圭「彼奴らまた・・・」
美紀「また、数が増えてる・・・」
櫂「グラウンドはお祭り騒ぎになってるな。」
すると目の前の教室から由紀が朗読してる声が聞こえた。教室へ行くと由紀が1人で朗読していた。
由紀「あ!みーくん!けいちゃん!かい君!どうしたの?」
美紀「由紀先輩、また居残りですか?」
由紀「そうなの。古典苦手だから。」
美紀が由紀の隣に座る。
圭「分かります。私も苦手なんですよ。」
美紀「私、割と好きなんで教えましょうか?」
由紀「え?本当?こんな難しいの良く分かるね〜。」
櫂「美紀さん凄いな。」
美紀「方丈記ですよね。」
櫂「でも古典やってたら頭がコテンコテンにされちゃうかもね。」
圭「櫂先輩?」
由紀「ねえ!凄いよねみーくん!」
美紀「何が、ですか・・・?」
由紀「だってこれって、ずっと昔の人のお手紙なんだよね?」
美紀「ざっと800年程昔ですね。」
櫂「って事は・・・」
圭「鎌倉時代って事だね!」
櫂「流石圭さん。」
美紀「でも手紙って言うか随筆ですけど。」
すると由紀が美紀の手を握る。
由紀「800年だよ!?そんな昔の人の気持ちが今の私達に伝わるんだから!手紙って凄いね!」
美紀「・・・先輩がエキサイトする気持ちは分かりました。じゃあ、始めましょうか。」
その夜、胡桃と櫂が部室に戻って来た。
胡桃「ふぅ〜、夜風はやっぱりきついな〜。」
櫂「寒かった・・・俺の体が寒過ぎるってほざいてやがる・・・」
悠里「そうね。今は良いけど、冬になる前に対策を考えないと。」
胡桃「冬か〜、実感無いな〜。由紀はもう寝た?」
悠里「遅くまで勉強してたみたいだから、ぐっすり。」
胡桃「そっか。」
櫂「先生、美紀さんと圭さんは?」
佐倉先生「2人もぐっすり眠ってるわ。」
櫂「そうですか。」
悠里「私達もそろそろ寝ましょうか。」
佐倉先生「そうね。」
悠里と佐倉先生が部室から出ようとした時。
胡桃「なあ部長、めぐねえ、これが全部夢でさ、朝起きたら何時もの学校でって考えた事あるか?」
佐倉先生「私は・・・」
悠里「毎晩、その夢を見るわ・・・」
2人は部室から出て寝室へ向かう。胡桃はただ考え込んでる。
櫂「さて、俺もそろそろ寝るか。胡桃も早く寝ろよ。」
胡桃「ああ。」
そして誰かの夢の中。教室で由紀が1人で泣いている。そこに佐倉先生が由紀を慰めに来た。
佐倉先生『由紀ちゃん。先生ね、悠里さんと決めたの。』
由紀『りーさんと・・・?』
佐倉先生『そう。とっても楽しい事よ。』
由紀『楽しい訳無いよ・・・』
佐倉先生『部活を始めるの。皆で一緒に。』
由紀『ぶ・・・かつ・・・?』
佐倉先生『そう。皆で。学園生活部を。』
夢から現実へ。
美紀「由紀先輩?」
由紀「・・・はっ!」
美紀「先輩、朝ですよ?」
由紀「・・・みーくんおはよう・・・何か怖い夢見ちゃった・・・」
美紀「どんな夢だったんですか?」
由紀「う〜ん・・・忘れちゃった。」
美紀「ええ?何ですかそれ?・・・朝ご飯の準備出来てます。もう皆さん行ってますよ?」
由紀「そうかそうか。」
その頃胡桃は屋上の菜園でネギを収穫していた。
胡桃「うん。こんなもんかな?」
そして朝ご飯は。
7人「おおーー!!」
暖かいうどんだった。
由紀「美味しそー!」
圭「うどんだー!」
7人「いただきまーす!」
早速いただく。由紀がうどんを啜る。
由紀「う〜ん美味しい!流石は園芸部のネギさん!」
悠里「分けて貰えて良かったね。」
由紀「うん!」
圭「美味しい!久し振りに食べると美味しい!」
櫂「あ〜美味え!うどん超絶美味え〜!」
そして美紀もうどんを啜る。
美紀「うわ〜、このおうどんもとても美味しいですね〜・・・ってあれ!?」
由紀はガツガツ早食いしていた。
佐倉先生「由紀ちゃん落ち着いて食べて?」
