仮面ライダーARTHUR 王の名を持つ仮面の騎士   作:名もなきA・弐

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 メリークリスマス!ってことで、遅れましたAです。
 流石にこの日は投稿しなきゃダメだろと思い、投稿しました。少し短いですが、どうぞ!


★ANOTHER COMBO11 クリスマス×プレゼント

12月25日…それはクリスマスの日であり多くの子どもたちがサンタクロースからもらえるプレゼントを待ち望んでいる日でもある。

全国のお父さんお母さん、果てはお祖父ちゃんお祖母ちゃんたちが息子や娘、孫たちにとプレゼントを買う忙しい日でもあるこの日、月閃女学館の選抜メンバーもクリスマスの夜に備えてプレゼントを買ってイルミネーションが施されている岐路を雪泉と四季が歩く。

 

「何とかプレゼントを購入することが出来ましたね」

「んじゃ、後は美野里ちんが寝るまで部屋で待機だね♪」

 

目的を一つ達成したことで上機嫌な様子の二人…。

実はサンタの存在を今でも信じている美野里のために『サンタなりきり大作戦』を開始したのだが、サンタ役を務めることになった雪泉の服装はかなり危うい。

代用品としてサンタ服を模した白い装飾がある赤いビキニであり十二月の現在ではかなり厳しい…氷属性の精霊を宿している彼女自身としてはあまり問題はなかったがその上に赤いマントを羽織り、鈴やリボンをあしらった帽子を被っており率直に言えば露出狂と捉えられてもおかしくはない。

幸い、プレゼントを売っていた店員が女性だったことと事情を汲んでくれたのか定かではないがあまり大ごとにもならず着々と準備が整いつつあるはずだったのだが、そこで事件は起こった。

 

「…て、雪泉ちんっ。前、前っ!」

「えっ、きゃっ…!?」

 

四季との会話に夢中になっていたせいで前がおろそかになっていた雪泉は正面を歩いていた人物とぶつかってしまう。

慌てて謝罪の言葉を口にしようと顔を上げた途端、思わず言葉を失ってしまう。

 

『痛ってぇなっ!気をつけろっ!!』

『後何だ、その格好っ!?自分を安売りしてはいけませんっ!!』

 

そこにいたのは大量の物を詰め込んだであろう白い大袋を担いだ異形…子どもの玩具のような外見をしているが、ラッピングリボンを帯として緑やピンクなどの派手な道着に身を包んでおり大きな袋を担いで走るその様はサンタというよりは盗人に相応しい。

 

「「エラーッ!?」」

 

そう、異形の正体は『プレゼント・エラー』。

幼少時に経験したクリスマスでのトラウマを無理やり掘り起こされたことで融合した彼は、二つの人格で彼女の服装について罵倒しながらも、戦闘行為に移ることなくそのまま走り去ろうとする。

あまりにも唐突な出来事に脳内の処理が追い付かない雪泉は呆然としていたが、すぐに聞き覚えのある声がエラーが走ってきた方向から聞こえてくる。

 

「待ちやがれっ!プレゼント強盗!!」

「みんなのプレゼント返してよー!」

 

走ってきたのはお馴染み、トナカイの着ぐるみを着た戒と琴音にサンタ服に身を包んだ雲雀が走ってきたのだ。

衣装を調達する時に出会った彼女に雪泉と四季は驚きの表情を見せる。

 

「雲雀さん?それに門矢さんたちまで。どうしてここに…」

「あっ、雪泉さんっ!実は…」

 

雲雀も彼女たちに驚きながらも、先ほどのエラーやこれまでのことについて説明を始める。

実は斑鳩と詠、リアと千歳たちが貧民街で行うヒーローショーの後でサンタに扮する雲雀とトナカイに扮する戒と琴音の三人で子どもたちにプレゼントを配る予定だったのだが突如エラーが襲来し、白い袋に奪った大量のプレゼントを詰め込んで走り去ったのを追いかけていたのだ。

