スーパーロボット大戦V-希望を繋ぐ者   作:ナタタク

61 / 65
機体名:真ゲッター1
形式番号:なし
建造:早乙女研究所
全高:55メートル
全備重量:290トン
武装:ゲッタートマホーク×2(ゲッターサイトに変形可)、ゲッターバトルウィング、ゲッターレザー×2、ゲッタービーム(頭部、腹部、腕部)
主なパイロット:流竜馬(メイン)、神隼人(サブ)、車弁慶(サブ)

早乙女博士が反乱の際に真ゲッタードラゴンと共に建造した最後のゲッターロボの一形態。
性能についてはかつて竜馬たちが搭乗していたゲッターロボをはるかに上回り、単独での大気圏突入と離脱、亜光速に達するほどの加速を可能となど、その性能は一年戦争から17年経過した現在においても見劣りしないほどのもの。
早乙女博士の反乱時においては竜馬と隼人、號がパイロットとなってミサイルの阻止に向かったものの、ミサイルの阻止に失敗、爆発とセカンドインパクトに伴う混乱の中で機体は行方不明となっていた。
それが17年経過した現在において、当時の姿のままの號と共に姿を現したため、何らかの理由で號と共にどこかで眠りについていたものと思われる。


第61話 ゲッターVSグレート

-太平洋 日本付近無人島-

「何…何なの、これ…」

ネェル・アーガマ改から真ゲッター1とグレートマジンガーの戦闘をモニタリングしているミヒロはそこで行われている戦闘がとても想像できなかった。

ジュドー達が言っていたボソンジャンプでも行っているかのように入れ替わる2機の反応、それはネェル・アーガマ改の最新の観測機でもとらえきれないほどの常軌を逸したスピードだった。

ネェル・アーガマ改だけでなく、他の戦艦でもモニタリングしたとしても、おそらくは同じような状態だろう。

そんな動きをしても耐え続ける機体とパイロット。

とても同じ人間が行っているものとは思えなかった。

 

「鉄也ぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「竜馬ぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

ゲッタートマホークとマジンガーブレードがぶつかり合い、一度離れたと思ったら再び接近して今度は互いの拳がぶつかり合う。

どちらも近接戦闘用の装備か拳をぶつけあうのを繰り返し、互いにゲッタービームやサンダーブレークを放とうとしない、いやできない。

放とうとすることによる一瞬の減速や単純化する動き、停止をお互いに見逃すはずがないことがわかっている。

同時に、互いの最大火力がぶつかり合うその時が生死を懸けた決着となることも分かっていた。

「ふっ、姿が変わっていないように、中身も相変わらずか…お前は」

激しい戦闘が繰り広げられる機体の中で制御を務める隼人は17年前の戦いと今日までのことを思い出す。

竜馬たちと共にミサイルの阻止に向かったあの時、3人が最後に見たのは光に包まれるミサイルと真ドラゴンだった。

そこから隼人の記憶はなく、気が付いたときには包帯だらけの状態で京都の軍病院にいた。

医師の話によると、ミサイル着弾と同時に大規模な爆発が地球で発生しており、隼人は浅間山の山肌に転がっていて、地面に埋まっていたという。

彼を発見したのは近隣で活動していた連邦軍の部隊であり、見つかった時はもう生存は絶望的であり、その場での安楽死さえも選択肢に入るほどだったという。

医者のそんな話よりも隼人が聞きたかったのは一緒にいるはずの竜馬と號、真ゲッターロボの状態、そして浅間山に早乙女とともにいたであろう武蔵のことだ。

医者だけでなく、隼人を発見した部隊にも聞いたものの、答えは見つかったのは隼人だけで、武蔵も遺体で発見されたというものだった。

あまりのも損傷が激しく、とても遺族に見せられない状態であったことから既に火葬が行われ、骨壺が遺族に渡されたという。

その時に手渡されたのが武蔵の帽子であり、それは今、彼の後輩である弁慶に託されている。

武蔵と早乙女が死んだことについては理解できる。

地上に残っていて、ゴールとブライの襲撃を受けたことで、乗っていたゲッター3は満身創痍な状態であり、その状態ではミサイルもセカンドインパクトも耐えられるとは到底思えない。

ゴールとブライもあの爆発によってちり芥となり果てたのだから。

だが、真ゲッターロボと竜馬、そして號は違う。

隼人もともに乗っていて、ミサイルを阻止しようと動いたのだから。

万全に近いこの機体が何の痕跡も残さずに消えるとは到底思えなかった。

早乙女博士が消えたことも気がかりだが、もう1つ気になったのは真ゲッタードラゴンのことだ。

救出された際にはあの巨大な化け物といえるそれもまた、姿を消していたのだ。

なぜ自分だけ無残な状態であったとはいえ生き延びることになり、竜馬たちが消えたのか。

傷が回復した隼人は弁慶とともに除隊し、早乙女が遺したゲッター線に関する資料の回収を行いつつ、彼らの行方を捜した。

17年、それに費やしてきたが、結局できたのは早乙女博士の後追いといえるような研究成果だけで、ゲッター炉心を自らの手で作ることはかなわず、竜馬たちを見つけることもできなかった。

