ホグワーツでカンテレをかき鳴らしながら   作:零崎妖識

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みぞの鏡

十二月二十三日、ようやく『みぞの鏡』を見つけた。

使われていない教室を中心に探したら見つけてしまったんだけど、ちょうどそこにダンブルドアが居て、鉢合わせになってしまった。

 

「それで、君は何を探しに来たのかね?」

 

「さあね。私はただ、風に流されて旅をしているだけさ。あなたこそ、ここで何をしてるのです?ご老体なのですし、大人しく部屋でココアを飲んでいるのがよろしいかと」

 

「ほっほっほ。酷い言われようじゃのう。わしが察するに、君はこの鏡を探しに来たのではないかのう、ミス・クリスティ。君はこの鏡がホグワーツにあることを知っておったようじゃのう。それに、君は秘密を抱えておるようじゃ。どうかのう?」

 

私は彼の問いには答えず、微笑んでカンテレの弦を弾いた。ダンブルドアはそれで満足したようで、私から目を離して鏡に向き合った。

 

「この鏡の特性は知っておるじゃろう?君には何が見えるのかね?不躾なことだとはわかっておるのじゃが、気になってしまうのじゃ」

 

「私が正直に言うと思ってるのですか?だとしたら、アキに笑われてしまいますよ」

 

「わしは、君が正直に話してくれると信じておるよ」

 

ダンブルドアのキラキラとしたブルーの目が私を見つめる。やれやれ、この人には敵わないだろうね。

 

「その信頼に意味があるとは思えない。けれど、あなたの思いには答えようか。私の目には──ああ、アキ、ミッコと仲良く暮らしてる姿が見えるよ」

 

偽りなく、真実を伝える。私とアキ、ミッコの三人で戦車に乗りながら世界を旅する、そんな光景が鏡の中には広がっていた。

 

「それは素敵な望みじゃ。わしの目には、後悔しか見えんからのう」

 

「……それは、私があなたの見ている光景を知っていると言いたいんですか?」

 

「その通りじゃよ。ほれ、これが必要じゃろう?」

 

ダンブルドアが微笑み、羽根ペンと羊皮紙を渡してくれる。

私は一言、『酒は呑んでも呑まれるな、だよ』と書いておき、鏡に貼り付けた。

 

「いい言葉じゃ。この鏡を扱う時の注意をうまく表しておる。

ああ、もう一つだけいいかのう?ハリーのことを、そして、彼らのことを、よろしく頼む」

 

「頼まれた。私が直接手助けすることはないだろうけど、背中を押すぐらいならしてあげよう。何か曲のリクエストはあるかい?一曲につき一シックルもらうけどね」

 

「では、適当に……暗めで、しかしアップテンポな曲はあるかな?」

 

私は微笑みで答え、弦を弾き始める。曲は、『Bad∞End∞Night』で、歌詞はなくメロディのみ。さすがにこれを一人で歌うのは無理だからね。

曲が終わる四分ほどの間、ダンブルドアはじーっと鏡を見続けていた。

……サービスで『U.N.オーエンは彼女なのか?』も弾いてあげるとしよう。




Bad∞End∞Night…ボカロ曲。八人で歌う曲。小説あり。

U.N.オーエンは彼女なのか?…東方project。フランドール・スカーレットの曲。有名ですよね。

酒は呑んでも呑まれるな…みぞの鏡ってある意味お酒ですよねー。


ダンブルドアはミカの秘密(転生者であること)について知っていません。ただ長年の勘で何か秘密があることに気がついています。それがハリーや自分、ひいては今後のイギリス魔法界に関わっていることも。

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