これは、彼が入部する前の出来事だった。
櫂「じゃあな皆!」
男子生徒A「おう!じゃあな櫂!」
男子生徒B「市川君また明日ねー!」
巡ヶ丘高校3年生の男子生徒「市川櫂」は、同級生の友人達と別れて、バイクに乗って帰宅する。途中でスーパーで買い物をした。
街中をバイクで走ってるその時。
櫂「ん?何だ?」
目の前に玉突き事故が起こってた。近くの駐車場にバイクを停めて現場を見る。
櫂「事故ってるな。ん?」
目の前から1人の男性がこっちへ逃げて来る。
男性「助けてくれーーー!!!」
そう叫びながら男性は櫂の横を通り過ぎた。
櫂「何だ彼奴?幽霊でも見たのか?」
すると突然爆発が起こった。
櫂「のわ!!何だ何だ・・・な!?」
確認すると、街から黒煙が舞い上がっていた。
櫂「何なんだありゃ・・・!?何故爆発が・・・!?」
すると1台のトラックが櫂に向かって突進する。
櫂「何!?」
しかし間一髪避けた。そしてトラックが横に転倒して爆発した。
櫂「さっきのトラックは一体・・・ん?」
すると櫂の足元にダンボールサイズのアタッシュケースが落ちてあった。
櫂「アタッシュケース?送り主が書いてある。・・・え!?親父と爺ちゃん!?」
父親と祖父が櫂に送ったアタッシュケースだった。すぐに開けると。
櫂「これは・・・!」
中を見て驚いた。すると後ろから1人の男性がフラフラしながら襲い掛かった。
櫂「よっと!」
しかし櫂がハイキックして男性を倒した。
櫂「そこでお寝んねしてな。それにしても、何でこれが。そうだ!サッカー部の彼奴らは大丈夫なのか?行ってみるか!」
アタッシュケースを持ってバイクに乗ってすぐに学校へ向かう。しかし目の前に人々がフラフラしながら立ち塞がった。
櫂「どうなってんだこりゃ?俺有名人にでもなったのか?」
すると人々は唸り声を上げた。
櫂「おっと?もしかしたらゾンビ的に変身しちゃった?」
それはもうゾンビだと確信した。するとゾンビ達がゆっくりと迫る。
櫂「俺のサインがそんなに欲しいのか。だったら代わりにこれをプレゼントするぜ!」
アクセルグリップを捻って突進してゾンビ達を轢き殺しながら切り抜けた。
櫂「お家に帰って壁に飾ってなー!」
そしてこのまま走って学校に到着した。
櫂「おいおいマジかよ・・・サッカー部の奴らもうダメか。皆ウィルスに侵略されたな。」
戻った時はもう手遅れだった。グラウンドに居る生徒や教師達はもう感染してゾンビ化してしまったのだった。すぐに駐輪場にバイクを停めてすぐに校内に入る。
櫂「1階に何処か安全な場所は無えのか?お?」
途中に家庭科室を発見した。
櫂「家庭科室か!よっしゃ!」
急いで家庭科室に入ってドアを閉める。
櫂「ふぅ〜、ここまで来れば大丈夫だな。トイレはこの近くにあるし丁度良い。」
その後、外はちょくちょく収まって行く。
櫂「収まったか。はぁ〜、しかし何で彼奴らゾンビに感染しちまったんだ?いやそれよりも、何で親父と爺ちゃんは俺にこれを送ったんだ?」
先程のアタッシュケースを開ける。
そこには、2丁拳銃と、銃弾が入った無数のマガジン。更に解毒剤が入った注射器が入ってた。
櫂「ベレッタM92とデザートイーグルとマガジンと注射器か。ん?手紙か?」
中には手紙も入ってた。
櫂「親父からか?」
