咲-Saki-もし1年後に夢乃マホが飛び級して清澄高校に入学したら   作:神奈木直人

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この話から遂に阿知賀編です!キャラ崩壊を起こさないように頑張ります。
時は戻って4月から始まります。


第39話《阿知賀編①》 新入部員

「ここが、阿知賀女子麻雀部、あたしが最強のチームに育て上げる場所か・・・」

その少女は、部室前で深呼吸をすると目の前にある扉を強く開いた。

「入部希望の天理白(てんりしろ)です。よろしくお願いします。」

一礼してから白が顔を上げると、そこには去年快進撃を繰り広げた阿知賀女子高校の松実玄、鷺森灼、新子憧、高鴨穏乃の四人がいた。

「おおおぉぉぉぉ!!!!!新入部員だ!」

「これで今年も大会に出れそうだね。」

「よろしく、白だっけ?」

「はい、天理白です。」

(なんか、親近感沸く名前だな~。)

「よろしくね、白ちゃん。」

「よろしく。」

「はい、よろしくお願いします。」

4人が新入部員を歓迎していると、顧問の赤土晴絵が部室に入ってきた。

「なんだなんだ、騒々しいな。なんか良い事でもあったのか・・・って、新入部員が入ってきたのか!名前はなんて言うの?」

「はい、天理白と言います。よろしくお願いします。」

「えっ、天理白!?」

「えっ、赤土さん知ってるんですか?」

「知ってるも何も、天理白は去年のインターミドル4位の選手だよ?」

「えっ、マジで!?」

「大物が入ってきたね!」

「・・・その結果は、あたしにとっては不名誉ですね。」

「えっ、どうして?全国で4位なんて易々と取れる物じゃ無いじゃん。」

「もし3位2位1位がめちゃくちゃ強いなら別に文句は無いんですけど、2位と3位はそこまで強く無かったんですよ。最初ちょっと負けてて、ここから逆転してやろうって時に1位が大暴れしたせいで4位になってしまったんです。それが悔しいんです。1位の冬室氷華さえいなければあたしは、2位になれた筈なんです・・・」

「そうだったんだ・・・」

「それは、残念だね。」

「でも、それが勝負事の常だと私は思うな。たとえ2位になれる実力があったとしても勝てない時だってある。だからこそ、次に戦う時に燃える。そういう物なんじゃないか?」

「そうですね・・・」

「さぁ、真面目な話はこれでおしまい!ここは麻雀部なんだ、うちのメンバーと麻雀でもしてみなよ。」

「はい、分かりました。お手柔らかにお願いします。」

「じゃあ私やるー!」

「あたしもあたしも~!」

「じゃあ、私も。」

穏乃と憧と灼が麻雀卓に座った。白も余った所に座った。

「じゃあ、始めようか!」

「よろしくお願いします。」

 

~場決め結果~

高鴨穏乃:東

新子憧:南

鷺森灼:西

天理白:北

 

~東一局~ 親:高鴨穏乃

高鴨穏乃 25000

新子憧 25000

鷺森灼 25000

天理白 25000

(北家か・・・)

(なんだかんだ言ってインターミドル上位の人間なんだよね、そういえば決勝でこんな子いたわ。1位の冬室氷華が凄過ぎて覚えてなかったけど。)

「チー。」

(白が早速鳴いてきた、じゃあこっちで・・・)

「ポン。」

(安手で早和了りしようとしてる?ならこっちも速攻しようか!)

「ポン!」

(よっしゃ聴牌。これで追い付いた。)

「ロン。タンヤオドラ1で2000点です。」

(あっちゃ~、振り込んじった~。)

(早い、けどそこまで高くない。)

(早和了りで流して親番で稼ぐつもりなのかな?)

~東二局~ 親:新子憧

天理白 27000

高鴨穏乃 25000

鷺森灼 25000

新子憧 23000

~8巡目~

「ツモ。平和三色で1300・2600です。」

(やっぱり早いな。宮永照さんみたいに点数が増えるってのは流石に無いだろうけど、なんだか嫌な予感がする。気を付けなきゃ!)

(もっと高くなりそうな手なのに、少し勿体無いような気もするな。)

~東三局~ 親:鷺森灼

天理白 32200

高鴨穏乃 23700

鷺森灼 23700

新子憧 20400

~5巡目~

(このままだと、あたしが負けちゃう。ここは攻める!)

