咲-Saki-もし1年後に夢乃マホが飛び級して清澄高校に入学したら   作:神奈木直人

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すいません、風邪で書けませんでした。次の話はいつも通りに出せるよう善処します。


第69話 中堅戦

次鋒戦を戦った選手達が控え室に戻っていた。

「ただいまです。」

「お疲れ様です泉先輩。途中までヤバいかって思いましたけど最後にましな点数まで戻しましたね。」

「まぁ、やっぱりマイナスやったけどな。」

「いやぁ、そんな事言わんといて下さいよ!あれでもかなり頑張ったんですからね。」

「まぁでも、確かに泉にしては良くやってたな。」

「せやな。じゃあ、とりあえずあたしが有珠山を捲って来るわ。」

「なんや渚、随分楽しそうな顔しとるやん。」

「そりゃあ、久々に有紗と直接対決出来るからな!」

「そら楽しみやろうけど、有紗だけやなくて加藤ミカにも気を付けや。」

「分かっとるって、昨日の対局で嫌という程分かったわ。あいつは夢乃マホがおらんかったら永遠に連荘しそうや・・・」

「それを止めつつ有珠山を捲るんが今日のあんたの仕事やで。」

「かなりキッツい仕事やな。まぁでも、それくらいせんと勝てんもんな。やったるわ!」

「頑張って下さい渚先輩!」

「おう!任せろ!心音が楽にトップ取れるようにしたるわ。」

「ありがとうございます!」

「ほな、行ってくるわ!」

~有珠山高校控え室~

「ただいま帰りました。」

「おかえり~!いやぁ、まさかあそこまで点数をキープしてくれるとは思わなかったよ!いやマジで!」

「ありがとうございます。」

「まぁでも、その点数が中堅戦で全部持ってかれるかもしれないけどね。」

「加藤ミカと二階堂姉妹、私、あの3人に勝てる気がしません・・・」

「大丈夫だって!お前がダメでも次にユキと私が残ってんだから!」

「そうですね。私達が頑張りますからそんなに気負わずに。」

「ありがとうございます。じゃあ、行ってきます。」

「おう、頑張れ!」

~新道寺女子控え室~

「ただいまです。」

「おかえりなさい!今の対局、とってもすばらでしたよ!」

「ありがとうございます。でも、全然稼げませんでした・・・」

「大丈夫ですよ!次はミカさんですから!」

「はい、花田先輩。任せて下さい。」

「ミカちゃんだったら大丈夫だよね。」

「でも、二階堂姉妹は厳しい。」

「そうですね。あの二人は要注意ですね。」

「では、すばらに頑張って来て下さい!」

「はい、行ってきます!」

~姫松高校控え室~

「今帰りました。すいません、全然ダメでした・・・」

「大丈夫や、次は私の番やから。」

「二階堂先輩、私の分まで頑張って来て下さい!」

「任せな!加藤ミカとか言うやつも渚もどっちも潰すで!」

「頑張って下さい!」

「おう、ほな、行ってくるわ!」

 

 

『さぁ、五位決定戦も折り返しです。中堅戦の選手達の紹介を致します。まずは依然トップを走る有珠山高校の

檜山花音選手!彼女についてはどう思われますか?』

『そうだねぇ、奴は一通を作る事が多いからそれが他の3人に通用するかだよねぇ。』

『そうですか、では、現在2位の千里山女子の二階堂渚選手はどうでしょう?』

『二階堂姉妹には特徴があってさ、姉の二階堂渚はかなり高火力が出るんだよ。だからハマった時は誰も止めらんない。けど、少し粗っぽい所があるんだよねぇ。まぁ、そこが強いって思う人もいるかもしれないけど。んで、妹の有紗の方は正確さと対応力があるんだよ。十分な火力は出すのにあんまし振り込まないんだよねぇ。』

『成る程、三尋木プロ的にはどちらが強いとお思いですか?』

『ん~、何とも言えねぇけど、連荘とか出来れば姉の方がめちゃくちゃ強いけど、今回に関しては加藤ミカがいるからどっちかっつーと対応力のある妹の方に軍配が上がるかもしんないねぇ。』

『そうですか。では最後に新道寺女子高校の加藤ミカ選手についてはどうですか?』

『あれはかなり強いよ。準決勝で夢乃マホの和了るはずだった所を何回も止めてたし、それに火力も十分出し。んー、言うなれば二階堂姉妹を足したような感じかいね。』

『それはかなり強いですね。』

『奴を止めるのはかなり辛いだろうねぇ。まぁ、二階堂姉妹が・・・いや、二階堂姉妹と檜山花音がどう動くかで新道寺がどうなるかが決まってくるだろうねぇ。』

『そうですか、では、選手達が対局室に集まったので、中堅戦を開始致します!』

 

 

~場決め結果~

二階堂有紗:東

檜山花音:南

加藤ミカ:西

二階堂渚:北

 

~東一局~ 親:二階堂有紗

有珠山 145700

千里山 112300

姫松 80700

新道寺 71300

(さて、いきなり親番やな。とりあえず渚に追い付く為に連荘するか!)

