咲-Saki-もし1年後に夢乃マホが飛び級して清澄高校に入学したら   作:神奈木直人

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第66話 宣戦布告

準決勝が終わり、各校の大将が控え室に戻っていた。

「ただいまデース!」

「おぉ、シアンお帰り、凄かったじゃないか!あの宮永咲を捲って1位で準決勝を終えるなんて。」

「自分でもびっくりデース!」

「もう!ネリーよりも活躍しないでよ!」

「ごめんなさいデース。」

「それで、宮永咲は強かったか?」

「そうデスね。今回はそこまででは無かったデスけど、多分あれはかなり手加減してるデス。だから、どちらかというと今回は千里山の藤崎心音さんが手強かったデース。」

「そうだったのか?私には操り人形を扱ってるように見えたのだが・・・」

「いえ、あの人は本当に手強かったデース!これまで私が仕掛けた呪いが不発に終わる事は皆無に等しかったデス。なのにあの人は破ってきたデス。これは純粋に凄いと思ったデス。」

「確かにお前が和了る筈だったのに和了れなかった時があったな。」

「はい、こんな事、これまでは殆ど無かったデスからね・・・また対局したいデース!」

「今年中に何かしらでまた対局出来るんじゃないか?」

「そうデスね。楽しみデース!」

~千里山女子控え室~

「すんません、勝てませんでした・・・」

「お疲れさん。まぁ、何があったんか分からんけどあれはしゃーないやろ。」

「でも、なんであんなに振り込んどったんですかね?しかも毎回一発で。」

「あれは・・・なんと言えば良いんですかね・・・」

「気付いたら和了り牌を出してたって感じやろ?」

「え、どうして分かったんですか!?」

「そりゃ、振り込む筈がない心音が何回も振り込んで、しかも振り込んだ後にめちゃくちゃ驚いとったら分かるやろ。」

「あぁ、表情に出てましたか。」

「めっちゃびっくりしとったで、あんた。」

「そう、ですか・・・」

「心音、大丈夫?」

「大丈夫や望・・・すんません、ちょっと、喉乾いたんで飲み物買ってきます・・・」

足早に心音が外に出た。

「心音!・・・行っちゃった。」

「心音、むっちゃ悔しそうやったな・・・」

「そうでしたね、立ち直ってくれればええですけど。」

~清澄高校控え室~

「それじゃあ皆さん、帰りましょう。」

「そうじゃな。」

「それじゃあ行こっか。」

「あっ、片付けしてなかったです!先に行ってて下さい!すぐに追い付きますから!」

「分かった。マホちゃん、気をつけて来てね。」

「分かりました!」

マホが片付けを終えて他のメンバーを追いかけていると、そこには心音の姿があった。

「あっ、千里山の藤崎心音さん。」

「え?あぁ、清澄の夢乃マホやん。ワーホンモノダー。」

「凄い棒読みですね・・・」

「おぉ!ナイスツッコミ!」

「藤崎さん、凄い悔しそうですね。」

「よく分かったな。いや、もしかしてウチの能力を使っとるんか?」

「あっ、バレましたか。それにしてもこれ凄いんですね。藤崎さんが上野望さんが好きだって事とかもちゃんと分かるんですね。」

「せやな、あんたが宮永咲と冬室氷華の事が好きって事が分かるようにな。あと、心音でええで。」

「分かってて藤崎さんって言ってました。心音さん、いつか対局する機会があればよろしくお願いします。」

「個人戦で対局するかもしれんしな。」

「いや、マホは個人戦に出ないです。」

「嘘やろ?」

「本当ですよ。」

「宮永咲と冬室氷華と、他にもう一人マホよりも強い奴がおるっちゅう事か?」

「そうですね。あ、でも、マホの模倣は1日に一回しか使えないですし、最初の頃はあまりレパートリーが無かったのでそれが原因って可能性もありますけど。」

「そらそうやろ。今のマホに勝てる奴が何人もおってたまるか。」

「そんな、マホなんかそんなに強くないですよ。」

「あのなマホ、謙遜はたまに人を傷付けるんやで?」

「そうですね、気をつけてはいるんですけどね・・・」

「まぁええわ。とりあえず対局する機会があったらその時は楽しみにしとくわ。」

「マホも楽しみです!それではお気をつけて!」

「おー。ほなな~。」

(心音さん、結構良い人でした!ってあれ?あれって白糸台の西園寺麻衣さんと東条小夜さんです!何を喋っているんでしょうか・・・?)

