海軍本部…"マリン・フォード"…
そこは…世界の治安を守る海軍の本拠地である。
しかし、そのマリン・フォードにけたたましく緊急事態を知らせるサイレンが鳴り響いていた。
『W7沖合にて…!ロジャーとジョーンズが小競り合いを起こしている模様!至急!海兵は出撃せよ!』
アナウンスの声はサイレンと共にマリン・フォードに響いていた。
「ジョーンズは何のために?」
「わからん!しかし、良くない事が起きるのは確かだ!それにあそこは司法の島!エニエスロビーにも近い!急がなければ!」
慌てて軍艦に移動するセンゴクは忌々しそうに顔を顰めて更にこういった。
「この非常事態に限って…!サラザール大将は例の一件で聖地へ!ゼファーは
センゴクは辺りを見渡し大声で言った。
「ガープ!ガープは何処だ!」
「ガープ准将でしたら…ヒデヨシ大将と共に裏街に行くと…」
「〜!あの拳骨馬鹿め!必要な時におらんとは!」
「電伝虫を使い一応連絡を取ろうとしていますが…。中々連絡が取れず…」
「あの馬鹿の事だ!電伝虫を忘れておるのだろう!」
「いえ、ガープ准将だけではなく…ヒデヨシ大将とも…」
「〜ッッ!ヒデヨシ大将までも…!あの自由人コンビめ!」
眉間に皺を寄せながらセンゴクはそう嘆いた。
慌てて軍艦を出撃させようと海兵たちは慌てふためいていた。
「早くヤツらを止めんと!海のクズ共が騒ぎ始める!急げ!」
「ハッ!」
センゴクの叱責を受けた海兵は慌てて走り出したのだった。
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〜ジョーンズside〜
「この俺に刃を向ける連中を吊るしあげろおぉ!」
ジョーンズはそう叫ぶとカトラスをロジャー達に向けた。
「うおっ!なんだ?」
「船が勝手に…」
「揺れてやがる!」
「おい!見ろ!」
「ロ…ロープが!」
「なんだ?蛇みてぇに!」
「動いてやがる!うわっ!」
「ヒィィ!足に絡みついてきやがった!」
ロジャー海賊団の船員達は、ジョーンズが操るロープによって襲われ始めた!
「お前ら落ち着け!ロープに足を絡められたのならナイフでもいい!切るんだ!」
レイリーは吊るされてる手下達を見るとそう叱責した
「レイリーさんの言う通りだ!たかがロープだ!切れば大丈夫だぜ!」
手下の1人は笑いながらそう言うと迫ってくるロープを切り刻み始めた。しかし…!
「おいおい?俺達がいることも忘れるなよ?」
ロウはニヤリと笑いながら片手で刀剣を溶かすとマッカス達を引き連れ船へと乗り込んできた!
「お前は…確か"溶解"の…!」
「おっ!俺の事を知ってんのか?嬉しいねぇ!」
ロウは笑いながらレイリーに襲いかかった。
ジョーンズは義足の音を響かせながらロジャーの船へと向かっていったが…しかし!
「おらあああああ!」
「!?」
突然!雄叫びをあげてシャンクスが剣を振り下ろしてきた。
ジョーンズはさっと避けるとシャンクスを見ながらこう言った。
「おやおやァ?これはこれは…!賭けに負けたシャンクスじゃないか?この俺に剣を振り下ろすとは?どういう事だ?」
「お前を倒して…この船から降りるためだ!」
シャンクスは床に刺さった剣を抜くと構え直し、ジョーンズに襲いかかった。しかし…!ジョーンズは不敵な笑みを浮かべながら、攻撃をヒラリとかわすと、義足でシャンクスを蹴り上げた!
「ぐぼほぉ!」
シャンクスは口から嘔吐しつつ、フラフラになりながらも剣を杖がわり立つとジョーンズを憎々しげに睨みつけた。ジョーンズはシャンクスの目を見ると嬉しそうな顔を歪ませながらこう言った。
「憎しみの篭ったその目…!いい目をするなぁ?シャンクスくぅん?俺が憎いか…?弱い自分が情けないか?今のお前では何も守る事は出来んぞぉ?たとえ!仲間であってもだ!」
ジョーンズはそう言うとカトラスを抜き放ち、シャンクスに向けて言った。
「本当に強い海賊というのはなぁ?シャンクスくん?こういう事を言うんだ!」
ジョーンズはカトラスをまるで、指揮者のタクトのように動かすと船のロープが集まり始め、まるで大きな腕のようになった!
