新たなる冒険   作:hiro19931215

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まだ、モモンガがアインズになっていないのは目を瞑ってください(笑)


初陣

「か...み..さま」

 

その言葉がスイッチとなったのか。モモンガは、手を前に出し魔法を使った。

 

《グラスプ・ハート/心臓掌握》

 

一瞬何が、起こったか戸惑うがモモンガの手を見て皆震え上がった。そこには、先ほどまでなかったのに突然赤い臓器のようなものが握られてあった。

 

 

グシャ

 

その音と共に、一人の兵士が倒れた。誰もが、瞬時に理解した。あれは、心臓をつぶされたのだと。

 

 

《グラスプ・ハート/心臓掌握》は、相手の心臓の幻覚を己の手の内に作り、それを握りつぶし死に至らしめる即死魔法。仮に抵抗(レベル差や魔法防御力が高い場合)に成功しても朦朧状態になる追加効果がある。モモンガは、ユグドラシル時代ではよく使っていた魔法の一つである。

 

(この世界の人間たちに、私の得意とする死霊系。その中でも高位の第9位階魔法が通じなれば、この姉妹を連れて即撤収だったが杞憂だったな)

 

まずは、自分の得意魔法が通じたことにホッとするモモンガ。彼は実際、こちらの世界では初めての実戦となる。彼は、内心かなり不安であった。初めての実戦ということは、攻撃魔法はおろか敵の装備等もじっくりとみていなかった。

モモンガは、ユグドラシル時代では情報戦に長けており綿密に調べ戦うタイプだ。その彼が相手の情報を調べず、ぶっつけ本番で戦うなど非常に珍しい。

 

ぶっちゃけた話、モモンガは魔法を発動するとき。とりあえず、名前を言っとけ。みたいな感じで放っていた。

 

 

 

仲間の一人が瞬殺され、今まで狩る側であったのに狩られる側になった騎士たち。彼らからしたら、突然黒いローブを纏ったアンデットが乱入し魔法らしき単語を言ったら突然仲間が死んだ。騎士たちは、あんな魔法を知らない。モモンガの姿を見てから、悪寒が止まらなくなった。

 

「化け物!!!」

 

騎士の一人が悲鳴に近い声で言い放ったが、騎士たちは全員怯え今でも逃げ出しそうなのだが。足が竦んで動けないのが現実であった。

 

 

「どうした?女子供は追いかけまわせるのに毛色が変わった相手では無理か?」

 

明らかに、挑発をするモモンガ。相手が、恐怖している間に間髪なく脅しをかける。

 

「せっかく、来たのだ、まだ実験に付き合ってもらうぞ!」

 

その言葉を言い放った瞬間、騎士たちはもはや戦意喪失であった。目の前の<死>から、どうやって逃げようとしか考えていなかった。だが、彼の次に放つ魔法によってすべてが微塵とかした。

 

モモンガは、杖を持っていない右手を上に上げ《ファイヤーボール/火球》を作った。

《ファイヤーボール/火球》は第3位階の攻撃魔法であり、ユグドラシル時代では基本中の基本である魔法だ。モモンガ自身も、どの程度の魔法から効果があるのかという実験的な意味で放ったのだが。

 

 

 

「「ひぃぃ~なんだあれは??!!」」

 

 

騎士たちはおろかエンリ姉妹も、モモンガが作り出した《ファイヤーボール/火球》を見て腰を抜かした。その火球は、直径3mくらいの大きさを生成していた。騎士たちは、もう絶望の色を露わにしていた。

 

 

 

 

(なんじゃこりゃ!!!!!)

 

 

 

 

モモンガ本人もこの大きさと質量に驚愕していた。モモンガも、この火球に強化魔法やアイテムも使っていない。ユグドラシル時代でもこんな大きい火球は見たことない。普通、バスケットボールくらいの大きさ位だが規格外の大きさはまるで小さな太陽のようになっている。

 

騎士たちは、恐怖が一回転したのか一目散に逃げ出した。騎士たちは、ただただ逃げるしかなかった。だが、後ろから熱さが迫ってきた。騎士たちは後ろを振り向かえらずひたすらに走ったが、彼らはモモンガに出会った瞬間に逃げるべきだったのだ。

 

 

火球の爆発範囲は、約5mのクレーターができた。爆発の衝撃と熱で、相手の騎士たちは言葉道理灰燼と化した。骨や灰も残らず、周りの木々も全て炭になった。当然モモンガたちにも、被害が及ぶが火球を放った瞬間モモンガが防御魔法を展開し自分とエンリ姉妹を守っていた。

 

(なんとか間に合ったな、それにしてもなんだあの威力は.....)

 

モモンガは、自分の胸にぶら下がっているネックレスを見る。世界級アイテム「混沌と秩序」の効果の一つで全ステータス5倍で第3位階でもかなりの威力を発揮できる。

 

 

(規格外すぎる....たかが第3位階でもこれを使えば第6位階以上の強さだぞ...これは下手に装備するものでは無いな。もし、大乱闘になった場合フレンドリーファイヤーで味方にまで被害が出るなぁ)

 

 

モモンガの視界の端で、腰を落としているエンリ姉妹。モモンガは、エンリの背中の傷を思い出し赤いポーションを出す。

 

「これは、治癒の薬だ飲むと良い。傷が癒えるぞ」

 

「あ...ありがとうございます。喜んで頂戴します」

 

エンリは、モモンガが出したポーションを何も疑わずに口にいれた。ポーションの効果は早く飲んだ瞬間にエンリの傷がみるみる治っていく。

心配していた、ネムもエンリの傷が治ったことが分かり笑顔になる。

 

「お前たちは、私が怖くないのか?」

 

モモンガは、このエンリ姉妹の素直な行動に疑問を抱く。こっちは骸骨の姿で、目の前で人殺しをしたというのに平然としていた。

 

「あなた様は、殺されかけの私たち姉妹を救って下さるだけではなく私の傷も癒していただきました。どこに、怖がる要素がありますでしょうか?」

 

エンリの言葉に、ネムも首を縦に振る

 

「神さまは、お姉ちゃんを助けてくれたいい人だよ!!」

 

 

純粋無垢な眼差しを向けられたモモンガは少し照れて臭くなっていた。

 

 

 

 

突然、エンリ姉妹の後ろからモモンガが登場した時と同じように黒い渦が広がった。

 

「モモンガ様、大変遅くなりまして申し訳ございませんでした。ナザリックが精鋭100名援軍に参りました。ご命令ください、モモンガ様にあだなす者たちを皆殺しにしてまいりましょう」

 

そこには、女性の声はするものの格好は西洋騎士の格好で手にはバルディッシュを持ったアルベドと各守護者、その他のNPC達がいた。

 

 

「ちょうど良いタイミングだ、アルベド。さて、はじめるとしよう!」




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