咲-Saki-もし1年後に夢乃マホが飛び級して清澄高校に入学したら   作:神奈木直人

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第14話 中堅後半戦

休憩時間が終わった。四人で場決めをする。

~場決め結果~

東横桃子:東

文堂星夏:南

夢乃マホ:西

国広一:北

四人が決まった席に着き、中堅後半戦が始まった。

~東一局~ 親:東横桃子

清澄 232200

風越 77700

龍門渕 47400

鶴賀 42700

(佳織ん先輩が2位で渡してくれたのに、今は最下位。佳織ん先輩が取ってくれた点数を取り返すっす!)

(清澄の夢乃さん、今度は何をしてくるんだろう。)

文堂が牌を捨てると、モモの口元が緩んだ。

「ロン。リーチ一発で3900っす!」

(えっ、リーチ!?いつの間に?うわっ、清澄を気にしてたらこっちからやられた、しかも連荘させちゃった。もうこれ以上点を失う訳にはいかないのに・・・)

(先制出来たっす。次は清澄のコピーさんから取りたいっすね。)

~東一局一本場~ 親:東横桃子

清澄 232200

風越 73800

龍門渕 47400

鶴賀 46600

~6巡目~

(よし、聴牌っす。これで清澄に直撃出来れば完璧っす。)

「リーチ。」

マホが牌を引くが、そのままツモ切りした。

(来たっす!)

「ロン!リーチ一発ドラ1で7700の一本場で8000っす!」

~風越女子控え室~

(あっ、鶴賀の人、終わったな・・・大将戦まで見たかったけど、まぁ、夢乃マホだけでも見れたしいいか。)

「ん?氷華、どうかしたのか?」

「いや、別に大した事はありませんよ。ただ、鶴賀の人が可哀想だなって思っただけです。」

「えっ?連荘してるのに可哀想なのか?」

「そうですね。」

(やっぱり氷華の考えてる事はよく分かんないな。)

~鶴賀学園控え室~

「やった!東横先輩が清澄に直撃かましましたよ!」

「うむ、やっとモモの本質が出てきたな。」

「これで龍門渕を捲って3位に浮上だね。」

「それにしても、夢乃マホさん、あんなに強いお方だとは思いませんでした。」

「ん?えっ、一葉、あの清澄のサイドテールの子にあったことあんの?」

「はい、と言っても、今日真紀を探していた時にですが。」

「あー、あん時か。」

「はい、真紀を探していたら清澄の宮永先輩と夢乃さんが道に迷っていらっしゃったので、会場入り口までご案内しただけなんですけど。」

「えっ!?一葉、宮永咲にもあったの!?」

「ちょっと真紀!ちゃんと先輩を付けて下さい!まぁ、宮永先輩に会ったのは事実でしたが。」

「どうだった?ド畜生だった?」

「まったく、真紀は口が悪いですよ?それに、宮永先輩はとてもお優しいお方でしたよ。」

「へぇー、あんな麻雀するのに根は優しいんだ。」

「とっても優しかったですよ、真紀とは違って。」

「へー、あっそ、こんな事話してないで試合見なきゃ。」

「あ、そうですね。すみません。」

(真紀が拗ねてる。あぁ、真紀可愛いな・・・いや、今は東横先輩を応援しなきゃいけないんでした!)

~清澄高校控え室~

「マホちゃん、振り込んだよ。」

「マホちゃん、このままやられてはいけませんよ!」

「頑張れマホちゃん!」

「ま、この点差じゃったら大丈夫そうじゃけどな。」

「いや、油断は出来ませんよ部長。マホは良い意味でも悪い意味でも何をするか分かりませんから。」

「まぁ、ほうじゃね。」

「頑張れマホ!」

~東一局二本場~ 親:東横桃子

清澄 224200

風越 73800

鶴賀 54600

龍門渕 47400

~7巡目~

「リーチ。」

(清澄のリーチ!今度は何をしてくるんだろう。もうベタオリするしかないな・・・)

(清澄のコピーさん、リーチをかけてきたっすね。なら、こっちも攻めるっすよ!)

~9巡目~

(よし、聴牌したっす。この牌は清澄には危ないっすけど関係無いっす。これで追撃するっすよ!)

