咲-Saki-もし1年後に夢乃マホが飛び級して清澄高校に入学したら   作:神奈木直人

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第35話 二回戦中堅後半戦

『休憩が終わりました。中堅後半戦を開始致します!』

 

~場決め結果~

二階堂渚:東

夢乃マホ:南

滝見春:西

依藤澄子:北

 

~東一局~ 親:二階堂渚

千里山 121100

清澄 112600

永水 90800

劒谷 75500

(今度はあたしが起家か。そしてマホが下家か。鳴かれたら厄介やな。)

(渚さんが起家ですか、連荘だけは避けたいです。でも早い内に点数を稼いでおきたいです。ならここは、絶一門です!)

~7巡目~

(ここまで手牌にも河にも索子が見えてへん。これはやっぱり、マホの仕業やんな。)

(この感じ、これは霞さんと同じ、やっぱりこの人凄い。)

「リーチ!」

(また・・・)

(やっと索子がお目見えしたか、しかし、このリーチは危ないな。マホの事やから倍満は避けられんやろうな。)

「ツモ!リーチ一発ツモ一通清一で6000・12000です!」

『清澄高校夢乃マホ選手、トンパツでいきなりの三倍満ツモ!』

『今の局、夢乃選手以外の選手に索子が行ってなかったですね。』

『そうですね。』

~対局室~

(くそっ、やられた!)

(これ、もう勝てないよ・・・)

(霞さんでも三倍満を和了する事は滅多にないのに、やっぱりこの人、ただコピーするだけじゃなくてその能力の強さが上がってる?)

~東二局~ 親:夢乃マホ

清澄 136600

千里山 109100

永水 84800

劒谷 69500

(この親番、大事にしたいです。ここは、宮永先輩のあれを使ってしまいます!)

(ん、なんや今の、一瞬だけマホが怖なった。このプレッシャーはなんや?)

~2巡目~

「リーチ。」

(2巡目、速いな。手牌が追い付かんし鳴けへんからこれは見逃したるわ。)

「カン。」

(ドラの5ピンカン!赤二枚やからドラ6やん。しかも、カンドラも5ピン!?なんなんやこいつ・・・)

「ツモ!」

(嶺上開花、ってことはまさか・・・)

マホが裏ドラをめくった。裏ドラはどちらもカンした5ピンだった。

「リーチツモ嶺上開花、ドラ18。16000オールです!」

(これが、マホの本気か。3巡目に役満とか、しかも21翻て・・・)

『清澄高校夢乃選手、今度は親の役満ツモで他校を一蹴しました!』

『これは、ワンサイドゲーム、ですね・・・』

~千里山女子控え室~

「宮永さんの能力を使いましたね。」

「あれはほぼ確実に役満を和了られますから正直あれは直撃をしないようにすれば大丈夫。でもこれはラッキーやな、もう確実に役満を和了できるのが残ってへんから流れは渚に来るで。」

「そうだと、いいんですけどね・・・」

~対局室~

(このまま連荘します!)

「一本場です!」

~東二局一本場~ 親:夢乃マホ

清澄 184600

千里山 93100

永水 68800

劒谷 53500

(あっという間に9万点も点差ついとるわ。やっぱりマホは強いな。せやけど、ここからは好き勝手させへんで。北大阪最強の強さを見せたるわ!)

~7巡目~

「リーチ!」

(渚さんがリーチを掛けてきました。ここはできるだけ連荘したいのに・・・)

(悪いな、これ以上点差を広げさせる訳にはいかへんから和了らせてもらうわ。)

「ツモ!リーチ一発ツモ混一ドラドラ。4100・8100!」

(結構高いです、これは、またやられてしまうかもしれないですね・・・)

~千里山女子控え室~

「流石渚やな、ここから一気に攻めればいけるで!」

「二階堂先輩なら、きっと・・・」

「頑張って下さい、先輩!」

(二階堂先輩、頑張って下さい・・・)

~対局室~

(この調子でマホをトップから引きずり落とす!)

~東三局~ 親:滝見春

清澄 176500

千里山 109400

永水 64700

劒谷 49400

(また渚さんに流れを持っていかれてる気がします。この流れは絶っておきましょう。)

「ポン。」

(マホが鳴いた。何かしとるんか?)

(ここは、和了らせません!)