胡桃「相変わらずの早食いで聞いてねえし・・・お〜い、太郎丸じゃないんだからもっとゆっくり食えよ。」
美紀「いえ!太郎丸の方がもっとお行儀良いです!」
太郎丸「ワウ。」
櫂「太郎丸もう食い終わってる。」
圭「よっぽどお腹が空いてたみたいですね。」
櫂「彼奴前からガツガツ食ってたからな。」
美紀「でも、最近の常温保存って凄いですね。」
由紀「おうどんもっちもちー!」
櫂「だからゆっくり食えよ。」
胡桃「科学の勝利って奴だな。」
悠里「そうね。暖かいおうどんが食べられるのも。太陽電池や蓄電設備のお陰だものね。」
櫂「ソーラーパネルがある学校なんて便利だな。」
美紀「でも普通の学校には無い設備ですよね。」
由紀「ごちそうさま!りーさんおかわり!」
櫂「早。」
悠里「ごめんね由紀ちゃん、おかわりは無いのよ。」
胡桃「遠足で持って来たの種類重視だったからな〜。」
由紀「・・・そっか・・・」
佐倉先生「でもまた今度食べようね?」
由紀「そうだね。でも楽しかったね!遠足!みーくんとけいちゃんとも友達になれたし!」
美紀「あ、ありがとうございます・・・」
圭「もう美紀は素直じゃないな〜!」
美紀「圭、私は・・・」
胡桃「大変だったよな〜。」
悠里「本当大変だったわよね。」
胡桃「帰りもあの小さな車に、私ら5人に太郎丸も詰め込んでさ。」
美紀「私、すぐ寝ちゃったんで覚えて無いんですけど・・・」
圭「私も覚えて無いんです・・・」
櫂「ああ、圭さんはあの時気を失ってたからね。」
胡桃「そうそう。私が運転して、めぐねえが助手席で、で、後ろで太郎丸が興奮しちゃって。あの騒ぎで良く2人共寝てられたよな!」
由紀「あれ?りーさんは乗ってなかったの?」
櫂「忘れたのか?悠里は俺のバイクに乗ってたんだ。」
由紀「あ!そうだったね!」
櫂「どうだった悠里?バイクに乗った感想は。」
悠里「快適だったけど、やっぱりヘルメットが無いと危ないわね。」
櫂「やっぱりそうなる?」
その後、由紀は佐倉先生と教室へ向かう。その間、胡桃と悠里と美紀と圭が皿洗いし、櫂が見回りへ向かった。しかし美紀は心配してた。
美紀「由紀先輩・・・やっぱり・・・あのままじゃいけませんよね・・・?」
悠里「美紀さん・・・」
圭「美紀・・・」
美紀「先輩の笑顔が皆の心の支えになってるのは分かります・・・でも、だからって・・・」
胡桃「そうだよな・・・めぐねえも、きっとそう思ってるよ・・・」
その頃由紀と佐倉先生は授業をしていた。佐倉先生は由紀の事がまだ心配だった。
由紀「ん?めぐねえどうしたの?」
佐倉先生「え?ううん、何でも無いわ。」
その頃櫂は、ゾンビ達と対立していた。デザートイーグルでゾンビを殺した。
櫂「ここん所此奴ら増えてるな。まるでわかめみたいだ。」
その後櫂は部室に戻った。
その数分後に由紀と佐倉先生が戻って来た。
由紀「ただいまー!」
胡桃「おかえりー!」
悠里「おかえりなさい。」
圭「先輩おかえりなさい!」
太郎丸「ワン!」
櫂「先生、おかえりなさい。」
佐倉先生「ただいま。」
由紀「みーくん!」
然り気無く美紀に抱き付いた。
美紀「だ、だからスキンシップは・・・」
由紀「みーくん寂しかったよ〜。」
美紀「知りませんよもう・・・」
由紀「みーくん、みーくん何か変な匂い〜。」
美紀「失礼ですよ!!」
由紀「違う違う。太郎丸だよ太郎丸。よしよしよし。どうしたのお前?」
圭「太郎丸、お風呂に入ろうとしないんですよ。」
由紀「そっか。じゃあ、私が入れてあげる。」
早速シャンプーと石鹸とタオルが入った桶を持って来た。すると太郎丸が嫌そうに脱走した。
由紀「あ!待てー!!」
悠里「そう言えば、犬が見てる世界と人間が見てる世界は違うんだってね。」
胡桃「そうなんだ。」
櫂「犬の目は俺達人間と違ってな。犬が見てるのは俺達が見てる色じゃなくてな、全部セピア色なんだ。」
