スーパーロボット大戦V-希望を繋ぐ者   作:ナタタク

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機体名:デルタプラス
型式番号:MSN-001A1
建造:アナハイム・エレクトロニクス社
全高:19.6メートル
全備重量:50.8トン
武装:60mmバルカン砲、専用シールド(グレネードランチャー、ビームガン内蔵)、ビームサーベル(ビームガンに兼用可)×2、ロングメガバスター(ビームライフルと選択可)
主なパイロット:リディ・マーセナス

アナハイムがかつて開発したモビルスーツ、百式の量産試作機。
百式は元々、可変モビルスーツとして開発されていたものの、フレーム強度に問題があったことから非可変機に設計変更された。
デルタプラスはZ計画の中で開発されたZガンダムやZZガンダムなどから蓄積されたデータを元としており、フレーム強度の問題を解決したことで可変機としての開発に成功している。
これによって汎用性を獲得することができたものの、現在運用されているジェガンやリゼルとは異なる規格のパーツを使っていること、そして量産検討機であることから同種の機体が少ないことから、唯一百式を運用しているロンド・ベルに配備されることとなった。


第56話 行方

-ネェル・アーガマ 医務室-

メリダ島での戦闘の後、ここにいるほとんどが本来は連邦の負傷兵だろう。

だが、今ここのベッドに横たわっているのはジオンのノーマルスーツ姿だった少女一人だけだ。

点滴を打たれながら、医師によって身体検査をされている。

ジュドーとプル、プルツーは廊下でそれが終わるのを待っている。

「なんだかあいつ…プルとプルツーに似ていたな」

ビームマグナムを受け、地面を転げた後で停止したクシャトリヤのコックピットを開き、そこで気を失っているマリーダの顔を初めて見たときのジュドーの第一印象がそれだ。

髪の色はプルやプルツーのような生き生きとした明るいオレンジに近かったかもしれないが、かなりすすけている。

「ジュドー!ジュドーはどうしてあの女のことを気にするの!?」

「そうだよ!あいつは敵なのに…!」

クシャトリヤのコックピットからどうにかして運び出されたマリーダの姿を見たときに2人が感じた危機感は今も消えていない。

言葉にならない嫌悪感やジュドーを害するのではないかという不安がぬぐえずにいる。

「お、落ち着けよ!プルもプルツーも!!お前ら、どうしてここまであの子に対して攻撃的なんだよ!?」

「それはだって…」

「ねえ…」

「それに、お前らだって、元々は俺の敵だった。そうだろ?」

「そういえば…」

「そうだった…」

今ではすっかりロンド・ベルやガンダムチームとなじんでいる、いや、なじみすぎて一緒にいるのが当たり前のようになったためか、かつて殺し合っていたことなど2人の頭からすっぽりと抜け落ちていた。

「だからさ、敵とか味方とか、あんまりこだわる必要はないんだよ。それに…もしかしたら、今のジオンのこととか、フル・フロンタルのこととか、彼女から聞けるかもしれないしな」

問題なのは彼女の意識が回復し、会話できるようになるのがいつのことになるかだが、それは医者を信じるしかなかった。

現在、医務室の中にいるのはマリーダの治療をしている若干紫がかった七三分けの髪をした若干黒がかった肌の男性で、エゥーゴが結成された頃から軍医として艦に乗っている男、ハサンとオットー、レイアムと治療中のマリーダの4人だ。

オットーとレイアムはハサンから手渡された端末で、彼女の情報を見ている。

「遺伝子データがエルピー・プルとほぼ一致…ということは、プルツーと同じとみて間違いないということか…」

「ええ。ただ…この体格は明らかに成人ギリギリというところだが…」

「プルツーはほかのプルシリーズと共にコールドスリープを受けていたと言っています。おそらく、彼女の場合はプルツー達よりも早く覚醒したかと…」

「嫌な話だな…グレミー・トトの遺産というわけか」

回収されたクシャトリヤ、そしてジュドーが運んでいたマリーダに対するプルとプルツーの反応から、おそらくはあり得るかもしれないと薄々ながら感じていたが、ハサンによる検査によって確定してしまった。

これはあくまでもプルとプルツーの証言や検査、彼女たちがかつて搭乗していたキュベレイとクィン・マンサ、そしてロンド・ベルによる調査によって出された説の一つではあるが、プルシリーズは確かにプルをオリジナルとはしていて、遺伝子データもほぼ一致しているものの、少なくともプルツーとマリーダは彼女と比較すると若干の違いがある。

肉体レベルの強化、そしてGへの耐性強化のための後付けの内臓の取り付けをする必要があったという理由もあるだろう、それに適するように若干遺伝子にも手が加えられた可能性もある。

