新たなる冒険   作:hiro19931215

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やっと、やっっとカルネ村に入れました!!
長い道のりでした(笑)


新世界
惨劇


モモンガは、今ナザリックにあるとある一室にセバスと二人でいた。星空を見た後、そこからモモンガは不眠不休(アンデットなので食事も睡眠もいらない)で各NPC達のステータス確認と防衛用のアンデットを作成していた。

 

 

そして、今モモンガはなにをやっているかというと遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモート・ビューイング)というアイテムを使いナザリック周辺の調査をしている。遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモート・ビューイング)は、指定したポイントを距離に関係なく映し出す直径1メートルほどの鏡。一見非常に便利だが、低位の対情報系魔法で簡単に隠蔽され、攻勢防壁の反撃を非常に受けやすいため微妙系アイテムとして考えられている。ユグドラシル時代では、簡単な操作でできていたがこの世界では使い方が繊細になっており操作に慣れるまで苦戦していたがコツを掴んだようで完璧では無いが操作に慣れた。

 

パチパチパチパチ

拍手のもとはセバスだ。

 

「おめでとうございます。モモンガ様」

 

「ありがとう。セバス、お前のおかげだ」

 

「そんなことはございません。モモンガ様の御力です」

 

初めて赤ん坊がよちよち歩きから二足歩行にできたような、達成感だがモモンガにとっては大きな進展で何気ない会話をしながら作業するというのは久しぶりの感覚で十分嬉しさがあった。

 

 

鏡を動かしていると、村らしきものが写った。だが、様子が少しおかしいと感じたモモンガ。村は少し慌ただしく、所々の家から火が出ており村人らしきものは血相を変えて走っていた。

 

 

「祭りか?」

 

何気なく、呟いた一言に眉間を寄せたセバスが

 

「これは、違いますね」

 

モモンガが、鏡をもう少し近づけてみるとその村で何が起こっているかの正体が分かった。虐殺だ。それ以外何もない。逃げ惑う村人。それを追う、騎士の格好をしたような連中が馬に乗り村人を斬殺している。中には、家に火を着けるもの。撲殺しているもの。傍から見ると、胸糞悪い光景だが。

 

(人が殺されているのに何も感じない...体だけではなく、心までアンデットになったのたか)

 

 

モモンガは何も感じてはいなかった。人が人を殺しているなぁ~。その程度にしか思わなかった。いや、思えなかった。

 

一人の村人が写り、誰かを逃がそうと必死に騎士に抵抗している。そして、取り押さえられた。その瞬間、その村人と目が合ったような気がした。当然、向こうからは見えていないのだがモモンガは確かに目があった感覚がした。

 

そして、声や物音は聞こえないのだが男の口が動き口の動きで言葉を理解しようとした。いわゆる、読唇術だ。

 

()()()()()()

 

実際は違うことを言ってるかもしれないがモモンガには、確かにそう聞こえた。

その言葉を最後に男は背中から剣で貫かれ息絶えた。

 

 

 

少しの沈黙が二人の間にあった

 

「......セバスよ。お前は、どうしたい?」

 

モモンガは、セバスに尋ね

「モモンガ様のご命令に従います」

 

即座に返答した

セバスのその言葉に少しイラッとした絶対的支配者。モモンガ的にはここで村人を救っても何もメリットがなく、もしあの騎士のレベルが高く本隊を呼ばれナザリックが危険になるかもしれないという考えであった。

 

しかし、いくらモモンガが絶対的支配者であってももとは人間で普通のサラリーマンだ。現実世界では、何でもかんでも首を縦に振るイエスマンであったモモンガ。ではなぜモモンガがセバスに不快感を抱いたかというと、自分の意見を言わないからである。

先程から、セバスの両手には血が滲むほど強く拳を握り締め。顔は平然としているが、首筋には怒りからであろうか血管が浮き出していた。彼らには、主従関係はあるもののモモンガの中ではナザリックは「家族」というものにしたかった。そして、何よりモモンガ自身がイエスマンであった為彼らにはそうなってほしくないという気持ちもあった。

 

セバスは今すぐにでも、助けたい気持ちでいっぱいであった。

 