戦いから離れたその時間の間に肉体も衰えたと思っていたが、こうして竜馬と再会し、ここでともに戦い、ふざけた加速と運動がもたらす懐かしい負荷に耐えられていることに隼人は17年ぶりの生きている実感をかみしめていた。

「これが…ゲッターチームの力か…!」

ようやく見ることができた全力の竜馬の戦いに喜びを感じる鉄也は全身から感じる武者震いにニヤリと笑っている。

マジンガーのパイロットとなるために何度も戦ってきたシミュレーション上のものでも、ボロボロな黒いゲッター1で一人で戦っていたものとも違う。

3人がそろい、そして万全な状態の真ゲッター1に乗ってここにいて、戦っている。

自分が為さなければならないことはわかっているが、それでもこの戦いができることを戦士として喜ばずにはいられない。

機械獣の中にはこの戦闘に乗じて漁夫の利を狙おうと動く姑息な輩もいたが、その激しい戦いに巻き込まれて粉砕される結末をたどるだけだった。

そして、そのようなことになっていることなど、竜馬と鉄也には全く気付かれなかった。

 

「おいおい、あんなふざけた動きとスピード…これじゃあ、俺たちの存在がかすみますねえ、隊長」

「いうな、篠原…!俺たちは俺たちで…」

「隊長、新たな反応!これは…ドラゴンです!!」

「ここでドラゴンだと!?機械獣だけじゃなくて、ドラゴンまで相手かよ!?」

僚機およびヤマトからもたらされるドラゴン出現の座標。

しかもただのドラゴンではなく、ガレオン級とビックホーンドラゴンのみで構成されていて、おまけに火星で見た赤いパラメイルもいる。

「艦長…」

「これで、一つの仮説が証明されたでしょう」

ナデシコBでドラゴン達の反応をキャッチしたルリとハーリーが以前、テレサ達と共に導き出した一つの仮説。

それが証明されたのであれば、すべてのピースが埋まり、逆転の一手を打つことができる。

だが、その一手を打つためにも、この状況を切り抜けなければならない。

「あいつ…」

「待ちなさい、アンジュ!!一人で勝手に…」

接近する機械獣からダナンを守るべく、ウルズチームと共に直掩に回っていた第一中隊を置き去りにしたアンジュを制止するサリアだが、それを聞くことなく一人で行ってしまう。

サリアにもドラゴンの情報が伝達されており、その中にあの赤いパラメイルがいるとなると、アンジュが動くことはわかっている。

だが、あの重力を操作するビックホーンドラゴンが2体もいて、赤いパラメイルも火星の時は右手の蛇腹剣1本のみの装備だったものが右手に大型のライフル、左腕をマントのような形状のシールドが装着されたもので、軽やかだった火星の時のイメージと異なる状態になっている。

早く追いかけないといけないことはわかっているが、ダナンに接近する機械獣たちを放っておくわけにはいかない。

「ナオミ、ヴィヴィアン!2人はアンジュの援護に行って!!ここは私たちで守るから!!」

「わ、わかった!!」

「了解、急いでアンジュを連れ戻すわ」

フライトモードに切り替わり、アンジュを追いかけるナオミのグレイブとヴィヴィアンのレイザー。

それを見送ったサリアはこちらに迫る機械獣たちに視線を向ける。

「いい加減…邪魔をしないで!!」

 

「ええい、もう1機のマジンガーに真ゲッターだと!?ドラゴンが横槍を入れてくるとは!!」

新型機を与えられたあしゅら男爵は敗れ、おまけに真ゲッターとグレートマジンガーのよくわからない同士討ちが繰り広げられる中で漁夫の利を狙おうとしても、それすらかなわない。

幸い、ターゲットであるマジンガーZは傷ついているが、もうすでにロンド・ベルのモビルスーツ部隊やガンダムチームの救援が駆けつけたために攻撃が難しい。

次の指示に悩む中で、鉄十字兵の一人がブロッケン伯爵の前に立つ。

「Dr.ヘル様より通信!撤退せよとのこと!」

「何…?…ええい、急ぎ撤退せよ。タロス像を出せ!殿は奴らにさせる!」

「よろしいのですか?」

「構わん!タロス像はいくらでも用意できる!あのドラゴンや奴らが追撃するのを阻止できればいい!」

「了解!!」

グールから次々とタロス像がおろされていき、入れ替わるように機械獣たちが収容されていく。

命令されたとはいえ、それでも背を向けて撤退することになった現状にブロッケン伯爵は唇をかみしめる。

(これで済むと思うなよ、兜甲児。まだ我らの力はこの程度ではない。次こそは貴様も、あのもう1機のマジンガーもろとも息の根を止めてやる…!!)