また、戦闘データを元にどのパターンが最適な存在なのかを検証するという理由もあっただろう、プルツーとマリーダを比較しても遺伝子データに若干のばらつきがあり、しいて言えば彼女たちはプルにやや近い別人と言えるかもしれない。

実際のところ、プルは幼いことから精神的に不安定な一面もあり、兵士として扱うには若干難しいところがあったということが大きいかもしれない。

その結果として作られた、少なくとも11通りのプルクローン。

その中でグレミーのお眼鏡にかなったのが、唯一クィン・マンサを動かすことのできたプルツーで、仮にグレミーの反乱が成功していたら、彼女をベースにプルシリーズを量産していた可能性もあり得る。

マリーダがなぜ、プルツーよりも早く目覚め、おまけに肉体年齢がオリジナルのプルを上回る状態にする必要があったのかはわからないが、おそらくは精神が安定し、なおかつ肉体そのものも全盛期に近い状態での運用を想定していた可能性もあるだろう。

「意識は失っていますが、幸い命に係わる怪我を負っているわけではありません。今は様子を見ましょう」

「そうだな…あとはあのクシャトリヤか…」

 

-ネェル・アーガマ 格納庫-

「やはりか…この機体にもサイコフレームが…」

端末とコックピットを接続させ、キラがセキュリティを突破してくれたことで見えたクシャトリヤのデータを見たアムロの表情が硬くなる。

νガンダムの開発をしていたころ、アムロは独自のサイコミュシステムを組み込もうとしていたが、それでもかつて戦ったクィン・マンサやキュベレイなどには及ばず、結局は当時はその実情を知らなかったとはいえ、シャアがリークしたサイコフレームを使うしかなかった。

そして、アクシズから地球を救い、アムロとνガンダムを西暦世界へと転移させたサイコフレームが未だに連邦でもジオンでも運用されている。

そして、それのおかげであの巨大なクシャトリヤが小型化し、このクシャトリヤとなった。

「アムロ…」

「どうした?チェーン」

「本当によろしかったのですか?サイコフレームのデータを…」

ラー・カイラムに戻ったアムロはすぐにチェーンにサイコフレームのデータをヤマトに提供することを頼んだ。

西暦世界に転移してから、アムロはずっとサイコフレームの力に恐怖していた。

その恐怖は今も変わらないが、ジュドーのあのまっすぐな言葉とバナージを救った姿に何かを感じていた。

「ああ…。確かにこのサイコフレームは今の俺たちには行き過ぎた力だ。いずれ、本当にその力が使いこなせるようになる時が来るまでは封印しなければならないかもしれない。だが…今はこの力は必要だ。この戦争を終わらせるためにも。幸い、彼らも分かってくれた」

真田もデータを受け取った際には戦争が終わり、地球を救った後はサイコフレームのデータをすべて封印することを承諾している。

最も、ヤマトの万能工作機ではまだサイコフレームそのものを作ることはできないという。

データ不足ということもあるが、それ以上にそれに関連する技術がMCA構造を除いて封印されたことも大きいかもしれない。

また、サイコフレームに組み込むサイコミュチップの密度の問題もあるだろう。

どうにか作ったサイコフレームもどきはνガンダムに搭載されているサイコフレームと比較しても、完成度は6割程度だ。

本当にサイコフレームを作ろうとなると、アナハイムを頼らなければならないが、かつてνガンダムの開発にかかわり、アムロと関係の深いフォン・ブラウン工場ではサイコフレームのデータやそれに関係する資材をすべて本社に持っていかれており、現在はジオンと関係の深いグラナダ工場でしか作れなくなっている。

それに、今は連邦にもジオンにも追われる身である状態では頼るのも無理な話だろう。

 

-ヤマト 格納庫-

「よーし、取り付け作業だ!ぶつけるなよー!」

「了解ー!よーし!!」

万能工作機で制作されたグレーのプレートが新造されたナラティブガンダムのバックパックに取り付けられる。

その後ろ姿はツインフィンファンネルを搭載したνガンダムに近いものに見えた。

「これがナラティブガンダムの新装備…」

「新、といってもローテクしかねえがな。残念だが、今のヤマトじゃあまともなサイコフレームが作れませんぜ」

真田を通じて見せてもらったサイコフレームとフィンファンネルのデータを見たときは、まさかそのような形であんなものができたとは、と榎本達は驚愕した。

それによる高性能なサイコミュシステムとアムロの技量が組み合わさることで、フィンファンネルは運用することができる。

ヤマトが開発したサイコフレームもどきではそこまでの芸当や、おそらくは星を動かすだけの力を発揮することはできないだろうが、それでもバイオセンサー以上の助けにはなる。

