異世界転移なんてろくなもんじゃない。   作:カオス案山子

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また勇者か


第四十二話 またお前らか

玄馬達がアスタロトと合う少し前‥‥

 

「で、居場所はつかめたのか?」

 

王城の一室で一人の男が秘書に聞く。

 

「はい、現在デュラハン他数名は竜の神域にいると思われます。‥‥勇者を派遣するので?」

 

「ん。あいつらが行かせろとうるさいからな‥‥それに、勇者の一人が行方不明になったらしい」

 

「その勇者がデュラハンに連れ去られたと?」

 

秘書がそう聞くと、はぁとため息を付き

 

「そう思っている‥‥まぁ真相はわからんが、勇者を失うのは痛いからな。こちらも派遣させるつもりだ。‥‥まぁ、準備万端なんだろうけどな‥‥」

 

男は思った。デュラハン一人にここまで王国の勇者が掻き回されるとは‥‥

 

 

 

 

 

 

 

▶▼◇▶

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここからもう少し進めば、神殿の領地に付く」

 

俺達はゼロの話を聞いていた。

 

どうやら、ここから神殿までは遠くなく、ここからは歩くらしい。

 

「‥‥マスター、反応が‥‥」

 

月光が俺に耳打ちしてくる。

 

「‥‥どんな?」

 

俺がそう聞くと、月光は少しあきれたような声で

 

「‥‥勇者たちですね‥‥また来たのか‥‥」

 

また勇者か。

 

あいつらもしつこいな‥‥

 

「さて、じゃあいこっか‼」

 

ルナがそう言うと、皆が腰をあげる。

 

「いたぞー‼首なしだ‼」

 

 

「なっ、勇者⁉」

 

ヘルが驚く。

 

俺も驚いた。

 

「‥‥以外と近かったですね‥‥」

 

いや、近いってレベルじゃないと思うんだが‥‥

 

「なっ、君は麒麟‼貴様ら麒麟をさらって‥‥」

 

いや違うよ?こいつが俺達と協力しているだけだよ?

 

「‥‥ケン、私は正直あんたらに呆れていたんだ。だからこっちについた。文句ある?」

 

あぁ、そういやケンだったわこいつ

 

名前忘れてた。

 

「おっ、戦いか?よっしゃ任しとけ」

 

タケミカズチ?なんでそんな戦う気満々なんですかね‥‥

 

「パパ、ママ、あの人たち嫌い。眠らせていい?」

 

アスタロトは殺意満々だし‥‥

 

「アスタロト?あんなクズたちなんか殺す価値もないのよ?ママはね、アスタロトの手を汚したくないのよ。今は我慢してね?」

 

麒麟が優しく、アスタロトに言い聞かせる。

 

前から思ってたけど麒麟ってオカンスキル高いよね。

 

「‥‥わかった」

 

アスタロトはそう言って、俺の背中に乗ってくる。

 

‥‥なんでや‥‥

 

「じゃあパパの背中で大人しくしてる‼」

 

‥‥

 

「なっ麒麟‼君は首なしと結婚したのか⁉それに子供までいるとは‥‥」

 

勇者、絶賛混乱中。

 

‥‥だんだんめんどくさくなってきたな‥‥

 

‥‥あのー麒麟さん?なんでこっち見てそんな悪魔的な笑顔を浮かべてんですか?

 

「えぇ、今の私には夫と娘がいるの。大人しく引き上げてくれる?」

 

おいィィィ⁉

 

勇者達から殺すコールがすごい。

 

‥‥おうち帰りたい‥

 




ウェイ‼

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