 

単騎で突っ込んでくるヴィルキスに対して、ガレオン級が電撃を放ち、ビッグホーンドラゴンが重力波を放つべく力をためていく。

かすめただけでも大きなダメージになることはわかっており、フライトモードのままでそれをかいくぐっていくとともに狙いを2体のビッグホーンドラゴンに定める。

電撃はどうにかなるが、重力波を受けたら瞬間に舞っているのはなぶり殺しの未来だ。

「角を破壊すれば!!」

「させませんよ」

「何!?」

ヴィルキスの通信機から聞いたことのない女性の声が流れ、同時に赤いパラメイルが右手の大型ライフルのから複数のミサイルとガトリングを同時に放つ。

やむなくビッグホーンドラゴンへの攻撃をあきらめたアンジュが水上ギリギリまで機体の高度を下げてさがっていき、若干の誘導性のあるミサイルが水面や岩にぶつかって爆発していくとともに弾丸の雨あられから逃れる。

だが、その後に飛んできたのは大出力のビームだ。

「うそでしょ!?」

火星であの機体が放ってきたものとは比べ物にならないほどの大出力のビーム。

高度を上げることでかわそうとするヴィルキスだが、動揺が機体操縦に影響を与えたのは事実で、かすめた足がビームで溶解してしまった。

右足首がなくなったヴィルキスの様子を見た赤いパラメイルのパイロットが笑みをうかべる。

「なかなかの武器ですね、この『神弓』というものは」

「あの武器一つで3つも!?贅沢しすぎでしょ!!」

あの火力の中を飛ぶのは危険だが、逆に言えばあの蛇腹剣が装備されているのが確認できない以上は近接戦闘に持ち込むことで勝機を見出すことはできるだろう。

だが、それをやるにはもはや遅すぎだ。

2体のビッグホーンドラゴンが放つ重力波が赤いパラメイルへの道を断ち始めていた。

「機械獣が引いてくれたのはいいけれど…あの重力波は厄介ね…。テッサ、トマホークを使って、高高度からの攻撃は可能?」

いくつもの戦艦の中で、一番高い高度から攻撃できるもの。

そして、長距離かつ高高度で接近し、角を破壊できる武器としてスメラギが思い浮かぶのはダナンに搭載されているトマホークと、ヤマトの三式弾、そしてダイターン3のロケット砲だ。

ただし、三式弾はショックカノンと比較すると破壊力に劣り、確実に角を破壊するには正確な座標が必要となる。

大まかな座標のみであれば、トマホークの破壊力と奇襲性で分がある。

「無理です…。トマホークの射程距離や最大高度を計算しましたが、重力波発生状態では破壊が不可能です…それに、クッ!!」

船体が揺れ、テレサはその揺れに耐えながらモニターに映るサブマリン級に目を向ける。

赤いパラメイルが現れたと同時に出現したこのサブマシン級への対応に専念せざるを得ない。

「万丈、ダイファイターでビッグホーンドラゴンの角を破壊して!ザンボット3はレゴンの準備を!!」

「了解!座標は頼むぞ!!」

「わかりました!レゴン射出します!」

ザンボット3から射出されたレゴンがダイファイターへと変形したダイターン3と共に飛んでいく。

ビッグホーンドラゴンに攻撃を仕掛けようということがわかっているガレオン級が電撃を放とうとするが、その前に高速で発射されたロケット弾の爆発で上半身が粉々に吹き飛んでしまった。

「120メートルクラスの巨体…厄介ですわね。あれほどの巨人が機動兵器とは…」

彼女はドラゴン達が見てきた人間界の兵器等の報告を逐一受けており、その中でも最大の巨体を誇る人型巨人であるダイターン3の存在も、名前までは知らないとはいえ認知している。

あくまでも別世界の兵器であるため、あまり参考になるとはいえないが、それでもこの120メートルもの巨人が直立二足歩行しているうえに、戦車や戦闘機に変形できるなど前代未聞と言える。

変形できることを抜きにして、直立二足歩行のできる人型兵器でも、彼女の記憶の中にある最大の物のクィン・マンサでも40メートルだ。

そんな巨大な人型兵器を前にしては、重力波を突破される可能性も否定できない。

「となれば、致し方ありませんね…。あの兵器を、使うしか…」

 

「うおおおおおらあああああ!!!!」

真ゲッター1を上回る全長を誇るゲッタートマホークの刃がグレートマジンガーのマジンガーブレードを弾き飛ばし、そのお返しといわんばかりに放たれる蹴りによって、真ゲッター1の手からトマホークが離れる。

