咲-Saki-もし1年後に夢乃マホが飛び級して清澄高校に入学したら   作:神奈木直人

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遂に副将戦まで来ました。そろそろ清澄が出てきますね。(そろそろと言っても少なくともこの話入れて4話後ですが)そろそろ阿知賀編も折り返し地点です!


第52話《阿知賀編⑭》 副将前半戦

中堅戦が終わり、白が控え室に戻ってきた。

「ただいま帰りました。」

「お帰り、後半ではなんとかダブル役満決められたわね。」

「はい、なんとか出来ました。」

「しかしあんな凄いのを隠し持ってたとはね。白が強いのは連風の時だけだと思ってた。」

「この前の長野との合同練習の時まではその認識で間違ってなかったですけど、あの特訓で赤土先生がダブル役満の事を見抜いてくれたんです。」

「いやー本当に、晴絵様様だね~。」

「本当にそうですね。」

「って、こんな事言ってる場合じゃなかった!次あたしじゃん!」

「新子先輩、このまま三校を引き離しちゃって下さい!」

「まっかせなさい!ほんじゃ、行ってくるね~。」

「頑張れ憧!」

「頑張ってね憧ちゃん。」

~白糸台高校控え室~

「ごめんなさい、2位になってしまって・・・」

「大丈夫だよたかみー!私が100回和了って逆転するから!」

「淡先輩だけだと少し心配なので亦野先輩も稼いで下さいね。」

「まぁ、善処するよ・・・」

「ちょっと!心配なんてなんもないし!絶対負けないし!」

「そういうの負けフラグって言うんですよ?実際に去年の準決勝で負けてるじゃないですか。」

「あれは偶然カン裏が乗らなかっただけだから!」

「その偶然がまた起きなければ良いですね。」

「あの、それじゃあ行ってくるね。」

「あぁ、トップにまでなれとは言わないが、せめて2位をキープしつつプラスで終わらせてくれ。」

「分かった。」

「亦野先輩も去年の団体戦みたいにマイナス5万とか止めて下さいね。今回それやられたら最早決勝すらいけなくなるかもなんで。」

「大丈夫だ・・・と思いたい。まぁ、とりあえず行ってくる。」

~有珠山高校控え室~

「ただいまです。」

「おー、お帰り。3位キープマジで助かるわ。」

「後半では姫松の方よりも稼いでましたよね。素敵です。」

「ですけど、阿知賀には敵わなかったです。」

「あれはしゃーないよ。」

「それに収支で言えば1000点差くらいじゃないですか。十分素敵ですよ!」

「そんな、本内先輩の方が凄いですよ、白糸台先鋒相手にプラスでしたから。」

「私はなんだか、自分の力じゃないような感じだから凄くないですよ。」

「そんな事は無いと思いますけどね。」

「おっ、そんな事言ってる間に、ユキが着替え終わったみたいだぞ。」

「はい、着替え終わりました。」

「うわぁ、フリフリです!」

「うん。似合ってる。」

「ありがとうございます。では、行ってきます。」

~姫松高校控え室~

「ただいま。」

「お帰り~。」

「お疲れさん。」

「いやぁ、後半全然やったわ。ごめんな絹、またラスに転落してしもて・・・」

「気にせんでええよ、そういう時もあるから。」

「それに、今回取れんかった分は決勝で取って貰うから大丈夫や。」

「せやな、おおきに。」

「それじゃあ、私は行ってくるわ。」

「おう、頑張ってな。」

「うん。」

 

 

『さてさて、準決勝も大詰めです!副将戦のメンバー紹介行っちゃおう!まずはトップの阿知賀女子からは去年中堅だった2年の新子憧選手。』

『彼女は去年、千里山女子の江口セーラ選手と競り合ってましたからね。今年も安定して稼いでいますから阿知賀女子の稼ぎ頭と言えるでしょうね。』

『成る程、それは期待ですね。では続いて2位の白糸台からは3年の亦野誠子選手。』

『彼女は鳴きの速攻を得意としています。ですが、鳴いてる事と筋や字牌に頼る癖があるせいで読まれやすいので、和了る点よりも取られる点の方が多くなってしまいますね。』

『かなり辛口コメントですね・・・』

『そ、そんな事ないよ・・・』

『そう、じゃあ次、3位の有珠山高校の2年生、真屋由暉子選手です。』

『彼女は半荘一回に一度左手を使うと高い和了りが出来る傾向がありますね。』

『なんで左手使うと和了れるんでしょうね?』

『ジンクス的な物なんじゃないでしょうか。』

『そうですか・・・じゃあ最後は姫松高校3年の愛宕絹恵選手です。』

『彼女は筒子が多めの手が多いですね。阿知賀女子の鷺森選手と似たような感じですね。』

『成る程、鷺森選手が今年も副将だったら面白い事になってたかもしれないですね。』

『そうですね。』

『さて、4人が対局室に集まりました。副将戦開始です!』

 

~場決め結果~

愛宕絹恵:東

新子憧:南

真屋由暉子:西

亦野誠子:北

 

~東一局~ 親:愛宕絹恵

阿知賀 150700

白糸台 90100

有珠山 83600

姫松 75600

(トップと6万点の差があるな。淡ならこの差を埋める事も出来るかもしれないが、阿知賀の大将が怖いから私も稼がないとな。)

「ポン。」

(白糸台の亦野誠子、やっぱ鳴いてきた。スピードで、負けられない!)