悠里「その代わり、夜でも目が効いたり、紫外線の一部を見たりする事が出来るんだって。私達は犬の嗅いでいる臭いを自覚出来ない。犬は私達の見ている花の色が分からない。」
胡桃「へぇ〜、そうなんだ。」
由紀「帽子返してよーーー!!」
廊下では由紀と太郎丸が帽子の取り合いをしていた。
櫂「仲睦まじいだ事。」
胡桃「でもさ、あの2人には、同じ物を見てる気がしない?」
悠里「え?」
美紀「そうですね。」
圭「私もそう思います!」
胡桃「だろ?」
悠里「・・・私達だって、同じ物を見てる気がしない。」
しかし取り合い中に由紀が足を滑らせてしまった。
由紀「太郎丸!!もー!待ってよーー!!」
部室に入って太郎丸を捕まえようとしたが、また滑ってしまって棚にぶつかってしまった。上から物が落ちて来た。
悠里「由紀ちゃん!?」
佐倉先生「由紀ちゃん大丈夫!?」
胡桃「大丈夫か!?」
由紀「いてててて・・・」
美紀「先輩、無理しないで下さい。」
由紀「大丈夫大丈夫。」
櫂「全く不注意だな。」
由紀「ん?これは?」
佐倉先生「それ私のだわ。ごめんね由紀ちゃん。」
美紀「私も手伝います。」
悠里「手伝うわ。」
佐倉先生「ごめんなさいね。」
由紀「あ!!これ!!ねえねえ!これ見て!お手紙書いてみない?」
櫂「お手紙だと?」
手紙を書く道具を揃い終えた。
胡桃「しかし、手紙を書くのは良いけどさ、どうやって出すんだ?」
由紀「あ!本当だ!郵便局は外だよ!」
美紀「気が付いてなかったんですか?」
圭「どうやって出そうか・・・」
悠里「だったら、直接学校から出せば良いんじゃない?」
由紀・胡桃・美紀・圭「Ohh〜〜!」
佐倉先生「でも直接学校から出すってどうすれば良いのかしら?」
櫂「それでしたら先生、伝書鳩が有効です。大昔のローマ帝国が使ってた通信手段です。」
美紀「それで、伝書鳩は何処に居るんです?」
胡桃「これから捕まえるんだよ!」
由紀「でもどうやって捕まえるの?」
胡桃「此奴で!!」
シャベルを使おうとする。
由紀「鳩の叩き!?」
櫂「お前鳩を殺す気か!?」
胡桃「いやいや峰打にするから〜。こう!!」
櫂「そう言っても説得力無えぞ。」
悠里「無理じゃないかな・・・?」
美紀「そもそも当たりませんし・・・」
圭「あはは・・・」
由紀「お手紙と言えばこれ!」
櫂「風船か?」
胡桃「おお!この前肝試しで取って来た奴!」
風船を取り出して膨らます。
美紀「いや、息で膨らませても飛ばないでしょ?」
悠里「あらあら。」
佐倉先生「由紀ちゃん、そんなに膨らませたら・・・」
櫂「おい由紀、それ以上やったら・・・」
すると風船が「バンッ!」と破裂した。
美紀「ヘリウムガスとかあれば良いんですけどね。」
悠里「あ!確か昔スキューバ部が使ってたのがあったかも。」
美紀「そんな部活があったんですか?」
悠里「昔ね。」
櫂「あったな。もう廃部になったけど。」
胡桃「じゃあ、ちょっくら行って来るわ。」
悠里「待って?ボンベは1人じゃ運べないわ。」
櫂「運ぶんだったら力仕事が自慢の俺も行くぜ。」
美紀「私も行きます。」
圭「美紀?」
悠里「でも・・・」
美紀「私も部員ですから。」
悠里「じゃあお願い。」
美紀「はい。」
圭「美紀、気を付けてね?」
美紀「分かってる。」
3人がボンベを運びに向かう。
由紀「私もー!」
佐倉先生「由紀ちゃんはお手紙書いたらどうかしら?」
由紀「あ!そうだね!書くよ!凄いの書く!」
圭「私も凄いの書きますよー!」
その頃3人はボンベが置いてる部屋に向かう。
美紀「手紙、受け取ってくれる人居るんでしょうか?」
胡桃「居ると思うぜ?」
櫂「そうだな。まだ人類が絶滅した訳じゃねえしな。それに親父と爺ちゃん達が生存者救出の活動をやってるって手紙に書いてたしな。」