~6巡目~

「リーチ!」

(有紗、もう聴牌したんか!?速いな。あたしも負けてられんわ!)

「ツモ。純チャン三色。3000・6000です。」

(うわ、こいつ、早速和了ってきよった。)

(これが加藤ミカか。もう既にヤバそうな感じがしとるわ。気を付けんとな!)

『早速加藤選手が和了ってきました。』

『まずは姫松を捲ったね。』

『ここから加藤選手の大逆転が始まってしまうのか、それとも二階堂姉妹がそれを食い止めるのか!期待が高まります!』

~東二局~ 親:檜山花音

有珠山 142700

千里山 109300

新道寺 84300

姫松 73700

(新道寺に注意しつつ和了らなあかんな。)

「ポン。」

(今度は鳴いてきたか。こいつ、何仕出かすか分かったもんじゃないからな。要警戒やな。)

~3巡目~

「ツモ。混一三暗刻対々小三元。4000・8000です。」

(くそ、倍満!ってか、中ツモられてたら役満やったんか。危ないわ。)

(3巡目で倍満、しかも役満一歩手前を和了れるような相手か・・・これはちょっと認識を改めなあかんな。)

『加藤選手、今度は倍満を和了りました!しかし今の、大三元を待った方が良かったのでは無いでしょうか?』

『んや、今のはあれで良かったのさ。じゃないと二階堂のどっちかが和了ってただろうからねぇ。』

『そうかもしれないですね。』

『それに次はあいつの親番だしねぇ。速く親番に持ってきたいって気持ちが逸ったってのもあるかもねぇ。』

『確かに、それもそうかもしれませんね。』

~東三局~ 親:加藤ミカ

有珠山 134700

千里山 105300

新道寺 100300

姫松 69700

(うわ、私ん所だけめっちゃマイナスやん。これはヤバいわ。それに、この加藤ミカの親番ははよ流さんと・・・)

~7巡目~

(このままだと新道寺に追い付かれちゃう。折角聴牌出来たんだからこの手は和了りたい!)

「リーチ!」

「ロン。一通清一。24000です。」

(え、嘘・・・親倍って・・・)

(新道寺が有珠山を捲った。速すぎやろ・・・)

(そろそろこいつの動きを止めへんと更にやられてまう・・・)

~東三局一本場~ 親:加藤ミカ

新道寺 124300

有珠山 110700

千里山 105300

姫松 69700

(このまま新道寺にやられたら本当に危ない。せめてこの親番だけは速く流さんとホンマにヤバい・・・)

~5巡目~

「リーチ。」

(新道寺がリーチ!?というか5巡目とか、速すぎやろ!)

(こんなん防げんやろ・・・)

(またやられちゃう・・・)

「ツモ。リーチ一発ツモ純チャン三色。8100オールです。」

(また和了られた!?)

(こいつ、どうやれば止められるんや・・・)

(準決勝はマホが和了っとったから連荘はしとらんかったけど、この状況はホンマにヤバいわ!どうやったらこいつを止められるんや・・・)

『加藤選手、また連荘です!』

『やっぱ夢乃マホがいないと誰も止めらんないんだねぇ。』

『これは新道寺以外の三校がかなり厳しくなってきましたね。』

『この後どうなっちゃうんだろうねぇ。』

~東三局二本場~ 親:加藤ミカ

新道寺 148600

有珠山 102600

千里山 97200

姫松 61600

(これ以上こいつの好き勝手にさせる訳にはいかんな。ここは協力して止めるしかないやろうな。)

(一人でこいつを止めるのはキツいかもしれんけど、有紗と協力すれば多分こいつだって止められるはずや。やるしかない!)

「ポン。」

(あたしが鳴いて有紗に多くツモらせて加藤ミカにツモらせんようにしとけばいけるはずやろ。)

(協力し出した、これはそろそろ和了れないかな・・・)

「ポン。」

(ありがとう渚、渚のお陰で行けそうや!)

「リーチ!」

(まだ2向聴、これは防げないでしょうね。)

「ツモ!リーチ一発ツモタンピン一盃口で3200・6200や!」

(良くやったで有紗、これで悪夢のような時間が終わった。この調子であたしも行くで!)

(なんとか親番を流す事は出来たけど、もう一回加藤ミカの親番があるって考えると辛いわ・・・)

~東四局~ 親:二階堂渚

新道寺 142400

有珠山 99400

千里山 94000

姫松 74200

(親が流されたけど、まだ点差があるから大丈夫だよね。うーん、でもこの手、和了には遠いな・・・ちょっと無理してみよう。)

「ポン。」

(新道寺が鳴いてきた。今度は何するつもりなんや・・・)

~7巡目~

(よし、聴牌出来た。いい調子やわ。攻めるで!)