「ぬおりゃああああ!」
『うわあああ!』
ロジャーの船にロープの腕が振り下ろされ、マストがへし折れた。
「クソっ!マストが!」
「おいおい…?よそ見してる暇はねぇだろ?」
レイリーは折れたマストを見ながらそう叫んだが、ロウはそれを遮るかのようにレイリーの剣を受けながらそう言った。ジョーンズはシャンクスを見下ろしながらこう言った。
「どうだ?お前達のせいでお前らの海賊団が滅びていく様は?俺に歯向かえばこうなるんだぞ?」
「うおおおお!」
ジョーンズはいやらしく目を細めながらそう言うと、シャンクスは剣を構えなおすと突進し始めた。
「ふん!遅いわァ!」
ジョーンズが蹴り飛ばそうとした瞬間!
「オラアアアア!」
「ッッ!!…グガァ!」
ジョーンズは殴り飛ばされ、樽が積まれているところに突っ込んだ!
ジョーンズを殴り飛ばした張本人は、シャンクスの前に立ち腕を組むと豪快にこう言った。
「ガッハッハッ!俺様の仲間を虐めんな!ぶち殺すぞ!タコ野郎!」
それは後の海賊王…ゴールド・ロジャーだった!
「船長!」
「ゴラァ!シャンクス!どこほっつき歩いてやがった!」
「ブフォ!」
ロジャーはそう言うとシャンクスの頭に拳骨を食らわせた。シャンクスは目から涙を流しながらもこういった。
「すみません!ロジャー船長!バギーを助ける為に俺…!」
「ガッハッハッ!構わねぇさ!仲間を見捨てる奴は俺の海賊団にはいらねぇ!わかったら、下がってろ!シャンクス!あいつの相手はこの俺だ!」
ロジャーは拳をバキバキと音を立てさせながらジョーンズの方を見た。
「いいパンチだ…!ロジャー!」
ジョーンズはふらつきながらも立ち上がるとカトラスを構えた!
「ガッハッハッ!俺も有名になったなぁ!化物にまで顔を覚えられるとはよォ!」
「ああ…。よぅく…知っているとも…!ゴール・D・ロジャー!」
ロジャーは武装色で硬化した腕でロジャーはジョーンズのカトラスを受け止めた!
「たった一度でもいい…!お前と戦ってみたかったんだ!」
ジョーンズはそう叫びながら、ロジャーに向かってカトラスを振り下ろし続けた!ロジャーは斬撃を受け止めながらにっと笑いながらこう言った。
「そうかよ!嬉しい事を言ってくれるが…!化物にそこまで思われても何も嬉しくねぇ…ぜ!」
ロジャーは弾き返すと腰の剣を抜き、ジョーンズの斬撃を受け止めた!
「防ぐだけかぁ〜?もっと楽しませてくれると思っていたが?」
「はっ…!冗談はその顔だけにしたらどうだ?タコ野郎?」
「そうか…!ならァ…?」
ジョーンズはニヤァっと、いやらしく笑みを浮かべると叫んだ!
「擬態解除!」
その瞬間!顔がぐにゃりと変形し始めた!シャンクスは驚きのあまり声を出せなかった…!ジョーンズは顔を素顔に戻すと笑いながらこういった。
「どうだ?これで冗談ではなくなっただろう?」
「お…お前!あれが本当の姿じゃねぇのか?」
シャンクスは目を丸くしながら、ジョーンズを指さしてそう叫んだ!
「シャンクスくぅん?ひとつ教えてやろう…。タコには擬態という習性があるという事を忘れるなよ?」
ジョーンズは笑いながらそう言うとロジャーに向かってこう言った。
「さぁ…!ロジャー!これが俺の本当の姿だ!さぁ!思う存分殺しあおうかぁ!」
「全く…面白ぇ奴だ!気に入ったぜ!化物だと思ってやつがまさか人間だったとはな!これは傑作だな!」
ジョーンズとロジャーは剣を受け止め合うと…両者の間に火花が散った!
「二つ名の通り!不気味な野郎だ!」
「ああ…!そうとも!俺こそ…!海の悪霊だぁ!」
ジョーンズはそう叫ぶとロジャーを弾き返した!しかし…片腕が無いジョーンズはすぐにやり返されてしまう。ロジャーはそれを見てこういった。
「おい…!どうした?タコ野郎?片腕が無いせいか…!次の一手がおろそかだぞ?」
「ぬかせぇ!『
ジョーンズは近くにあった鎖を掴むと自分の腕に混ぜ込んだ!すると、鎖でできた腕が現れた!
ジョーンズはその腕をだらりと垂らすと振りかぶりながらこう言った!
