さゔぁいゔぐらし!   作:naogran

5 / 13
目覚まし時計「おはよ〜寝坊助〜朝だぞ〜。おはよ〜寝坊助〜朝だぞ〜。おはよ〜寝坊助〜朝だぞ〜。おはよ〜寝坊助〜朝だ。」

ある朝、美紀が目覚まし時計で起きた。

美紀「起きなきゃ・・・」

毎日のように起きて、水道水で髪を洗う。美紀はまだ太郎丸の事が心配だった。通気口の側に餌を置く。

美紀「太郎丸・・ご飯だよ・・・」

しかし太郎丸は戻って来ない。すると奥から物音がした。

美紀「太郎丸!?太郎丸!!」

すぐに荷物を退かして入れようとする。しかし力強い音と唸り声がした。

美紀「違う・・・!」

太郎丸ではなく、ゾンビだと確信した美紀はすぐにドアを抑えた。

美紀「ダメ!!」

数分後。ゾンビはこの場を去って行った。

美紀「どうして・・・どうして!!!」

彼女を助ける者は現れるのか。






そして別の部屋では。

???「誰か・・・助けて・・・」

1人の少女が助けを求めていた。


#5「であい」

そしてその頃、由紀達を乗せた車と、櫂が乗ってるバイクは街中を走っていた。

 

由紀「遠足~♪」

 

佐倉先生「遠足〜♪」

 

由紀・佐倉先生「楽しい遠足〜♪」

 

2人は歌を歌ってご機嫌上昇だった。

 

由紀「めぐねえ〜!バナナはおやつに入りますか~?」

 

佐倉先生「入りま〜せん!」

 

由紀「やった〜!」

 

胡桃「ノリノリだな。」

 

悠里「もうすぐで着くはずよ。」

 

櫂「お!あのショッピングモールか!」

 

 

 

 

 

 

そして目的地のショッピングモールに到着した。

 

櫂「お客様ご到着致しました〜!なんつって。」

 

由紀「到着ー♪」

 

佐倉先生「もうはしゃぎ過ぎよ?」

 

胡桃「遠足で熱出すタイプだな。」

 

櫂「あるある。遠足前日に楽しみ過ぎて当日で熱出して休むとか。」

 

由紀「そんな事ないよ!ないもん!」

 

胡桃「ほら、もう赤くなってる。」

 

櫂「今から遠足休むか?」

 

由紀「む〜!」

 

悠里「まあまあ。」

 

佐倉先生「でも、本当に心配だわ。」

 

櫂「ほら、先生も心配してくれてるぞ?」

 

由紀「にゃ!にゃにを〜!?めぐねえこそ!」

 

胡桃「ここまでは何とかなったな。」

 

悠里「確かに平日だったから、出歩いてるのは少なかったわね。」

 

胡桃「アイツら、皆学校や仕事に行ってるんだな・・・まるで生前の記憶があるみたいに・・・」

 

悠里「まあ、この先も気を抜かずに遠足を楽しみましょ?折角久し振りのショッピングなんだし。」

 

由紀「ねえ2人共!早くー!」

 

櫂「置いて行くぞー!」

 

胡桃「そうだな。あの危なっかしい奴の面倒も見ないとな。」

 

 

 

 

 

 

早速一行がショッピングモールに入る。

 

由紀「開けっ放し?お休みですか?こんにちは〜!」

 

胡桃「おい、あんまり大きな声だすなよ。」

 

由紀「え?どうして?」

 

胡桃「どうしてって・・・」

 

落ちてるチラシを発見した。

 

悠里「何かイベントがあるみたいよ?」

 

由紀「イベント?お祭りみたいなの?」

 

悠里「コンサートイベント中みたい。迷惑にならないように静かにね。」

 

由紀「はーい!」

 

胡桃・悠里「しーっ。」

 

櫂「言ってる側から。」

 

由紀「うぐ・・・!」

 

悠里「ありがとう。さあ皆、行きましょ。」

 

 

 

 

 

 

気を取り直して店内に入る。無数のゾンビが徘徊していた。

 

由紀「わぁ〜!広〜い!」

 

悠里「やっぱり居るわね。」

 

胡桃「これくらいの数なんかどうって事ない。」

 

櫂「ま、準備体操には丁度良い数だ。」

 

胡桃「なるべく音を立てないように付いて来て。」

 

悠里「分かった。」

 

佐倉先生「分かったわ。」

 

由紀「分かった!」

 

胡桃・櫂「しっ。」

 

由紀「ごめん・・・」

 

胡桃「よし・・・行くぞ!」

 

