-ヤマト 格納庫-
「んーーーー…」
(どうしましたか?叢雲総司、ずっとここに座って悩んで…)
ヴァングレイのメインパイロットシートに腰掛け、悩み続けているソウジにシステム99が語り掛ける。
彼は朝からずっとここで悩み続けていて、まだ昼ご飯を食べていない。
なお、今日は主計科に関しては非番となっているため、ソウジがここにいても引っ張り出そうとする人間はいない。
「ま、いろいろ考え中だ。考えがまとまったらすぐに出ていくさ。それとも、俺がここにいるのが嫌か?」
(…あなたや如月千歳がいる間に真田史郎らが解析に訪れる確率はいないときと比較すると30パーセント低下しています)
「つまり、俺らがいると嬉しいんだろ?ちゃんと素直に言わないと、伝わらないぞ?」
(そのセリフ、そのままそっくりお返ししますよ)
「うげ…ブーメランが投げる前に額に刺さっちまった」
苦い表情を浮かべるソウジだが、反論することができなかった。
エオス・ニュクス号と別れ、再びワープをしてからすでに2日。
その間にベラと共に地球圏へ帰還するはずだったベルナデットがヤマトに密航していたことが発覚するというアクシデントに見舞われるが、例のごとく古代預かりとなり、彼の裁量で主計科に配属されることになった。
なんでも、外宇宙へ旅立ったというタカ派の木星帝国軍が仮に地球への思いを捨て去ったとしたなら、その先にある者をこの目で見たいという思いがあったとのことで、既にベラも承知し、更にヤマトへの密航のために協力していたとのこと。
現在は平田と山本、チトセに教わりながら仕事をしており、もともとクロスボーン・バンガードでその経験を積んでいたためなのか、もうほとんど教えるものがなくなってしまったとのこと。
なお、今日までソウジはずっとチトセと話せていない。
木星の浮遊大陸での戦いのときからずっと気まずい感じが続いている。
一緒に主計科の仕事をするときも、チトセは山本やベルナデットらと話すことがあっても、ソウジとは一切話をしないうえ、どこか避けられてさえいる。
「これは俺、完全に嫌われちまったか?」
「叢雲、いい心がけではあるが、ずっといる必要もないんじゃない?」
コックピットハッチが開き、篠原が笑いながらソウジに話しかけてくる。
「篠原…」
「昼ご飯の時間、まだ終わってないからさ、叢雲はまだ食べてないだろ?玲ちゃんはベルナデットちゃんにつきっきりだし…」
「俺は女の子たちの代わりかよ?ひでーなぁ」
あんまりな理由に不愉快そうな顔を見せるソウジだが、急におなかが鳴ってしまう。
背に腹は代えられないと、ソウジは篠原についていくこととなった。
-ヤマト 主計科作業室-
「主計長、必要なパーツの種類及び個数のリストの作成が終わりました」
「うんうん…よし、OKだ!すごいな、もうこんなリストを作れるようになるなんて…」
ベルナデットの仕事ぶりに驚きながらも、平田は受けとったリストに署名をし、別の兵士がそれをもって機関科へ向かう。
「大丈夫?ベルちゃん、疲れてない?」
「大丈夫です。これでも私、体力には自信があるんです」
自身の心配をしてくれるチトセに感謝しつつ、ベルナデットは次の資料の作成にかかる。
一方、平田はOMCSのチェックのために席を外した。
「チトセさん、あれからソウジさんとはちゃんと仲直りできたんですか?」
作業を続けるベルナデットからの突然の質問を受け、資料を整理していたチトセの手が止まる。
「ええっと、それはそのー…っていうより、なんでそんなことを??」
「だって、チトセさんってわかりやすいですから」
そういいながら、ベルナデットはチトセが整理した資料の束を手にし、誤っている部分の修正を行う。
半分以上の資料の並び位置が誤っており、それだけでもチトセの様子がよく分かってしまう。
「その…ベルちゃんって、トビア君とケンカしたことあるの??」
「え…!?」
「だって、あんなに仲良しなんだから、喧嘩しないんじゃないかなーって…」
チトセの見る限り、トビアとベルナデットはかなり仲の良いカップルだ。
キスをしている姿は見たことはないが、一緒にいる姿をよく目にしており、いつも笑いながら、幸せそうに話している。
そんな2人だから、きっとケンカすることはないだろうという偏見がチトセにはあった。