「これで腕が出来ただろう?喰らえ!『
腕はロジャーに向かって投げられると、ロジャーの右腕を掴んだ!
「うぉっ!」
ジョーンズはロジャーの腕を掴んだのを確認すると力任せに引っ張りこう言った。
「さぁ!楽しく踊ろうじゃないか…!死の輪舞をな!」
「ガッハッハ!そりゃあ!楽しくなりそうだ!」
2人は笑いながら刃を交差するのだった。
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〜バギーside〜
(冗談じゃねぇ!こんな所にいられるかぁ!)
バギーは泣きじゃくりながら、ダッチマンからロジャーの船へと乗り移ろうとしていた。
(ロープ!ロープは何処なんだ?)
バギーは混戦状態の船上でロープを探し回っていた。すると!誰かが転がってきた!
「うぎゃあああ!」
「クソッタレ!倒しても倒しても!立ち上がりやがる!こいつぁ…!面倒だぜ!」
その転がってきた男は立ち上がると、バギーはその男の顔を見て泣きながらこう言った!
「ギャバンさん!」
「あ…?おっ!バギーじゃねぇか!やっぱりロジャーの言う通りここに居たんだな!」
ギャバンはバギーの方をバンバンと叩くと笑った。
「ギャバンさん!助けに来てくれたのかァ〜!」
「おいおい!泣くんじゃねえよ!みっともねぇぞ!」
「早く…!俺を保護してぐれよォ!ここにいちゃ死んじまううう!」
「そうしてやりてぇが…今無理だな!」
ギャバンは睨みつけるその先にはゴライアスが向かってきていた!
「うぎゃあああ!化物ぉぉぉ!」
「おら!デカブツ!俺が相手だ!」
ギャバンは斧を取り出すとゴライアスに向かっていった!
「もう勘弁してくれぇよォ!早く下ろしてくれぇ!」
バギーが頭を抱えながら船上を走り回っていると…!暗い船倉の中から漆黒の服に身を包んだスカルが飛び出してきた!
「またかよぉぉ!もう嫌ァァァ!」
「全く…!折角…暗号解読がうまくいきそうなのに…!騒がしすぎて出来ないじゃないか!」
スカルは不機嫌そうにブツブツとつぶやくと、腰のホルスターからピストルを抜き放つと目の前にいたロジャーの船員を撃ち抜いた!
「誰か助けてくれぇ!」
バギーが走っていると見覚えのある姿があった。
「クロッカスさん!助けてぇ!」
「ん?バギーか?何でこんなところにいる?」
クロッカスはモリでダッチマンの水夫を突き刺しながらバギーを見た。
「わかんねぇよォ!海に落ちたと思ったらこの船に乗ってたんだ!」
「そうか…そりゃよかったな?」
クロッカスはモリを構えると歩みを進め始めた。
「おいおい…!どこに行くんだよ!クロッカスさん!」
「決まってるだろう?化物退治だ」
クロッカスはニカッと笑いながら襲いかかってくる水夫達へと向かっていった。
「ここに居るのは…!戦闘バカばっかりかぁぁぁ?」
バギーが悲痛な叫びをあげていると両者の船が大きく揺れた!
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〜シャンクスside〜
「なっなんだ?」
近くに大きな水しぶきが上がったのを見たシャンクスは驚きの声をあげた。慌てて手すりから海の方を見ると水平線に1隻の船が見えた。
「ありゃ何だ?」
シャンクスは近くに倒れていた水夫から望遠鏡を手に入れると、それで水平線に現れた船を見た。すると、シャンクスは驚きの声をあげた。
「あ、あのマークは!」
シャンクスは慌ててまだ戦っているロジャーを見ると叫んだ!
「ロジャー船長!大変だ!」
「なぁんだ!シャンクス!俺は今忙しいんだ!」
ジョーンズの斬撃を避けながら一撃をくらわしたが…右腕を引っ張られて戦いづらそうだった。
「世界政府の船だ!俺達に砲撃してきてる!」
「なんだと?」
ロジャーと戦っていたジョーンズは、カトラスを振り下ろす手を止めるとシャンクスの方を見た。ロジャーはこの時とばかりにジョーンズを蹴り飛ばした!
「グオッ!」
またもやジョーンズは積荷がある所に突っ込むと土埃をあげた。ロジャーはシャンクスから望遠鏡を受け取ると覗き込みこう言った。
「ケッ…!いい所なのによォ!政府の連中は漁夫の利を手に入れたいって訳か…!」
「船長…漁夫の利って?」
「連中は俺とジョーンズが殺しあってる間にそれに乗じて俺とジョーンズを捕まえるつもりなんだよ…!」
忌々しそうにロジャーは顔を顰めた。ジョーンズは瓦礫の中から立ち上がると叫んだ!