「このサイコプレートは強度を重視した設計で、攻撃手段のファンネルよりは防御の意味合いが大きい。まぁ、ぶつけて攻撃することもできますが」

「ありがとうございます、榎本さん。ナラティブの修理だけじゃなくて、新装備まで…」

「まあ、設計にはアムロ大尉も手伝ってくれましたがね。まあ、あとはヨナ少尉とリタの嬢ちゃんの力次第、ということで」

「ええ、わかっているつもりです」

ミシェルからナラティブを託されてから、ヨナはとにかく模擬戦やシミュレーションに打ち込んでいた。

ロンド・ベルやナデシコ、エコーズなどに所属するエースパイロットの実力を目の当たりにしたこと、そしてともに戦いリタを守るという思いが大きい。

思いだけではどうにもならず、それをなすだけの力を得なければならないことは既に痛感している。

そして、それだけの力をまだヨナは持ち合わせていないことを結果が示している。

(中の上…。今の俺はまだ平凡な力しかない。でも、必ず…!)

 

-プトレマイオス2改 刹那の個室-

「…」

シャワーを浴びる刹那は鏡に映る自分の姿を見る。

今回の戦闘の後に感じた異様な疲れ。

だが、この疲れはトランザムバーストを使ったからではなく、死んだはずのライルと彼の乗っていたデュナメスの存在が大きい。

あの姿を見たことで、ようやく乗り越えたと思ったあの傷がよみがえってくる。

(ロックオン・ストラトス…。どうして…)

幸い、あの戦場にロックオンがいたことは刹那以外には知らない。

イノベイドであるティエリアにか感づかれたかもしれないが、少なくともフェルトには知られたくないという思いがある。

かつて、フェルトはロックオンに想いを寄せており、彼が死んだと知った時は誰よりも悲しんでいた。

(生きていたのか…?生きていたとしたら、どうして…今になって俺の前に現れた?俺を…恨んでいるとでもいうのか…?)

ロックオンに恨まれていない、そうはっきりというだけの説得力を刹那は持っていない。

己の苦々しい少年兵としての記憶。

自らの手で家族を殺し、神のためなどという言葉の元でテロリストとして戦ったソラン・イブラヒムとしてのかつての自分。

その仲間がかつて起こした自爆テロによって、ロックオンは両親と妹を失うことになった。

3年前、偶然にもそのことを知ったロックオンに一度は銃口を向けられた。

あの時は事なきを得て、ロックオンもいつも通りの接し方に戻ったものの、それが本心なのかどうかは今となってはわからない。

シャワーを終え、タオルを腰に巻いた状態で脱衣所を出る。

椅子にはティエリアが腰かけていて、刹那の顔をじっと見つめていた。

「いつの間に入っていたのか…?」

「ああ。君から感じる迷い…信じられない話だが、ロックオン・ストラトスが生きていたんだな」

「ああ…なぜこの世界にいるのかまではわからないが…」

「そうだな…生きている可能性も…正直に言うとゼロではない。僕たちは誰も彼の死体を見たわけじゃないから」

だが、仮に生きていたとしたら、どうして今まで自分たちの前に現れなかったのか。

わからないことの方がはるかに多い。

「ロックオンとデュナメス…このことは僕と君だけの話にしよう。フェルトたちに伝えるとしても、今は情報が少なすぎる…」

「ああ…」

「君は休んでおけ。トランザムバーストを使った後だから」

ティエリアが部屋を出て、一人になった刹那はティエリアが座っていた椅子に座る。

机の上にはアロウズとの決戦前にお守り代わりとしてフェルトがくれた花がある。

それを見る刹那の瞳はわずかにうるんでいた。

 

-ラー・カイラム 格納庫-

「よーし、このジョイントで接続すれば…いけるぞぉ!!」

「思ったとおりだ。このビームガトリングガンは同じアナハイム製のモビルスーツにも使える」

ユニコーンのシールドの裏側にビームガトリングガンが二挺、専用のジョイントによって接続される。

回収したクシャトリヤに装備されていたそれを解析したところ、開発元はアナハイムであり、ユニバーサル規格で作られたものであることが分かった。

ユニコーンの弱点である継続戦闘能力の改善にも役に立ってくれるだろう。

今のネェル・アーガマには損傷したロンド・ベルの機体や鹵獲したクシャトリヤの整備と解析で手一杯になっており、ユニコーンはほかのガンダムチームの機体や、解析の終わったビームガトリングガンともども一時的にラー・カイラムで面倒を見られることになった。