美紀「そ、そうですね。」
胡桃「万が一って事もあるからな。当てにしてる。」
美紀「・・・はい!」
櫂「さぁて忙しくなるぞー!」
その頃部室では、残りのメンバーが手紙を書いてた。
由紀「う〜ん・・・」
悠里「どうしたの?」
佐倉先生「由紀ちゃん?」
由紀「改まって書くの恥ずかしいよね?」
圭「それ私も分かりますー。ちょっと恥ずかしいって言うか・・・」
由紀「でも私、字が汚いし。」
すると悠里が由紀の隣に座った。
悠里「大丈夫よ。ちょっと貸して?」
由紀「何何?」
すると色鉛筆を使って、白紙の紙に絵を描いた。
由紀「へぇ〜紙人形?可愛い!」
白紙に由紀の絵を描いた。
悠里「もし由紀ちゃんが、道端で風船拾って、お手紙付いてたらどう思う?」
由紀「う〜ん・・・びっくりする!後嬉しい!」
悠里「この人字が下手だな〜って思う?」
由紀「ううん!!手紙だけで凄く嬉しいよ!」
悠里「でしょ?」
由紀「そっか!!」
圭「成る程〜。」
胡桃「ただいまー!」
そこにヘリウムボンベを乗せた台車を運んで来た。櫂の両手にはヘリウムボンベ2つ持ってた。
美紀「戻りしましたー!ヘリウムボンベありましたよ!」
櫂「こっちは無くなった時に備えての予備だ。」
胡桃「罠も持って来たぜ!」
悠里「伝書鳩まだ諦めてなかったのね・・・」
胡桃「勿論!」
佐倉先生「無茶しないでね?」
由紀「ねえねえ!みーくんも手紙書こ?ほらほら〜!」
美紀「はいはい・・・」
圭「早く書こうよ美紀!」
美紀「分かった分かった・・・」
胡桃「おーい!由紀見てみろよ!」
由紀「え!?何何!?」
胡桃「この罠を使えば鳩なんてイチコロ収穫だぜ!」
悠里「殺しちゃダメじゃないかしら?」
すると美紀が佐倉先生の缶ケースの中からある物を見付けた。
胡桃「じゃあ!私は鳩を捕まえて来る!」
由紀「行ってらしゃーい!」
悠里「ボンベは壁側に移しましょうか。」
由紀「うん!そうだね!」
櫂「どうしたの美紀さん?」
美紀「櫂先輩、これ。」
それはプレートに職二金と書かれた鍵だった。
櫂「職員室の金庫の鍵のようだな。裏には?」
裏を見ると、佐倉と書かれてた。
美紀「あ・・・」
櫂「佐倉先生の?後で聞いてみるか。俺に預けさせてくれるか?」
美紀「はい。」
由紀「みーくん!かい君!」
美紀「あ!はい!」
櫂「な!何だ!?」
由紀「手紙に何書く?」
美紀「そ、そうですね・・・何が良いのかな・・・?」
櫂「あ〜そうだな・・・」
バレないように櫂が鍵をポケットに隠した。
その頃胡桃は籠を持って構えた。目の前には3羽の鳩が居た。まだ気付かれてない。こっそり忍び足で近付く。すると鳩が胡桃の影に気付いた。
鳩「ポ?ポーーーーー!?」
そして一気に鳩を捕まえた。しかし逃がしてしまった。すると鳩が胡桃の頭に乗って反撃した。
胡桃「ぎゃああ!!」
そして鳩が逃げ去った。
胡桃「待てーーーー!!!」
その頃部室では皆が手紙を書いてた。
美紀「でも、手紙って何を書いたら良いんでしょう?」
櫂「そこが問題なんだよな〜。」
圭「う〜ん、どうしようかな〜?」
悠里「何でも良いんじゃない?自分の事とか、将来の事とか、好きな事書いたら。」
由紀「将来か〜。進学か就職か決めないとめぐねえ怒るよね〜。」
佐倉先生「私?」
櫂「おいおい先生でなくても誰でも怒ると思うぞ?」
由紀「そうだよね〜。」
圭「私も何にするか迷います。」
その頃胡桃は罠を仕掛けた。籠を棒で支え、その籠の下に米を置いた。すると1羽の鳩が引っ掛かった。そして胡桃が棒を引っ張って鳩を捕らえた。
美紀「私達も何時か・・・この学校を出て行かないといけないですよね・・・」
悠里「そうね。」
由紀「卒業だね!そうだ!卒業したらどうしたいか夢を書こう!」
美紀「将来の夢・・・」