「そんなことないですよ。トビアとケンカしたことだってあります」
「へ…?」
「といっても、私が危険なことをしたときに、ですけどね」
木星戦役の後、クロスボーン・バンガードはとあるコロニーでブラックロー運送という表向きの企業を作り、そこを隠れ蓑としてガミラスの攻撃で損傷したコロニーからの人命救助、混乱に乗じて略奪や強盗を行う組織の壊滅、そして火星へ逃げ込んだ人々の支援を行っていた。
そんな中で、地球圏での戦いで敗走した一部の木星帝国軍残党がジュリトリス9の残骸とその中に残っていた核弾頭ミサイルを利用した質量弾でコロニー落としまがいの地球への直接攻撃を仕掛けようとしているという情報をその戦役で共闘したとある地球連邦軍士官から受け取った。
戦闘そのものは敵がろくにモビルスーツの整備ができない状態であり、補給もままならなかったおかげで簡単に済ませることができたが、相手は最後の悪あがきとして手持ちの核を時限式で爆発させようとした。
更に運悪く、ガミラスの遊星爆弾がこちらに来たことで絶体絶命という状態となった。
彼らが所有する補給艦リトルグレイには自衛用のミサイルランチャーと機銃しか装備されておらず、それらで遊星爆弾を破壊することは不可能だった。
唯一の対抗策はビーム・ザンバーで切り裂くことのみだ。
しかもそれに集中していると核ミサイルが爆発する。
そんな状況下で、ベルナデットは単身ジュピトリス9の残骸にとりつき、核ミサイル爆発の解除を行った。
そのおかげでトビアは遊星爆弾の破壊に集中することができたものの、帰還後にあまりにも危険な行動に出たベルナデットを怒ってしまったことでケンカに発展してしまった。
そのあとは互いに顔を合わせられない、気まずい状態が続いてしまった。
つまりはソウジとチトセと同じような状態だ。
「でも、しばらくしてやっと顔を合わせたとき、同時にごめんなさいって言っちゃったんです。それがすごくおかしくて、そのあとは一緒に笑ってしまって…」
その時のことを思い出したベルナデットはフフフと笑ってしまう。
あの時のケンカも今では彼女にとっていい思い出になっているのだろう。
「だから、気まずくてもとりあえず1回だけ、勇気を出してソウジさんに会ってみませんか?きっと、ソウジさんも許してくれますよ」
「ベルちゃん…」
-ヤマト 食堂-
「うへぇ…」
「おいおい、マジか叢雲…」
ニンジンサラダとにらめっこをするソウジを見た篠原がひどく顔を引きつらせている。
昼ごはんが出てから10分間、ほかのごはんとおかずは食べたものの、ニンジンサラダについては一切手がついておらず、出てきたときの状態を保ち続けている。
「もしかして…ニンジン嫌い?」
「うぐう…お前にだけには知られたくなかったよ」
実を言うと、ソウジはニンジンが苦手で、いつもこれだけはよけて食べ続けていた。
ライバルの弱みを握れたとひきつった顔から一転して笑い顔に変わった篠原を見て、ソウジは表情を曇らせる。
「で、チトセちゃんとは仲直りできたのか?」
「…なんで、そんなことを聞くんだよ?」
「いや、だって平田さんやベルナデットちゃんが2人が最近話したりしてないし、顔もあわせてないって心配してたからな。それに、ライバルのピンチを見過ごすわけにはいかないだろ?」
水を一口飲んだ後、急に篠原の表情が真剣そのものへと変わっていく。
「こんなご時世だ。無理には言わないが、仲直りは早めにやっておけよ?死んだら、仲直りさえできなくなってしまうんだから…」
「篠原…」
「それとも、その間に俺がチトセちゃんと急接近してしまうかもな」
「そ…それだけはごめんだ!!」
フォークを放り投げた、急いで食堂から飛び出していく。
そして、入れ替わるように加藤が入ってきた。
「隊長。あなたもまだ昼ご飯を…」
「いや、急に叢雲の奴が食堂を飛び出していったからな。何があったかと思ってな」
水が入った水筒を受け取った加藤は篠原の隣に座る。
「仲直りは早めにしろって言葉…もしかして、実体験から来たのか?」
「ハハハ、ま、そんなところですよ。どうも最近、最後のケンカの時のことを思い出してしまって…」
「そういえば、お前のおやじさんは遊星爆弾で…」