~6巡目~

「ツモ。300・500。」

(やっす!何やそれ、何でそんな安い手で和了ったんや。)

(なんだか、予想してたよりも流れが渚さんに来てなかったです。これは不発ですね・・・でも次からは決めます!)

『清澄高校夢乃選手、今のはこれまでと比べてかなり安い和了ですが、どうしたのでしょうか?』

『まぁ、二階堂選手に流れを持っていかれない為に安い手を和了ったのでしょうね。』

『そうですか、さて、東三局が終わりトンラスです。』

~東四局~ 親:依藤澄子

清澄 177600

千里山 109100

永水 64200

劒谷 49100

(このままの点差で南入するんは流石にまずいで、ここは少し無理してでも和了させてもらうわ!)

~8巡目~

(よし、これならいける!)

(渚さんから何か嫌な予感がしますけど、ここで引くわけにはいきません!)

「リーチです!」

「それや、ロン。」

(これが和了り牌でしたか・・・でもリーチしてなかったですし、安いですよね。)

「まさかこれに振り込んでくれるとはな、十三么九。」

(えっ、しーさんやおちゅー?なにそれ?)

(シーサンヤオチューって確か、国士無双の昔の言い方だったはず、ということは・・・)

「32000や。」

(これは、やられてしまいましたね・・・)

『千里山女子二階堂選手、国士無双を夢乃選手に直撃して、一気に差を縮めました!そして南入です。』

~千里山女子控え室~

「なんで二階堂先輩って国士無双の事をシーサンヤオチューって言うんですか?」

「あいつ、麻雀の本読むのがめっちゃ好きなんやけど、そこで国士無双はシーサンヤオチューとも言うって言うのを見てからそう呼ぶようになったなったんや。」

「へぇ、そんな過去があったんすね・・・」

~南一局~ 親:二階堂渚

清澄 145600

千里山 141100

永水 64200

劒谷 49100

(一気に追い付かれてしまいました・・・ここは、少しでも渚さんを引き離す為にあれを使ってしまいましょう!)

「左手を、使っても良いですか?」

「はい。」

「どうぞ。」

「駄目や。」

「えっ、どうしてですか?」

「なんでわざわざ左手使うんや?イカサマでもしとるんちゃうか?」

「そんな事しません!」

「じゃあ、なんで左手使うんや?」

「そ、それは・・・」

「ま、ええわ、大会規定ではどっちでもええし。」

(それに、本気のマホを潰す方が楽しいしな!)

~8巡目~

「ツモ。純チャン三色ツモ平和一盃口。4000・8000。」

(またマホにやられた、こいつ、やっぱり強いわ。)

(なんとか先に和了れました。でも、気を抜いたら直ぐに追い付かれちゃいます。ここは慎重に攻めます!)

~南二局~ 親:夢乃マホ

清澄 161600

千里山 133100

永水 60200

劒谷 45100

(この親番は大切にしたいです。ここは、妹尾さんの、麻雀牌さんの力を使います!)

(なんや今の感じ、なんかやばそうやな。)

~9巡目~

(よし、四暗刻単騎を聴牌しました。しかもこの待ちと同じ牌は渚さんが持ってますし、余剰牌です。これならいけます!)

(なーんか、これが危ない気がするわ。昔から後半になるとこの勘当たるねんな。ならここはこっち落とすか。)

(あれ、交わされました!?どうしてでしょう・・・)

~13巡目~

「それや、ロン。タンピン三色ドラドラ。12000や。」

(交わされただけじゃなくて和了られちゃいました。なら次は、あれを使います・・・)

~南三局~ 親:滝見春

清澄 149600

千里山 145100

永水 60200

劒谷 45100

~1巡目~

「ポン。」

(なんや、マホ、何する気なんや・・・?)

(清澄が怖い、でもまだ1巡目だから大丈夫なはず。)

「昏鐘鳴の音が聞こえるか?」

(今、何ゆうたんや?)