ガトリングが装着されたシールドがユニコーンのそばに置かれる様子をバナージはビーチャ達と一緒に見ていた。

「結局…リディさんもオードリーも、居場所がわからなかったな」

「仕方ないさ、戦闘中だったんだから…」

「結局、なんだったんだろうな…オードリーって女の子、わからずじまいか」

「あの子はいいよ、だって…民間人だろ?問題は少尉さんだよ。あれ、敵前逃亡じゃん!!」

モンドが気になっているのはリティのことだ。

民間人で言い訳のできるオードリーとは違い、リディはロンド・ベル所属の軍人。

そんな彼が仲間を見捨てて逃げ出した上に、押し付けられただけとはいえ高性能な試作機であるデルタプラスまで持ち出した。

それだけでも待っているのは銃殺刑であることは目に見えている。

「心配は無用だろう。あいつの親父さんが働きかける。そうしなくても、いいように忖度するだろうさ」

「ナイジェル大尉…リディ少尉のお父さんって、偉い人なんですか?」

「えらいも何も、彼の父親であるローナン・マーセナスは対コロニー問題評議会議長だ。総司令部ともズブズブの関係といってもいい」

「それじゃあ、オードリーも無事なんですね?」

「リディ少尉が一緒ならな。だが、なぜそんな危険を冒してまで行かなければならなかったのかはわからないが…」

そのカギとなるのが、オードリーの正体だろう。

そして、そのことで今の段階で一番それがわかるであろう人物はバナージだ。

「…」

「なあ、バナージ?あのオードリーって子は何者なんだよ?」

「隠さないで教えてよ。仲間でしょ?」

ビーチャとエルの言葉の中で、バナージは迷う。

仲間である彼らに隠し事をしたいとは思わないが、オードリーのことをどこまでは為せばいいのかわからない自分もいる。

一つだけわかることは、このまま隠していても自分や彼女のためにならないかもしれないということ。

そして、彼らが信用できるということだ。

「…彼女は、ジオンの関係者かもしれません」

「何!?」

「インダストリアル7で彼女と出会ったとき、頼まれたんです。ビスト家の屋敷まで案内してほしいって…」

授業を終え、友達と一緒に展望台に行っていた夜、バナージが見たのはコロニー内で落ちていくオードリーの姿だった。

普通落ちるとなると、建物の屋上やベランダから落ちるものだろうが、彼女はそんなレベルではなく、まるで大空を飛ぶ飛行機から真っ逆さまに落ちているような状態といえた。

コロニー内で飛行機はほとんど存在せず、少なくともインダストリアル7ではそんなものはない。

どうして落ちているのかはわからないが、放っておけなかったバナージはアルバイトでしようとしているプチモビルスーツを使い、どうにかオードリーを救出した。

そして、彼女から迷惑次いでで頼まれたのがそれだ。

戦争を止めるため、確かに彼女はそう言っていた。

そんな彼女の望みをかなえるため、バナージはビスト邸へ、通っている学校の学長の住まう場所へ案内した。

その道中、バナージはマリーダに襲われることになった。

「なるほど、となると…彼女はジオンの亡命者ってわけだな」

「そして、その亡命者が連邦のお偉いさんの御曹司をたぶらかした…そういうわけか」

「けど、不自然じゃねえか?今の連邦は形勢不利だ。亡命いたって何の得にもならねえぞ」

仮に一年戦争の時代であれば、それはあり得ない話ではなかった。

そのいい例がジオンで対ニュータイプ用OS、EXAMシステムを開発していたクルスト・モーゼス博士で、彼はオールドタイプを滅ぼしうる存在であるニュータイプを滅ぼすという妄執を果たすべく、彼から見てより高いモビルスーツ開発技術を持つ連邦へ亡命し、そこでEXAM搭載型モビルスーツの開発を行っていた。

最も、そんな彼が必死に作ったモビルスーツはEXAMシステム搭載型モビルスーツをめぐる争いの中ですべて破壊され、開発者であるクルストもジオンが放った追手によって殺害されたことで、EXAMシステムは量産されることなく、歴史の闇へと消えていくことになった。

逆に連邦からジオンへ亡命した軍人も存在し、その軍人たちはジオンが開発した、一言でいうとジムの皮をかぶったザクⅡといえるモビルスーツであるゲム・カモフに乗り込み、友軍機と誤認した連邦軍の戦艦に接近し、油断したところを攻撃・破壊する行動をとっていたという。

だが、そのジムの皮があまりにも出来すぎていて、母艦へ戻る際に友軍のムサイが味方の艦が敵モビルスーツに接近されていると誤認して誤って撃墜してしまうという事件が発生し、その軍人も死亡したという。

技術を持つ研究者であればともかく、軍人となると捨て駒にされる傾向があるようだ。

オードリーの場合はどう見ても技術者には見えず、かといって軍人にも見えない。

「責務…」

「え…?」

「オードリーが言っていました。責務を果たすために、動かなきゃいけないって…」

「責務、か…」

「もしかしたら、オードリーって、身分の高い家の女の子じゃないかしら…?」

「どういうこと?ベルナデット」

「モモカも言っていたけれど…なんとなく、言葉遣いとか立ち振る舞いがそういうふうに感じるの…」

やや普通じゃない世界といえる木星帝国で暮らしてきた自分よりも、アンジュに長年仕えてきて、彼女をはじめとした皇族の立ち振る舞いを見てきたモモカの見立ての方が説得力があるとベルナデットは感じた。