「へっ、やるじゃねえか鉄也!でもよぉ、まだまだ俺も、こいつも、本気を出しちゃいねえぞ!!」

「それは、俺も同じことだ!お前を超えて見せる!!」

互いにゲッタートマホークもマジンガーブレードもない状況で、ブレストバーンとゲッタービームがぶつかり合う。

互いの火力がぶつかり合った箇所から激しい爆発が起こり、その光でモニターが染まるとともに衝撃波で互いにのけぞっていく。

「まだまだだぜ…今度は…何!?」

「なんだ、これは…??」

次の攻撃を仕掛けようとした竜馬と鉄也だが、その思いに反するかのように真ゲッター1とグレートマジンガーの出力が急激に低下していく。

移動するだけならどうにかなる程度の出力は維持できているものの、この出力ではもう肉弾戦ができるかどうかも怪しいほどだ。

「おい、隼人、弁慶!!どうなってやがる!?お前ら、何かしたのか!?」

「いや、俺たちは何もしていない。だが…どうなっている??號の奴が持ってきたときには、何もしかけはなかったぞ!?」

研究所に急に號と真ゲッターが現れたときは動揺したものの、それでも出撃前には弁慶や研究所のスタッフと共に真ゲッターのチェックを行っている。

17年近くも放置されていた機体であり、號が乗ってここまで来たとはいえ、彼が向かうと言っている場所はアメリカから太平洋を越えた日本であり、そこまでの長距離移動をさすがの真ゲッター1でも行うにはしっかりとしたメンテナンスが必要だ。

実際、ここに到着するまでの太平洋を抜けるまでは機体本体のエネルギーを温存するために試作型のプロペラントタンクを装備されていた。

チェックの結果は異常なしで、それはチェックした上にこうして操縦もしていた隼人と弁慶も実感している。

そして、2機のセンサーが生体反応を捉えており、そこには號の姿があった。

「てめえがやったのか、號!?」

「…これでは、戦えん。俺の役目も、果たせんか…」

今の状態でこれ以上戦ったとしても泥仕合になるだけな上に、ドラゴンと戦っている他の味方と戦う展開となっては今の状態では勝てないうえに手加減をすることもできない。

口惜しいが、引き下がる以外に鉄也にとっての最善の手はない。

「竜馬、甲児に伝えろ。お前がマジンガーZに乗る限り、俺は何度でもお前を襲うと」

「待ちやがれ、鉄也!!まだ決着は…」

「当然だ。全力で戦える時に、お前とは決着をつける」

スクランブルダッシュを展開させたグレートマジンガーを仲間たちに背を向けて飛び去っていく。

背を向けたと同時にグレートマジンガーの出力が回復していき、一気に加速する形で姿を消していった。

今の真ゲッター1では追いかけることもままならず、この状況を作ったであろう號に文句を言いたくなったが、既に彼の姿も反応もなくなっていた。

 

「万丈さん!ビッグホーンドラゴンの角の座標です!」

レゴンから受け取った情報が恵子を介して万丈へと送られ、万丈は弾道を計算する。

予想以上なのはダイファイターの出力でもビッグホーンドラゴンの重力波の影響を受け始めていることだ。

もしまだほかにもビッグホーンドラゴンが存在し、彼らも重力波を発動していた場合、この距離であってもダイファイターは地上に墜落していた可能性がある。

「コースよし…そこで!」

『風に飛ばん el ragna 運命と契り交わして』

「何…!?」

急に聞こえ始めた女性の歌声。

通信機を介したものではない、脳裏に直接伝わってくるような歌声によって、発射されるロケット弾がわずかにビッグホーンドラゴンからずれ、角をかすめる程度にとどまってしまう。

それでも着弾と同時に発生する衝撃波はビッグホーンドラゴンの肉体を吹き飛ばし、重力波を一時的に止めることができた。

だが、今問題となっているのは万丈だけでなく、誰もが聞こえているあの歌声、そしてその歌声に合わせるかのように徐々に黄金の輝きを放ち始める赤いパラメイルだ。

両肩の装甲が展開されていき、緑色のクリアパーツがあらわとなる。

「何かが来る!!離れて、アンジュ!!」

ナオミの通信がヴィルキスに届くが、今のアンジュの意識には届いておらず、それよりも彼女の意識の大部分を支配していたのは歌だった。

(似ている…お母様が教えてくれた、永遠語りに…)

アンジュリーゼであった頃の証として、モモカ以外に遺された数少ないもの。

よく似ていて、メロディーと歌詞もどこか近いものが感じられる。

不意に、幼いころに永遠語りの歌を聞かせてもらったときの記憶がよみがえる。

 

 