「野郎共!もう戦いは終わりだ!ダッチマンに戻れ!」
「何だって?」
「うん?」
ロウはレイリーの刀を溶かしながらジョーンズの言葉に耳を傾けた。
「チッ…しょうがねぇ…。船長命令だ…!おい!スカル!引き上げるぞ!」
「うん!了解!」
「逃がさんぞ!」
レイリーは追いかけようと向かってきたが、スカルはすかさず発砲した!
「白弾装填!モクモク弾!」
「うぉっ!」
レイリー近くに着弾すると濃い煙が発生し、目の前が見えなくなった。
「取り逃したか…」
レイリーは刃半ばで溶けた刀を見ながらそう呟くのだった。
ジョーンズの近くにロウやスカル達が集まってくるとジョーンズは言った。
「野郎共!潜航準備だ!海底に向かうぞ!」
「了解!」
「ああ!了解だ」
ジョーンズはロジャーを見ると言った。
「誠に残念だが…ロジャー…。興ざめてしまった」
「へっ!逃げんのか?」
「逃げるのじゃない…。次はもっと存分に殺れる所でやろうじゃないか!」
ジョーンズがそう言うと甲板がドドドド…っと地響きの様な音を立て海の中へと潜り始めた!すると、ジョーンズは思い出したようにこう言った。
「そうだ!シャンクス君!」
「…!」
「今回だけは特別に船を降りる事を許可してやろう!だが、忘れるなよ?お前は俺に貸しをつくったんだからな?何処へ逃げても探し出すぞ!貸しはいつか返してもらうからな?」
ジョーンズは不気味にそう言うとくるりときびすを返して船の中へと入っていった!
シャンクス達は腰の高さまで海水に浸かり始めた!
「ロジャー船長!」
「ああ!わかってる!レイリー!」
「これに掴まれ!」
レイリーはロジャー達に向けてロープを投げると、ロジャーはそれに掴まった。そして、シャンクスに手を伸ばすとこういった。
「おら!帰んぞ!シャンクス!俺らの船にな!」
「うん!」
シャンクスはロジャーの腕を掴み、船へと引き上げれられた。
シャンクスが立ち上がろうとするとバギーが向かってきた!
「シャンクスゥゥゥ!テメェェェ!」
「おー!無事だったかー!バギー!」
「何が無事だァァァァ!?」
バギーとシャンクスが追いかけっこを始める頃…。レイリーはロジャーと話し合っていた。
「おい…ロジャー」
「なんだ?レイリー?」
「今回の戦闘でだいぶ船が傷ついたし、これからも色々あるだろう…。だからな?ロジャー?」
「ん?」
「どうだ?ここらで船を新しくするってのは?」
「おー!そりゃあ!いいじゃねぇか!」
「ここの近くにあるW7に腕のいい船大工がいるらしい」
「へー!そいつの名は?」
「トムって奴だ」
「よし!野郎共!W7に向かうぞ!」
『オオオオ!』
ロジャー達はW7へと向かうのだった。
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ダッチマンの船長室では、ロジャーがロウ達と話し合っていた。
「今回の戦闘で学んだ事はやっぱり人数が足りんな。マッカス達だけでは…」
「そうだな?俺達だけじゃやっぱり足りねぇな」
「それに今回の戦闘で砲弾や弾薬が無くなったよ…。海軍大将と戦ったのが響いてるね」
ルチアーノは羊皮紙に書かれた表を見ると肩をすくめながらそう言った。
「俺らは世界政府から指名手配されてるからなぁ?それにアンジェリカとルークもいる…。下手に加盟国に港で補給はできん…」
ジョーンズは思案顔になりながらそう言った
「あれ?そう言えば…アンジェリカ達は?」
ルチアーノがそう言うとジョーンズはクローゼットを指さした。ルチアーノがクローゼットを開けるとアンジェリカとルークが寝ていた。
「隠れさせたんだ…」
「ああ…。下手に甲板に出られても困るしな?」
ジョーンズは海図に視線を落とすとこう言った。
「非加盟国で補給するか…」
「なら!ここに行こうぜ!」
「ほう…。北の海か…」
「ここは俺の生まれ故郷だ!ここには造船所もあるからよ!修理もできるぜ!」
「ふむ、ならそこに向かうか」
ダッチマンは海底をゆっくりと進むのだった。
次は桃色の鳥(後の悪のカリスマ)さんに会います。
何かそろそろ原作開始のやつやりたいな(ウズウズ)
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