咲-Saki-もし1年後に夢乃マホが飛び級して清澄高校に入学したら   作:神奈木直人

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遅れてすいません・・・次はちゃんと0時に投稿します。
本作主人公のマホが登場します!


第60話 中堅前半戦

次鋒戦が終わり、選手達が控え室に戻ってきた。

「ただいま、いやぁ、すまんのぉ・・・全然駄目じゃったわ・・・」

「大丈夫ですよ部長さん!マホが頑張って点を取り返して来ます!」

「おぉ、マホがそれを言うと妙に安心するわ。」

「そうですか?ありがとうございます!」

「流石は今年のMVPの有力候補だね。」

「えっ!?宮永先輩、それマホの事ですか!?」

「そうだよ、確か白糸台の西園寺さんと1位2位を争うレベルだって誰かが言ってたよ。」

「確か小鍛冶プロじゃなかったでしょうか?」

「あー、そうだね。」

「それに、マホちゃんは咲さんの右腕とか、咲さんの後継者だとか言われてますよね。」

「私、マホちゃんを弟子とかにした覚えはないんだけど・・・」

「宮永先輩の右腕・・・カッコいいです!光栄です!嬉しいです!」

「私なんかよりマホちゃんの方が活躍してるし、私の方がマホちゃんの右腕のような気がするよ・・・」

「そんな事ありません!マホなんかより宮永先輩の方が数千倍凄いです!マホなんて宮永先輩に比べたらダメダメです!」

「数千倍って・・・マホちゃんって凄く私の事過大評価してくれるよね・・・私の事何だと思ってる?」

「宮永先輩は神様です!いや、神様をも上回る存在だと思います!」

「やっぱり過大評価されてるよ・・・私、神様でもないし神様以上の存在でもないからね?」

「でもでも、宮永先輩は去年あの神代小蒔さんに3万点差を付けて圧勝してたじゃないですか!」

「いや、あれはたまたまだよ・・・」

「そんな事無いですって!宮永先輩は自分の強さを分かってないです!謙虚な所もカッコいいですけど、もっと自信を持ってください!」

「そう?マホちゃんにそう言われると嬉しい。」

「ほれ、そろそろ行く時間じゃろ。」

「あっ、そうでした。では、行ってきます!」

「頑張ってね!」

「頑張れ~!」

「頑張って下さい。」

「はい!」

~臨海女子控え室~

「ただいま帰りました。」

「お疲れ様、やるじゃないかハオ!これなら流石の夢乃マホでも結構手こずるんじゃないか?」

「確かに、今の状態ならなんとか行けそうですね。」

「えぇー、じゃあネリーが考えてた1位奪還作戦が無くなっちゃうじゃん!」

「まあまあ、1位の方が少しは気が楽だろ。」

「気が楽になってもお金は貰えないよ!」

「でも、決勝に行けない方がお金を貰えないだろ?それなら出来るだけ多く持っていた方が良いだろ。」

「むぅ、確かにそうだけどさ・・・」

「とりあえず今は明華に少しでも多く残して貰えるようにしないとな。」

「頑張んなくてもネリーがいるから大丈夫だよ!」

「おいネリー!まぁいい、とりあえず行ってらっしゃい。」

「はい、行ってきます。」

~新道寺女子控え室~

「ただいま。」

「お帰りなさい!すばらでした!」

「ありがとうございます花田先輩。後はミカちゃんに任せます。」

「はい、では、私は行きます。」

「頑張って下さい加藤さん!夢乃さんは私達と同じ高遠原中学出身ですから、加藤さんも高遠原中学の実力を見せてください!」

「はい、マホちゃんは去年までは後輩でしたからね。負けられませんよ。」

「その心意気、すばらです!」

「ありがとうございます。では、行ってきます。」

~千里山女子控え室~

「ただいま帰りました。」

「おーお帰り~。マイナス1万くらいやったな。」

「いや、あの面子じゃあれが限界ですよ!」

「まぁ、泉やったらあれが限界やろな。」

「最善手で打ったつもりなんですけどね。」

「まぁ、あの牌符やったら+10000くらいは行けましたよ。」

「もう望、そんな事言わんといて!ってか、計算早いな!」