「そういえば、どこか世間とずれている感じもあったような…」

「けれど、どこか肝の据わっている感じがしたわ。それに、あの子のまっすぐな目。あれは…重い覚悟を背負っている人間の物よ」

「アンジュ…?」

急に会話に割り込んできた、ノーマルスーツ姿のままのアンジュにバナージ達の目が行く。

メリダ島を離脱する際、メイルライダー達は全員ダナンに乗ったはずで、ヴィルキスも確かにそこで格納されたのを見ている。

「こっそり抜け出してきたのよ。サリアの説教を聞きたくなくてね」

「おいおい、勘弁してくれよ。それに、海の中のダナンから空のラー・カイラムにどうやって…」

「覚悟…か…」

その覚悟を決めて果たそうとする責務。

それを果たすために、リディと共に行ったオードリーに思うところがないと言えばうそになる。

だが、それ以上に彼女を信じたいという気持ちもある。

(君の前だけを見るまっすぐな目…。その目に映る先がその責務だというなら、俺もそれを信じたい…)

 

-太平洋 上空-

リディとオードリーを乗せたデルタプラスは赤い海の上を飛び、ハワイを目指す。

メリダ島を脱出し、残余の推進剤を確認しつつ、Gハウンドの力が及びづらいであろう辺境の基地を探して一番の候補となったのがそこだ。

一年戦争では太平洋の海の支配をかけて連邦とジオンが骨肉の争いを起こしていた地だが、セカンドインパクトによって海の戦略的価値が失われ、それに伴い基地としての価値を無くしたそこは今では最低限の兵力と兵器しか存在せず、ジオンにも興味を向けられない存在へとなり下がってしまった。

かつては観光客でにぎわっていたが、それも大昔の話で、今ではサイド6のように戦争を嫌って流れてきた人々の巣窟のようになっている。

(バナージ…あなたを戦いに巻き込んでしまったにもかかわらず、こうして離れてしまったこと…憎んでいるでしょうね。ごめんなさい…けれど、私にはあなたたちを待つ時間が残されていないの…)

デルタプラスのサブシートに乗るオードリーの脳裏に浮かぶのはバナージの顔。

ほんのわずかな間しかかかわっていない普通の少年。

そんな彼のことが今一番胸に突っかかっている。

「ハワイ基地を頼って、そこから親父と連絡する。そこから親父のいるダカールへ行く。まだまだ遠い旅になるぞ」

暗い表情を見せるオードリーに声をかけるリディだが、彼もまた複雑な感情が渦巻いている。

ダカールにいる父親、ローナンのことだ。

政治家の大物ということで世間から話題になり、彼のおかげでリディも地球でそれなりの生活を送ることができた。

だが、どこへ行ってもリディはローナンの息子、マーセナス家の嫡男としてしかみなされない。

政治家の地位も、かつての地球連邦政府大統領であったリカルド・マーセナスの血の存在も大きい。

どんなにそこであがいたとしても、あくまでもリディという個人の存在が認められない。

だから、あくまでもリディという一人の人間としていきたいと願い、彼は家を飛び出して連邦軍人となり、ロンド・ベルに入った。

連邦でも異端の、スペースノイドとアースノイドが混在する、生まれを問わない部隊。

そこでなら、リディとして生きて、活躍できると信じていた。

もう、家の束縛にも、親の七光りからもおさらばできると。

だが、今は彼女の願いをかなえるためにも、その親と束縛に頼らなければならない。

(もっと、違う出会いができたらな…俺たちは…)

「どうかしましたか?」

「なんでもないさ、さあ…行こう。ジオンの忘れ形見…ミネバ・ラオ・ザビ」

 