-かつてのイスルギ皇国 ソフィアの私室-

「始まりの光 Kirali…kirali 終わりの光 Lulala lila 返さんel ragna 砂時計を」

幼きアンジュリーゼの前で永遠語りを歌い、それをアンジュはじっと見つめる。

シルヴィアは眠っていて、歌声が聞こえているのか、心地よさそうだ。

「覚えておくのです、アンジュリーゼ。これが皇家の守り唄。皇家を、国を、民を…そして、あなたを守ってくれる」

「お母様、なんでそんな大事な守り唄なのに、楽譜がないのですか?」

幼いころから教えてもらったこの歌だが、アンジュはあくまでもソフィアの歌を聞いただけで学んでおり、それに関する楽譜も歌詞も見たことがない。

覚えたい、と何度もアンジュがせがんでもあくまでソフィアは目の前で歌って見せたり、アンジュの練習に付き合うだけであり、歌詞や楽譜を書いて渡すことさえしなかった。

「この歌は特別なものです。この国が生まれてからずっと、イスルギ家の女性たちが言葉で伝えてきたもの。私も、私のお母さまから、同じように教えてもらいました」

「でも、それならなおさら書いたりして置いた方がいいのに…」

「アンジュリーゼ、私もなぜこういう形でしか受け継がれないのかはわかりません。もしかしたら、こういう形で伝えること、それ自体に意味があるのかもしれませんね」

 

-太平洋 日本付近無人島-

「赤いパラメイルから膨大なエネルギー反応を確認!!」

「この出力…戦艦クラス、いや…それ以上か!?」

森から送信された赤いパラメイルのエネルギー反応から換算されつつある数値に古代は思わず席を立ちあがってしまう。

7メートル程度の小型機でそれだけの出力を出した場合、機体そのものが耐えきれなくなって自爆する可能性が高い。

だが、この赤いパラメイルはそんな危険なほどの出力を出しているにもかかわらず、自爆する様子もなく、安定している。

そこから放たれる攻撃がどのようなものか、想像するのは容易だ。

「聞こえるか、ヴィルキス!あの赤いパラメイルから離れろ!攻撃が来るぞ!!」

(もう、遅いですわよ…)

もうすでに両肩にエネルギーの充填が完了しており、あとは発射をするだけ。

いずれ起こるであろう戦いで切り札とすべく開発された武器。

引き金を引くと同時にクリアパーツから発生したのは赤い稲妻が混じった竜巻だった。

左右から放たれる異なる回転の竜巻は圧縮されたハイパー・メガ粒子砲と言っても差し支えないものだ。

その射線上にいる唯一の存在はヴィルキスだ。

「あ…!!」

唄に気を取られていたアンジュがそれに気づいたときにはもう遅く、ヴィルキスの機動力で回避しようにも迫りくる竜巻の余波がそれを許さない。

今のアンジュの脳裏に浮かぶビジョンは自分があの竜巻の中で消滅する未来。

(これが…こんなのが、私の終わり…??)

アンジュリーゼとして生きることはもうなく、あの時の自分はアルゼナルで髪を切った時に同時に決別している。

ただのメイルライダー、アンジュとして生きている時も、最初はドラゴンを殺しつくして、いつかは死ぬものだと思っていた。

こうして、死が避けられない状況となり、実際に死ぬことでようやくすべてが終わる。

その運命がソレスタルビーイングなどの始祖連合の外のお人好しの連中によってちょっとだけ変わっただけ。

だが、胸の中からこみ上げてくる別の思いが込みあがり、かつて自分の運命を変えた洗礼の儀の前夜、ソフィアに言った言葉を思い出す。

(お母様、私は解き明かそうと思います。ノーマがこの世から根絶されれば、世界はもっと美しくなるはずです)

世界を解き明かしたい、その思いは変わっていないが、それはもはやノーマを根絶することではない。

始祖連合国やアルゼナル、ドラゴンが存在し、マナが存在し、外界とは隔離されたあの世界のすべてを知り、納得したい。

それに対して、まだアンジュは何もできていない。

「死ねない…私は、まだ死ねない!あなたは、あなたもそうでしょう!ヴィルキス!!」

2度目の出撃の時に無理やりのせられ、託された指輪とアンジュの思いに反応するかのように覚醒したヴィルキス。

彼女の問いに答えるかのようにカメラがかすかに光るとともに、アンジュの指輪も光り始めた。

そうしている間にも2つの竜巻がヴィルキスを襲い、飲み込んでいく。

竜巻はそれだけでは飽き足らず、退避しているヤマトにも迫りつつあった。

「まずい、ヤマトが!!」

「させない、トランザム!!」

「勝平!あれを止めるぞぉ!」

「言われなくても分かってらあ!!ザンボットムーンアタック!!」

「ポジトロンカノン、最大出力!!」

ラファエルガンダム、ザンボット3、ヴァングレイのそれぞれの最大出力の攻撃が2つの竜巻とぶつかる。

理論上ではこの2つの竜巻の出力をこれで相殺することができるとのことだ。

圧倒的な火力のぶつかり合った地点から大きな爆発が起こり、それはカメラが真っ白な光に塗りつぶすには十分すぎるほどの物だった。

「なんて兵器なんだよ…3機がかりで…」

あの小型機のどこにそれだけの力を秘めているのかとソウジはぞっとする。

もしパラメイルだけであの赤いパラメイルと戦うことになった場合、たとえ千機用意したとしてもあっという間に狩りつくされていたことだろう。

「アンジュ…アンジュは!?」

「あのイタ姫、竜巻の中に…」

「この反応…アンジュ、あそこに!!」

サリアのアーキバスが見つけた、竜巻の中に飲み込まれたはずのヴィルキスの居場所。

それは赤いパラメイルの真上であり、カメラには無傷の状態のヴィルキスの姿が映る。

だが、今のヴィルキスの色は白ではなく青へと変化していた。

(今のは…私は、確かに竜巻の中に…)

