転生したら海の悪霊?   作:ヨシフ書記長

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どうもヨシフです。
更新を長らく停止させてしまい申し訳ありません。
入院や色々な現実面での不幸が重なった為、中々更新できませんでした。
あとは、原作が等々ワノ国編に入りだし、ロジャー世代の話(ロックス海賊団など)が広がり始めたので情報収集に入っておりました。
申し訳ありません。

今回の話は少し時計の針を進めて、大海賊時代(原作開始)のお話です。同時並行してロジャー世代の話も投稿予定です。



原作編(ルフィ世代)
プロローグ〜忘れられた悪霊〜


東の海(イーストブルー) ローグタウンで…"海賊王"ゴールド・ロジャーが処刑され、大海賊時代が始まった。

海賊人口は莫大的に増えた!栄光ある大海賊時代の闇に消されたある悪霊を世間は忘れてしまっていた…。

 

 

海軍本部〜マリンフォード〜

ー海軍資料倉庫ー

 

陽の射さない埃まみれの薄暗い大きな部屋には、大量の資料や箱がたくさん入った棚がズラリと並び…まるで海軍の歴史を象徴するかのような部屋だった。

 

「えーと…ボガードさんに頼まれた資料は…」

 

新米海兵のコビーは、ガープの副官であるボガードに頼まれ…ある資料を探しに資料倉庫で捜し物をしていた。

 

「おい、コビー。こっちの棚にはなかったぜぇ」

 

ヘルメッポはコビーに近づくと、棚に腰かけながらそう言った。

 

「ありがとう、ヘルメッポさん。次は向こうの棚見てきて貰えるかな?こっちは僕が見ておくから」

 

コビーは、にこやかに微笑みながらそう言った。ヘルメッポはそれを聞くと悪態をつきながらこう言った。

 

「へっ!よくもまぁ…。こんだけの資料を取っておけるよなぁ?整理もせずによォ!」

「そんな事言わないの、ヘルメッポさん。これらの資料だって世界平和の為には必要なんだから」

「そりゃあ…わかってるけどよォ?」

 

コビーの反論にヘルメッポはタジタジになりながら、コビーに指定された棚へと向かっていった。ヘルメッポは片手に持ったカンテラで棚を照らした。

 

「んーとぉ?B4…B4…ここか。んで、んだよ〜。1番上にありやがる。あんな高くに置いてどうすんだよ!」

 

ヘルメッポはまたも悪態をついたが、向こうの棚を見ているコビーに向かって叫んだ。

 

「おーい!コビー!少し来てくれぇ!」

「ん?なんですかー?ヘルメッポさーん!」

「言われてた資料見つけんだがよォー!1番上に置いてあって届かねぇんだー!」

「分かりましたー!すぐにそっちに行きますー!」

 

コビーは片手に持っていた資料をポケットに収めると、ヘルメッポの元へ走り出した。

 

「あれなんだがよォ〜」

「うわっ!本当に高い所に置いてありますね!」

「チッ!グランドラインにいる連中は背丈がデカすぎんだよ」

 

ヘルメッポは小言を言いながら棚を見た。コビーは暫く周りを見渡すとこう言った。

 

「梯子は…見当たりませんね…。仕方ありません!肩車しましょう!ヘルメッポさん!」

「えぇ〜!嫌だぜ!何が悲しくて男と肩車しなきゃならねぇんだよ!」

「仕方ないでしょう?これも正義のためですよ!ヘルメッポさん!」

「チッ!仕方ねぇなぁ!」

 

コビーのキラキラした視線を受けると、ヘルメッポは悪態をつきながらも、渋々コビーの意見に従った。

 

「オラっ!早く乗れよ?」

 

ヘルメッポはコビーに背を向けながら、しゃがむとそう言った。

 

「ありがとうございます。ヘルメッポさん、よいしょっと…」

「よしっ!立つぞ!よっと!」

 

ヘルメッポはコビーを乗せたまま立ち上がった。コビーは少しふらつきながらも体勢を立て直すと、棚にある資料を見たが手が届かなかった。

 

