前回は、レキと付き合うことになった謎の武偵高男子生徒を
今度は、ジャンヌダルク30世が秘密を暴こうとする!
しかし、その男子の過去は意外な物だった…

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情報科 ジャンヌダルクの一調べ

…2年…強襲科…銃俊丞…

…Sランク…etc…

 

…こいつ、もしかしたら…

 

 

 

私はジャンヌダルク30世。武偵高2年の情報科だ。

情報科は、犯人など様々な人の情報を調べ上げる所だ。

今回は、前回ブラドを見事倒して逮捕した武偵高2年

銃俊丞を調べ上げていた最中なんだが…

こいつに一つ、気になることができたんだ。

…実は、こいつ…

 

「失礼します~」

ん?誰か来たな…あ、中空知か。

「ん…あぁ、中空知か」

「はい、こんにちは」

「どうだ、今日の音声での情報取集は?」

「はい!あの、銃俊丞さんについてなんですが…」

「うん」

「…今回も、収穫なしでした」

「そっか…まだどんどん集めていこう」

「はい」

 

 

…と、いつもこんな感じなんだ。

あ、そうだ。気になったことを伝えねば。

 

「あ、中空知。これを見てほしんだが…」

「はい?なんですか?」

見せると

「…成程…有力な情報ですね…」

「…あぁ、これも手掛かりに探っていこう」

「はい」

 

言いそびれたな。その情報とやらは…

・本名が神崎・H・オーレリスト

・イギリス生まれ

・アリアと双子になるだが、ほんの数秒後に生まれたため、弟扱い

というものだった。

これは…身分が明らかになる有力な物だった。

 

早速私は、情報集めをした。

最初の調査対象…姉扱いの、アリア。

 

「…え?俊丞について?」

「あぁ、調べていたらアリアの弟となる情報があった。彼奴の歴史的な物を教えてほしい」

「ん~…まぁ、人気だったわね。あたしと違って。皆からモテモテってやつよ」

「成程…他にあるか?」

「他ぁ?ん~…あ、そうそう。中学生の年齢の時なんだけど…」

「あぁ、なんだ?」

「…彼奴、突然家出したの。予告なしに」

「家出?」

「うん、しかもその時は…皆からは印象悪く思われていたようなの」

「え?印象悪く?」

「うん、人気あったんだけど…その家出の日が近づくにつれて、人気が悪くなっていったの」

「…なんだか、ややこしいもんだな…」

「そうよ~、だから彼奴の歴史は案外長いのよ」

 

ややこしい状況になってしまったもんだな。

最初は人気、けど家出の日が来るにつれ人気が無くなり…

挙句には、どん底。

何があったのだろうか?

 

では、次の調査対象…一緒に任務を遂行した、レキ

 

「…俊丞さん?」

「あぁ、そいつについて何か知ってるか?」

「…私には、わかりません…ついこの前、知り合ったばっかですから」

「そっか…すまないな」

「…あ、一つぐらいなら」

「ん?何かあったのか?」

「…彼、アリアさんと同じ家だそうで」

「あぁ~…それは、聞いたんだな。すまない」

「なら…他にはありません」

「わかった。協力ありがとう」

「…(ぺこり)」

 

…レキからは、収穫なし…

この道のり…長くなりそうだな。

 

と、後もいろんな人に調査をしてきたが…収穫なし。

どうしようか…そう思って、中空知が居る部屋へ戻ると

 

「あ、ジャンヌさん。こっちこっち」

「ん?なんかあったのか?」

「これ…見てください」

「ん?…これは…」

「…タバコ吸ってます」

「…問い詰めよう。校則違反どころか、逮捕ものだぞ」

 

屋上へ行くと、まだ吸っていました。

 

「おい!おーr…いや、俊丞!」

「…ん?」

ぷか~っと煙が漂い

「何タバコ吸ってるんだ!校則違反どころか、未成年者喫煙禁止法違反で逮捕されるぞ!」

「…これ、ただの煙草じゃないし」

「そうでなくとも!今すぐやめ…ん?」

吸っていたのは、子供でも買えるシュガーシガレッツだった。

「…これ、なんで持ってるんだ?」

「商売道具ってやつよ、まぁ一服としても使ってるが」

「だから…その一服ってやつがダメなんだよ」

「まぁまぁ、そこは黙っててくりぃや」

「…」

まぁ…怪訝な目で見ていた私とは裏腹に、中空知は

「あの…商売道具って、なんですか?」

「ん?それはな…俺の印象を悪くするもののことだよ」

ん?印象を悪くする…?

「あの…印象悪くするっていうのは…?」

「俺のやり方だよ、印象悪くして解決する。その後の皆との関係は不思議と変わんないんだよ」

 

…謎のやり方、と言うことが分かった。こいつの情報をこいつ自身から手に入れた。

しかし、腑に落ちない。印象悪くするってどういうことだ?