「ロン。16000。」

(5ピンの赤二枚に白ドラ3の対々で倍満、1巡目やぞ?やばすぎやろ・・・)

(ラスになっちゃった・・・これは湧に怒る権利無いな・・・)

~南四局~ 親:依藤澄子

清澄 165600

千里山 145100

劒谷 45100

永水 44200

(最後、どうしましょう、宮永先輩も使ってしまいましたし・・・いや、もしかしたら、もう一回宮永先輩の力を使えるかもしれません!試しにやってみます。『憑依!』

~清澄高校控え室~

「あれ、咲さん寝ちゃいましたよ。」

「疲れとるんか?少し横にさせたらどうじゃ?」

「おーい咲ちゃーん!ここで寝ちゃったら風邪引いちゃうじぇ?」

優希が咲を揺すったが全く起きない。優希が手を放すと咲がそのまま倒れた。

「うおぅっと、どうした咲ちゃん!?まるで生きてないみたいだじぇ!」

「優希!咲さんを勝手に殺さないでください。ちゃんと生きているでしょう。」

「でも、倒れても揺すっても全く起きないじょ・・・?」

「多分疲れてるんですよ、少し横にさせてあげましょう。」

「そうだな!」

~千里山女子控え室~

「うわっ、清澄の夢乃マホ、セコいな!」

「えっ、なんかしたんか?」

「いやぁ、一回宮永さんの力を使ったのにさっきの憑依を使ってまた宮永さんの力を使たんですよ。」

「という事はもしかして、夢乃マホは同じ能力を1日に2回使えるって訳か!?」

「そういう事になりますね。」

「やばすぎやろ・・・」

「こりゃあ渚、ヤバいかもしれへんな・・・」

~対局室~

「カン・・・リーチ。」

(おいおい、さっき宮永咲は使ったはずやないか!それやのになんでドラ8になっとるんや!)

(これ、もしかしたら湧の力を使った!?)

(この人、もう嫌だ・・・)

「ツモ!リーチ一発ツモドラ16。8000・16000です!」

(こいつ、本当に何者なんや・・・こんなん、勝てへんやん・・・)

「ありがとうございました!」

「ありがとうございました。」

「お疲れさん。」

「ありがとうございました・・・」

 

~中堅後半戦結果~

清澄 197600

千里山 137100

永水 36200

劒谷 29100

 

「くそっ、完敗やな。マホ、次は絶対に勝ってみせるからな!」

「次もマホが勝ちます!」

「させないで!」

「マホも負けません!」

渚はマホと話した後、控え室に戻った。

「ただいま帰ったで。」

「二階堂先輩、お疲れ様です。」

「くそっ、悔しい!あたしがあんだけ大差で負けるなんて!絶対に次は勝つ!だから心音、負けたら承知せえへんからな!」

「はい、本心からのお言葉、しかと受けとりました。ウチと部長で勝って見せます!」

「頼んだで、このまま負けっぱなしは、嫌やからな・・・」

~清澄高校控え室~

「ただいま帰りました!」

「マホちゃん帰って来たじぇ!」

「お帰りなさい、頑張りましたね。」

すると、眠っていた咲が目を覚ました。

「あれ、私、いつの間に寝ちゃってた・・・」

「おっ、咲ちゃんお目覚めだじょ!」

「優希ちゃん、私、いつの間に寝ちゃってたの?」

「オーラスになって突然寝ちゃってたじょ。」

「大丈夫ですか?仮眠室にでも行きましょうか?」

「いや、眠くはないから大丈夫。」

(もしかして、私が寝ちゃってたのってマホちゃんのせいなのかな?)

マホが、申し訳なさそうに咲の方に近付き、咲にだけ聞こえるような声で話し掛けた。

「宮永先輩、すみません。まさか眠ってしまうとは思わず、永水の人の能力を使って宮永先輩の能力をもう一回使ってしまいました。」

「あぁ、そうだったんだ。私だったら大丈夫だよ、次からも使っていいよ。」

「そうですか、ありがとうございます!」

咲とマホが話していると、和が口を開いた。

「それじゃあ、私はそろそろ行きますね。」

「あっ、頑張ってね和ちゃん!」

「頑張って下さいです、和先輩!」

「のどちゃん頑張れ!」

「はい、行ってきます。」

中堅戦が終わり、副将戦が始まる。




これで中堅戦終了です。今更ながら、マホって能力を見せれば見せるほど更に強くなるから、いくらでも強くなれるのが凄いところですよね。今回とか、『模倣してる人を模倣する事で同じ能力を2回使えるなんておかしいだろ!』って思うかもしれないですけど、許して下さい。

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