転生したら海の悪霊?   作:ヨシフ書記長

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デイヴィー・バック・ファイト4

「次は…そうだな…ロシアン・ルーレットでもしようか?」

 

ジョーンズはクククっと笑うと

ルチアーノの方を見て言った

 

「ルチアーノ!俺の船室に行って、林檎の入ったカゴを持ってきてくれ」

 

そう、ジョーンズがルチアーノに命令すると

ルチアーノは目を細めて口には笑みを浮かべながら言った

 

「仰せのままに、キャプテンジョーンズ…」

 

ルチアーノはそういうと

ジョーンズの船室へと歩いていった

暫くしてルチアーノがカゴを持って出てきた

 

 

「これでいいのかな?キャプテン?」

 

「そうだァ…これでいい」

 

ジョーンズは、ルチアーノが持ってきたカゴを受け取ると

海兵達の前に置いてある樽の上に置いた

 

「では…海兵諸君…第2のゲームの始まりだァ!

まずは、このカゴの中には美味しそうなリンゴが四つ入っている…

しかーし!この四つのうち一つは、俺の能力で爆弾を混ぜ込んだ特製リンゴだ!もし!一口でも齧ってしまうと1発でお陀仏だからなぁ?

気をつけてゲームをしようじゃあないか?」

 

ジョーンズはそう言うと、愉快そうに海兵達を見ながら

目を細めて笑った

海兵達はジョーンズの言葉に身体を震わせながら

怯えていた

 

「俺にはまだ家族がいるんだ!死にたくない!」

 

「ヒィィィ!何でこんな目にぃ!嫌だァ!」

 

「神よ!我々を救い給え!」

 

海兵達は口々に恐怖に染まった言葉を吐いていた

しかし、モモンガだけはジョーンズを睨んで目を離さなかった

 

「さァーて…誰に挑戦してもらおうかなァ?」

 

ジョーンズは楽しそうに片腕の蟹の爪を動かしながら

海兵達の顔を覗き込みながら、品定めをしていた

そして、十字架を握った海兵の前で立ち止まると

海兵の頭を掴んで、顔を近づけて言った

 

「この後に及んで、神様頼みかァ?諦めろ!お前らは俺の船を攻撃した時から神に見放されてるのさ!」

 

「黙れ!悪魔め!神は祈った者に助けの手を差し伸べてくれるのだ!」

 

海兵はジョーンズの言葉に反論した

ジョーンズはその言葉に一旦固まると

その海兵の頭を掴んだまま

樽のある所まで引きずり出した

 

「なら、お前の信仰心とやらを試してやろう

お前の神は、祈れば助けてくれるんだろう?

さぁ…祈れぇ!…私をお救い下さい…ンンン…悪しきものからァ!

ってなぁ!」

 

ジョーンズは、歯をむきだしにしながら笑うと

その海兵を樽の前に座らせた

ジョーンズはドカッと座ると言った

 

「さぁ…カゴに手を突っ込んで

リンゴを一個掴んで、1口齧れ…

さぁ…始まりだァ!」

 

ジョーンズがそう言うと

海兵はカゴの中に手を突っ込んだ

海兵は暫く手を突っ込んで

思案顔になりながらも

リンゴを一個掴んだ

 

「本当にそれでいいんだな?間違うと一瞬で頭が消し飛ぶぞ?」

 

ジョーンズはククッと笑ったが

海兵はジョーンズを目に恐怖の色を浮かべながら

睨んで言った

 

「うるさい!悪魔め!お前の甘言など受けないぞ!

神は私を必ず救ってくださるのだ!」

その言葉にジョーンズは

ムッとしながら言った

 

「なら、早く齧れ…

怖いのかァ?」

 

その言葉に海兵は少し小刻みに震えながらも

リンゴに口をつけて勢いよく齧った

シャクッといい音がしたが、爆発はしなかった

 

「チッ!成功したか…

次は俺の番だな」

 

そう言うと、ジョーンズは手をカゴに突っ込んで

すぐにリンゴを掴んだ

そして、少し顔の触手で触ると

リンゴに口を近づけ齧った

しかし、ジョーンズも爆発はしなかった

 

「俺も爆発しなかったみたいだな

さぁ…次で決まるぞぉ♪」

 

ジョーンズは楽しそう笑いながら言った

 

「さぁ…お前の番だ…

早く選べ! 神に祈れば当たりかハズレかわかるかもしれんぞォ?」

 

そう、ジョーンズは海兵に顔を近づけて言った

しかし、海兵は目を瞑りながら、片手で十字架を強く握り

何かを呟きながら、カゴに手を突っ込んだ

少しして、海兵はカゴから

リンゴを掴んだ

 

「それに決めたんだな?なら、俺はこれにしよう…

それではァ…一緒に齧るぞぉ?」

 

ジョーンズがそう言うと

海兵は手が震えながらもリンゴを口に近づけた

そして、ジョーンズもリンゴを口に近づけ

一斉に齧った

 

ガリッとジョーンズの方から音がした

シャクっと海兵の方からも音がした

海兵は何も起きなかった

そして、捕まっている仲間達の方を向くと

ニコッと笑って近づこうとした…

 

 

 

 

 

 

しかし、その瞬間

 

 

 

海兵は姿も形もなく吹き飛んだ

 

 

 

 

 

 

 

モモンガは信じたくなかった

目の前で仲間が吹き飛んだ事実を

もうもうと立ち込める煙の匂いと血の香りを

 

「うおおおおおあああ!」

 

 

モモンガは叫んだ

 

目の前で死んだ仲間を救えなかった自分が情けなかった

 

そして何よりもあの悪霊をいつか絶対に殺してやる!と

 

そのモウモウと立ち込める煙の中から

手が伸びてきたかと思うと

モモンガの横にいた海兵を掴み

煙の中に引きずり込んだ

 

そして、煙の中から

海兵の泣き叫ぶ声が響いた

 

「うあああ!体がぁ!体がァ!ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!」

 

そして、その海兵の声の後に

ジョーンズの笑い声が響いた

 

「ハッハッハ!負けたのだから仕方ないだろう?

まるで粘土の様に混ぜられる気分はどうだ?ハハハハハハ!」

 

煙が晴れるとモモンガたちの前には

船と一体化してテーブルの天板を支えた

海兵の姿があった

 

「さぁ…最後のゲームを始めようか!海兵諸君?」

 

ジョーンズは片眉を少しあげながら

モモンガ達を見たのだった

 




次でデイヴィー・バック・ファイトは終わります!
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