「リーチ。」

「ロン!メンタンピン三色ドラ1で、12600。」

(えっ!?どうして?もうステルスは出てるはず、それに、さっきこの人にも直撃をしたのに・・・あっ、まさか、今度は清澄のおっぱいさんをコピーしたんすか!?そういうことっすか・・・)

(鶴賀の東横さんが振り込んだ?透華とともきーが、この人からは直撃出来ないって言ってたのに。どうして・・・)

~鶴賀学園控え室~

「あれ、どうして東横先輩が振り込みなんて?」

「うむ、どうしてだろう。」

「あれじゃない?清澄の原村さんの真似をしたんじゃないかな?」

「そういうことか。東横先輩に直撃できるなんて、やっぱり清澄は手強いですね。」

「頑張って下さい!」

~東二局~ 親:文堂星夏

清澄 236800

風越 73800

龍門渕 47400

鶴賀 42000

~12巡目~

(よしっ、聴牌出来たっす。次こそ和了るっすよ。)

「リーチっす。」

「ロンです。メンタンピン一発ドラドラで12000です。」

(なっ、振り込んだ!?っていうか、リーチ!?いつの間に・・・)

「何で驚いてるんですか?自分が一番良く知ってる光景じゃないですか。」

「えっ!?」

(まさか、私のステルスまでもコピーされた!?しかも、私のステルスを打ち破って直撃なんて・・・)

(清澄の三人目、恐ろしいな。相手と同じ打ち方をしてるのに本人よりも勝るなんて・・・)

~東三局~ 親:夢乃マホ

清澄 248800

風越 73800

龍門渕 47400

鶴賀 30000

~8巡目~

(そういえばこの人、2回以上同じ打ち方をしてないっすね。って事は、もう私がリーチしても気付かないんじゃ?なら、リーチするっす!)

「リーチっす。」

(あっ、聴牌しました。ここで聴牌したって事はやっぱりそういう事ですよね。)

「通らば~追っかけリーチします。」

(はっ?リーチなんて誰も・・・あっ、良く見たら、鶴賀の東横さんがリーチを掛けてる!)

(どうしてリーチを掛けてるって分かったんすか?いや、もしかしたらこのしゃべり方的に、去年のインターハイ2回戦に出てた姉帯さんっすか!?だとしたら次に私が引く牌って・・・)

「ロン。リーチ一発タンヤオドラ1で12000です~。」

(また・・・これ以上やられたら、飛んじゃうっす。それだけは、それだけは絶対にあってはならないっすよ!)

(清澄の人、完全に鶴賀をロックオンしてる。このままじゃ、飛び終了でうちが敗退になっちゃう!)

~東三局一本場~ 親:夢乃マホ

清澄 261800

風越 73800

龍門渕 47400

鶴賀 17000

(清澄のコピーさん、次は何してくるっすか。)

「それ、ポンです。」

(なっ、当然のように私から副露してきた!今度はどうして・・・さっきから清澄のコピーさんにじっと見られてるっすね。ん?そういえば、去年の2回戦でもこんな人いたっすよね。確か、薄墨さんの小四喜を塞いでた気が・・・って事はもしかして、それを今私に使ってるって事っすか!?だとしたら完全に私を潰しにかかってるじゃないっすか。)

(聴牌した。2面聴だけど片方はさっき清澄が副露してるせいで1枚しか残ってない。でも、ここで直撃を与えて少しでも有利になって透華に回さなくちゃ。)

「リーチ!」

(来ましたね、龍門渕のリーチ。)

マホが牌を引くと、4枚の牌を公開した。

「カン。」

(なっ、暗カン!ボクの和了り牌だけど加カンじゃないから槍槓出来ない。しかも残り1枚。夢乃マホにいってくれ!)

残り1枚は、残念ながらマホではなくモモのところにいった。

「あっ・・・」

(それ、ボクの和了り牌だ。でも、どうして鶴賀が出すんだよ・・・)

「どうしたんですか?ロンじゃないなら、腰扱いになってチョンボになっちゃいますよ?」

(くっ、この人、最初からこれを狙っていたのか・・・!)

