転生したら海の悪霊?   作:ヨシフ書記長

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ついにあの人が登場!


戦いに備えよ3

アンジェリカが船長室に入ると

そこの空間はアンジェリカが寝ていた船室と同じく赤を基調としており、至る所に蝋燭が燭台の上に置いてあった。

その部屋の真ん中に、赤い炎のような色のステンドグラスを背に

ジョーンズは椅子に座りながら、机に広げた海図を見ていた。

すると、ジョーンズは海図を見ていた顔をあげると

アンジェリカを見て言った。

 

「そこでボサッとせずにさっさと、こっちに降りてこい…。」

 

しかし、アンジェリカはジョーンズの言葉にも反応せず

ジョーンズの顔を見ながら呆然としていた

 

「おい…!聞いているのかァ?アン?」

「あ…あなた!誰よ?」

「おいおい…?失神のせいで記憶でもなくしたのか?」

 

ジョーンズはアンジェリカの言葉に呆れた表情を浮かべながら言った。

そして、さらに言った

 

「ここはアン女王の復讐号の船長室だ…。

この船の船長はただ1人…。この俺だ…おわかり?」

「えっ?まさか…」

「やっと思い出したか?俺だよ…。ジョーンズだ」

 

「ええええええ!!!!」

 

アンジェリカは驚きの表情を浮かべ声を上げた。

しかし、アンジェリカが驚くのも無理はない…。

何故なら、今のジョーンズは変身を解いており

後ろで縛ったオレンジ色の髪に切れ長の目で赤い目をした青年がいるからだ!

 

「ん?ああ?そうか…この本来の姿で会うの初めてだったな

これが変身する前の俺だ…。覚えとけよ」

「ほ…本当にあなたが…!!あのジョーンズなの?」

 

ジョーンズはその言葉を聞くと

溜息を吐いて机の上に置いてあった

タコの足や蟹の爪などを掴むと身体に混ぜ込んだ

すると、体や顔がみるみるうちに変化していき

いつもの"海の悪霊"の姿になっていった

 

「ふぅ…!これでいいかぁ?」

「!!!」

「さて、そろそろ晩餐にしようか」

 

ジョーンズはそう言うと椅子に座りながら

腰に付けているカトラスの柄を触ったすると

急にアンジェリカの後ろの扉が開くと

そこには大量のロープが蠢いていた

 

「きゃああああ!」

 

アンジェリカはその光景に悲鳴をあげたが、

ジョーンズはさらにカトラスの柄を操作すると

たくさんのロープがアンジェリカを優しく包み込んだ。

ジョーンズのいる机の前にまで下ろすと

他のロープがアンジェリカの後ろに椅子を置いてきちんと座らせた。

そして、ジョーンズがさらにカトラスを操作すると

他のロープが鳥の丸焼きやパンや酒や新鮮なフルーツの盛り合わせなどを運ぶと、ジョーンズ達が座る机の上に並べていった。

ジョーンズは最後にもう一回カトラスを動かすと全てのロープが

船長室が出ていった。

アンジェリカはその様子をびっくりした様子で見ていたが

料理の美味しそうな匂いに、お腹を鳴らして恥ずかしそうに顔を赤らめた。

 

(そういえば…。ルークを助けるのに頭がいっぱいで

このところまともに食べてなかったわね…。)

 

その様子をジョーンズは見て

ニヤッと笑うと言った

 

「まずはお前の弟を救う前に腹ごしらえだぁ!遠慮をせずに腹一杯に食うといい!」

 

ジョーンズの言葉にアンジェリカは不思議そうな顔を浮かべながら

ジョーンズを見た

それに気づいたジョーンズは言った

 

「なんでこんな事までするのかと言いたい顔だな

何でこんなことをするかって?それはお前はこの船の客人だからだ…」

「でも、いくら客人とはいえおかしいわ!海賊がこんなに優しいなんて!もしかして、何か裏でもあるのかしら?」

「何も裏はないさ…?それとも俺と一緒に食べるのが嫌なのか?

嫌なら、他の船員と一緒に食わせるぞ?」

 

アンジェリカはジョーンズの言葉に少しギョっとすると

慌てて訂正をした

 

「違うわ!そういう意味じゃないのよ!」

「なら…早く食うがいい!」

 

ジョーンズは片手の蟹爪を机に叩きつけて怒鳴った

 

「分かったわよ!た…食べればいいんでしょ?」

 

アンジェリカはそう言うと近くにあった

クラムチャウダーを飲んだ

すると、口の中に魚介の濃厚な旨みと牛乳のまろやかな味が口いっぱいに広がった

 

「!!!何よ!これ!ものすごく美味しい!」

 

そう言うとクラムチャウダーを凄い速さで食べ始め

周りの料理にも手を伸ばし始めた

 

その様子を見ながらジョーンズはワインの瓶に口をつけながら

生牡蠣にレモンを絞って、それを口に放り込んでいた

そして、ジョーンズが口で咀嚼する度に豊潤な味が口に広がるのを目を細めながら堪能していた

そして、ジョーンズは目を開けると料理にがっついているアンジェリカを見て言った

 

「えらく食べるな?お嬢さんよ?