手紙には「櫂、そっちは大丈夫か?今謎の感染が起きてる。お前がまだ生きてると思い、お前にベレッタM92とデザートイーグルと大量のマガジンと万が一の為に解毒剤を送る。解毒剤は1つしか無いから無駄にするな。それと妻とお前の姉は無事だ。私は父と妻とお前の姉と一緒に日本中の生存者達の救助活動をする。心配するな、お前は昔から私と父の厳しい訓練を受けていたからお前なら生き残れる。新たな進展が起こったらお前の元に行って伝える。」と書かれてた。
櫂「ありがとよ親父。最高のプレゼントだぜ。生存者がゾンビ達より多かったら良いな。」
すると櫂の腹が鳴り始めた。
櫂「おっと。俺の腹が食い物寄越せって言ってるな。ここは家庭科室だから調理道具があるから丁度良い。」
袋から材料を取り出して料理する。今日の夕飯はペペロンチーノ。飲み物はペットボトルの麦茶。
櫂「う〜ん!ペペロンチーノ美味え!さて、この先どうするかな?」
翌朝、櫂は早起きしてベレッタM92とデザートイーグルにマガジンを挿入してアタッシュケースに入ってたホルスターに収める。そしてウエストポーチにある程度のマガジンとサプレッサーと解毒剤を入れる。
櫂「これでOK。さて朝飯でも食うか。」
袋からコーンフレークと牛乳を取り出して、コーンフレークを山盛りにして牛乳を入れて食べる。
櫂「コーンフレーク山盛り2杯食ったら体力回復効果が上がるかな?今度赤まむしドリンクも飲もうかな。」
そんなこんな言ってる間に完食した。
櫂「さて、奴らを料理しに行くか。」
武器とウエストポーチを装備して家庭科室を出る。
櫂「お?早速お出でなすったな。」
出た瞬間にゾンビを発見した。ゾンビの前に自ら立つ。ゾンビが櫂を発見して迫る。
櫂「俺を食いたいのか?だったらこれでも召し上がれ。」
サプレッサーを取り付けて銃口を向けて銃弾を放つ。脳幹に直撃した。
櫂「美味かったか?他の皆も召し上がれ。」
次々とゾンビ達を蹴散らして行く。これが毎日続いて行く。
そしてある日、今日は何時もと違っていた。
櫂「何だ?何で誰も居ないんだ?」
今日はゾンビ1人も居なかった。
櫂「彼奴ら何処へ行ったんだ?パーティ会場でも行ったのか?」
そんな呑気に軽口叩いてると。
???「いやあああ!!!」
櫂「っ!?何だ!?誰か居るのか!?上か!!」
すぐに叫び声が聞こえた場所へ向かう。
そして同じ頃。佐倉先生が血まみれになっていて、由紀と胡桃と悠里をドアの奥に閉じ込めて守ろうと必死になっていた。
由紀「離して!!」
悠里「由紀ちゃんやめて!!」
由紀「まだめぐねえが外に!!早くしないと!!」
胡桃「ダメだ!!もう!!」
佐倉先生を助けようと由紀を胡桃と悠里が止める。しかし由紀は助けようと必死だった。
由紀「めぐねえ!!めぐねえ!!」
外では佐倉先生が力尽きたかのようにその場で崩れた。由紀は2人の制止を払って助けに向かった。
胡桃「おい!!」
ドアを叩いて叫ぶ。
由紀「めぐねえ!!開けてめぐねえ!!」
ドアを開けようとしても開けれない。
由紀「めぐねえ!!めぐねえ!!」
逃げられないと思った佐倉先生は決心して死を覚悟した。そこに櫂がその光景を目にした。
櫂「うようよ居やがる・・・まるでアリの大群だな。此奴らを料理するか。」
2丁拳銃で銃弾を放ち続け、直撃したゾンビが次々と倒れていく。
佐倉先生「ぇ・・・?」
櫂「おい!食いたいなら俺を食え!」
遠くから櫂の声が聞こえた。ゾンビが声がした方に顔を向けた瞬間、頭部に弾丸が当たって次々と倒れていく。
佐倉先生「ぁ・・・」
すると櫂が走って来た。
櫂「佐倉先生!?」
佐倉先生「市・・・川・・・君・・・」
櫂「先生!大丈夫ですか!?」
佐倉先生「市川君・・・私・・・」
櫂(この傷、かなり感染が進んでる・・・!)