「この私が真上を取られた!?あの色は…」

「でも、今は…!!」

なぜ今ヴィルキスと自分がここにいて、生き延びているのかはわからないが、今はそれはどうでもいい。

絶好の位置をとることができた以上、もうあの竜巻もあの複合兵器も使わせるわけにはいかない。

アサルトライフルを投げ捨てたヴィルキスはラツィーエルを抜いた落下するように赤いパラメイルに迫る。

ここまで接近されてはもはや神弓は重りにしかならず、やむなく赤いパラメイルは神弓を手放す。

それを真っ二つに切り裂いた青いヴィルキスめがけて、ガレオン級2体が電撃を放つ。

だが、電撃が当たるギリギリのところでヴィルキスは再び姿を消し、次に姿を見せたのは起き上がったビッグホーンドラゴンの頭上で、一瞬で2本の角をラツィーエルで切り裂いて見せた。

もう1体のビッグホーンドラゴンも同じ運命をたどり、その様子を見た2体のガレオン級がアンジュに迫る。

「いくわよ、ヴィルキス!!全力で!!」

たとえドラゴンが大群で襲い掛かったとしても、今のアンジュには負ける気が一切しなかった。

指輪が光るとともにヴィルキスが今度は赤く染まっていき、ラツィーエルからはビームサーベルが展開される。

その出力は小型機のものとは思えず、モビルスーツ以上の出力で長いビームの刃が形成されていた。

電撃を放とうと口を開く2体のガレオン級を横一文字に切り裂くと、展開したまま赤いパラメイルに迫る。

「くぅ…!」

「はあああああああ!!!!!」

赤く染まったヴィルキスがラツィーエルを振るい、それが赤いパラメイルに迫る。

今のヴィルキスの攻撃をかわし切ることはできないが、それでも相手もかなりの技量を持つパイロットであり、まともに受けるつもりなどない。

機体をそらしたことで切り裂かれるのを左腕だけにとどめ、致命的なダメージだけは避けて見せた。

「潮時、ですわね…」

神弓を失い、損傷した赤いパラメイルでこれ以上の戦闘継続は厳しい。

ヴィルキスが更なる力を発揮し、他にもヴィルキスと同レベルと思われる機動兵器も存在することを考えると、戦っても益がない。

「皆、後退しますよ!」

「待ちなさい!あんたはドラゴンの…!?」

下がり始める赤いパラメイルを追おうとするヴィルキスだが、急に搭載されているモニターがブラックアウトし、ツインアイの輝きも失う。

スラスターも不調となり、ゆっくりと島に落ちていく。

この程度の落下速度であれば損傷することはないだろうが、これでは追跡は困難だ。

島の北部にシンギュラーが発生し、そこから出現する数多くのスクーナー級が口から白い火球を放つ。

それぞれの火球はある程度の距離を進んだ後で爆発し、強い光を放つ。

閃光弾と同じ役割を果たしたそれがモニターを白く塗りつぶり、それがおさまった頃にはドラゴン達も赤いパラメイルも姿を消していた。

(あれが…ヴィルキスの力…。アンジュが目覚めさせたというの…?)

地上に降り、ドラゴンが消えた方向を見つめるアンジュを見るサリアは彼女の無事よりも力を発動したことに対して意識を向けていた。

あの時から、一度も力を発揮することのなかったヴィルキス。

従来のパラメイルと一線を画す力を持つそれをなぜ自分ではなく、アンジュを選ぶのか。

疑問が浮かぶ中で、通信がつながる。

「皆さま、お伝えしたいことがあります。速やかに帰投してください」

「伝えたいこと…?」

「はい、重大な事実です」

 

-トゥアハー・デ・ダナン 格納庫-

「ああ…こりゃあひどい。一度戻って装甲の補強をしねえと、水が入ってきちまうな…。くそっ、メリダ島が生きていれば…」

サブマリン級と戦ったことによる損傷状況の報告を受けたサックスは想像以上のダメージに頭を抱える。

西暦世界ではZZの助けがあったことで、どうにかサブマリン級を撃破することができたが、今回は単独での戦闘となり、痛み分けに近い結果となってしまった。

大質量による突撃やビームを受けた装甲はズタズタで、一部の区画は隔壁閉鎖を行っている始末。

このままでは宇宙へ向かうことができず、戦闘となっては耐えられない。

メカニックたちがダナンの修繕に急ぐ中、3機のゲットマシンに分離して格納された真ゲッター1から降りた竜馬はかつての仲間である隼人と弁慶と会話をしていた。

「そうか、武蔵は…」

「ああ…。最期まで地球のために戦ってくれた」

「俺たちは行方が分からなくなったお前や號、真ドラゴン、そしてこいつの行方を追いつつ、ゲッター線の研究を行っていた。セカンドインパクトと重なって、ゲッター線汚染が世界中に広がっちまったからな」