「・・・ロン。メンタンピンドラ1。11600の一本場で11900。」

(また・・・どうして、どうしてこんな事に・・・私が何をしたっていうんすか。)

~鶴賀学園控え室~

「ちょっと、東横先輩、ヤバくないですか?」

「う、うむ、モモなら放銃する事は無いと安心してたのに、これは予想外。」

「夢乃さん、控えめな方だと思っていましたけど、あんなに恐ろしい方だったとは。」

「性格悪ぃよなー。東横先輩本人にステルス使って直撃したり、わざわざポンとかカンして他の人の和了り牌減らしてロンを促したり、それでとっさに出ちゃった声にチョンボになるって脅したりさ。」

「あの場合のチョンボは、多分和了り放棄ですから殆ど問題は無いはずですよね。」

「確かに、冷静さが失われていて混乱状態だった龍門渕の人に和了を促してたのか。本当に性格悪いな!やっぱり宮永咲も本当は性格悪いんじゃね?」

「どうなんでしょう、夢乃さんを見ているとその可能性も否定しきれないですね・・・」

「だろ!やっぱりあんな麻雀する人が性格良い訳が無い。って、そんな事よりも先輩の方が大切だよ!」

「あっ、そうでした。頑張って下さい!東横先輩。」

~東四局~ 親:国広一

清澄 261800

風越 73800

龍門渕 59300

鶴賀 5100

~4巡目~

「ポンっす。」

~7巡目~

「チーっす。」

(鶴賀、分かりやすい筒子の染め手だな。差し込めって事か?でも生憎、そっちに点数を分けてやれるほどボクには点数は無いよ。でも、この聴牌、筒子の3面張だから、鶴賀からは多分出ないだろう。ここはリーチを掛けておきたい。)

「リーチ!」

(鶴賀が飛んじゃいそうだから差し込みしてもいいよね。)

「ロン。」

「ロンっす。」

モモと一の声が重なった。二人が同時にロンを宣言した場合、回ってくる順番が早い方が和了したことになる頭ハネが適用される。この場合は、文堂から近い方は、一だった。

「・・・3900です。」

(くっ、ボクがリーチなんてしてなければこんな事にはならなかった。)

「うわぁ、鶴賀の人可哀想です・・・」

(なっ、可哀想って、あんたが言うのかよ!)

(清澄の人、酷過ぎるっす・・・)

~東四局一本場~ 親:国広一

清澄 261800

風越 69900

龍門渕 63200

鶴賀 5100

「チーっす。」

「ポンっす。」

「ポンっす。」

(今度も分かりやすい索子の染め手だな、なら、今回は敢えてリーチを掛けてリー棒をあげよう。丁度索子は持ってないから頭ハネになることも無いだろう。)

「リーチ。」

(またっすか!?もう止めて下さいっす・・・)

(どうしてまたリーチなんか、もうここはベタオリで・・・)

「ツモです!」

(なっ、清澄!?)

(止めて!!)

「平和ツモで500・800です。」

(えっ、清一を崩して安手和了り!?どうして?もしかして、衣みたいな事をされてるのか?ギリギリまで絞り尽くしてから潰しに来るのか?)

~清澄高校控え室~

「なっ!?どうして清一を崩したんですかぁー!」

「まぁまぁ、もしかしたらマホちゃんなりに考えがあったのかも知れないし。」

「あのマホちゃんに限ってそんな事あり得ません!」

(うわぁ、和ちゃん、今マホちゃんの事全否定したよ・・・)

「確かに、あのまま清一にしとったら、うちの優勝が決まっとったね。」

「王者の余裕って奴か!」

「もし本当にそうだとしたら、ここに来たときに説教します。」

「でも次はのどちゃんの番だじぇ?」

「そうでした・・・なら、今日の決勝戦が終わったら説教します。」

「ま、説教するんは好きにしてええけど、今はまだ対局中じゃ。」

「あっ、すみません!」

~南一局~ 親:東横桃子

清澄 264600

風越 69400

龍門渕 61400

鶴賀 4600

~4巡目~

「ポンっす。」

~7巡目~

「カンっす。」

(加カン?鶴賀がもうやけくそになってるじゃないか!ヤバイな、何とかしないと。)

~8巡目~

(聴牌しました。ドラの7索を切れば清一の3面張ですけど、このドラには意味がある気がします。)

「リーチ!」

(なっ、清澄のリーチ!?)

(どうする?でも清澄の捨て牌、筒子の染め手に見えるな、ならドラだけど河に2つ出てる事だし、これを切れば大丈夫なはず。)

「それ、ロンです!」

(えぇっ!?清一を捨ててドラ単騎!?しかも地獄単騎!?)