「リーチ!」

「ロン。タンヤオ対々。3900です。」

(なんや、3900か。ツモやったら2倍以上の点数やのに、安くても和了るんやな・・・)

(やっぱりツモるまで待った方が良かったかな?でも、リーチ掛けてたし調子良さげだったからいいよね。)

~南一局~ 親:二階堂有紗

新道寺 146300

有珠山 99400

千里山 94000

姫松 70300

(おっ、なんやええ感じの配牌やな。これなら新道寺に一発かませる!)

(千里山の二階堂さんに火が付いたような気がする。この手で無理したら流石に直撃されちゃうかな。ここはオリで・・・)

~8巡目~

「ツモ!タンピン二盃口ドラドラ。4000・8000!」

(うわ、渚が和了った!あたしも負けてられんわ!)

『二階堂渚選手、倍満ツモです!』

『これで2位浮上だねぇ。』

『そうですね。しかし妹の二階堂有紗選手は親被りでかなり厳しそうです。』

『ま、こっからだよねぇ~。』

~南二局~ 親:檜山花音

新道寺 142300

千里山 110000

有珠山 95400

姫松 62300

(渚に和了られた。あたしも、あたしも和了る!あっ、これなら、渚が得意なあれが出来そうやな!)

(今度は二階堂有紗さんが危ない。何をしてくるんだろう・・・)

~9巡目~

(有紗の捨て牌、もしかして!?)

「ツモ。十三么九。8000・16000!」

(まさか国士無双だったとは・・・)

(有紗お前、十三么九はあたしの専売特許だっての!勝手にやんなし!)

『な、なんと、二階堂有紗選手が国士無双を和了りました!』

『いやー、もしかしたらって思ってたけどまさか本当に和了るとはね~。』

『これで姫松高校は3位に浮上です。』

~南三局~ 親:加藤ミカ

新道寺 134300

千里山 102000

姫松 94300

有珠山 79400

(よし、ええ感じに調子出てきとるわ!)

(この調子であたしら二階堂姉妹は強いって事を世間に知らしめんと!)

「リーチ。」

(えっ、ダブリー!?)

(くそ、いきなりリーチかい!何が当たっとんのか分からんな。心音やったらこういうの簡単に避けるんやろうな。やっぱりあいつ凄いわ。)

(そう簡単に何度も和了られる訳にはいかないんだよ。)

「ロン。ダブリー一発タンピン一盃口。12000です。」

(やっぱりか・・・)

~南三局一本場~ 親:加藤ミカ

新道寺 146300

姫松 94300

千里山 90000

有珠山 79400

(加藤ミカ、やっぱり強い。けど、マホ程じゃない!マホと二回も対局したあたしなら、こいつだって止められる!)

~7巡目~

「リーチ。」

(新道寺がリーチ、でも、まだ諦めない!これが通ればあたしの勝ちだ!)

「追っかけリーチ!」

「・・・」

(よし、当たり牌やない!これやったらいけるで!)

(まさか違う牌を出してくるとは思わなかったな。しかもこれ、千里山に当たりそう・・・)

「ロン。リーチ一発清一。16000!」

(さっきとった分より多くとられてる。まぁ、流石の実力ですね。まぁ、私も負けませんけど。)

~南四局~ 親:二階堂渚

新道寺 130300

千里山 106000

姫松 94300

有珠山 79400

(最後にこんな配牌になるなんて、私も運があるね。こんなの、和了って下さいって感じの手だよ。)

(加藤ミカが怖い感じやな・・・ヤバいわ!)

(ここへ来て全然和了れそうにないわ・・・)

~6巡目~

「ポン。」

(加藤ミカが白をポンした。そういえばこいつ、小三元とかやってたからもしかしたら大三元とかあるんか!?だとしたら直ぐにでも止めんと!)

(二階堂渚さん、もう無駄ですよ。来ましたから。)

「ツモ。大三元。8000・16000です。」

(うわ、本当に和了られた・・・)

(まさか最後にこんなの和了られるなんて・・・)

(全く何も出来なかった・・・)

「お疲れ様です。」

「お疲れさん。」

「いやー、全然ダメやったわ。」

「お疲れ様、です・・・」

『ち、中堅戦終了です!新道寺の加藤ミカ選手が最後に大三元を和了って点差を広げて終わらせました!』

『最後まで見せてくれたね~。』

『さて、興奮覚めやまぬ中ですが、続いて休憩の後、副将戦を開始致します!』

 

~中堅戦結果~

新道寺 162300

千里山 90000

姫松 86300

有珠山 71400


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