「もうずいぶん前のことですよ。少なくとも、ヤマトにいる仲間たちには、俺のような思いをしてほしくない…」
篠原は父親とケンカをし、それが最後の対話となってしまった。
死んだ父親に対して、篠原ができたことは墓を作ることだけだった。
もう仲直りしたくても、仲直りすることができず、こうして思い出すことでしか父親と出会うことができない。
「それに、ライバルに塩を送るくらいの余裕はありますからね」
「お前というやつは…その余裕、どこから出てるんだ…?」
「さぁ…どこからでしょうね。それにしても、そろそろ戦術長たちが戻ってくるころ合いだと思うのですが…」
現在、ヤマトはコスモナイト90という金属の確保とキャッチした救難信号を出した艦の乗組員の救出のため、イスカンダルへの航路を離れて土星の衛星、エンゲラトゥスに来ている。
波動砲使用の影響で、波動エンジンのコンデンサーの一部が溶解してしまい、主計課の話によると現在の備蓄のコスモナイトでは全面修復および補強が不可能だからだ。
現在、コスモシーガル2機が出撃しており、古代と森、原田、アナライザーが乗っている501号機が救難信号を出している艦へ向かい、502機がコスモナイトの採掘へ向かっており、ヤマトはエンゲラトゥスの衛星軌道上で待機している。
距離と燃料のことを考えると、もうそろそろ501機が戻ってきてもいい頃合いだ。
(なにかが起こってなければいいが…)
ヤマトが逐一周囲の警戒を続けており、ガミラスの艦や航空機の反応はまだない。
だが、相手が相手であるために、4人に何かがあったのではと思わずにはいられなかった。
-ヤマト 廊下-
「ああ、勢いで出てしまったが、どうする…??」
篠原に乗せられる形で、主計課作業室まであと半分というところまで来てしまったが、彼女に何というべきかソウジはまだ何も思いついていなかった。
(ただ単純にゴメンとか言えばいいのか?けど、チトセちゃんかなり俺のこと避けてたし、もしかしたら完全に嫌われてたり…)
頭の中で必死に彼女にどう謝ろうか考えていたソウジはすっかり前方不注意となっていた。
「キャア!!」
「うわっと!!悪い、お詫びに食事を…」
だれかはわからないが、ぶつかってしまった女性兵士にお詫びを兼ねてナンパしようと彼女に目を向ける。
「ソ、ソウジさん…!?」
「チトセちゃん…」
だが、よく見るとぶつかったのはチトセで、彼女はソウジの顔を見るなりかなり迷いを見せていた。
ソウジも何を言うべきか迷いながらも、ようやく意を決する。
「こ…」
「「この前はごめんなさい!!」」
同時にお互いに頭を下げて謝罪をする。
少し離れたからよかったものの、仮に少しでも距離が近かったら、頭をぶつけてしまっていたかもしれない。
互いの謝罪から数秒が経過し、お互いにびっくりしながら相手の顔を見る。
「いや、なんでチトセちゃんが俺に謝るんだよ??」
「そ、それはソウジさんこそ!悪いのは私なのに…」
「何言ってるんだ?だって、チトセちゃんの思いを無視したのは俺なんだぞ??」
「わ、私だって、ソウジさんが私を守ろうとしてくれたのに、それなのにあんなにひどいことを…」
お互いに2日前のことで相手に対して負い目を感じていた。
だから、避けられたのは相手に嫌われたからだと誤解していた。
再び流れる沈黙ののち、ソウジが口を開く。
「…じゃあ、さっきのごめんなさいで…お互いここで手打ちってことで」
「そ、そうですね…。でも、気にしてないんですか?」
「いや、全然。だって、チトセちゃんは俺のパートナーだろ?」
「ソ、ソウジさん…」
同じヴァングレイに乗るパートナーだという意味で言っているというのはわかっているが、どうしてもあっちの意味のパートナーという意味に聞こえてしまい、チトセは顔を赤くする。
「ん?もしかして、もっと違う意味でのパートナーをお望みでも?だったら、今から俺と一緒にランチでも…!?」
急に艦内に警報音が鳴り響き、同時に船務科士官で森の交代要員でもある准尉の岬百合亜が館内放送を流す。
(コスモシーガル502より入電!エンゲラトゥスのコスモナイト採掘地にてガミラスと遭遇!敵は航空機4、空母2!ヤマトは大気圏に突入します!突入後、ガンダムは発進し、502の救助へ…!)
