咲-Saki-もし1年後に夢乃マホが飛び級して清澄高校に入学したら   作:神奈木直人

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夢乃マホと千里山のエース二階堂渚の直接対決です。


第34話 二回戦中堅前半戦

『さぁ、次鋒戦が終わり、折り返し地点である中堅戦が始まろうとしています。それでは各高校の中堅の選手を紹介致します。まずは現在トップの永水女子からは去年も出場した滝見春選手が登場します。そして、2位劒谷からも去年出場した依藤澄子選手。次鋒戦での勢いそのままに行く事が出来るのでしょうか。そして3位の千里山女子からはエースの二階堂渚選手が登場します。そして4位になってしまった昨年度優勝校の清澄高校からは夢乃マホ選手が登場します。』

 

 

マホが対局室に入ると、そこには渚の姿があった。

(あの人、部長さんが言っていた千里山のエースさんですね。強そうです・・・)

「おっ、あんたもしかして、清澄の夢乃マホか?」

「えっ、なんでマホの事知ってるんですか!?」

「そら、優勝候補の対戦相手くらい知っとるやろ。」

「確かにそうですね。」

「しかもあんた、あたしと同じで団体決勝で最多得点だったらしいやん。ますます楽しみやわ。」

「そうですか、マホ、頑張って貴女を倒します!」

「ほう、言ってくれるやないの。ま、あたしも負ける気なんてさらさら無いけどな。せめてあたしを楽しませてくれや。」

「はい。」

マホと渚が話していると劒谷高校の依藤澄子と永水女子の滝見春が対局室に入ってきた。

(なんだか、一触即発って感じの雰囲気、怖い・・・)

(せめて、友理奈が稼いだ点数を守って明星に渡さなきゃ。)

『さぁ、対局室に選手が出揃いました。中堅戦、開始です!』

 

 

~場決め結果~

夢乃マホ:東

二階堂渚:南

依藤澄子:西

滝見春:北

 

~東一局~ 親:夢乃マホ

永水 189600

劒谷 117000

千里山 49500

清澄 43900

(まずはタコスぢからです!)

~2巡目~

「リーチ!」

(2巡目にリーチ!?)

(速いな、今のは清澄先鋒やんな。鳴けたら点数も下がるかもしれへんけど鳴けへん、しゃーないか。)

「ツモ!リーチ一発ツモタンピンドラ1で6000オールです!」

(6000オールか。ちょっと痛いな、でもまだもう少しだけこいつを見ておきたい気もするな。)

「一本場です!」

~東一局一本場~ 親:夢乃マホ

永水 183600

劒谷 111000

清澄 61900

千里山 43500

「リーチ!」

(ダブリー!?)

(へー、ダブリーか。でも、大星淡を使たんなら回転しながらリーチかけてたはずやし、大星とはちゃうんかな。としたら、親番やし長野県3位の鶴賀学園大将やな。)

「ツモ!ダブルリーチ一発ツモタンピン三色で8100オールです!」

『清澄高校の夢乃選手、親跳に続き親倍和了です!』

『これは、凄いですね・・・』

(去年の獅子原爽とも違うしさっきの憑依とも違う。一体彼女は何者・・・?)

~千里山女子控え室~

「やっぱり清澄の夢乃マホ、強いですね。」

「やっぱり、冬室氷華を倒しただけはあんな。」

「えっ!?冬室氷華を倒した!?」

「なんや、知らんかったのか。地区大会で唯一冬室を倒した2年生って有名になっとったやん。」

「あぁ、その情報なら知ってます。でもそれは2年生ですやん、今年のインターハイに出てる訳無いやないですか。」

「それがな、飛び級したとかで今は清澄の高1らしいで。まぁ、それやからあそこにいるんやろうけど。」

「ホンマですか!?」

「冗談なんか言わへんわ。」

「そうなんですか、道理で二階堂先輩が連荘を止められない訳ですね。」

「ま、渚は止めようと思たら止められるやろうけどな。多分やけど次の局で渚、和了するで。」

「そうですか。」

~東一局二本場~ 親:夢乃マホ

永水 175500

劒谷 102900

清澄 86200

千里山 35400

(もう少し稼ぎたいですけど、絶対安全圏を使うのは勿体無い気がします。だったらここは、さっきの劒谷の小鳥遊さんで行きます!)

~5巡目~

「リーチ!」

(ここでリーチ、さっきの劒谷かな?だとしたらそこまで怖くないな。あたしも聴牌したし、行っとくか。)

「リーチ。」

(千里山のエースさんのリーチ、怖いです。でもマホも退きません!)

(残念やったな清澄、神様はあたしに味方してくれたようやで。)

「ツモ!リーチ一発ツモタンヤオドラ2で3200・6200や!」

(和了られてしまいました。でも、次は小四喜が出来ます。大丈夫です!)