「ポン!」

(お二人とも、手が速い・・・)

(まだ1副露だから大丈夫やろ。)

「ポン。」

(ドラポン!?ドラ3の4飜確定。これを和了らせる訳にはいかない!)

「チー!」

(これで聴牌。)

「ポン。」

(3副露された!?この人が3副露すると直ぐに和了られるって晴絵が言ってた。誰か、あたしの和了り牌出して!)

「ツモ。タンヤオ対々ドラ3。3000・6000。」

(1巡でツモられるなんて・・・しかも跳満、辛いな。)

~東二局~ 親:新子憧

阿知賀 147700

白糸台 102100

有珠山 80600

姫松 69600

(親番、とにかく安い手でも良いから連荘しなくちゃ。)

「ポン。」

(うっ、また亦野誠子に鳴かせちゃった。ならタンヤオで和了る。)

「ポン。」

(5索、しかも赤が1つある。最初に鳴いた白もあわせて2飜確定。もう1回鳴かれたら和了られる。)

「ポン。」

(って思った矢先に鳴かれちゃったぁ!?とりあえずあたしも和了りを目指さなきゃ。)

「ポン!」

(よし、これで聴牌。)

「ロン。白混一赤1。7700。」

(うわぁ、振り込んじゃった。というかこの人速すぎ・・・去年の準決勝でかなり凹んでたから楽勝かと思ったけど、これ、辛いなぁ・・・)

~白糸台高校控え室~

「亦野、調子が良さそうだな。」

「まぁ、亦野先輩はここからが問題ですからね。いくら和了っても、それより多く振り込んじゃいますから・・・」

「まぁ、大丈夫でしょ?最悪私が全部倒すし。」

「そうですか、まぁ、頑張って下さい。」

~東三局~ 親:真屋由暉子

阿知賀 140000

白糸台 109800

有珠山 80600

姫松 69600

~3巡目~

「ポン。」

(これ以上好きにさせる訳にいかない!)

「ポン!」

(これで一向聴。)

「ポン。」

(また・・・)

(亦野誠子が鳴いてくれるお陰で上家のウチとしてはツモが増えるから嬉しいわ。聴牌したし、攻めてみる!)

「リーチ。」

(えっ、もうリーチ?そっか、亦野誠子が鳴いてるからツモが増えてるのか。なら・・・)

「チー!」

(これで聴牌。そろそろ和了らせてよね!)

「ポン。」

(亦野誠子が3副露、ヤバい!)

(鳴いてくれておおきに。お陰で来てくれたわ。)

「ツモ。リーチツモ清一。4000・8000。」

(倍満ツモ!?それに、やっぱ筒子多めの手。というか、もう東場も終わりそうなのにまだ何も出来てないじゃん!何が何でも和了って、流れを掴まなきゃ!)

~東四局~ 親:亦野誠子

阿知賀 136000

白糸台 105800

姫松 85600

有珠山 72600

(この親番で阿知賀との点差を縮めれば淡も楽になるはず。ここは攻めていこう。)

「ポン。」

(また鳴かれた。でもこっちだって負けてない!)

「ポン!」

(阿知賀には和了られる訳にはいかない。)

「ポン。」

(2副露、でも負けない。)

「チー!」

(よし、今度こそ和了る!)

「ポン。」

(3副露・・・あっ!)

「ロン!タンヤオ三色ドラ3。8000!」

「はい。」

(ポンの余剰牌を狙われた。それに、またリードを許してしまった。)

(この調子で稼ぐ!)

~南一局~ 親:愛宕絹恵

阿知賀 144000

白糸台 97800

姫松 85600

有珠山 72600

~6巡目~

(あっ、鳴く機会が無いまま聴牌した。調子良さげだし、行ってみようか!)

「リーチ!」

(阿知賀がリーチ。ウチが親の時は変な事せんで欲しいんやけど。まぁ、言っても仕方ないか。とりあえず、振り込まんようにしとこ。)

(とりあえず一発消しも兼ねて鳴いとこうか。)

「ポン。」

(小細工ポンありがとね。)

「ツモ。リーチツモタンピン三色。3000・6000。」

(うっわぁ、親被り・・・)

(結構高いな・・・)

(よし、調子良い!このままどんどん稼ぐ!)

~南二局~ 親:新子憧

阿知賀 156000

白糸台 94800

姫松 79600

有珠山 69600

(この調子のまま阿知賀に連荘させたら淡でも挽回出来ないくらいの点差になる。それだけは防がないと。)

「ポン。」

(これじゃあまだ2向聴。)

「ポン。」

(2副露、とりあえずもう1副露したら和了れるはず。)

「リーチ!」

(阿知賀がリーチを掛けてきた!?速い・・・でも!)