「まぁ、相手の配牌見て直ぐに判断して打ち回してるからやと思います。」

「凄いな、どんな頭しとんねん。」

「まぁ、天才ですからね!」

「はぁ?あんた試験めっちゃ悪いやん。」

「はぁ?この前の現代文の試験は望に勝ったやん!」

「それ以外全部50点以上差あるけどな!」

「うっさいわバカ!」

「えっ、でも心音は人の心読めるんやろ?分からんとことか無いやん。」

「いや、試験中は見ないようにしてるんですよ。カンニングは良くないんで・・・」

「へぇー、そういうとこは真面目なんやな。」

「バカ正直なだけですよ。」

「バカは余計やろ!」

「でも、私は心音のそういうとこ、好きやで。」

「は、はぁ?な、何バカな事ゆうとんねん。ばかぁ・・・」

「あーはいはい、仲良しなんはよう分かったから。ほな中堅戦行ってくるわ。」

「あ、行ってらっしゃい!」

「おう!」

「望のバカ・・・何意味分からん事言っとんねん・・・」

「耳まで真っ赤やで?」

「はぁ?うっさいわ!」

「ふふっ、今なら心音が思っとる事分かるわ。」

「アホな事言うなよ・・・アホ・・・」

(((もう、付き合っちゃえよ!)))

 

 

『さぁ、折り返し地点である中堅戦が始まります。選手紹介を致します。まずはトップを走る臨海女子の雀明華選手。彼女についてはどうお考えですか?』

『次鋒ん時も言ったけど、実力は確かなんだけど他が強いから微妙かな~。』

『そうですか。では次に2位の新道寺女子から1年の加藤ミカ選手です。彼女はあの夢乃マホ選手が中学の時の先輩らしいですよ。』

『へぇ~、確か新道寺の先鋒と清澄の先鋒と副将も同じでしょ?凄いね~、優秀な中学だねぇ~。』

『確かに、これは期待出来そうですね!では次に3位の千里山女子の二階堂渚選手です。妹の有紗選手がいる姫松高校は準決勝で敗退してしまいましたが、千里山女子はどうなるのでしょうか。』

『なんかこういう事言うの駄目かもしんないけどさ~、頑張って欲しいけど姉妹対決も見てみたいよね~。』

『まぁ、確かに私も少しはそう思いますね・・・千里山女子が負けて欲しい訳では勿論無いですけど。』

『うん、そうだね~。流石に負けて欲しいとまでは私も思ってないね~。』

『当然ですけどね。さて、続いて清澄高校中堅、今や全国で注目を浴びているMVPの有力候補である夢乃マホ選手です!』

『いや~、もうあいつの事は言わずもがなでしょ。うちらトッププロでも良い勝負出来そうだしね~。その目で奴の恐ろしさを確かめなって感じかな。』

『まぁ、そうですね。夢乃選手がどんな活躍をするのか楽しみです!では選手が対局室に集まりましたので、運命の中堅戦を開始致します!』

 

 

「ミカ先輩!お久しぶりです!」

「マホちゃん、久しぶり。それにしても凄い活躍だよね。」

「いえいえ、それもこれもミカさんや和先輩や皆さんの教えのお陰ですよ!」

「それは無いと思うけど・・・とりあえず今日はよろしくね。」

「はい!お互い頑張りましょう!」

 

~場決め結果~

夢乃マホ:東

二階堂渚:南

加藤ミカ:西

雀明華:北

 

~東一局~ 親:夢乃マホ

臨海 209900

新道寺 83900

千里山 65000

清澄 56000

(いきなりマホの親番か・・・何してくるんやろな。最下位やからデカい和了りしてくるかもしれんし気を付けなあかんな。)

~5巡目~

「カン。」

(暗カン!?もしかしていきなり宮永咲か!?ってあれ、嶺上開花や無いんか。ドラも乗っとらんし、どういう事や・・・)

~6巡目~

(よし、ええ感じや!)

「カン。」

(大明カン!?これで嶺上開花されたら責任払いになる!?ヤバい・・・って、また和了らんのかいな!まぁ、でもマホの事やからまたカンするかもしれへんな。生牌は出さんとこうか・・・)

~8巡目~

(これで、聴牌ですね。)

(あ、臨海が生牌出した・・・)

「カン!」

(やっぱりカンしやがった!もしかしたらこれ、四樌子まであるかもしれん・・・)

「もう一個カン!」

(うわ、やっぱりか・・・これを阻止せんと!)