-トゥアハー・デ・ダナン 艦長室-

「ど、どうぞ…」

「ああ…ありが、とう…」

テレサが入れたレモネードを受け取ったハサウェイはぎこちなくお礼を言った後でそれを飲む。

シミュレーションを終え、少し疲れと喉の渇きを感じていたハサウェイにはありがたいものだが、どうしても目の前の少女を意識してしまう。

「あれから…どうですか?ちゃんと眠れていますか?」

「ああ…みんなのおかげで。最近は眠れるようになった。少しだけ、チェーンさんと話せたこともあるのかな…」

クェスの分も生きようと決心したハサウェイだが、それがすぐに心身を前向きに変化させてくれるほど甘くない。

眠っていると、急にクェスの最期の光景が目に浮かぶことがあり、それで飛び起きてしまうこともある。

そして、クェスに手を下すことになったチェーンに乗る半壊のリ・ガズィに銃口を向ける自分の姿が目に映る。

あの時はアクシズショックの余波のおかげで最悪の事態は免れることができ、そのことをしっかりとチェーンに詫びることができた。

そして、その次に思ってしまうのは本当の意味でクェスを殺してしまったのは自分ではないかという感情だ。

シャアに惹かれ、ジオンへ走った彼女を救おうと彼なりに考えて行動した。

だが、やはり若さゆえの過ちで、行動の結果への想像力が足りなかった。

その重い後悔がハサウェイの心に傷を残し、今はそこから立ち直ろうともがいている。

「みんなには感謝しているんだ。こんな僕のために助けてくれたこと…。テレ…いや、テッサには…特に、かな」

「それは女性の気持ちのことでしょうか?」

「それもあるけど…その、なんだろう…。安心する、といえば…いいのかな?」

何時間にもわたってテレサからせっかく女性の気持ちや感情を教えてもらい、どうにかして伝えたいという思いがあるのに頭も心も追いついていない。

うまく言葉にできない自分に歯がゆさを感じてしまう。

そんなハサウェイにテレサは笑みを見せる。

「ハサウェイさん、私の話を…聞いていただけませんか?」

「う、うん…」

今回、艦長室にハサウェイを呼んだ一番の目的がそれだ。

ミスリルに派遣される際に、ハサウェイの身に起こったことはあらかた聞いていて、ハサウェイ自身からも最近では少しずつ話し始めたことから、彼のことはよく理解できている。

だが、その分自分のことを話せていないことに不公平さを感じていた。

そして、ハサウェイに自分のことをもっと知ってほしいという欲望もあった。

「ハサウェイさん…ウィスパードという言葉はご存じでしょうか?」

「ウィスパード…?いや、聞いたことはないけど…」

「どこからともなくやってくるささやきを聞くことのできる特殊な能力を持つ人物のことです。そして、それは決まって既存の体系には存在しない…革新的な技術や理論に関するものなのです」

「ニュータイプ以外にもそんな存在があるなんて…」

「そして、ウィスパードがもたらした技術は今、私たちの世界で浸透しています。…ラムダ・ドライバにも、アーム・スレイブにも、サイコミュにも…。そして、その事実を知っているのは世界でもごくわずかなのです」

「確かに…そんな能力を持つ人間がいるとわかるだけでも、大きな影響を与えてしまう」

「そして…私はそのウィスパードの一人なんです」

「君が…!?」

驚きを見せるハサウェイの脳裏に今までのテレサのイメージが浮かぶ。

ミスリルに配属されることになり、Ξガンダムとともに一度日本の横須賀へ降りた。

そこで初めて出会った時のテレサはある事情で制服姿をしていて、最初は近くの高校に通っている普通の少女という認識しかなかった。

その認識が強かったせいか、のちにトゥアハー・デ・ダナンの艦長であると知っても敬遠することはあまりなかった。

「そして…ウィスパードという存在が認識され始めたのは10年近く前。ちょうど、軍事に関するありとあらゆる技術が飛躍的な進歩を始めた時期になります」

(そうだ…確かに一年戦争が終わってから17年経過しているけれど、それにしては技術の進歩が速すぎる感じがした…)

かつて、アムロが乗っていたガンダムとエルのガンダムMk-Ⅱの性能差を見ても、それはうかがえる。

ティターンズによって、連邦軍内での自らの正当性を証明するために建造されたそれはジオン系列の技術をすべて排除したうえで作られたことが有名だ。

そして、建造にあたってはかつてのガンダムの開発にかかわった人材やその技術を知るものをかき集めた。

それでも当時のガンダムと比較してもはるかに高い性能で完成したことを考えると、テレサの言うウィスパードの関与があった可能性もあり得る。

その証拠となった少女をかつて、宗介が保護している。

「そして、アマルガムは世界中にいるウィスパードを手に入れることで戦力の増強をもくろみ、ミスリルはウィスパードを保護するために活動しています」

「ちょっと待ってくれ、じゃあ…千鳥さんがいるのは…まさか…」

「はい…かなめさんもウィスパードなのです。ですので、アマルガムから守るために、現在はダナンに。そして、彼女の護衛のために、一時期とはいえカナメさんと同じ学校にサガラ軍曹も通っていました」

その手段は一般の兵士であれば、もっとマシに動くことができたかもしれない。

年齢としてはかなめと近く、ウィスパードとかかわったことのある宗介であれば適任とされたのだろうが、既に彼の学校内で引き起こした数多くの事件がそれを否定している。

そうした事件の数々によって、かなめの通う都立陣代高校は有名になった。

なお、その事件によって発生した損害についてはミスリルによって賠償されており、当初はたった1週間で修繕費として43万5000円も支払う羽目になり、さすがにミスリルとしても面倒が見切れないということで宗介も負担することになったのは言うまでもない。