事情を知った雪泉は真剣な表情を見せる。

 

「そのような悪、見逃すわけには参りません。私たちもお手伝いします!」

「だね、子供たちの物を奪うなんて理由があっても許せないし」

「二人とも、ありがとー!!」

 

快く了承してくれた二人に雲雀は笑顔で感謝の言葉を口にする間、戒と琴音が口を開く。

 

「しかし、雪泉さん。その恰好…///」

「ツッコむの控えようと思ったんですけど、寒くないんですか?」

「っ!/// あ、あまり見ないでください…!!」

 

片方は顔を赤くし、もう一人が微妙な表情を見せて自分に視線を向けられたことに気づいた彼女は顔を赤くして自分の身体を抱くようにしながらマントで身体を隠そうとする。

恥じらいの表情と少し潤んだアイスブルーの瞳が可愛らしいサンタのビキニとベストマッチしており、それを見た戒は思わず二泊一礼をする。

 

「…素敵なプレゼント、ありがとうございました///」

「カー君、後でお話しようか?」

 

ご参拝しながら、一人ごちる彼に対して琴音は笑顔でプレッシャーを与えるのであった。

 

 

 

 

 

そして、数十分後…かなり早い段階でプレゼント・エラーを見つけることに成功した。

どうやら店内の物は対象外らしく子どもたちが持っていたプレゼントを奪おうと襲い掛かっていたのを発見した戒が飛び蹴りを浴びせて人気のない場所まで移動し、雪泉が召喚した氷の壁で退路を完全に封じたことで改めて対峙する。

 

【DRAGON!!】

「行くぜっ、ウェルシュ!」

『速攻で肩をつけよう!Start Our Heart!!』

 

アーサードライバーを腰に巻き、ドラゴンカセットを起動した戒はベルトに意識を映したウェルシュに声を掛けると、力強い返事をする。

そして、スロットにミラージュカセットを装填した戒は右側のサイドグリップを握ってトリガーに手を掛ける。

 

「変身っ!!」

【RIDE UP! DRAGON! 牙の連撃!RED KNIGHT!!】

 

ドラゴンと牙を模した赤い騎士に変身した戒は先制攻撃として冷気を纏った飛び蹴りを浴びせると、着地と同時に連続でキックを仕掛ける。

元々戦闘力が心もとないの奪ったプレゼントのせいで動きが鈍っている今回のエラーは、その攻撃を全て直撃して吹き飛んでしまう。

グレンバーンを召喚し、四季も大鎌が構えて攻撃に移ろうとするが…。

 

『うぐっ、欲しい……何があっても欲しい!』

『それを寄こしな!おまえよりも自分が持つ方が正しいのだから!』

 

二つの異なる声でそう叫んだ途端、エラーは唄に出てくるトナカイの鼻のような赤いモノアイを光らせた瞬間、二人の持っていた武器に異変が起こる。

淡い白い光に包まれたと二人が思った時には既に遅く、グレンバーンと大鎌はエラーの手に収まってしまう。

 

「何だそりゃっ!?」

「アタシたちの武器がっ」

 

驚く間もなく、プレゼント・エラーは奪った武器を構えてアーサーたちに襲い掛かろうとする。

まるで使い慣れているように両手に持った異なる武器を使いこなしていたが、幸いにも単調な攻撃だったため難なく躱すことが出来ている。

しかし、武器を奪いそれを使いこなす能力は極めて厄介であり、肉弾戦で挑むにもプレゼントを方に下げている状態では万が一当たる可能性がある。

「どうするべきか」とアーサーが作戦を練っている時だった。

 

「変身」

【RIDE UP! SOCIAL! タンクを動かせLet's NAVIGATION!!】

『ぎゃああああああああああああああっっ!!?』

 