マホが裏ドラをめくると、裏ドラとカンドラの両方が7索に乗った。

「リーチ一発ドラ6で16000です!」

(そんな、ボクが倍満に振り込んだ!?清澄、やっぱりさっきの単騎待ちは去年の中堅じゃなかったか。)

(私がカンなんてしなければ跳満で済んだのに、すいませんっす。)

~清澄高校控え室~

「マホちゃん、また清一を崩したね。」

「マホちゃん・・・これは再教育が必要ですね。」

(うわぁ、和ちゃん、凄い起こってるよ。)

「まぁまぁ、今回は結果的に上手くいったんだし、良しとしようよ、ね?」

「いいえ、ダメです!絶対に許しません!」

(のどちゃん、マジギレだじょ。)

(おぉ、怖っ。)

~観戦室~

「ほらほら、あの子私の打ち方したわよ。」

「本当ですね。あの打ち方、久そっくりですね。」

「あの状況で7索を残すなんて世界中何処を探しても久とあの清澄の中堅しかいないだろうな。」

「ワハハ、そう言えば久も中堅だったな、清澄の中堅は意味不明な打ち方しかしないのか?」

「あら、意味不明な打ち方に負けた人は誰だったかしら?」

「むっ、相変わらずの性格だな。」

「人の性格なんてそう簡単に変わらないわよ。」

(人の性格はそう簡単に変わらない・・・か。)

~南二局~ 親:文堂星夏

清澄 280600

風越 69400

龍門渕 45400

鶴賀 4600

~7巡目~

(嶺上でツモれる気がします!)

「カン。」

(えっ、カン!?まさか・・・)

「ツモ!嶺上開花!2000・4000。」

(コピーさん、もう止めて下さいっす・・・)

(いつか来るとは思ってたけど遂に出してきたか、嶺上開花!)

(鶴賀がもう2600しかない!ヤバいよ!)

~南三局~ 親:夢乃マホ

清澄 288600

風越 65400

龍門渕 43400

鶴賀 2600

(このままやられっぱなしのまま終わるわけにはいかないっす!この配牌、行けるっす!)

(鶴賀の人、嫌な予感がします。まぁ、2600しか無いのであまり怖くないですけどね。)

(聴牌、さっき清一を崩した事、後悔させてやるっす!)

(うーん、字牌が多いです。とりあえずこれで・・・)

「ロン。国士無双。32000っす!」

(うわぁ、13面待ちだ。びっくりです!)

(これで鶴賀が飛ぶ心配は無くなった。なら、次は遠慮なく行く!)

~南四局~ 親:国広一

清澄 256600

風越 65400

龍門渕 43400

鶴賀 34600

~16巡目~

(何だこれ、全然聴牌出来ない・・・ちょっ、これってまさか!?)

「リーチ!」

(ラスト1巡でツモ切りリーチ!?それじゃあまるで、まるで衣じゃないか!)

(嘘っ、そんな・・・)

「ツモ!海底撈月!リーチ一発ツモ清一二盃口。8000・16000!」

(本当に海底で和了られた・・・しかもまた数え役満だなんて・・・)

(この人、火力が馬鹿みたいに強すぎるよ。こんな相手、勝てる訳が無いって!)

(さっき取った点数を取り返された。この人、ヤバすぎっすよ。副将のままにしておけば良かったっす・・・かずかずなら何とかなったかもっすよね。)