すると櫂が、懐から注射器を取り出して、佐倉先生の腕に消毒液を塗る。
櫂「先生、少し我慢して下さい。」
注射器を佐倉先生の腕に刺して、解毒剤を注入する。すると浮き出た血管が正常に戻った。そして全て流し込んで注射器を抜いて、怪我してる箇所に包帯を巻く。
櫂「これでよし。先生、あなたはまだ生きてます。感染は無くなりました。」
すると佐倉先生が櫂に抱き付いた。
櫂「せ、先生?」
佐倉先生「ありがとう・・・」
注射器の中の薬は解毒剤だった。佐倉先生は櫂に抱き付いて嬉し泣きし、櫂が優しく抱擁する。
櫂「さあ、早く逃げましょう。」
佐倉先生「待って・・・後ろに・・・皆が・・・」
櫂「え?生き残りが?」
そしてドアの奥では、由紀達が泣いていた。
由紀「めぐねえ・・・」
悠里「由紀ちゃん・・・」
胡桃「くそ・・・!」
するとドアが開いた。立っていたのは櫂だった。
櫂「胡桃!悠里!」
胡桃「櫂!?」
悠里「櫂君・・・?」
胡桃「お前何でここに?」
櫂「俺さっき奴らを片付けた。先生。」
悠里「え・・・?」
佐倉先生「皆・・・!」
由紀「めぐねえ・・・?」
悠里「めぐねえ・・・!!」
胡桃「生きてるのか・・・!?」
佐倉先生「ええ・・・彼が助けてくれたの・・・」
由紀「めぐねえーーーー!!!」
生きてる佐倉先生を見て由紀が抱き付いた。
佐倉先生「ごめんね・・・由紀ちゃん・・・」
胡桃「櫂、お前が助けてくれたのか?」
櫂「ご明答。先生にこの解毒剤を刺したんだ。」
注射器を見せる。
悠里「めぐねえを助けてくれて・・・ありがとう。」
櫂「どういたしまして。」
その後、櫂は家庭科室からアタッシュケースを持って来て、学園生活部の部室に来た。
櫂「学園生活部?」
悠里「そう。学園生活部って言うのは、学校の部活動としてこの学校に住むと言う部活なのよ。」
櫂「成る程。住み込みみたいな感じか。っで胡桃に悠里、傍に居るそこの嬢ちゃんは?」
由紀「私は丈槍由紀!3年生だよ!」
櫂「3年生か。てっきり後輩かと思ったぞ?」
由紀「にゃにをー!?」
櫂「だってその体型からすると俺らより小さいし。」
由紀「私も3年生だって!」
櫂「悪い悪い冗談冗談。」
すると悠里と胡桃が櫂にコソコソ話す。
悠里「でも、あの子少し違うの。」
櫂「何の違いだ?」
胡桃「彼奴の中は、今の事件が起こってないんだ。」
櫂「え?どう言う事だ?」
悠里「あの子は周りが何事も無いような日常になってるのよ。この学校に居ない生徒もあの子の中では生きてるって事になってるの。」
櫂「それってあれか。解離性同一性障害を患ってるのか?」
悠里「そうなの。だから櫂君、あの子の様子に合わせてくれないかしら?」
櫂「要するに介護しろって事だな。分かった。その要請に乗ったぜ。」
悠里「ありがとう。」
胡桃「所で、櫂は今まで何処で何をしてたんだ?」
櫂「実は俺、ずっと前からこの学校に潜んでたのさ。」
胡桃「え?そうなのか?」
櫂「そう。」
胡桃「でもどうやって生き残ったんだ?」
櫂「これさ。」