マホは嶺上牌をそのままツモ切りすると、残った1つの牌の上を人差し指で押さえた。

「ボッチじゃないよ~。」

(はぁ?嘘やろ・・・これ、宮守の姉帯なんか!?)

(という事は次の巡目に、四樌子を和了られる・・・)

(これは、防がないといけませんね・・・)

(誰かカン出来んのか!なんとか流せんのか!あぁ、もうマホの手番や・・・)

「お友達が来ました!ツモ!四樌子。16000オールです!」

(嘘やろ・・・)

(やっぱりマホちゃん、とんでもなく強くなってる・・・)

『うわぁ~、いきなり四樌子とか、見せてくれるね~!』

『まさか、あの手を四樌子まで持っていくとは・・・』

『こりゃあ直ぐにトップまで行っちゃうんじゃないかな~。』

『いや、ですが清澄と臨海は未だに9万程の差がありますよ?』

『いやいや、9万とかあいつにしたら直ぐにひっくり返せると思うけどねぇ。』

『そうですかね・・・』

~観戦室~

観戦室には、去年の宮守高校のインターハイメンバー5人がマホの試合を見に来ていた。

「トヨネ!」

「豊音、四樌子和了った事ってある?」

「ある訳無いよ~!対々が2、3回あるくらいだよ。」

「友引って役満出せる能力だったんだね・・・」

「本当にあの子何者なの・・・」

「絶対戦いたくない!」

~東一局一本場~ 親:夢乃マホ

臨海 193900

清澄 104000

新道寺 67900

千里山 49000

(このまま連荘させとったら飛ばされる。ここは何としても流す!)

「チー。」

(新道寺が鳴いた、なら私も鳴いてく!)

「ポン!」

(よし、これでいける。)

「ロン。タンヤオ三色ドラ3。8300です。」

(えっ・・・新道寺?)

(ミカさん、流石です!早速マホの親を流されました・・・)

~東二局~ 親:二階堂渚

臨海 193900

清澄 104000

新道寺 76200

千里山 40700

(新道寺、確かこいつ、マホと同じ中学やったな。こいつもヤバそうやな・・・それにしてもこの局、いままでやったら薄墨が来るんやろうけど、もしかしたら臨海先鋒の夏の和了をしてくるかもしれん・・・分からんわ。もう既にしんどいわ・・・)

~7巡目~

(やっぱり薄墨さんでは和了れなさそうですね・・・それに多分そろそろミカさんが和了りそうです・・・)

「ツモ。純チャン三色ツモ。3000・6000です。」

(はぁ?また新道寺か!まぁでも、マホの役満レベルの和了を阻止出来たと思ったら6000とか安いわ。こっから挽回するで!)

~東三局~ 親:加藤ミカ

臨海 190900

清澄 101000

新道寺 88200

千里山 34700

(ここでミカさんに和了らせる訳にはいきません。マホがなんとかしなくては・・・とりあえずミカさんを見てミカさんを封じましょう。)

~8巡目~

(あれ、全然聴牌出来ない・・・これ、マホちゃんに凄い見られてるし、封じられてるのかな?じゃあこの局は諦めるしかないね。)

(なんや、新道寺もマホも何もして来んな。なら攻める!)

「リーチ。」

(渚さんのリーチ、鳴けないですしこれは渚さんに和了られちゃいますね・・・)

(まぁ、最下位ですから和了られても大丈夫だよね。)

「ツモ!リーチ一発ツモタンピン三色。4000・8000!」

(うわっ、結構大きい和了り、しかも親被りだし・・・)

(流石は渚さんですね・・・)

『3人とも3人らしい和了りをしていますね。』

『臨海が可哀想だね~、普通に強いのに相手が悪すぎるね~。』

『確かに、この3人が同卓だったとしたら三尋木プロも厳しいですか?』

『んー、やった事無いから分かんねぇけど、夢乃マホ一人いるだけでめっちゃ苦戦しそうだね。』

『確かに、あの人とは絶対に対局したくないですよね・・・』

『もしプロになったら同卓NGとかに出来ないかね。』

『出来る訳無いじゃないですか。それにトッププロなのにその発言は如何な物でしょう・・・』

『まぁね~。』

~東四局~ 親:雀明華

臨海 186900

清澄 97000

新道寺 80200

千里山 50700

~8巡目~

(なんか調子良さげやな!このまま行ったる!)