青年の短い声と変身音声が鳴り響いたのと同時に、プレゼントを括り付けていたエラーの右肩に強烈なエネルギー弾が命中する。

悲鳴をあげたエラーが離した拍子に宙に舞ったのプレゼントを黒い影がすぐさま回収する。

 

「空良さんっ!」

「雅緋さんも…て、何その格好っ!?」

「うるさいっ!言っておくがこれは忌夢にサンタ役を頼まれただけであって私の趣味ではないからなっ!?」

 

そこにいたのは、ギアルショットガンを構えた潮田空良こと仮面ライダーギアルとトナカイの角のカチューシャをセットした雅緋。

思わぬ援軍にアーサーと琴音が彼らの名を呼ぶが、雪泉と同じタイプの黒い水着を着用している彼女にツッコミを入れる。

怒りで顔を赤くして叫んだ雅緋は無傷のプレゼントをギアルに渡すとその場で跳躍し、自由落下に任せた黒炎を纏った斬撃で斬り裂く。

 

「ふ、ふふっ、私がこんな格好をする羽目になったのは…貴様のせいかあああああああああああっっ!!!」

『な、何の話…うぐえっ!!』

 

半ばやけくそ気味に、彼女はエラーに連続攻撃を仕掛ける。

やがて秘伝忍法でエラーが上空に高く吹き飛んだのを確認したギアルはソーシャルカセットをギアルショットガンに装填する。

 

【CRITICAL ARTS! FINAL STRIKE! SOCIAL!!】

「…シュートッ!!」

 

スコープでプレゼント・エラーを完全に捉えたギアルは、トリガーを引いて極限までエネルギーをチャージした狙撃弾を発射する。

赤いマーカーを模した弾丸は不規則な軌道を描きながら怪人の元へと向かい…。

 

『ぎゃああああああああああああああっっ!!!』

 

胴体を完全に貫かれたプレゼント・エラーは爆散し、融合が解けて落ちてくるのをアーサーの専用バイクであるドライグハートが救助する。

取り戻したクリスマスプレゼントは無事に貧民街の子どもたちに渡すことが出来、こうしてプレゼント強盗事件は無事に解決したのであった。

 

 

 

 

 

ちなみに…。

 

「クリスマスは両奈ちゃんっ、誰にいじめてもらおうかな~」

「あら、両奈ちゃん」

「んっ?あっ、美緒おば、さん…」

「随分楽しそうですね、まだ自分のドM体質で迷惑を掛けているのですか?」

「そ、そんなことはありませんよ…あ、あはは」

 

発情していた両奈が幼いころ大変お世話になった美緒に門矢家へと強制的に連れて行かれたが、その後どうなったかは定かではない。




 …てなわけで、久しぶりの投稿&クリスマス編でした。もう少しコミカルな内容にしたかったですが、作者の力量不足で…申し訳ありません。
 そして、今回の怪人であるプレゼント・エラーは烈 勇志さんからいただきました!烈 勇志さん、誠にありがとうございます!クリスマス特別編だったので応募していただいたモチーフにクリスマス要素を足したり改変しましたが如何でしたでしょうか?気に入らなかったら申し訳ありません!(涙)
 本編の方も気長にお待ちください。ではでは。ノシ

プレゼント・エラー ICV小杉十郎太・中田譲治
烈 勇志さんから頂いたオリジナルエラー。モチーフは「盗人と武器の扱いに長けた武術家、そしてクリスマス」
子どもの玩具のような外見をしているが、ラッピングリボンを帯として緑やピンクなどの派手な道着に身を包んでいる。
能力は目にして手に入れたいと願ったものを自分の元に引き寄せることが出来る。手に入れたものが武器であった場合、それを使いこなせるようになる。また、奪ったプレゼントを生成した白い大袋に際限なく詰め込むことが可能でそれを身体の一部に固定することも可能。
幼少時のある経験がトラウマとなった男性が抱いていた強欲な一面が形となって融合を遂げた。

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