「ヘルメッポさん!もう少し左です」

「チッ!なんだよォ!へいへい、わかりましたよォっと!」

 

ヘルメッポは少し左に動く。コビーは資料に手をかけようとした時ー。ふと…あることに気付いた。

 

「…?これは何でしょう?フジツボ…ですかね?」

 

フジツボは…確かにコビー達からすれば見慣れた物だが…。このような場所にあるのは異様だった…。しかもそのフジツボは…死んでおらず、ウゾウゾと触手を出したり引っ込めたりしていた。

 

「おい!コビー!何をグズグズしてんだよ!資料は取れたのか?」

「あっ…はっ!はい!待って下さい!すぐ取ります!」

「まだ取ってなかったのかよ!早くしろよ!」

 

ヘルメッポの声にコビーは我に返ると、フジツボから目を離して

慌ててコビーは資料に手を伸ばして取ろうとすると…。体制を崩しグラ付き始めた。

 

「おい!コビー!急に動くなよ!」

「そんな事言ったって…!よしっ!取れました!」

 

コビーはなんとか資料を手に取れたが、そのせいで更に重心が崩れた。

 

「やっ…やべぇ!コケちまう!」

「うわわ!」

 

肩車をしていた2人は棚に激突すると、老朽化していた棚はその衝撃でコビー達の方に倒れてきた!

 

『わぁぁぁぁ!』

 

ドスンっという音とともに…もうもうと巻あがった埃が辺りに充満した。2人は棚と大量の資料にやられて気絶してしまった。

 

「いつっっ…!痛てぇ…。このボロ棚め!倒れてくるとはよォ!」

 

コビーより早く目を覚ましたヘルメッポは、悪態をつくとムクリと起き上がった。もうもうと舞う埃軽く咳き込みながらも辺りを見渡した。ふと…ある箱が目に入った…。

 

それは宝箱の様にも見えた。しかし、何故か何年も海中に、放置でもされたかのように…ボロボロになっていた。

 

それを見たヘルメッポは何気なしにその箱を自分の方に引き寄せた。その箱には金属板に打ち込まれた文字が書いてあった。

 

死者の宝箱(デッドマンズ・チェスト)…?へっ!何だこりゃあ?こんなびっくり箱まで資料かよ!」

 

ヘルメッポは鼻で笑いながら、何気なしに宝箱を開けた…。

すると、突然!

 

「!!」

 

宝箱の中から黒い煙のような物が吹き出した!

それを浴びたヘルメッポは、一瞬…!恐怖を顔に浮かべたが…声を上げる間にまるで糸の切れた操り人形の様に意識を手放してしまった…。

 

 

ガララっと音を立て瓦礫の中からコビーは起き上がった。

 

「痛たたた…。まさか倒れるなんて…。そ!そうだ!ヘルメッポさんは!?」

 

慌ててヘルメッポを探した。すると、此方に背を向けて…力無く座り込むヘルメッポの姿があった。

 

「ヘルメッポさん!無事ですか?怪我は?」

 

コビーはそうヘルメッポに問うが、返事はかえってこない。

 

「何処か…怪我したんですか?ねぇ!返事して下さいよ!ヘルメッポさん!」

 

コビーは立ち上がると、慌ててヘルメッポに近づくと前に回り込んだ。

 

「ヘルメッポ…さん…?」

 

ヘルメッポは何やら箱を抱えたまま、俯いていた。

 

「だ…大丈夫…ですか?」

 

ヘルメッポの肩に手を掛けようとした瞬間、ガシッと手を掴まれた。

 

「へ…ヘルメッポさん…?」

 

ヘルメッポは音もなく立ち上がると、俯いたままコビーの前に立ち塞がった。

すると、ヘルメッポが持っている箱から不思議なメロディが流れ始めた。それが更に不気味さに拍車をかけた。

 

「ヘルメッポ…さん!ふざけない下さいよ!笑えませんよ!聞いてます?」

 

コビーは苦笑いを口に浮かべながらそう言った。すると、俯いていたヘルメッポは顔を急に上げた。

 