~東二局~ 親:二階堂渚

永水 172300

劒谷 99700

清澄 80000

千里山 48000

~3巡目~

「ポン。」

(よしっ、東をポン出来ました。後は北をポン出来れば完璧です。)

(小四喜をしようとしとるんやな。でも残念やったな。北はあたしの手元に2枚ある。そして・・・)

「リーチ!」

(先にあたしが和了る!)

(千里山のエースさんがまたリーチしてきました。どうしましょう、とりあえず安牌を処理しましょう。)

(清澄が降りた。これで役満手を1つ潰した!しかも一発で来てくれた。)

「ツモ!リーチ一発ツモ混一で6000オールや!」

(そんな、小四喜を止められただけじゃなくて、親跳を和了られてしまうなんて・・・)

~千里山女子控え室~

「流石渚やな、夢乃マホの小四喜を止めたわ。」

「ここで清澄を止められたのは大きいですね。」

「しかもちゃんと連荘してますからね。」

「やっぱり二階堂先輩ってカッコいいですよね。」

「ま、エースやしもっと仕事してもらわな困るけどな。」

「部長、辛口ですね・・・」

「いや、渚ならそれくらいやってくれるはずや。たとえ夢乃マホが相手だとしても、渚は負けへん。」

~対局室~

「さぁて、一本場や!」

~東二局一本場~ 親:二階堂渚

永水 166300

劒谷 93700

清澄 74000

千里山 66000

~3巡目~

「リーチや!」

(またリーチですか・・・)

(千里山の二階堂さんの勢いを止められないよ・・・)

(安牌が無い。これかな。)

「それや、ロン。リーチ一発タンピン三色で18300。」

(親に振り込んでしまった。これ、ちょっとヤバそう。)

『千里山女子の二階堂選手が3連続で跳満ツモ!』

『彼女は高い打点を安定して取れる所が強みですね。』

『確かに、地方大会からの成績でも常にプラス収支でしたね。』

『流石は北大阪1位、ですね。』

『そうですね。』

(まぁ、1位と言っても、荒川憩にほんの少しだけ収支が勝っていただけで、直接当たった事は無かったですね。荒川憩と彼女なら、どちらが強いんでしょうか?でもまぁ、それは個人戦で分かるでしょうね。)

~対局室~、

「二本場や!」

~東二局二本場~ 親:二階堂渚

永水 148000

劒谷 93700

千里山 84300

清澄 74000

(これ以上やられる訳にはいきません。だから・・・)

「ポン。」

(清澄が鳴いてきた。んー、これは恐らく永水の先鋒やろな。真似されてばっかで可哀想やな。)

「ツモ!清一三暗刻対々で4200・8200です!」

(4巡目に清一で倍満ツモ!?捲られた!それに、よく見たら劒谷も捲っとるやないか。どうしても他を落としたいんやな。)

~東三局~ 親:依藤澄子

永水 143800

清澄 90600

劒谷 89500

千里山 76100

(さっきは小四喜を阻止されてしまったので、今回は決めます!)

「ポン。」

(清澄が9ピンをポン、また何か高い手張ってそうやわ。とりあえず9は出さんでおこう。)

(流石に1副露はまだ大丈夫なはず。)

「それです!ロン。清老頭。32000です!」

(やっぱり清老頭か。しかし、1位も捲ったな。こいつ、なかなかやるやないか。夢乃マホやったっけか?気に入ったで!)

(これは、流石に・・・)

『清澄高校夢乃選手、永水女子滝見選手に清老頭直撃!トップに躍り出ました!』

『この清澄の夢乃選手、予想以上に強いですね。』

(これくらいなら、そこら辺のプロ相手なら余裕で勝ってしまいそうですね。)

『さぁ、東三局が終わり東四局が始まります。』

~清澄高校控え室~

「うわっ、やっぱりマホちゃん凄いね。一気にトップになっちゃったよ。」

「そりゃあのどちゃんと私が育てたからな!」

「流石じゃのぉ。」

「マホちゃん、この調子で頑張って下さいね!」

~対局室~

(このまま引き離します!)

~東四局~ 親:滝見春

清澄 122600

永水 111800

劒谷 89500

千里山 76100

(ここで役満手を使ってしまうのは勿体無いですね。それに、また妨害しかねないです。ここは少し様子見です。)

~5巡目~

「リーチ。」

(やっぱり千里山の人が攻めてきましたね。温存しておいて正解でした。)

(今度は千里山!?これ、絶対ラスになるよ・・・)

(またやられる・・・)

「ツモ!リーチ一発ツモ清一で4000・8000や!」

(倍満・・・ちょっと痛いです。)

(このままでは千里山にも抜かれてしまう。守らなきゃ。)

~南一局~ 親:夢乃マホ

清澄 118600

永水 103800

千里山 92100

劒谷 85500

(夢乃マホの親番、連荘させずに流して、次のあたしの親番で夢乃マホを捲る!よしっ、やったるで。)

~4巡目~

「ポン。」

(よし、行ける!)

