歌っている間に、ネビル・ロングボトムがやって来た。トレバーを探してるけど、残念ながら私は見てないし、ハリーとロンも原作通りなら見てないだろう。
さて、戦車を手に入れたらどこに置いておくか……〈縮小呪文〉をかけてバックの中へ入れるか、必要の部屋に置いておくか、だね。誰も『戦車を置いておくための部屋』なんて想像してないだろうし、ホグワーツで戦車を扱う時は必要の部屋に行くとしよう。
弾頭は……変身術でそこらへんの石ころを変化させるか、厨房から要らなくなった鉄でも貰ってこようかな。
『フニクリ・フニクラ』が終わったところで、今度はハーマイオニーがやって来た。もちろん、ロンはボロボロの杖を振り上げている。
「あら、曲は終わっちゃったの?」
「残念ながらね。それと、ヒキガエルを見なかったかって質問をしに来たのなら、見なかったって答えるけど」
「どこに行ったのかしら……ところで、魔法をかけるの?それじゃ、見せてもらうわ」
ハーマイオニーはロンの目の前……つまり、私の隣に座った。ロンのデモンストレーション(失敗確定)が終わったら、次の曲を弾こうかな。
「〈お陽さま、雛菊、溶ろけたバター。デブで間抜けなねずみを黄色に変えよ〉」
……やっぱり、
「その呪文、間違ってない?私も練習のつもりで簡単な呪文を試して見たことがあるけど、みんな上手くいったわ。ホグワーツは最高の魔法学校だって聞いてるけれど……教科書を全部暗記するだけで十分かしら。私はハーマイオニー・グレンジャー。あなた方は?」
「私はミカ・クリスティだよ。男名だけど、これでも君と同じ性別だよ」
「僕、ロン・ウィーズリー」
「ハリー・ポッター」
ハリーの言葉にハーマイオニーが食いつく。立て板に水を流すようにスラスラと知識を出していくけど、少しは抑えるのも大切だよ。
『Bad Apple!!』(メロディのみ)を弾きながら、私はどの寮に入ることになるのか思案する。一番いいのはグリフィンドールなんだろうけど……組分け帽子がどう判断するか、だね。
◇◇◇◇
少しして、青白い男の子が入って来た。ドラコ・マルフォイだね。私は『魔法少女達の百年祭』を弾いてたけど、そんなこと御構い無しに話しかけて来た。
「そういえば、君は誰だい?聞いたことも見たこともないけれど」
「……私はミカ・クリスティさ。ところで、良家の子息なんだっけ?」
「うん?そうだけど?どうだい、ポッター君と共に家柄の良い魔法族とそうでないのの区別を学んでみないかい?そこのウィーズリー家はおいてさ」
「良家の子息なら、演奏中には話しかけないで演奏が終わるまで待つってことを学んでいると思うんだけどね」
ドラコがおし黙る。おっと、ゴイルが蛙チョコに手を出してるね。このままスキャバーズが噛みつくんだろう……ほら。
ゴイルは喚き、クラッブとドラコは後ずさり。スキャバーズが離れるとそのまま早足で戻って行った。
ふと、窓の外を見る。森が多くなってきて、少しずつだけど速度が落ちている気がしてきた。さて、ハーマイオニーがもう一度やって来るはずだし、そしたらハリーとロンを一度追い出して着替えるかな。ホグワーツのシャツの上から縦縞カーディガンを着て、その上にローブを羽織ればなんちゃってだけど継続高校の制服の上からホグワーツのローブを着ているように見えるだろう。もしかしたら、ローブがアンチョビの
Bad Apple!!…東方Projectの楽曲の一つ。ニコニコなどで有名なはず。
魔法少女達の百年祭…東方Projectの楽曲の一つ。紅魔郷EXステージの道中曲。