『ちゅ、中堅戦終了!清澄高校の夢乃マホが、他校を完全に引き離し、堂々の1位終了です!』

『夢乃マホには驚かされっぱなしだったな。最下位だったのに圧倒的な差を見せて見事1位浮上。しかも他校を全員-終了させてる。ヤバすぎるな。』

『次は副将戦が開始されます。このまま清澄が二連続優勝を果たしてしまうのか!』

~中堅後半戦結果~

清澄 288600

風越 57400

龍門渕 27400

鶴賀 26600

~龍門渕高校控え室~

「なっ!?まさか、衣まで真似出来るというんですの!?」

「しかも、入相すら来てないのに全員のツモが滞んでいた。もし、衣が奴と昼に打ったら、衣は、勝てないかもしれない・・・」

「そんな事はありませんわ。衣なら、きっと負けないですわ。」

「透華・・・うん、そうだな。衣が弱気ではいけないな!」

「そうですわ。とりあえず、私が副将戦で原村和をめっためたにしてきてやりますわ!」

「頑張れ~透華~。」

「お任せなさい!」

~鶴賀学園控え室~

「何とか、首の皮1枚繋がったって感じですね・・・」

「うむ、冬室氷華、夢乃マホ、そして大将戦では宮永咲と天江衣。相当ピンチだな。」

「大丈夫です!私にお任せ下さい。必ず東横先輩の敵を取って参ります!」

「一ノ瀬、頼もしいな。」

「後は一葉とウチにお任せ下さい!」

「うむ、期待してる。」

「二人とも頑張ってね。」

「「はい!」」

~風越女子控え室~

「約15万のマイナスですか。まぁ、今回は夢乃マホが相手だと言うのもありますが、それにしても酷いですね。」

「うーん、まぁ、相手が相手だったし。」

「まぁ、酷いのは文堂先輩だけじゃなくて夢乃マホもですけどね。」

「ん?どういう事だ?」

夢乃マホの収支ですよ。中堅戦開始時の点数は38600。そして、中堅戦終了後は288600ですよ?」

「うわぁ、改めて聞くとめちゃくちゃだな。」

「確かにめちゃくちゃですし私よりも多く点を稼いでますけど、それよりもこの288600という点数ですよ。」

「うん?それがどうかしたのか?」

「まだ気付かないんですか?夢乃マホは前後半で丁度25万点のプラスなんですよ。」

「なっ!?本当だ・・・」

「清一を崩したり、不可解な行動をしているにも関わらず私よりも点を稼いでいる。それが、どうしてもやるせないです。」

「なら、個人戦であいつをボコボコにすればいいんだ!氷華なら出来る。」

「何を今更、個人戦では夢乃マホを完膚なきまでに潰してあげますよ。」

「うん、頑張れ。」

「はい。でも、今応援する人は私では無いはずですよ。」

「あっ、そうだし、深堀、頑張れ!」

「あぁ。」

「相手には龍門渕の部長と元インターミドルチャンピオンがいます。去年のような結果にならないように頑張って下さい。」

「あぁ、じゃあ、行ってくる。」

~清澄高校控え室~

「そろそろマホちゃんが帰ってくるね。」

咲がそう言うと、控え室のドアが開かれた。

「ただいまです。」

「マホちゃん!何ですか、あの変な打ち方は!」

「ごめんなさい、でもちょっとマホの話を聞いて欲しいです。」

「何ですか?」

「ちょっと、次に副将として出てくる鶴賀の人なんですけど・・・・・・」

「はぁ?そんなオカルトあり得ません!私はそんなの信じませんよ。バカな事言わないで下さい。」

「でも、頭の片隅にでも入れといて下さい。」

「そんなことをしたら私がいつものように打てなくなるかもしれないじゃないですか。却下です。」

「そんなぁ、まぁでも、頑張って下さいです。」

「はい。それと、マホちゃんは今日の決勝が終わったらお説教があるから覚悟しといて下さいね。」

「えぇっ!?マホ、頑張ったじゃないですかぁ!」

「あんなのは偶然です。今度打つときに負けない為なんですよ?」

「はぁい。」

和が皆がいる方に目を向けた。

「では、行ってきます。」

「和ちゃん、頑張ってね。」

「のどちゃん頑張れ~!」

「頑張って下さい!」

「頑張れ和!」

「はい。」

和が控え室を出て対局室に向かった。

「そう言えばマホちゃん、さっき和ちゃんに一葉ちゃんの事言ってなかった?」

「はい。一葉さんの特徴というか、打ち筋というか、そう言ったものを教えました。」

「でもどうしてそんなの分かるの?もしかして一葉ちゃんと知り合いだったとか?」

「いえ、今日初めて会いましたよ。」

「えっ、じゃあどうして?」

「見たんですよ。対局では使わないと思って、あの宮永照さんの照魔境のようなもので。」

「えっ、あの時お姉ちゃんのコピーしてたの!?」

「えぇぇぇぇ!?宮永先輩って、宮永照さんの妹さんだったんですか!?」

あぁ、言ってなかったっけ?私は照お姉ちゃんの妹だよ。」

「そうだったんですか。道理で強い訳です。」

「いや、今日のマホちゃんの方が凄かったよ。」

「いや、そんな事無いです。あっ、和先輩の試合が始まっちゃいます。応援しましょう!」

「うん!」

対局室では四人が揃い、副将戦が始まろうとしていた。




マホの性格がどんどん悪くなってる気がしますが、多分対局中だけだと思います。ドSマホ、アリですね!

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