「状況は?」

「赤い海はまだまだだが、ゲッター線汚染については何とかなった。汚染区域はまだ残っているが、想像以上のスピードで浄化が進んでいる」

隼人としては、このゲッター汚染による地球被害は世界中に広がっていて、なおかつ重度の汚染区域の完全浄化を考えると、もう地表での生活は自分たちが生きている時代では不可能なほどになっているとばかり思っていた。

それだけ膨大なゲッター線をあの真ドラゴンが持っていたのだから。

だが、隼人が想定していたよりもゲッター線汚染の被害はかなり小さく、わずか半年で地上の大部分では従来通りの生活が可能となっていた。

日本を中心に重度の汚染区域はまだまだ存在しているものの、あと10年くらいしたらすべて解消されるめどが立っている。

「最も、こんな都合のよすぎるほどの浄化スピードの原因が気になるところだが…」

「いいじゃねえか、隼人。今は原因よりも浄化されているという結果だ」

「…早乙女のジジイはどうした?やっぱ、死んだか?」

「ああ…武蔵と一緒にいて、研究所も吹き飛んだんだ。もう、生きていないだろう。連邦もそう判断した」

「そうか…なら、それでいい…」

自分の運命を狂わせた早乙女がもうこの世にいない。

殺人の濡れ衣を着せ、どん底へと追いやった早乙女を許せないという気持ちは今も残っているが、早乙女がいなければゲッターロボのパイロットになることはなく、インベーダーとの戦いの勝利はなかった。

憎しみとわずかながらの感謝が混在する竜馬の肩に弁慶の手が置かれる。

「驚いたぜ…俺たちはアメリカでゲッター線の研究をしていたんだが、そこに號が真ゲッターと一緒に現れて、お前が生きている。お前のいる場所に連れて行ってやるから乗れ、なんて言われてよ」

「俺たちは半信半疑のまま乗り込んで、ここまで来たというわけだ」

「ご苦労だったな、お前ら。真ゲッターは受け取ったから、お前らはアメリカに帰っていいぜ。ナシは俺がつける」

「フッ…以前の俺なら、ここで貴様とやりあってただろうが、生憎大人になったのでな、お前のつまらん冗談にも笑って受け流すことができる」

17年前であれば受け流せずに始まったであろうやりあいを止めてくれたのは武蔵で、その組み合わせがあったからこそ、いがみ合っていたかつての竜馬と隼人はともに戦い、インベーダーを倒すことができた。

落ち着きを手にしたとともに、失ったものも感じ、まだまだその穴を埋め合わせるには時間がかかりそうだ。

「年の功として言ってやるぞ、竜馬。ゲッターは3人の力を合わせることで、真の力を発揮する」

「んなこと言われなくても分かってる。だが…」

「研究の方は心配するな。優秀な若い奴らが育っている」

「せっかくの再会なんだぜ、竜馬。憎まれ口をたたくんじゃなく、素直に喜ぼうぜ。お前にとっちゃあ数か月かそこらの話かもしれんが、俺たちにとっては十数年ぶりのダチとの再会なんだからな」

「ちっ…年寄りにはかなわねえぜ」

17年という長い時間、それはこうして正面から隼人と弁慶を見るだけでもわかってしまう。

40代となった彼らの気力は確かに昔と変わらないものの、加齢による衰えにはどうしても逆らうことはできない。

そして、地球を復興させるためにひたすらゲッター線の研究に費やしてきた苦労もにじみ出ている。

「そう思うなら、これからは年長者の言葉に耳を傾けてもらうぞ」

「うぐ…てめえ、早乙女のジジイみたくなってんじゃねえのか…?」

「それはない。たとえ、研究一本に人生を費やすことになろうとな」

 