それは全部うちの船員が作ったんだがなぁ?」

 

ジョーンズの言葉にアンジェリカは

少し料理を口に運ぶ手を止めて

驚愕した表情を浮かべながら

ジョーンズの方を見た

 

そして、ジョーンズは言った

 

「ふふ…。それはいいとして…。

どうだ?デザートに青リンゴでもいかがかな?」

 

アンジェリカの前に青リンゴ差し出した

アンジェリカはその差し出された青リンゴを少し警戒していると

ジョーンズは言った

 

「安心しろ…。毒なんか入れちゃいないさ…」

 

すると、アンジェリカはジョーンズが持っていた林檎を掴むと

その林檎をおもいっきり齧り、咀嚼した

アンジェリカの口には青リンゴの甘酸っぱい味が広がった。

アンジェリカはそれに顔をほころばせているのを

見ながらジョーンズはワインの瓶を飲み干すと

ビールのジョッキを掴み、鳥のもも肉齧りついた

少し咀嚼すると口は肉汁でいっぱいになり

それをビールで流し込んだ。

そして、またアンジェリカを見ると言った

 

「お前の弟を救う策をこれを食べた後に教えてやる…。

だから、まずは食え!」

 

その言葉にアンジェリカは頷くと

黙々と食べ続けた

 

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ルークside

 

 

ルークはCPの男に掴み挙げられながら、

エンデヴァーの甲板に出ると

慌ただしく海兵やCPの職員が動き回っていた

それを知り目にルークはベケットのいる船長室へと運ばれていった

 

CPの男が船長室の扉に立っている海兵に近づき、

挨拶を済ませると扉を3回ノックした

すると、船室からベケットの声ともう一人の会話が途切れ途切れ聞こえてきた

 

(ですから…長官…これは…無理…ですが!)

(ふむ…だが…何故?…それには…)

 

男がもう一度ノックをすると

会話がやみ、ベケットの声が聞こえた

 

「誰かね?」

「失礼します!マーベラス・D・ルークを連行して参りました!」

「ふむ…そうか。入り給え」

「失礼致します!」

 

船長室の扉を開けるとそこは豪華な装飾が施されていおり

部屋の至る所に調度品が置いてあった

壁には大きな海図が貼り付けてあり、

近くにはベケット自身の肖像画が飾られていた

その部屋の右側に机があり

そこにベケットが座っており

近くには海軍コートを羽織り、コートの下は小綺麗な礼服を着ており

、立派な略帽を被っており、白粉カツラを付けた将校が立っていた

 

「ノリントン君。

これから、私はルーク少年と話す予定があるのでね…

出て行ってくれたまえ…」

「しかし、長官!今はCP9のエージェント達も任務の為に居ないのに!どうやって!あの海軍支部を壊滅させた怪物を倒すんですか!」

「ふむ…。君は今のこの艦隊戦力では

トルトゥーガにいるあの悪霊に勝てないと?」

「そうとは言ってはいません!

しかし、多大な損害が出ると進言したいのです!」

「そうか…。だが、私が勝てない戦いに挑むと本当に思っているのかね?ノリントン少将」

「い…いえ!そんな事は!」

 

ベケットはふと、腕時計を見ると言った

 

「私の切り札がそろそろ合流してくるはずだ…」

 

ベケットはそう言うと立ち上がり

ノリントンとルーク達を見て言った

 

「少し甲板に出て見ようじゃないか…」

 

そして、ベケット達は船室を出てて

甲板上に出ると

 

軍艦の艦隊の後ろからエンデヴァーよりもふた周りほど大きな船が近づいてきた

 

見張り台の海兵が叫んだ!

 

「あ…あああ!あれは!サイレント・メアリー号だぁ!」

 

見張り台の海兵の言葉に周りの海兵の顔が明るくなった

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この船は一体何か?

この船の名はサイレント・メアリー号

普通の海軍の軍艦よりも大きく

船首には戦いの女神の像があり

マストの大きな帆には双頭のカモメの絵が書かれており

船首と艦尾に連装回転砲塔が4門

普通の砲門が左右合わせ80門

三本マストの戦列艦であり

オックス・ロイズ号の再来とも言われている

海軍最強の軍艦である

 

 

それを指揮するのは…

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ベケットはサイレント・メアリー号を見るとニヤっと笑った

ノリントンはあまりの事に驚愕の表情を浮かべていた

ルークは呆然とサイレント・メアリー号を見ていると

 

サイレント・メアリー号からエンデヴァー号に跳ね橋がかけられ

サイレント・メアリー号から1人の男が降りてきた

 

その男は頭の黒い髪をオールバックにし、鼻が高い顔つきで勇ましく

服装は海軍コートの下は黒い軍服を着ており、胸にはたくさんの勲章が光っていた

腰にはレイピアをさしており、柄の先にはカモメのマークがあった

 

この男の名は…アルマンド・サラザール…

 

海軍大将で海賊からはひどく恐れられており…

 

もしも、海でサラザールに出会うと

それは命日と言われるほどである

 

海賊達から付けられた通り名は

"海の死神"や"海の処刑人"と呼ばれるほどである…

 

 

サラザールはベケットに近づくと

歯を見せながら笑うと言った

 

「それで?何処にいる?俺が殺すべき海賊は?」

 

 

 




唐突な飯テロを挟んだワイ何してんやろ…

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