があるの?」
『いや、元々は閃乱カグラのキャラでもエラーを倒せるように配慮した設定だからあまり関係はない』
「あーそうですか」
あまりにも行き当たりばったりな設定に幻滅する琴音……そして、いよいよ最後のお題へと突入していった。
【オリキャラについて】
『まだ、始まったばかりだから仕方ないが…登場したのは主人公の戒、琴音、リア、千歳。そして、名前だけ出た美海だね』
「美海姉さんは本編に本格的に登場したら話すとして、ウェルシュは誰から聞きたい?」
『そうだね、一番気になるのは君や琴音の関係だ…二人はいつ知り合ったんだい?』
「「さあ?」」
『「さあ?」って…君たち幼馴染だろう……』
「いや、実は私たちも分からなくて…物心ついた時から一緒だったし」
息ぴったりに小首を傾げる二人に呆れるウェルシュを制すると、琴音が話を始める。
「小さいころから…それこそ保育園から現在までずっと一緒でね?最初に会ったのが何時かすら思い出せないんだ。お母さんが言うには産婦人科でおばさん…カー君のお母さんに会って意気投合したのがきっかけって言っていたけど……」
「家も隣同士で親同士も仲が良い…まるでライトノベルも真っ青な設定だよな。現に母さんもそう言っていたし」
『では、リアと千歳は?』
本人たちが産まれる前から親同士で交友があったことにウェルシュは驚くが続きを聞くため質問を重ねる。
「うん。二人は貧民街出身の傭兵でお母さんの後輩の衛宮さんの家で世話していたんだけど、お母さんとお父さんが養子縁組してくれて家族になったんだ。だから戸籍上は私の妹になるよ」
「リアは大人しい毒舌家で大まかなイメージとしては『黒鉄珠雫』、千歳は人見知りなクールビューティ。ちなみに千歳は『閃乱カグラNewwave』で登場するキャラと同一人物だ」
「イメージCVは青葉りんご氏(リア)と近藤佳奈子氏(千歳)な」と戒が二人の説明を終えると、琴音は話を続けていく。
「私の家は道場で、お母さんはそこの当主なんだ。私と同じで子どもみたいな体型だけど、不良グループを一晩で壊滅させたとか噂があるけど、おっとりして優しい人なんだ」
「小さいころは、琴音と一緒になって鍛えてもらっていたっけ?そのおかげで俺はすっかり足癖が悪く…」
「うん、自分の足癖の悪さをお母さんのせいにしないでくれる?話は変わるけど私の外見モチーフは『DRACU-RI○T!』に登場する『布良梓』でイメージCVはロリ声Verの『南條愛乃』さんだよ」
そこで、自分の話を終えると、バトンタッチするように戒が自分の家族についての話を始める。
「で、次は俺の話になるけど『門矢』って姓は父方の姓で『政宗探偵事務所』の政宗は母方の姓なんだ。母さんは探偵でペット探しから街のお手伝い、挙句の果てには殺人事件の捜査までやっていたんだ」
『改めて聞くと色々と凄まじいな君の母親は。そう言えば戒は次男だったね、長男と父親は何をしているんだ?』
「母さんが言うには、二人とも『世界中』を旅しているんだと……二人とも仕送りしてくれるから文句はないんだけど、兄さんはフリーダムだからなぁ…引っかけ回すのが好きな人だし……まぁ本編には出ないけど」
兄と父親について軽く説明して流すと、話を続ける。
「俺のイメージCVは『逢坂良太』氏だけど外見モチーフは特にないな。黒いパーカーとズボン、ボーラーハットと黒い手袋がトレードマーク。母さんの外見モチーフはリトバスの『西園美魚』でイメージCVは『巽悠衣子』氏だな。日傘とカチューシャがトレードマークで俺が中性的な顔立ちなのと推理力は母さん譲り、兄さんは父さん似で長身…理不尽だよな!(泣)」
『遺伝子の悪戯だと思って諦めたまえ。美海は戒の母親の妹で後二人いるがそれはまたの話にでもしよう…話を戻すが君たちの家族はどれほど仲が良いんだい?』
途中から涙を流し始めた戒に軽く引くが、強引に話を変えてこの話題から逃げると琴音もそれを察したのか話を広げ始めていく。
「今でも二人一緒にお出かけしたり、買い物に行ったりしているよ?でも、私たちが小学校の時は私たちと仲が良かった子たちのお姉さんとも仲が良かったよね、カー君」
「そうそう!妹たちは癖が強いのにお姉さんがとても素敵でさ、優しく大らかで美人で料理も出来て、まさに完璧な女性、おまけに長く伸びた黒髪と笑顔が特に素敵だったんだよ」
「うん、実の妹や弟みたいに可愛がってくれたよね……カー君は『あの人』みたいな女性が好みなの……?」
「胸とお姉さんが嫌いな男なんていない!!」
「へーそうなんだー、ふううううううううん」
戒の発言に琴音は不機嫌になっていき空気が重く、ギスギスしてきたが鈍感なりにそれを察した戒は琴音に言う。
「ほらほら機嫌を損ねるな。お前だって普通に可愛いんだからそんな顔するな」
「ふえっ!?/// か、可愛いって…!///」
「まぁ、もう少しその胸部装甲が豊かになれば文句はな…」
「誰の何処が洗濯板だゴラァッ!!!」
戒のその言葉に琴音は満更でもない表情で頬を赤くしたが、その後の残念な発言をした彼の顎にアッパーカットをぶち込み「ブベラ!」と吹っ飛ばされる相棒にどうしようもなく思うウェルシュだった。
付け加えると、話題に出た三姉妹とも家族ぐるみ仲が良く食事会をしたり、一緒に遊んでましたが、中学に入った時に三人は転校してしまいました。
ちなみに「閃乱カグラSV・EV」をプレイしたことがある人なら分かるので考えてみよう!!
気絶した戒を復活させ、怒り高ぶる琴音を宥めた後、ウェルシュは話をまとめるように言葉を述べた。
『さて、そろそろお別れの時間だね。キャラが増えたりしたらまた似たようなことをするかもしれない。人物紹介やライダーの設定もだが、本編の方も気長に待ってくれるとありがたい』
「以上、お相手は門矢戒と!」
「幸村琴音と!」
『ウェルシュで、お送りしました』
「「『バイバーイッ!!』」」
その言葉の後、最初と同じいやそれ以上の拍手と歓声と共に締めくくられた。
アーサー本編もお楽しみに!
如何でしたでしょうか?『アーサーチャンネル!!』もし好評だったら第二弾も計画していますがあくまでも予定です。
戒は基本ボケ役で、琴音はツッコミ役、ウェルシュたちは状況に応じてボケたりツッコミを入れたりします。
戒は元々女の子が苦手で琴音以外の女子に恥ずかしがっていましたが母親が恋愛ゲームを薦めた結果、話したり触れられても大丈夫になりました。初心なところは変わってませんけど。ちなみにそんな彼の好みは黒髪ロングで胸の大きな大らかな性格のお姉さんです。十中八九小学生の時に構ってくれた『彼女』が原因です。
ではでは。ノシ