「清澄と臨海が残ったな。」

「まぁ、期待通りですね~。」

「で、今年の臨海と清澄はどうなんだ?」

「臨海はかなり仕上がってますね。一番の問題は大将のシアンさんですね。多分ですけど大星先輩、めっちゃ不利な相手だと思いますよ。」

「そうだな、やはり夢乃マホもいるし次鋒までで終わらせるべきなのか・・・」

「まぁ、確かに夢乃マホは凄いですね。でも、最悪次鋒で終わらなくても大丈夫ですよ。清澄は夢乃マホと宮永咲以外は全然強くないですから。と言うか、宮永咲も強いのか微妙な感じですよね。」

(えっ!?マホと宮永先輩以外は全然強くない!?しかも宮永先輩も強くないだなんて・・・)

「西園寺さん、今の言葉、聞き捨てならないんですが・・・」

「おぉ、夢乃マホさんじゃないですか。」

「先輩方は決して弱くないです!それに、宮永先輩が弱い訳無いです!訂正してください!」

「いやいや、貴女と宮永咲さんはともかく他の人は明らかに弱いでしょ。気にならないんですか?弱い人達が仲間で嫌だな~とか。私は部長以外の三人に思っていますよ?」

「おい麻衣!その辺にしておけ!」

「マホが尊敬する先輩方は弱くなんか無いです!」

「そっか、貴女も弱いからあんな人達も強く見えるのかもしれないですね。」

「・・・今、なんて言いましたか?」

「言葉通りですよ。臨海に負けるような清澄は全員弱いって言ってるんですよ。」

「そうですか・・・では、勝負しましょう。西園寺さんとマホのどっちが強いかを直接勝負しましょう!」

(よっしゃ、上手く釣れた。個人戦に出ないから夢乃マホとは何かしら口実作って対局しようと思ってたらこんなに上手く事が運ぶとは。)

「では、大会出場校同士の対局はダメですから決勝戦が終わった時にでも対局しましょう。」

「分かりました。一緒に対局する他の二人はそちらが見繕って下さい。誰でも良いです。」

「本当に誰でも良いんですか?」

「はい、都合が会う日があったらマホが向かいますからそちらに対局する人を連れてきておいて下さい。」

「分かりました。では、楽しみにしてますよ。」

「はい。」

「あ、ちょっと待って下さい!折角なんで何かを賭けましょうよ。」

「良いですよ。」

「そうですね・・・じゃあ、夢乃マホさんが負けたら来年から1年生として白糸台に入学して下さい。」

「マホ、もう一年ですよ?」

「手続き的な事は私がなんとかしますので。私の父は白糸台高校の理事長をしているので父に頼めばどうとでもなりますよ。」

「そうなんですか・・・じゃあ、西園寺さんの賭けはそれで良いですね?」

「あれ、動揺とかしないんですね。」

「大丈夫です、マホは絶対に負けないので。」

「へぇ~、随分と自信がおありのようで。それで、夢乃マホさんの頼みは何なんですか?」

「それは、勝った時に言うです。」

「そうですか、まぁでも、私の賭けと釣り合う位の頼みにして下さいね。」

「分かってます。」

では、また後日連絡します。」

「はい。」

(この勝負、絶対に負けないです!あっ!そういえば先輩方を待たしているんでした!早く帰らないと!)

 

 

「おい麻衣、あんな事言って良かったのか?」

「完璧ですよ。これで本気の夢乃マホと対局が出来ます。それにあの人、誰でも良いって言ってましたよね?これは、絶対に勝てないような方々を呼ぶしか無いですね・・・」

「麻衣は本当に性格が悪いな。」

「そりゃあそうもなりますよ。私と同じ位の選手と対局できて、更にその人が白糸台に来るかもしれないんですよ?」

「まぁ、確かにそうだが・・・」

「いやぁ、もはや決勝戦がどうでも良いくらいになってきちゃいましたね。速く夢乃マホと対局したいですね!」

「おい、麻衣お前、姉に優勝する姿を見せてあげるんじゃなかったのか?」

「・・・分かってますよ。決勝戦は絶対に勝ちますよ!そして、夢乃マホにも勝ってみますよ。」

「それを忘れてないなら問題は無い。全力でやりたように夢乃マホと対局すればいい。」

「言われなくてもそのつもりですよ。」

(この勝負、絶対に勝って見せる!)




なんか、マジギレのマホってよく分からなかったです。キャラ崩壊してますよね・・・ごめんなさい。

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