「リーチです!」

(夢乃マホが来とる!?でも、この局はあたしが和了る!)

~8巡目~

「ツモ!混一三暗刻対々で3000・6000や!」

(危なかったわ。でも、追い付いたで!)

(やられました、親被りの6000とリーチ棒で7000点もマイナスです・・・)

~南二局~ 親:二階堂渚

清澄 111600

千里山 105100

永水 100800

劒谷 82500

(マホの親、流されてしまいました・・・なら、流し返します!絶対安全圏です!)

「リーチ!」

(大星淡のダブリーを使ってきたか。あたしに連荘させない気なんやな。)

(清澄の中堅の人、凄すぎる。こんなの勝てないよ・・・)

(配牌が悪い・・・)

(これ、予想以上にキッツいわ・・・)

~11巡目~

「カン。」

(カンされた、これはヤバいで・・・)

(やられちゃう・・・)

~13巡目~

「ツモ!ダブリーツモタンヤオドラ4。4000・8000です!」

(さっき跳満で親流したら倍満で返されたな・・・)

(千里山と清澄が凄すぎる。半荘二回だからもう1回半荘しないといけないなんて、もうこの二人嫌だ・・・)

~南三局~ 親:依藤澄子

清澄 127600

千里山 97100

永水 96800

劒谷 78500

(このままやったら清澄に負ける。それだけは防がんと!)

(千里山を引き離します!)

~6巡目~

(よし、張ったで。)

「リーチ。」

「っ、ポン!」

(一発消しの鳴きか・・・でも、)

「それや、ロン。リーチタンピンドラ3で12000や。」

(ポンしたら直撃されてしまいました、やっぱりフィッシャーさんじゃなくてもっと強い能力を使えば良かったのでしょうか・・・)

~南四局~ 親:滝見春

清澄 115600

千里山 109100

永水 96800

劒谷 78500

(なんか、牌が乗ってきとるな。どんどん有効牌が来るわ。もう聴牌したわ。)

「リーチ!」

(速い、まだ3巡目なのに・・・)

(千里山の人がどんどん和了るせいでマホが負けてしまいます。でもこの手牌じゃ勝てないです・・・)

「ツモ!リーチ一発ツモ混一、3000・6000!」

(そんな、この人、高い手を何度も和了り過ぎです・・・)

(これは、後半辛いわ・・・)

 

~中堅前半戦結果~

千里山 121100

清澄 112600

永水 90800

劒谷 75500

 

『中堅前半戦終了!清澄高校の夢乃選手、そして千里山女子高校の二階堂選手が圧巻の攻めを見せました。現在のトップは最後に怒濤の追い上げを見せた千里山女子、そしてそれを追いかけるのは清澄高校。そして圧倒的な差を吐き出してしまった永水女子は順位を3位に落としています。』

『まぁ、清澄と千里山が強すぎましたからね、仕方ない気もしますね。』

『そうですね。』

(春がまさかあそこまで失点するとは・・・)

『そして、中堅戦開始時2位だった劒谷高校は4位に落ちてしまいました。後半戦で巻き返す事は出来るのか、はたまた清澄と千里山がリードを広げてしまうのか、10分間の休憩の後、後半戦を開始します!』

 

 

「お前、夢乃マホやったよな?」

「は、はい、夢乃マホです。」

「あんた、なかなか良かったで。まぁ、1年に負ける訳にはいかへんから勝たせてもろたけどな。」

「マホ、悔しいです。後半戦では、絶対マホが勝ちます!貴女を越えて見せます!」

「ははっ、やっぱりお前おもろいわ。気に入ったで。あたしは二階堂渚、渚って呼んでかまへん。」

「はい、分かりました、渚さん。」

「じゃあ、後半戦楽しみにしとるよ、マホ。」

「はい!」

(今日まで団体戦は雑魚相手に点稼ぐ作業やと思っとったけど、これは、面白い事になりそうやで。)

(マホ、絶対に渚さんを越えて見せます!さっきは後半戦の為に残しておいた能力も有りましたが、後半戦ではそれを全て渚さんにぶつけます!負けませんよ!)

マホは、気持ちを強く持ち、後半戦に臨もうとしていた。まもなく後半戦が始まる。




そういえば、咲-Saki-阿知賀編が実写化ドラマ化、映画化するそうです。正直びっくりです。憧とか穏乃の服装とか、どうするんでしょうか・・・そして、照や淡や穏乃の対局時の演出も楽しみです。この作品も阿知賀編は書くつもりなのですが、それは本編で準決勝を終えた頃にやろうと思います。どうかお付き合い宜しくお願い致します。

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