「偵察部隊と出会っちまったか。まさか…!!」
(さらに、501の反応ロスト!状況不明ですが、そちらもガミラスによる攻撃を受けたものと…!)
ソウジの予感が的中する。
コスモシーガルが破壊されたことで、古代たちから詳しい情報をつかむことが不可能となったが、502が遭遇した状況を考えると、同じくガミラスによる攻撃を受けたと考えるしかない。
「行きましょう、ソウジさん!!」
「ああ!!こうなったら、ノーマルスーツに着替えてる暇はないな!!」
警報音に包まれる中、ソウジとチトセは格納庫へ急いだ。
-ヤマト 格納庫-
「ソウジの旦那、トビア君!まだ大気圏に入ってないんだぞ!?」
甲板部・掌帆長の専任伍長、榎本勇が出撃しようとガンダムを起動させる2人に通信を入れる。
「大丈夫です!クロスボーン・ガンダムなら、ビーム・シールドを使うことで大気圏突入が可能です!」
「大気圏突入は2回経験している。それに、エンゲラトゥスの大気圏は薄いから、大丈夫だ!スカルハート、キンケドゥ・ナウ、出る!」
「X3、トビア・アロナクス、行きます!」
「ったく、知らねえぞ!!」
ハッチが開き、2機のクロスボーン・ガンダムがヤマトを飛び降り、ビーム・シールドを展開させて大気圏へ突入していく。
そして、ヤマトが大気圏突入を始めると同時にソウジとチトセも格納庫に到着した。
「榎本のおやっさん!」
「叢雲三尉に如月三尉か、ヴァングレイの準備はOKだ!大気圏突入後、すぐに出撃して、古代戦術長たちの救出へ向かってくれ!」
「了解だ!」
2人はヴァングレイに乗り込み、すぐに出られるようにコックピットハッチを閉じる。
(警告、501の反応がロストしたポイントにデータのない敵影が確認されています)
「何!?」
「ソウジさん、ヴァングレイだけで4人を連れて帰るのは不可能です!!」
「だよなぁ…そうすれば…」
ヴァングレイは本来、1人乗りなのをサブパイロットシートを増設したことで強引に2人乗りにしている。
幸いなことに、ノーマルスーツなしの乗っても大丈夫な点には変化がないものの、スペースの問題であと1人しか乗せることができなくなっている。
ヤマトの足では古代たちのもとへは間に合わない可能性が高く、トビアとキンケドゥが502の救援に向かっているため、助けることができるのはヴァングレイのみだ。
「これは…無理して4往復することに…」
「おい、玲!!何をやっている!?」
「加藤隊長!?玲…じゃなかった、山本三等准尉がどうしたんです?」
加藤の声が聞こえ、チトセはヴァングレイの通信機を使い、彼に呼びかける。
「如月か!?玲を止めてくれ、彼女がコスモゼロで出撃しようとしている!」
「ええっ!?」
オレンジ色の機首のコスモゼロがヤマト後部にある専用カタパルトへ送られるため、エレベーターに乗せられる。
エレベーターの前まで来た加藤は必死に声を出して彼女を止めようとしていた。
「玲!?なんで出撃を…!?」
「ヴァングレイだけでは古代戦術長たち全員を助けるのは不可能よ!コスモゼロなら、無理やりでも4人全員乗せることができる!」
「けど…!」
すでにエレベーターは動き出していて、あとはカタパルトに乗せて発進するだけになっている。
「ああ、くそ!!叢雲、如月!2人は玲のカバーを頼む!コスモファルコン隊は分かれて、俺の班はヴァングレイとコスモゼロとともに向かう。篠原の班はヤマトの直掩だ!」