「けれど、アマルガムによる魔の手が迫り、高校そのものも休校となったことから今はこうして行動を共にしています。それから…」

「テッサ…?」

そこから先の話を始めようとしたテッサの表情が曇る。

小刻みにだが、彼女の体が震えていて、それを話すことに戸惑いや恐怖を感じていることがよくわかる。

ハサウェイはテレサの隣へ行き、震える彼女の手に触れる。

「ハサウェイさん…」

顔を赤く染めるハサウェイは言葉をかけることなく、重なる手を見る。

宗介とは異なる、優しくてやわらかい、軍人には向いていない手。

植物監査官を夢見る優しい男の手。

一度目を閉じたテッサはそのぬくもりで心を落ち着かせる。

そして、彼女の口から伝えられる言葉が静かにハサウェイの耳を駆け抜けていった。

 

-ヤマト 格納庫-

「ああ、くっそ!!ダメだ…こんなんじゃあ!!」

ヴァングレイのコックピットから出てきたソウジが悔し紛れにかぶっていたヘルメットを床にたたきつける。

「キャップ、この設定では仕方がありません。この難易度では…」

「これでいいんだよ、ナイン。これをどうにかするだけの力がなきゃあな…」

ナインに頼んで組んでもらったシミュレーション。

アムロ達がかつて戦った強敵の戦闘データを元に構築されており、あくまでも一般の人間であるソウジには荷の重い相手が多い。

特にソウジがしんどいと思った相手は黄土色のダルマというべきモビルスーツ、ジ・Oだ。

キュベレイやサザビーなどのファンネルを持つモビルスーツに対しては散弾を利用することである程度はけん制することができるが、問題はその反応速度の高さだ。

木星帰りの天才とされるパプテマス・シロッコが独自で作り上げたそのモビルスーツにはZやZZなどとは根本的に異なる構造のバイオセンサーが搭載されており、それが異常なまでの反応速度に反映されている。

そして、ダルマのような大柄な機体ではあるが、その内実は各部アーマーに搭載された大量のスラスターとプロペラントタンクにより、高機動を長時間安定的に行うことのできる機動力重視のモビルスーツであることもソウジを苦しめる結果となった。

モビルスーツに必要なのは変形機構でも多種多様な重火力でも広い視野でもなく、パイロットの腕を最大限引き出せるインターフェースと機体本体という彼の理論の正しさをいやというほど味わった。

グーリーやフロンタル、ガウルンなどの多くの強敵の姿を見てきたソウジにとって、そういった相手と少なくとも対等に戦えないとこれから先戦うことができない。

だが、チトセ達とは違い、特別な能力を持たない以上はこうした努力で埋め合わせるほかない。

「やっているな、ソウジ」

「キンケドゥの旦那…」

「どうだ?シミュレーションにはなるが、俺とやってみるか?ちょっとした装備を試したくてな。チトセも一緒でいい」

「装備…?」

 

シミュレーションモードで接続されるヴァングレイとスカルハート。

両者のモニターに映るのは木星宙域で、そこで2機が対峙する。

「ソウジさん、スカルハートが見たことのない装備をしています」

「ああ…。なんていうか…でっかい錨だな」

普段装備しているビームザンバーやザンバスター、ピーコックスマッシャーとは違う、細見のスカルハートには不釣り合いな巨大な錨。

違和感がぬぐえない中、スカルハートは錨をヴァングレイに向ける。

「イカリマル…っていうらしい。発案したのはトビアで、ネェル・アーガマで保護されている学生たちとメカニックが調整してくれた。俺もまだ感覚をつかめているわけではないが…試すだけのことはある!!」

シザーアンカーと接続したイカリマルがヴァングレイに向けて投擲される。

宇宙空間での戦闘で効果を発揮する巨大な質量弾となりえるイカリマルが投擲されたと同時に一気にスピードを上げてヴァングレイに迫る。

「こいつ!?錨の中にスラスターが!?」

「そちらばかり見ている場合か!?」

イカリマルを制御するシザーアンカーを右手で保持しつつ、スカルハートが左手に握っているザンバスターをヴァングレイに向けて放つ。

レールガンを発射しつつ距離をとっていくヴァングレイを見たキンケドゥは即座にイカリマルをスカルハートの手元に戻す。

スカルハートとイカリマルのスラスターに火が灯り、イカリマルの刃を突き立てるような態勢でヴァングレイに向けて飛ぶ。

「サブスラスターにもなるのかよ!?ナイン!どうなんだ、これ!?」

「イカリマルという兵装…はっきり言って、モビルスーツに使うのにはナンセンスです。使えるとしたら、クシャトリヤのような巨大な人型機動兵器が…」

「となると…竜馬が使えたら、喜びそうだな!!」

確かにイカリマルのおかげで更なる加速ができるように見えるスカルハートだが、容易に推進ベクトルの方向を変えることのできるクロスボーンガンダム特有の推進器とは異なり、イカリマルができるのはあくまでも一方向のみ。