由紀「うん!それでね?私達は元気に夢に向かって頑張ってるよーって!」
圭「良いですねそれ!」
そしてやっと手紙が出来上がった。悠里がヘリウムガスで風船を膨らます。紐の先に手紙を吊るした。すると胡桃が鳩を捕まえて来た。すると鳩が部室内を飛び回った。
そしてその日の夜は雨になった。外ではゾンビ達が雨宿りをした。部室には櫂と美紀が外を見ていた。
櫂「ゾンビ達も雨宿りするんだな。」
そこに悠里と佐倉先生が入って来た。
悠里「眠れないの?」
佐倉先生「皆寝てるわよ?」
櫂「何か今日寝付かなくて。」
美紀「玄関、騒がしいですね。」
悠里「あんな風になっても、雨曝しなのは嫌みたいね。」
櫂「彼奴ら、濡れたらおっかないって言ってそうだな。」
美紀「櫂先輩。」
櫂「そうだった。先生、ちょっとこれの事で聞きたい事が。」
佐倉先生「何かしら?」
櫂「この鍵は一体。」
ポケットからあの鍵を見せた。
佐倉先生「!!・・・それは・・・」
櫂「今日の昼間に美紀さんが見付けたんです。先生の缶ケースの中にあったんです。」
佐倉先生「・・・」
櫂「もし話し難かったら後でも良いので。」
佐倉先生「・・・分かったわ・・・」
櫂「しばらく俺が預かっておきますね。」
佐倉先生は無言で頷く。櫂は鍵を自分のポケットに入れる。
悠里「きっと、何時か皆でここを出られるわ・・・」
美紀「はい。雨、止みますかね・・・?」
悠里「きっと、大丈夫よ・・・」
櫂「佐倉先生・・・」
佐倉先生「ごめんなさい・・・今まで隠してたの・・・」
櫂「自分を責めないで下さい。話したくない気持ちは分かります。今は気持ちを切り替えましょう。」
佐倉先生「ありがとう・・・市川君。」
そして翌日になると、雨が完全に止んで快晴の空になった。
胡桃「よっしゃー!」
美紀「いよいよですね!」
圭「うん!」
由紀「鳩子ちゃんも頑張ってね!」
胡桃「ちょっと待て!誰が鳩子ちゃんだ!」
由紀「この子だよ?鳩錦鳩子ちゃん!」
櫂「どんな名前だよ。」
胡桃「違う!此奴はアルノーだ!」
由紀「ええー!?私も名前付けたーい!」
胡桃「捕まえたのは私だ!」
由紀「鳩子ちゃんの方が可愛い!」
胡桃「此奴絶対アルノーだ!」
美紀「2人共止めて下さい!」
圭「先輩方落ち着いて下さい!」
悠里「間を取って、アルノー鳩錦二世でどうかしら?」
櫂「何でそうなんの?」
佐倉先生「あはは・・・」
胡桃「仕方無い・・・」
由紀「よーし!お前はアルノー鳩錦二世だよ!」
美紀・圭「一体二世は何処から?」
櫂「さぁね。」
胡桃「よーし!アルノー鳩錦二世!飛んでくれよな!」
櫂「語呂悪いな。」
由紀「じゃあ!1、2、3で行くよ!」
悠里「せーの!」
全員「1・2・3!!」
持ってる手紙付き風船とアルノー鳩錦二世を飛ばした。風の流れに乗って風船とアルノー鳩錦二世が同じ方向へ空を飛ぶ。
美紀「露落ちて、花残れり。花しぼみて、梅雨なお消えず。」
胡桃「何それ?」
美紀「圭が、好きだった言葉です。」
胡桃「そうか。」
櫂「これで、誰か気付いてくれたら良いな。」
手紙の中には「わたしたちは元気です。」と書かれた手紙もあった。
そしてその後日。街中に落ちた手紙を拾った男性が居た。手紙には「巡ヶ丘高校から生存確認」と書かれてた。
???「まさか。」
「END」
キャスト
丈槍由紀:水瀬いのり
恵飛須沢胡桃:小澤亜李
若狭悠里:M・A・O
直樹美紀:高橋李依
祠堂圭:木村珠莉
佐倉慈:茅野愛衣
太郎丸:加藤英美里
市川櫂:村瀬歩
女子生徒:み〜こ
男性:竹内良太
「次回」
胡桃「アルノー今頃何処かな?」
悠里「二世ならアメリカじゃないかしら?」
胡桃「アルノー凄えな!」
悠里「だってアルノー、鳩錦の息子だもの。」
胡桃「知り合いかよ!!」
胡桃・悠里「次回!がっこうぐらし!第8話!しょうらい」