「あぁ…。すまねぇ、頭をうったみたいでな…。少し意識がぼんやりしてたんだ。悪かったな、コビー」

 

ヘルメッポは少し口に笑みを浮かべながらそう言った。

 

「探してた資料…見つけといたぜ?」

 

ヘルメッポはコビーに資料を差し出した。

 

「あっ…ありがとうございます…」

 

コビーは資料を受け取ったが、ヘルメッポの顔を凝視した。

 

「ん?どうかしたか?コビー?」

「いっ…いえ、なんでもないですよ。ヘルメッポさん」

「そうか…。なら早くここを片付けて…ガープさんとこに戻ろうぜ?」

「はっ、はいぃ!」

 

コビーはヘルメッポの言葉に頷くと、散らかっている周りを掃除し始めた。

 

 


 

片付け終えたコビーはガープのいる部屋に向かった。部屋の前に立つとコビーは言った。

 

「失礼します!頼まれていた資料をお持ちしました!」

「おう!入れ!」

 

中からの返事返ってくると、襖を開け中に入った。ガープに資料を渡すとガープはこう言った。

 

「偉く時間がかかったのぅ。コビー」

「えっ…ええ。すみません。棚を倒してしまいまして…」

「ワッハッハッハ!そうか!それで?ヘルメッポはどうしたんじゃ?」

「頭を打ったらしく医務室に…」

「なんだ!軟弱じゃのぅ!もっと鍛えてやろうかぁ?」

「ハハハ…」

「なんじゃ?元気がないのぉ?コビー?何かあったのか?」

「実は…。ヘルメッポさんなんですけど…なんか変なんです!」

「変?」

「ええ…。何だか…いつもとは何処と無く違うような…。外見はいつもと同じなのに、中身だけ違うような…」

「ワッハッハ!ただの気の所為じゃろ?」

 

ガープは笑いながら、煎餅をバリバリと食べ始めた。

 

「僕が目を覚ました時に、ヘルメッポさんがある箱を抱えていたんです!」

「箱じゃと?」

「ええ…。確か…箱には"死者の宝箱"(デッドマンズ・チェスト)って書いてありました…」

 

コビーがそう言い終える間に、何かが割れる音が聞こえた。コビーがその音のなった方を見ると、ガープが湯呑みを粉々に砕いていた。

 

「"死者の宝箱"(デッドマンズ・チェスト)じゃと…?」

 

ガープは睨むようにコビーを見た。コビーは戦々恐々しながらこう言った。

 

「いっ…一応…。その箱の中に入ってたのがこれです」

 

コビーがそう言って差し出したのは古びた手配書とオルゴールだった…。ガープは眉間に皺を寄せながらこう言った。

 

「見たのか?これを?」

「い、いや…」

「はっきり答えんか!バカモン!」

 

ガープの怒声にコビーはビシッと敬礼をしながらこう言った。

 

「はっ!見ました!手配書はそのオルゴールの中にあって!でも、ガープさん!ここに写ってるのは一体誰なんですか?賞金額は滲んで読めませんけど…」

 

コビーの言葉にガープは少し黙るとこう言った。

 

「他言するんじゃないぞ…。いいな?」

「はっ、はい!」

「今から…35年程。昔の話じゃ…。まだロジャーが海賊王では無かったあの時代…。あの男は忽然と海に現れよった」

 

ガープは襖を開けると、外は今にも嵐の来そうな気配がする空模様だった。強い海風が部屋に流れ込み、積んであった書類が舞った。

 

「やつの名は…デイヴィー・ジョーンズ…。かつて…"海の悪霊"として恐れられ…今の四皇にも引けを取らん海賊団を率い、この海を暴れ回った男じゃ…」

 

ガープがそう言うと、オルゴールがひとりでに不気味な曲を奏で始めるのだった…。




はい、更新遅れましてすみませんでした。色々とありまして更新出来ないでいました。失踪はしませんので安心してください
他の作品などは時間が空き次第随時更新していきますので悪しからず。

少しスランプにも入ってたので今回は原作編に入らせて頂きました。
時系列としては、ウォーターセブンより前の話なります。

ご感想をお待ちしております

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