後ろにまっすぐ下がるのではなく、ある程度向きを変えながら避ければいい。

まっすぐ突撃するだけではワンパターンになるということは歴戦の猛者であるキンケドゥ自身も分かっていることだろう。

ヴァングレイを上回る加速で迫るスカルハートがわずかに足を止めると、イカリマルを両手で保持する。

同時に、イカリマルから巨大なビームサーベルが展開され、それをヴァングレイに向けて投擲する。

「なんだ…こいつは!?」

スラスターを吹かせて飛んでくる巨大なビームサーベル。

仮にそんなものがガミラスの戦艦に向けて投げられたらと思うとぞっとする上、見慣れないパイロットが見た場合、動きを止めてしまうかもしれない。

粗削りな面の否めないイカリマルだが、光るものは確かに見えた。

その巨大なビームサーベルを避けるソウジだが、何かに気づいたチトセがソウジに声をかけようとする。

だが、その前に上から衝撃が走り、ヴァングレイの両肩にはスカルハートの脚部から突き出たヒートダガーが突き刺さっていた。

そして、スカルハートの右手にはビームザンバーが握られていて、これでとどめを刺されるという展開が既に目に見えていた。

イカリマルに目が行き過ぎていたことに気づいたソウジは己のうかつさをかみしめる。

戦ったキンケドゥもこうしてみることでヴァングレイの強さといびつさを感じていた

(ヴァングレイは確かに欠陥機だ。だが、機動力と重装甲、火力については申し分ない。それに、何よりも異様なまでに拡張性がある。そのおかげで重装フルアーマー形態になることができたが…)

ヴァングレイを開発していたのはかつてチトセが所属していたという第三特殊戦略研究所という話だが、兵器の大半はサナリィが生産している。

ユニバーサルスタンダードが採用されているジャベリンなどとは違い、解析した真田が言うには、ヴァングレイにはユニバーサルスタンダードで作られていないという。

いくら互換性のない機体だとしても、ユニバーサルスタンダード仕様にするのは少なくとも宇宙世紀世界でも新正暦世界でも常識といえる。

それを排除して、なおかつ異なる世界の技術を組み込むことのできるいびつな拡張性。

「ソウジ、チトセ。少し思ったんだが…」

(全員に通達、全員に通達。これより、我々は日本の第3新東京市へ向かう!到着と同時に出撃の可能性も考えられる。総員…)

「第3新東京…??」

「セカンドインパクトによって壊滅的な被害を受けた東京に変わる新たな首都です。神奈川県足柄下郡箱根町仙石原にあります」

セカンドインパクト、早乙女研究所で発生したゲッター汚染。

その2つは日本に大きな被害をもたらし、数年にわたって日本の復興を停滞させることになった。

だが、特に首都機能が停止していると日本に大きな混乱が起こりかねない。

その東京が赤い海で水没したことから始まったのが新東京開発計画だ。

その計画では暫定的な首都を長野県松本市に設置し、そこを第2新東京市として仮に首都とし、芦ノ湖北岸の神奈川県足柄下郡箱根町仙石原に新首都を開発するというものとなった。

こうして開発された第3新東京市が人が住めるような状態になったのが数年前で、現在も開発中ではあるが、徐々に首都機能に移行が進められているという。

(宇宙世紀世界の日本…。なんだ?嫌な予感がする…)




機体名:ナラティブガンダム(サイコプレート装備)
形式番号:RX-9
建造:アナハイム・エレクトロニクス社(装備についてはヤマトで建造)
全高:21.1メートル
全備重量:42.2トン
武装:バルカン砲、ビームライフル、シールド(ビームガン、ミサイルランチャー内蔵)、ビームサーベル×2、サイコプレート×8
主なパイロット:ヨナ・バシュタ(メイン)、リタ・ベルナル(サブ)

インコムを喪失したナラティブガンダムにヤマトで建造されたサイコプレートを搭載したもの。
アムロから提供されたデータにより、万能工作機でサイコフレームを建造したものの、データ不足や技術の差などが要因となり、その完成度は正規のものと比較すると6割程度のものとなった。
それでも、高度なサイコミュシステムであることには変わりはなく、それを搭載したサイコミュ兵器として、サイコプレートが開発された。
サバーニャに搭載されているシールドビットのような守りとしての意味合いが強いものの、高い強度から打撃武器に転用することもできる。
なお、サイコプレートそのものについてはかつて、アムロが目撃したとあるモビルスーツで実際に運用されていたようだが、それについてはアムロもブライトも沈黙しており、データにも残っていないことから謎に包まれている。

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