 

「やっぱり、詳しく聞きたい。悪くすると言うことはどういうことだ?」

「…昔話みたいになるが…いいか?」

「あぁ、いいぞ」

「…」

 

___俺がまだ、神崎の家に居た頃の話だ。

その時俺は、自分がいる家に不満を持っていたんだよ。

それで、この家から出るにはどうすればいいのか、考えたもんだ。

それで出た結果は…自分から出ようとするのではなく、俺を家から出すように仕向けることだった。

で、仕向けるために使っていた道具が…この、子供でも使えるシュガーシガレッツだ。

未成年者が喫煙、しかもそのころ俺は中学生ぐらいの年齢だった。

成長真っ盛りなのに、不良みたいな行動…由緒ある、神崎の名を汚したくないと思ったやつらは…

俺を信用しなくなり、俺を家から追い出した。作戦通りだ。

ただ、その時俺は一つだけ失態を犯してしまった。

…親戚の、アリアの信用さえも失ったんだ…

アリアからの信頼だけは、失いたくなかった。しかし、俺はやらかしたんだ。それだけ、心残りであるな。

それで、俺はユーラシア大陸を歩き等々で移動して…ようやく、この日本の地に着き武偵高に来たというわけだ___

 

 

「…壮絶だと思うが、一つ質問いいか?」

「ん?」

「中学校は…通ってなかったのか?」

「だな…まぁ、俺には必要のないことだし」

「…不当入学か?ここには」

「…飛び級を利用した」

「飛び級…」

そうか、その手があったか。

「それが無かったら、日本のどこかの中学にそれこそ不当入学していただろうな」

「…入国は、どうしたんだ?」

「それは、手続きを済ませた上に入った。戸籍もちゃんと日本にしたし」

もう、戻る気はないようだ…地元には。

「そうか…大変だったんだな。で、印象悪くしたというのが…」

「家出の時だな。それ以来、この技は使ってない」

「成程な…」

「あ、ただ一個だけあるな。まぁ、それは教えられないが…」

「…名前だろう」

「…何故分かった」

「明らかにおかしな名前だからな」

「…バレバレってわけかい。まぁいいか。じゃあ、俺の本名は知ってるんだな?」

「神崎・H・オーレリスト。しかも、お前さっきからアリアのことを親せきと言ってるが…」

「おっと、そろそろ時間だ。俺は抜けるぞ」

「ちょ、ちょっと待て!話は終わって…え?」

…目を疑った。今まで見たことない現象だったのだ。

そう、瞬き一つしただけで…

 

銃俊丞改め、オーレリストは姿を消していたんだ。

 

…その夜

「…というわけなんだが…本当なのか?アリア」

「…そうねぇ、いやというほど覚えてるわ。思い出したくなかったことだけど」

「すまないな、ぶり返させてしまって」

「いえいえ、キンジだったら風穴空けてるけど」

相変わらずの理不尽さであるな…

「ふむ…印象悪くする…ねぇ…」

「あぁそうそう、彼奴は言ってないと思うけど…」

「ん?」

「もう一つ、犯してるわ」

「…何をだ?」

「…お母様の信用はなくせてない」

「お母様…か」

「自慢の息子に対する愛情の方が大きくて…それがあっても、帰ってくると信じちゃってるの。あの人」

「そうか…」

「だから、彼奴…あたしと同様に、お母様にも会いたがってないの」

「裁判があっても、か?」

「うん、かかわりのない奴とはとことんかかわらないのが彼奴の信条だから…」

 

…今日は、レポートにまとめるのが大変そうだ…

中空知に、手伝ってもらうしかない…

そう考えながら歩いていた帰り道。

…すると…

 

___ばさっ___

 

…ん?鳥の羽の音ではない、聞き覚えの無い音が聞こえたのだが…

 

___ばさっ___

 

…しかも、近くに居る。誰だ?

 

___ひゅーん___

 

…近くを通り過ぎて行った…なんだったのだろう?あれは…

 

 

 

 

後日談ってやつだな。

あれから、調べに調べつくしたが…ダメだ、一向にいいものが見つからない。

するとだな、近くにいた男子二人がこんなことを言っていたんだ。

「なぁ、昨日羽が付いた人間見なかった?」

「おぉ、俺も見たわ。夜だよな?」

「うん、でよぉ…その鳥人間。その後何したかわかる?」

「?…わかんねぇ」

「それがよ…」

 

_____隣町の建物、全部燃やしたんだ____

 

…その時、私は思った。昨日のサイレンはそれだったのかと。

しかも、その時…思い出したことがあった。男子高校生がその時一人いなかったという。よくわかるもんだ。

しかも、そいつは今日いない人である…そう、今日休んだのは

 

銃俊丞改め、神崎・H・オーレリストである。

 

…この先、面倒なことが起きそうだぞ。



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