「リーチ!」

(またリーチ、凄い・・・)

(これは、渚さんがどんどん追い付いてきちゃいますね・・・)

「ツモ!リーチ一発ツモタンヤオ三暗刻ドラ3。4000・8000!」

(やっぱり調子の良い時の渚さんは強いですね・・・マホも攻めます!)

『おぉ、やっぱり二階堂渚は安定して高いの和了るね~。』

『調子が出てきましたね。』

『まぁ、次は奴の親番だし、和了れないかもしれないけどねぇ。』

~南一局~ 親:夢乃マホ

臨海 178900

清澄 93000

新道寺 76200

千里山 66700

(あれ、自風の牌が三枚来てくれるはずなのに1枚しか無いです。というかこれ、国士無双が出来そうですね。これを夢乃さんに直撃出来たら点差がぐっと広がりますね!)

~8巡目~

(これで、国士無双聴牌です。ではまだ1枚も出てない西で待ちます!)

「ロン。国士無双。48000です。」

(・・・えっ?)

(マホ、もう臨海を捲ったわ・・・やっぱりこいつ異次元やな・・・)

(あっ、今の、もしかしたら永水の神代さんの和了りかな?だとしたら明華さんの手牌も国士無双だったって事なのかな・・・)

『な、なんと、夢乃選手がトップに躍り出ました!』

『いやぁ、思ってたよりも早く王座奪還したね~。』

『このまま点差を広げられてしまうのでしょうか!』

~南一局一本場~ 親:夢乃マホ

清澄 141000

臨海 130900

新道寺 76200

千里山 66700

(これが夢乃さんの実力・・・あっという間に捲られてしまいました。実力も圧倒的過ぎます・・・こんな人に勝てる人なんているんでしょうか・・・)

(マホちゃんの親番は絶対に流さないと!)

「ポン!」

(ミカさん、鳴いてきましたか。でも来るって分かってました。今回は温存してます。)

「ツモ。混一三暗刻対々。3100・6100。」

(ミカさん、強いです!これはマホも辛くなってくるかもですね。)

~南二局~ 親:二階堂渚

清澄 136900

臨海 127800

新道寺 88500

千里山 63600

~7巡目~

(ここで三連続和了して差を付けましょう。)

「リーチ!」

「ロン。七対子ドラドラ。6400です。」

(うわっ、ミカさん、もう聴牌してたんですね・・・)

(新道寺が強い、マホが押さえられとる。でも、最下位から抜け出せん・・・)

~南三局~ 親:加藤ミカ

清澄 130500

臨海 127800

新道寺 94900

千里山 63600

(ミカさんの親番、和了らせません!)

(新道寺の親番は流さんとな・・・)

「リーチ!」

(うわっ、マホ、ダブルリーチしやがった!多分これは大星淡やろな。言われてみれば配牌も悪いわ。)

(これは・・・マホちゃん、私に和了らせないようにしてるね。マホちゃんに警戒して貰えるなんて光栄だよ。)

~10巡目~

「カン。」

(これで終わりです。)

(カンをされたら安牌を切らなきゃいけない・・・けと安牌が残ってないです。これならどうでしょうか・・・)

「ロン。ダブリー三暗刻裏4。16000です。」

(また夢乃さんですか・・・やっぱりこの人、頭3つくらい抜きん出てますね・・・)

(マホちゃん、やっぱり強い・・・勝てる気がしないよ。)

~南四局~ 親:雀明華

清澄 146500

臨海 111800

新道寺 94900

千里山 63600

「リーチ!」

(マホちゃん、またダブリーした・・・今度は何?)

(マホはダブ南やし、多分天理白のやつやろ。なら一発消しするか。)

「ポン。」

(これならどうや!)

(渚さん、ポンありがとうございます。お陰で来てくれました!)

「ツモ!ダブリーダブ南ツモ混一ドラ3。6000・12000!」

(マジか・・・こんなん、無理やわ・・・)

『中堅前半戦、終了!夢乃マホ選手が圧倒的な差を付けてトップ、2位は臨海、3位は新道寺、4位は千里山となりました。』

『いやぁ、前半だけで+10万とかマジですか!?』

『本当に凄いですよね・・・さて、休憩の後に中堅後半戦を行います!』

 

~中堅前半戦結果~

清澄 170500

臨海 99800

新道寺 88900

千里山 57600


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