「初めて見ましたよ、竜馬さんがあんなに笑顔になるの」

「神隼人と車弁慶…あの2人は竜馬にとって大切な友人なんだろう」

何かから解放されたかのように笑顔を見せる竜馬に安心するトビアに対して、キンケドゥの脳裏に浮かぶのはコスモ・バビロニア建国戦争時代にともに戦った仲間たちのことだ。

フロンティアⅣで学生生活を共に過ごしてきた仲間たちとはキンケドゥとなってからは一度も連絡をとっていない。

木星戦役を終えて地球で暮らす中で、肉親である母親と妹、そして彼らに連絡を取ろうと手を尽くしたものの、ガミラスの攻撃による混乱で叶わなかった。

どうにか地球を蘇られ、ベラと共に彼らと再会することを願うキンケドゥには3人がうらやましく思える。

「相思相愛ってのはいいな、ダンナ。片思いってのはつらいぜ…」

「キャップ…そういう方がいらしたのですか?」

「鉄也のことだよ」

「ああ…キャップはそういう趣味の方だったのですね。配慮が足りておらず、失礼しました」

「そうじゃなくてだ!!というより、どこでそんな知識を!?」

「漫画です、メイルライダーの一部の方が読ませてくれました。それから、これは場を和ませるための冗談です。ちゃんと理解していますから」

「そ、そうか…」

理解してくれているならいいが、やはり人と違う環境で生きていたメイルライダー達がどんなものを読んでいるかという興味がわいてしまう自分の存在をソウジは感じていた。

「鉄也のあの様子だと…また来る可能性が高い。甲児と竜馬を狙って…」

「その理由を語る気はなさそうですね」

「甲児はどうしている?」

「マジンガーZの整備を手伝っています。ショックは受けていたけれど、それ以上に今は解放されたマジンガーZの機能を調べたくて仕方ないみたいで…」

「ポジティブさは若者の特権だな」

「にしては…ドライすぎると思うぜ」

鉄也と共闘したのがあの使徒との戦いの1度きりであるとはいえ、同じマジンガーに乗り込んでいて、マジンガーZと無関係とは思えないそれと戦うことになったことに対して、落ち込むくらいのことがあっても仕方ないとは思う。

すぐに立ち直ることはいいことだが、まるで鉄也のことを意に介さないような甲児の様子は気がかりだ。

「にしても、今日はいろいろとありすぎたぜ」

「そうね、あしゅら男爵にブロッケン伯爵、鉄也にドラゴン、赤いパラメイルに更におまけで謎パワーを発揮したヴィルキス…もうおなか一杯ね」

クルツもマオもアマルガムとの戦いの中で謎パワーであるラムダ・ドライバと何度もかかわってきたため、ヴィルキスの謎の力については別に驚くことはしない。

だが、旧型のパラメイルと言われるヴィルキスのどこにそれだけの力を発揮しているのかがわからない。

初出撃の時といい、今回の戦いといい、ヴィルキスにはアーバレスト、そしてアルと同じ得体の知れなさが感じられる。

損傷したヴィルキスは赤いパラメイルの片腕と共にナデシコBに回収されており、そこでメイたちアルゼナルの整備班の少女たちによるメンテナンスを受けている。

整備兵たちの話によると、他のパラメイルとは違ってヴィルキスについては自分たちだけでの整備にこだわっており、他の整備兵たちの助力を受け付けていないという。

旧型でデリケートだからという言い分らしいが、今回の戦闘を見た以上は隠し事をしているようにも思えて仕方ない。

「そういえば、ルリ艦長が重大な事実が分かったって言ってましたけど」

「きっと、驚くことになるわよ。もしかしたら、西暦世界へ帰れるかもしれないから」

「西暦世界に…!?」

かなめからさらっと言われた、まさかの話。

この話が真実であれば、ルリや舞人をはじめとした西暦世界の仲間たちにとっては僥倖といえる。

「それは…どうやって?」

「鍵はボソンジャンプ、そしてヴィルキスが見せたあのパワーです」

「マジかよ…」

「はい、今日のヴィルキスのデータがシンギュラーの構造を解き明かしてくれています」

「ナイン…?」

「何を隠そう、今回のプロジェクトの発案者がこのナインなんです」

「ナインが!?」

ソウジとチトセの視線がナインに向けられるが、彼女は表情一つ変えることはなかった。

 

-ナデシコB 格納庫-

損傷した片足の修復が完了し、他の整備兵たちがひと段落をつける中でメイは回収した赤いパラメイルの左腕の解析を行っていた。

ココアを一口含み、モニターに表示されるフレームの構造や使用されている合金の元素などの一つ一つを確認していく。

「これをジルに報告したら、驚くかもしれないわね…。あの赤いパラメイル、ヴィルキスを発展させたものといってもいい」




武装名:神弓
ドラゴンと行動を共にする赤いパラメイルが装備している大型兵装。
ミサイルランチャーとガトリングガン、ビームランチャーの複合兵器であり、かつて地球連邦軍が開発したモビルスーツ、ヘビーガンダムに装備されているフレームランチャーに似た形状で、カラーリングが黒をベースに赤いラインがついたものとなっている。
なお、ヤマトのデータバンクにおける新正暦世界の記録情報によると、かつて一年戦争末期に連邦軍が極秘裏に行っていた次世代型モビルスーツ開発計画であるペイルライダー計画が存在し、その過程で開発された複合武装システム、シェキナーが存在することから、宇宙世紀世界においても存在してもおかしくないらしい。
その仮説が正しければ、ドラゴンの勢力は宇宙世紀世界において地球側の技術を極秘裏に入手しており、それを用いて赤いパラメイルとその兵装を開発している可能性も考えられる。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。