クリスマス休暇が終わるまで、宿題をやりつつ戦車の整備とかをしたり、歌ったり、その他色々としていた。
「で、危うくマウスの主砲を暴発させようとした言い訳はあるの、ミカ」
「後ろを振り向いていては未来に進むことはできないよ」
「いい事を言って誤魔化そうとしない」
残念、逃げられなかった。足回りや何やらを確認している時に、うっかり12.8cm主砲を撃ちかけてしまったからね。弁解のしようもない。
明日には休暇が終わる。今日帰って来たハーマイオニーとすれ違った。そして、耳元でそっと呟く。
「君が探している場所には、本当に探し物はあるのかい?」
「え?あら、クリスティじゃない。どうしたのよ、いきなり。それに、今日もカンテレ持ってるし……」
「何かを探しているようだったからね。どうせなら一曲聴くかい?落ち着くかもしれない」
「……ええ、お願いするわ」
よしきた、と私はカンテレを構える。ちゃんと一シックルは貰い、一つの曲を弾き始める。今回は歌付きだ。題名は、『KIDNAP THE SANDY CLAWS』。日本語題は『サンディ・クローズを誘拐しろ』だね。若干季節は過ぎてしまったけどまあいいだろう。『終焉ノ栞』も考えたけどね。
「……サンディ・クローズって、サンタクロースのことよね?なんで彼を誘拐?」
「街に戻ったらとある映画を見てみるといい。そうすればわかるさ」
彼女に微笑み、レイブンクロー寮に戻る。さて、これで彼女がニコラス・フラメルを見つけてくれるといいんだけど。
◇◇◇◇
授業が始まって、あまり戦車の場所に行けなくなった。次に行けるのは日曜日ぐらいかな?あとは、クィディッチの試合の時か。ネビルには遠回しにだけど「君はちゃんと勇気を持っている」と言っておいたし、観客席でクラッブ、ゴイルと乱闘してくれることだろう。ついでにボクシングの本を進めるのもよかったかもしれない。
次はBT-42の整備だね。使うのはこっちをメインにするつもりだから、ちゃんと整備しないと。それに、来年には活躍してもらうつもりだしね。
……あ。大蜘蛛の巣の場所を探しておかないと。じゃないと、来年フォローするのが難しくなる。
それに、ハリーがドラゴンをチャーリーに預けることを言うように刷り込みしておかないと。うーん、忙しくなって来たね。宿題もあるし……アキはすぐに終わらせるけど、ミッコはギリギリまでやらないからね。私も早くないけどさ。
…………面白そうだし、フラッフィーのところにも行ってみようかな?
サンディ・クローズを誘拐しろ…ハロウィン×クリスマス映画の歌の一つ。悪ガキ三人組によるサンタクロース誘拐作戦。
終焉ノ栞…ボカロ曲の一つ。都市伝説をテーマとしたボカロ曲集の一つ。