玄馬達がアスタロトと合う少し前‥‥
「で、居場所はつかめたのか?」
王城の一室で一人の男が秘書に聞く。
「はい、現在デュラハン他数名は竜の神域にいると思われます。‥‥勇者を派遣するので?」
「ん。あいつらが行かせろとうるさいからな‥‥それに、勇者の一人が行方不明になったらしい」
「その勇者がデュラハンに連れ去られたと?」
秘書がそう聞くと、はぁとため息を付き
「そう思っている‥‥まぁ真相はわからんが、勇者を失うのは痛いからな。こちらも派遣させるつもりだ。‥‥まぁ、準備万端なんだろうけどな‥‥」
男は思った。デュラハン一人にここまで王国の勇者が掻き回されるとは‥‥
▶▼◇▶
「ここからもう少し進めば、神殿の領地に付く」
俺達はゼロの話を聞いていた。
どうやら、ここから神殿までは遠くなく、ここからは歩くらしい。
「‥‥マスター、反応が‥‥」
月光が俺に耳打ちしてくる。
「‥‥どんな?」
俺がそう聞くと、月光は少しあきれたような声で
「‥‥勇者たちですね‥‥また来たのか‥‥」
また勇者か。
あいつらもしつこいな‥‥
「さて、じゃあいこっか‼」
ルナがそう言うと、皆が腰をあげる。
「いたぞー‼首なしだ‼」
⁉
「なっ、勇者⁉」
ヘルが驚く。
俺も驚いた。
「‥‥以外と近かったですね‥‥」
いや、近いってレベルじゃないと思うんだが‥‥
「なっ、君は麒麟‼貴様ら麒麟をさらって‥‥」
いや違うよ?こいつが俺達と協力しているだけだよ?
「‥‥ケン、私は正直あんたらに呆れていたんだ。だからこっちについた。文句ある?」
あぁ、そういやケンだったわこいつ
名前忘れてた。
「おっ、戦いか?よっしゃ任しとけ」
タケミカズチ?なんでそんな戦う気満々なんですかね‥‥
「パパ、ママ、あの人たち嫌い。眠らせていい?」
アスタロトは殺意満々だし‥‥
「アスタロト?あんなクズたちなんか殺す価値もないのよ?ママはね、アスタロトの手を汚したくないのよ。今は我慢してね?」
麒麟が優しく、アスタロトに言い聞かせる。
前から思ってたけど麒麟ってオカンスキル高いよね。
「‥‥わかった」
アスタロトはそう言って、俺の背中に乗ってくる。
‥‥なんでや‥‥
「じゃあパパの背中で大人しくしてる‼」
‥‥
「なっ麒麟‼君は首なしと結婚したのか⁉それに子供までいるとは‥‥」
勇者、絶賛混乱中。
‥‥だんだんめんどくさくなってきたな‥‥
‥‥あのー麒麟さん?なんでこっち見てそんな悪魔的な笑顔を浮かべてんですか?
「えぇ、今の私には夫と娘がいるの。大人しく引き上げてくれる?」
おいィィィ⁉
勇者達から殺すコールがすごい。
‥‥おうち帰りたい‥
ウェイ‼
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