「リーチ!」

(憧のリーチ、何が通る・・・?んん、分かんない!取り敢えずスジで。)

「ロン!リーチ一発七対子ドラドラ、12000!」

「なっ、スジ引っ掛けだったか。気付かなかった。」

「なんとなく、シズなら振ってくれると思ってた。」

「なっ、なんだよそれ~!」

(仲良しごっこはここまでですよ。次はあたしの親番ですからね。)

~東四局~ 親:天理白

新子憧 32400

天理白 32200

鷺森灼 23700

高鴨穏乃 11700

(やっと親番になれた。これで、いける!)

「リーチ!」

(ダブリー!?)

(そんな・・・)

(全国4位だから早和了りだけじゃないとは思ってたけど、親番でダブリーって・・・)

~5巡目~

(これ、当たりそう。抑えとこ・・・)

(やっと来てくれた。)

「ツモ。ダブリーダブ東ツモドラ3。8000オールです。」

(なっ・・・)

(ここへ来て親倍!?しかも、東はドラな上にダブ東だから、あれだけで5飜にもなるんだ。)

(私、あと3700しか無い!これ、きっついな・・・)

~東四局一本場~ 親:天理白

天理白 56200

新子憧 24400

鷺森灼 15700

高鴨穏乃 3700

「リーチ。」

(またダブリー!?)

(しかも、また東がドラだ!これ、偶然じゃないよね。)

(おっ、今回は一発で来てくれた。良い子だね~。)

「ツモ!ダブリーダブ東一発ツモドラ3で8100オールです!」

(またダブ東ドラ3で親倍!?しかもシズが飛んで終わっちゃった!)

(この子、強い・・・)

(まさかこの3人が全く太刀打ち出来ないとは、予想以上だね。こりゃあ本当に2位取れてたかもだね。)

 

~対局結果~

天理白 80500

新子憧 16300

鷺森灼 7600

高鴨穏乃 -4400

 

 

「白ちゃん、凄く強いね・・・」

「そりゃそうさ、もし高校でドラフト会議みたいなのがあったら1位指名されてもおかしくない実力だからね。」

「晴絵、その例え、あんまり良く分かんない・・・」

「そうですね、去年のインターミドルを見ていたなら、全員が冬室氷華を1位指名する筈ですし。」

「問題そこなの!?」

「まぁでも、強いのは確かだっただろう。」

「そういえば、白は親番だとダブリー出来るとかそういう感じなの?」

「いえ、親番では無いです。」

「えっ、違うんだ。」

「もしかしたらだけど、連風の時?」

「はい、そうです。」

「えっ、どういう事?」

「連風、つまりダブ東ダブ南の時にダブリーが出来て、その連風牌3枚が付いてきて更にその連風牌がドラになる。そんなとこかな?」

「そうですね、だから、南場では1度しかチャンスが無いので東場で稼ぎます。」

「ふーん、なんか、限定的な能力なんだね。」

「だからこそ強いって人もいるじゃん。ほら、去年の永水で副将だった薄墨初美みたいにさ。」

「確かに、あの人、北家の時の手牌がとんでもなかったよね。」

「でも、薄墨は連荘出来ないけど、白は東場に限るけど出来る。そう考えたら白の方が薄墨よりも強いんじゃない?」

「でもそれは、机上の空論でしかありません。あたしと薄墨さんでどちらが勝るのか、それは直接対局する他はありませんよ。」

「そうだね。」

「という訳で、高鴨先輩、鷺森先輩、新子先輩の3人よりあたしが強い事は証明出来ましたね。」

「えっ?まぁ、そうだね。」

「確かにあたし達より白の方が強いだろうけど、それがどうかしたの?」

「あたし、自分よりも弱い人には遠慮しないタイプなんですよ。だから先輩方の事、これから少し軽く見てしまうかもしれませんが、宜しくお願いします。」

(なんだか、急に人が変わったよ・・・)

(また面倒臭いタイプの人が来た。)

「いいよ、軽く見ても・・・」

「ちょっ、シズ!?何言っちゃってんの?」

「でもその代わり、私達と一緒に、全国で戦って欲しい!宮永さんや大星さんを倒して、今年こそ、全国優勝したい!」

「シズ・・・」

「穏乃ちゃん・・・」

「先輩の熱意は犇々と伝わりました。了解です。あたしが全力を持って先輩方の援助を致します!」

「よっし!決まり!これから、全国に向けて頑張ろう!」

「はい。」

白を入れた新生阿知賀女子麻雀部がここから始まる。




県予選では初瀬と憧の勝負を書きたいんですが、他に書く事が難しいと思うのでカットします。そして咲-Saki-阿知賀編の実写ドラマが約1ヶ月で始まりますね。色々な意味で楽しみです。

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