加藤が指示を出す中、大気圏突入が完了し、ハッチが開く。
キンケドゥの言う通り、エンゲラトゥスの大気圏は薄いため、短時間で突入が完了した。
「ヴァングレイ、叢雲総司、如月千歳、出る!」
ヴァングレイがヤマトから飛び降り、続けてコスモファルコン隊が発進していく。
「山本玲、コスモゼロ発進します!!」
専用カタパルトから発進したコスモゼロが先行し、501の反応がロストしたポイントへと急ぐ。
「玲…いくら航空隊に入りたいからって、そのやり方はまずいよ…」
(質問です。まずい、というのはあの無断出撃のことをいっているのでしょうか?)
コスモゼロを追いかけながら、チトセがもらした言葉に反応したのか、システム99が尋ねてくる。
「おいおい、いきなり質問かよ??」
「びっくりした、心臓に悪いよ…」
普段はだんまりとしているため、こうして突拍子もなく質問してくるのは2人のとってはびっくりすることだ。
きっと、この1年の間に慣れてくるかもしれないが、それまではこうした奇襲を何度も驚きながら受けることになるだろう。
「作戦行動中です、早く」
「質問してきたのはそっちなのに…。そうね…じゃあ、手短に話すわ。それは加藤隊長の気持ちを無視したことよ」
「ついでに付け足すと、加藤隊長のほうも玲ちゃんの気持ちを無理に抑えすぎたのもまずいかもな」
加藤と玲の関係については、2人はすでに篠原から聞かされている。
彼女の兄である山本明生は加藤の親友であり、彼はガミラスとの戦闘により戦死している。
そのため、加藤はどんなに腕が良くても、宇宙で航空機に乗る以上は常に死と隣り合わせという思いを抱き、彼の妹である玲の航空隊転属を認めない理由ともなった。
また、この一件がきっかけで加藤自身も身近な人の死に対して敏感になったというのも大きいかもしれない。
「んじゃあ、質問タイムはここまでだ!急ぐぞって…なんだよ、これは!?」
回答を終えたソウジはヴァングレイのカメラがとらえた光景を見て、目を大きく開く。
能面をつけた、機械と生物が融合したようなグロテスクな機械の軍団が救難信号を出していたと思われる艦の前で40メートル近い大きさの黒い人型ロボットと戦っている光景だった。
右手のメリケンサックがついているような拳でグロテスクな機械を殴りつぶし、さらに左腕についている3本の刃で切り裂くその姿はまさに凶悪な戦闘狂という印象を2人に突き付けていた。
機体名:コスモシーガル
正式名称:空間汎用輸送機SC97
建造:サナリィ
全長:19.5メートル
武装:なし
主なパイロット:地球連邦軍一般兵
地球連邦軍が運用する多目的輸送機。
大気圏突入能力を持っているうえ、戦闘員や物資の輸送能力にたけている。
しかし、大気圏離脱能力がないため、その際にはその能力のある艦に乗せてもらう必要がある。
大気圏突入能力がある分、従来の輸送機と比較すると強固ではあるが、ハードポイントとして装備できるガンポッド以外の武装がない点では変わりないため、モビルスーツや航空機による援護が必要となっている。
イスカンダルへ向かうヤマトに2機が配備されており、エンゲラトゥスでのガミラスの攻撃によって1機を損失している。
なお、ヤマトにそれが配備された理由としてはイズモ計画を捨てきれない一部の上層部の思惑という説がある。