セバスは、カルマ値が最大で自身の制作者であるたっち・みーと同じく強い正義感を持っている。「悪」を重視するナザリックではかなり異質な存在となっている。これはセバスがそう設定されたからと言うよりも、設定欄に空白が多かったので創造主たるたっち・みーの影響を大きく受けてしまったのが大きい。

特に他のNPCの大半が人間を下等な存在としか見ていないのに対して、セバスは人間を評価し、弱者を守ることに義務感を感じている。

 

その彼が、この状況を見て何も言わないのは少し残念な気分がした。

 

 

「私は、ナザリックのバトラーであるセバスには聞いていない...お前自身に聞いているのだ!!セバス・チャンよ!!!」

 

その言葉に雷が打たれたかのようになるセバス。そして、忠誠の儀の時のように片膝を付き頭を垂れ自分の主人に思いを言う。

 

「私は、困っているものがいたら助けたいです。我が主よ、御許可を頂けるのであればあの者たちを救いたいと思っております!」

 

その言葉は、モモンガの心に響いた。今まで我慢していたのだろう?よく耐えた。モモンガは、改めてセバスを見る。その面影には、かつての仲間たっち・みーが写っていた。

 

 

「その言葉を聞きたかったぞ、セバスよ」

 

モモンガは、勢いよく立ち上がり。どこからともなくスタッフ・オブ・アインズウールゴウンを取り出し転移門<ゲート>を開き、歩き出した。

 

「モモンガ様!どちらへ?!」

 

困惑の色を隠せないセバス。

 

「決まっているであろう?村を救いに行くのだよ」

 

「それでしたら、私一人で...」

「お前がせっかく、自分の意見を言ったんだ。それを叶えるのが家族というものだ」

 

その言葉を言い放ち、黒い渦の中に歩き出したモモンガ。

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

私の名前はエンリ。妹はネム。村はカルネ村という名前でとても大きな村とは言えません。ですが私たちは、平和で平凡な生活をしています。

生活に不自由こそあるけど、村の人たちはみんな温厚でたまに来る薬剤師の友達も来てくれて都会の話をしてくれるので退屈はしないし家族団欒で幸せに生活しています。

 

その生活も、先ほどで一変しました。突然見たことないような騎士たちが現れ、突然村人たちを襲いだし。母は、殺され。父は私たちを逃がすため、騎士を足止めしてくれてました。私たちも必死に走り出しました。後ろからは「逃げろ!!エンリ!!早く行け!!」という言葉が聞こえてきましたが途中から何も聞こえなくなった...

 

私はひたすら走った妹の手を掴んだまま、妹のネムはまだ幼いのに私の足によくついてきている。だが、ネムはまだ10歳。そんな幼いのに、長時間走れるわけもない。後ろを振り返ると騎士たちは、10m位まで迫ってきていた。もう少しで、森の中に逃げれると思ったときにとうとう妹の限界が来たようだ。妹がこけた瞬間私は妹に覆いかぶさった。その瞬間、背中がいきなり熱くなった。そして、徐々に徐々に痛みが体に伝わってきた。こんな私でも、分かる。斬られたのだと...

 

「お姉ちゃん!!」妹のネムが泣きながら、叫んだ。

私は、斬られた痛みと出血によって意識が朦朧とした。妹だけは守らないと、その気持ちで頭が一杯になった。

 

 

どうして?私たちが何をやったていうの??なんで、私たちがこんな思いをしなきゃいけないの??あぁ、神様私の命を捧げますどうかどうか妹だけは御救い下さい...

 

 

 

エンリは、もう死ぬと実感していた。最後にネムを安心させようと笑顔を続けていたが、限界が来た。エンリはもう諦めようとしたとき。突然、後ろの騎士たちが驚きの声をしていた。

 

それにつられ、私とネムも顔を上げた先には黒い渦のようなものがありその中から何かが出てきた。

 

黒というより漆黒のマントを羽織い、指には両手の五指にこれでもかというくらいの宝石の付いた指輪。その手には、今まで見たことないようなまるで神話に出てきそうな神々しい杖。その顔は、生者を恨むアンデットであった。突然のアンデットに騎士たちは驚くがエンリだけは違った。

 

「か...み..さま」

 

 

 

これが、モモンガとエンリ姉妹の出会いであった

 




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