咲-Saki-もし1年後に夢乃マホが飛び級して清澄高校に入学したら   作:神奈木直人

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すいません、ちょっと遅れました。


第70話 副将戦

中堅戦を終わらせた選手達が対局室から控え室に移動した。

~千里山女子控え室~

「ただいま。」

「あ、お疲れ様です。」

「いやー、全然やったわ。加藤ミカが強過ぎたわ。」

「確かにあれはしゃーないわ。あれに勝てるくらいやったら個人戦上位レベルやろ。」

「いやいや、あたしは個人戦上位入れるレベルやろ。あれが異常なだけや。」

「でもなぁ、今回は化け物揃いやで?上位に入るのも辛いんやないか?」

「んー、それは・・・」

「まぁ、そんな事より今は副将戦やけどな。」

「お前の出番やん。」

「せや、有珠山の真屋由暉子が辛いわ・・・」

「頑張れ部長。」

「はぁ、あんたがもっと稼いどったらこんな事にはならんかったのに・・・」

「はいはい、悪かったって。でもしゃーないやろ。」

「せやな、あんたは個人戦上位レベルやないからな。」

「うっさいわ!はよ行け!」

「はいはい、じゃ、行ってきます。」

「頑張って下さい部長!」

~新道寺女子控え室~

「ただいまです。」

「加藤さん!すばらでした!」

「ありがとうございます。」

「これでうちが5位になる可能性も高くなりましたね。」

「この点数を私が維持して部長に繋げればきっと行けますね!」

「そうかもしれませんね。すばらに頑張って下さい!」

「はい、行ってきます。」

~有珠山高校控え室~

「今帰りました・・・すいません、全く和了れませんでした・・・」

「いやいや、想定内想定内!後はユキと私が何とかするって!しかも私は決勝の為に温存してたから負ける気がしないから安心しろよ!」

「ありがとうございます。由暉子先輩、後はお願いします!」

「任せて下さい。新道寺に逆転するくらいの気持ちで頑張ります!」

~姫松高校控え室~

「ただいま・・・あいつ強すぎやろ・・・」

「まぁ、あれはお姉ちゃんでも勝てないと思うで。」

「でもあの人ならなんか抜け道見つけて和了りそうやけどな。」

「確かに、お姉ちゃんってたまに相手の和了り牌が見えてるんやないかってくらい相手の和了り牌抑えるよね。」

「あの人にはあたしらとは違う何かが見えてるんやないか?」

「それは言えてるかも。」

「って、喋っとったけど次絹やん。」

「そうやったわ!はよ行かんと!」

「頑張ってや絹!」

「頑張って下さい!」

「任せて!」

 

 

『さぁ、五位決定戦ももう副将戦です。対局する選手達を紹介します。まずはトップまで登り詰めた新道寺女子の友清朱里選手!三尋木プロ、彼女についてはどのようにお考えでしょうか?』

『そうだねぇ、これまでは加藤ミカが稼いでそれを維持するのが上手いから、今回に関してもそれが生きてくるんじゃないかねぇ。結構他の奴らも強いけどどれだけ維持出来るかって感じかね。』

『成る程、では2位の千里山女子の舟久保浩子選手はどうでしょうか?』

『相手が隙を見せたらそこを逃さず狙えるから相手を気にせず和了ろうとしてる人にとっては天敵なんじゃねぇの?』

『でも、このレベルまで来て相手を気にしない選手なんているんですか?』

『それもそうだねぇ。』

『はぁ、じゃあ3位の姫松高校の愛宕絹枝選手はいかがでしょうか?』

『あれは筒子が集まりがちだからそこを上手く狙われるかもしれないしそこが高い手を作るかもしれないからどう転ぶかで変わってくるんじゃないかね。』

『成る程、では最後に有珠山高校の真屋由暉子選手はいかがでしょうか?』

『去年もだけど、有珠山はここからが強いからねぇ。まぁ、今年は先鋒もめちゃくちゃ強かったけど。まぁ、何かしらの波乱を起こしてくれるんじゃないかって感じかね。』

『ありがとうございます。では、対局室に選手達が集まりましたので、試合開始になります。』

 

~場決め結果~

愛宕絹枝:東

舟久保浩子:南

友清朱里:西

真屋由暉子:北

 

 

~東一局~ 親:愛宕絹枝

新道寺 162300

千里山 90000

姫松 86300

有珠山 71400

(ラス親、ですか・・・)

(よし、起家になれた。ここで連荘してまずは千里山を捲らんと。)

(絹に連荘されたら捲られるな。ここは軽く流すか・・・)

~7巡目~

「ツモ。300・500。」

(うわ、ゴミ手で流された!?やっぱり浩子ちゃん強いわ・・・ウチも負けへんで!)

(和了れませんでしたか。そこそこ良い手だったのですが・・・)

~東二局~ 親:舟久保浩子

新道寺 162000

千里山 91100

姫松 85800

有珠山 71100

(親番か、あんまり嬉しくないな。和了れたら強いけどツモされたら約2倍やしな・・・まぁ、とりあえず適当にやるか・・・)

~6巡目~

「リーチです。」

(有珠山、早速か・・・)

(でもまだ左手は使ってないからそう簡単には和了れないはず。)

「ツモ。リーチ一発ツモタンピンドラ1で3000・6000です!」

(はぁ、これだから親番嫌やったんや・・・)

(捲られた・・・何とか追い付かんと!)