「ポン。」

(ヒット!)

(亦野誠子が3副露した。それに安牌無いわ・・・これがもし当たったとしても、阿知賀の親が流れるって事で良しとするか・・・)

「ロン。対々。2600。」

(まぁ、せやろな・・・)

(折角調子良かったのに流されちゃった!)

(ふぅ、なんとか上手く流せた。)

~南三局~ 親:真屋由暉子

阿知賀 155000

白糸台 98400

姫松 77000

有珠山 69600

~5巡目~

「左手を使ってもよろしいでしょうか?」

(うわっ、遂に来た!有珠山の左手!)

「はい。」

「どうぞ。」

「はい・・・」

(なんでこの人達冷静にしていられるの?倍満とか来るかもしれないんだよ!?とりあえずこの局は速攻で流す!)

「ポン!」

(これで二向聴。)

「ポン。」

(白糸台も速攻で流そうとしてる?なら、こっちも負けてられない!)

「ポン!」

(これで一向聴。よし、この調子ならいける!)

「リーチ。」

(有珠山がリーチ掛けちゃった!そっか、あたしが鳴いたら上家の有珠山はツモ増えるじゃん!しかもこんな時に限って白糸台もあたしも鳴けないし・・・)

「ツモ!リーチ一発ツモ平和純チャン三色一盃口ドラドラ。12000オールです!」

(嘘でしょ、親の三倍満ツモとか・・・)

『有珠山高校真屋選手が親の三倍満を和了しました!やっぱり左手を使うと強い!』

『これで有珠山は一気に2位に浮上ですね。』

『2位をキープしていた白糸台が遂に3位まで落ちてしまいました!今年のインターハイは波乱万丈だぁ!』

『これは、面白くなってきましたね。』

~有珠山高校控え室~

「マジかよ!ユキが親の三倍満和了りやがった!」

「とっても素敵です!」

「流石由暉子先輩ですね。」

~南三局一本場~ 親:真屋由暉子

阿知賀 143000

有珠山 105600

白糸台 86400

姫松 65000

(真屋さん、去年も中々おかしかったけど、今年はおかしすぎるやろ!三倍満で一気に2位とか、お姉ちゃんでも出来んわ!)

(淡を楽にするどころか負荷が重くなるばかりじゃないか。どうすれば・・・)

(とりあえず和了ってこの親番を流さなきゃ!)

「ポン!」

(有珠山も怖いけど、とりあえず和了らなきゃ駄目だ。少なくとも10万までは戻さなくては・・・)

「ポン。」

(白糸台も鳴いてきた。けど、そんなのは関係ない!)

「チー!」

(あたしはこの手を和了るだけ!)

「ポン。」

(阿知賀も白糸台も鳴いてばっかやな。せわしないわ・・・)

「リーチ。」

(有珠山がまたリーチ!?)

「ポン。」

(しかも白糸台が3副露。これは和了れそうに無いな・・・)

由暉子が牌を引くが、それは和了り牌ではなかった。

「ロン。混一対々ダブ南。12300。」

「はい。」

(2回目は流石に和了れませんでしたか・・・)

~南四局~ 親:亦野誠子

阿知賀 143000

白糸台 99700

有珠山 92300

姫松 65000

(最後の局、ウチだけ一人沈みやん。恥ずかしいな。少しでも点稼がんとな・・・)

「ポン。」

(また白糸台が鳴いとる。でも、対子が5つ。それにドラも2つある。これなら行けるかもしれへん。)

「ポン。」

(2回目のポン。でも、お陰で聴牌したわ。それに、良い感じに筋引っかけにもなっとるし、行けるやろ。)

「リーチ。」

(姫松がリーチを掛けた。有珠山と白糸台じゃないからまぁいっか。)

(攻めを残しつつ、降りたい。これかな・・・?)

「ロン。リーチ一発七対子ドラドラ。12000です。」

(なっ、筋引っかけ!?というか、去年も同じようなミスをしたな。その時に菫先輩に筋に頼りすぎるなって言われたな。何も成長出来てないな、私・・・)

『副将前半戦終了!最後は姫松が少し巻き返しました。白糸台は一旦2位になったものの、また3位に転落してしまいました。』

『後半戦でどうなるか、そして大将戦でその点差がどう左右してくるかが楽しみです。』

『では10分間の休憩の後、副将後半戦です!』

 

~副将前半戦結果~

阿知賀 143000

有珠山 92300

白糸台 87700

姫松 77000




ふと思ったんですが、清澄サイドに戻って、臨海の描写をする時にネリーを出す時は、例えば
~東一局~ 親:ネリー・ヴィルサラーゼ
ってしなきゃいけないのでしょうか?これだと流石に長いですよね・・・何か良い意見あれば感想でお願いします。

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