机の上にベレッタM92とデザートイーグルを置いた。するとこの場の全員が驚いた。
悠里「櫂君、これは・・・?」
櫂「ああこれ?ベレッタM92とデザートイーグル。」
胡桃「いやいやそっちじゃなくてだ!何で高校生が拳銃を持ってるんだ!?」
佐倉先生「そ、そうよ?銃刀法違反になるよ?」
由紀「ま、まさかかい君は、暗殺者・・・!?」
櫂「んな訳無えだろ!まあ皆が驚くのも無理は無い。これを見れば納得するかもな。」
見せたのは父からの手紙だった。その手紙を見る。
佐倉先生「そう言う事だったのね。」
櫂「はい。」
悠里「櫂君、昔から拳銃の特訓とか受けてたなんて大丈夫だったの?」
櫂「俺が志願したんだ。親父と爺ちゃんはすぐに俺を徹底的に鍛えてくれたんだ。」
胡桃「そうか。櫂の親父さんと爺さんって何者なんだ?」
櫂「元軍人さ。退役した後に普通の生活を過ごしてたんだ。そして今は、その手紙に書いてある通りに親父と爺ちゃんは、母さんと姉ちゃんと一緒に日本中の生存者を探し回ってる。何か朗報があったら俺達の元に来て伝えるって言ってた。」
悠里「分かったわ。じゃあ改めて、ようこそ学園生活部へ。」
櫂「ああ。宜しくな。」
由紀「わーい!初の男子部員だね!」
佐倉先生「良かったね由紀ちゃん。」
櫂「市川櫂少尉が仲間に加わった!テッテレー!」
胡桃「その割にお前かなり元気だな。」
櫂「ああ、俺は軽口なんだ。爺ちゃんからの譲り受けだ。」
これが櫂が学園生活部に入部した切欠だった。
そして現在に戻り、廊下で櫂がガンプレイしている。
美紀「櫂先輩。」
櫂「ん?美紀さんに圭さん?」
そこに美紀と圭が来た。
美紀「何しているんですか?」
櫂「ああ、暇だったから拳銃でガンプレイしてたんだ。」
圭「櫂先輩って拳銃持ってるんですか?」
櫂「ああ。俺の親父と爺ちゃんが送ってくれたんだ。」
圭「お父さんとお爺さんが?」
美紀「櫂先輩のお父さんとお爺さんは元軍人さんなのよ?」
圭「へぇ〜!凄いね!」
櫂「ありがとね。所で俺に何の御用?」
美紀「そうでした。ちょっと廊下の様子を見回ろうと思いまして。」
圭「折角だから櫂先輩を誘おうかなって。」
櫂「そうか。暇だから同行するよ。」
圭「じゃあ美紀!行こうよ!」
櫂「元気なお友達だね。」
美紀「ええ。でも私の大切な親友です。」
3人は廊下を見回る事に。
「END」
キャスト
市川櫂:村瀬歩
丈槍由紀:水瀬いのり
恵飛須沢胡桃:小澤亜李
若狭悠里:M・A・O
直樹美紀:高橋李依
佐倉慈:茅野愛衣
祠堂圭:木村珠莉
太郎丸:加藤英美里
男子生徒A:村田太志
男子生徒B:古川慎
「次回予告」
圭「櫂先輩のその拳銃凄く格好良いですね!」
櫂「これはデザートイーグルって言って、強力な拳銃なんだ。」
圭「もし私が使ったら私も格好良くなるのかな〜?」
櫂「それは無理だよ?」
圭「どうしてですか?」
櫂「撃った瞬間の反動が強烈でね、特に女性と子供だと肩外れるんだ。」
圭「やっぱりいいです・・・」
櫂・圭「次回!がっこうぐらし!第7話!おてがみ」