(まだ大丈夫。この得点は何とか維持しないと。そして、部長に回す!)

『今の有珠山高校の真屋選手の和了によって新道寺以外の三校がほぼ横並びになりましたね。』

『有珠山が動き出したねぇ。』

『そうですね。この後有珠山が更に稼いでしまうのか、それとも他の2校が頑張るのか、はたまた新道寺女子がこのまま点数を維持してしまうのか!』

~東三局~ 親:友清朱里

新道寺 159000

千里山 85100

有珠山 83100

姫松 82800

(今の親被りがかなり痛いわ。有珠山に逆転されん為にも速く和了らんと・・・)

「ポン。」

(これは多分、千里山の人が私を離そうとしていますね。今回は先に和了られそうですね。)

~7巡目~

「ツモ。タンヤオ三色ドラ3。2000・4000。」

(やっぱり、間に合いませんでしたか・・・でも次は和了つて見せます!)

(和了れたけど、次は有珠山の親番やからな。多分左手使ってくるんやろな・・・)

~東四局~ 親:真屋由暉子

新道寺 155000

千里山 93100

有珠山 81100

姫松 80800

(有珠山の親番、多分左手使ってくるやろ。ほんなら、される前に和了ればええやん。速和了りするで。)

~4巡目~

「左手を使っても良いですか?」

(っ!?やっぱり来たか!)

「はい。」

「どうぞ。」

「大丈夫です。」

「ありがとうございます。」

(さて、こっからやで!)

~7巡目~

「リーチです!」

(これは、多分また一発で和了られる!)

(でも、鳴けない・・・)

(っ、やられたか・・・)

「ツモ。リーチ一発ツモ純チャン三色。8000オールです!」

(これは、キッツいわ・・・)

『有珠山高校の真屋選手が親倍を和了りました!それにしても、左手に切り替えてから綺麗に和了りの形に持っていきましたね。』

『ジンクス的な奴なんじゃね?左手使うと有効牌が来やすくなる的な。』

『それなら、ずっと左手で打てば良いんじゃないんですか?』

『いやいや、ここぞって時だからこそそのジンクスが生きるんだよ。』

『な、成る程・・・』

~東四局一本場~ 親:真屋由暉子

新道寺 147000

有珠山 105100

千里山 85100

姫松 72800

(もしかしたらまた左手使われちゃうんかな?)

(2連続では使ってこないはず。連続で使ってもあんまり和了れとらんかった。ここは親を流すで。)

~8巡目~

「リーチです。」

(はぁ?なんで有珠山がリーチ出来んねん!左手使っとらんやろ!あっ、そういえばこいつ、普通に強いやん・・・でも左手補正は無いからそんな簡単には和了れんはずや。ここはズラすか。)

「ポン。」

(ツモならずですか・・・)

「ロン。混一平和一通で12300です!」

(やられてしまいましたか・・・まぁ、仕方ないですね。)

(おぉ、絹が有珠山に直撃した。やるやん絹!)

(浩子ちゃんの小細工のお陰で上手く行ったわ。これでとりあえず一回目の親番は終了やな。後はこのまま点数稼いで、良い順位で漫ちゃんに回したい。頑張らんと!)

~南一局~ 親:愛宕絹枝

新道寺 147000

有珠山 92800

千里山 85100

姫松 85100

(うわ、絹と同点やん。ここは連荘させるんも面倒やし速く和了って流すか。)

(きっと浩子ちゃんは速く和了ろうとしてくるはず。ならこっちも速和了りを目指す!)

「ポン。」

「こっちもポン!」

(二人とも速い。)

~9巡目~

「ツモ。三暗刻対々。2000・4000です。」

(先に和了られた。でも有珠山じゃないからまだいいかな。)

(また千里山に和了られましたね。)

~南二局~ 親:舟久保浩子

新道寺 145000

千里山 93100

有珠山 90800

姫松 83100

(さっきから和了られてばかりなので、そろそろ和了っておきたいですね。)

(なんや、有珠山から嫌な感じがするわ・・・)

~6巡目~

「ツモです。平和清一。4000・8000です。」

うわ、また高いの和了られた・・・)

(やっぱり左手使っとらんくても強いやんか!)

~南三局~ 親:友清朱里

新道寺 141000

有珠山 106800

千里山 85100

姫松 79100

(また良さそうな手ですね。また和了れそうです。)

(そんな易々と和了らせへんで!)

~7巡目~

「リーチです。」

(また有珠山かい!)

(有珠山を何とか止められへんかな・・・)

(またやられる・・・)

「ツモ。リーチ一発ツモ純チャン。3000・6000です。」

(うわぁ、これはキッツいわ・・・)

(しかもこの後こいつの親番やんな・・・)

~南四局~ 親:真屋由暉子

新道寺 135000

有珠山 118800

千里山 82100

姫松 76100

(また有珠山の親番や・・・ここは一度も和了らせずに流すで。)

「ポン。」

(浩子ちゃんが流そうとしてる。じゃあ浩子ちゃんが鳴けそうなのを出そう。)

「チー。」

(よし、これで聴牌や。)

~5巡目~

「ツモ!300・500。」

(よし、今回は連荘させへんかったで!)

(ナイスや浩子ちゃん!)

 

~副将戦結果~

新道寺 134700

有珠山 118300

千里山 83200

姫松 75800


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