風呂から上がり、部屋に戻る。
ヘル達も風呂に行ったのか部屋には月光が置かれているだけだった。
「あっ、おかえりなさいませ。この和菓子美味しいですよ。食べます?」
くつろいでるな。
「‥‥一つ貰おうか」
ほい、と月光が俺にどら焼きを渡してくる。
「‥‥あの二人は?」
俺がどら焼きを食べながら月光に聞く。
「あの二人なら露天風呂に行きましたよ」
露天風呂なんてあったの⁉
「‥‥そんなものがあるのか?」
「あれっ?マスター知らないんですか?ここって女子のみ入浴できるお風呂があるんですよ。まぁ、マスターは男ですから関係ないですね」
女子のみ‥‥だと?
「‥‥そうか‥‥」
俺はそう答え残ったどら焼きを食べる。
しかし本当にうまいなこのどら焼き
・・▼?
「まさか露天風呂があったとは‥‥驚きね」
そう言うのはヘルだ。
「しかも女子専用とは‥‥なかなかやるじゃない、この宿」
そう言いながら浴槽に入る。
「‥‥どう?このメンバーに慣れた?」
そうヘルが私に聞いてくる
「最初の頃に比べたら慣れたけど‥‥まだあなた達に驚かされる所もあるわ」
始めなんかはメンバーが首なしと冥界の女王と精霊、私がこの中に溶け込めるのか?と不安になる部分もあったが、今はうまくやれていると思う。
「そう、それはよかったわ」
ヘルが笑顔で私に向かってそう言う。
‥‥綺麗な笑顔だ‥‥
「?大丈夫?」
ハッ、ついつい見とれていた。
「えぇ、大丈夫よ。‥‥一つ聞いていい?」
私は気になることを聞こうとした。
「えぇ、どうぞ」
「じゃあ一つ‥‥どうして首なしと共に旅をしているの?」
私がそう言うと、ヘルは少し暗い顔をした。
「‥‥そうねぇ‥‥あなたになら話してもいっか」
そうヘルが言うと私の方に向いて話始めた。
「私はね‥‥家族をとある奴に殺されてるの」
「殺されてる‥‥」
私がそう呟くとヘルは違う違うと言い
「殺されてるじゃあ分かりにくいか‥‥親が殺されて、兄弟は封印されたのよ。だからその復讐よ。首なしと一緒に旅しているのは目的が同じだったからよ。同じ奴に怨みを持っているからね」
「‥‥」
私は何も言えなかった。
ただ、何かを言わなくてはと思い、聞いた。
「‥‥その復讐相手とは‥‥」
ヘルは少し考えたような顔をして、頷き、私にこう言った。
「そいつの名は‥‥‥‥」
私はその名を聞いて、再び絶句した。
○◆○▩
「‥‥」
俺は星を見ていた。
‥‥麒麟と屋上で星を見ながら話し合ったこともあったな‥‥
「マスター、花札やりましょう。掛けるのはこのお菓子で」
月光が窓から星を見ている俺にそう言う。
ほぅ、この花札全一(自称)の俺に勝負を挑むとは‥‥面白い
「‥‥やるからには本気でやるぞ」
俺がそう言うと月光が笑いながら
「フフフフ‥‥この私に勝てると思って?相手がマスターだろうと容赦はしませんよ‼」
俺達は麒麟とヘルが戻ってくるまで花札対決を続けた。
結果は俺のぼろ勝ちだった
タイトルと本編が関係ねぇ‼
まぁ、お風呂関係だし‥‥
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