5人が一斉に走り出した。

 

 

 

 

 

 

CDショップに入って櫂がシャッターを閉める。

 

櫂「今日はもう閉店だな。」

 

悠里「この中には居ないみたい。」

 

胡桃「サンキューりーさん。」

 

由紀「何かあるかな〜?」

 

悠里がサイリウムを手に取った。

 

胡桃「りーさん、私地下へ行って来る。」

 

悠里「食品売り場?でもとっくに腐ってるんじゃないかしら?」

 

胡桃「缶詰は欲しいだろ?」

 

櫂「だったら俺も行く。」

 

胡桃「分かった。」

 

シャッターを開けて出る。

 

悠里「あんまり無茶しないでね?」

 

胡桃「分かってるって。」

 

櫂「じゃあ2人を頼むぜ。」

 

胡桃と櫂が走って地下へ向かう。

 

由紀「ねえりーさん!これ見て見て!」

 

悠里「ん?どうしたの?」

 

 

 

 

 

 

その頃美紀は1人ボーッとしていた。

 

美紀「はぁ・・・」

 

そしてプリクラを見る。圭との2ショットが綺麗に撮れてあった。

 

圭『大丈夫・・・絶対に助けを連れて来るから。』

 

美紀「圭・・・」

 

 

 

 

 

 

その頃別の部屋では。

 

???「何で・・・こんな事になったの・・・?」

 

 

 

 

 

 

そしてその頃胡桃と櫂は食料を探してた。

 

櫂「おい胡桃、缶詰あったぞ。」

 

胡桃「お!」

 

缶詰売り場を発見した。

 

胡桃「よぉし!大量大量!」

 

櫂「こんだけあれば大丈夫だな。お!ツナ缶にコンビーフ発見!今日はご馳走になりそうだな〜!折角だから調味料も。」

 

胡桃「お!大和煮!」

 

落ちてる大和煮を取ろうとしたその時、誰かが同じ大和煮を取ろうとした。

 

胡桃「え?」

 

???「クゥ〜ン。」

 

胡桃「うわ!?」

 

櫂「どうした胡桃!?」

 

胡桃「い、犬!?」

 

櫂「犬?」

 

何と犬だった。しかも太郎丸だった。

 

太郎丸「ワンワンワン!」

 

胡桃「うわ!何だ何だ!?」

 

櫂「まあ落ち着けよ、そんなに吠えちゃビビって話も出来やしねえよ。」

 

すると太郎丸が大和煮を咥えて逃げ出した。

 

胡桃「あ!ずるいぞ!それは私のだ!」

 

櫂「待て大和煮泥棒!」

 

すると後ろからゾンビが現れた。

 

胡桃「ヤバイ!」

 

櫂「おっと!すたこらさっさー!」

 

2人はすぐに逃げた。

 

 

 

 

 

 

その頃由紀達は。

 

悠里(大丈夫かしら・・・胡桃・・・櫂君・・・)

 

由紀「ねえりーさん。胡桃ちゃんとかい君まだかな?」

 

佐倉先生「私も心配だわ・・・」

 

悠里「そうね、もう少し待ちましょ?」

 

由紀「うん・・・ん?」

 

目の前の演歌コーナーを見る。

 

由紀「りーさん渋いね。」

 

悠里「ん?」

 

するとシャッターが開く音が聞こえた。

 

胡桃「助かった〜・・・」

 

櫂「全くラッキーだったな・・・」

 

悠里「胡桃!櫂君!」

 

櫂「よう悠里、戻って来たぜ。」

 

シャッターを閉める。閉まる直前に太郎丸が入って来た。

 

悠里「え!?」

 

胡桃「あ!此奴!」

 

櫂「大和煮泥棒!」

 

由紀「ワンちゃんだ!」

 

すると太郎丸が咥えてる大和煮の缶詰を置いた。

 

太郎丸「ワン!」

 

由紀「あ!」

 

すると由紀が突然何かを感じた。そして太郎丸との会話を試みる。

 

由紀「わんわんわん!」

 

太郎丸「ワンワンワン!」

 

胡桃「通じ合ってる・・・!?」

 

櫂「何故・・・!?」

 

由紀「ワオーン!!」

 

太郎丸に飛び付こうとする。

 

胡桃「待て待て待て!」

 

由紀「キャンキャンキャン!」

 

佐倉先生「由紀ちゃん落ち着いて?」

 

櫂「犬と化した。」

 

悠里「ごめんね?ちょっと待ってね?」

 

大和煮の缶詰を開ける。

 

悠里「どうぞ。」

 

由紀「わあ!大和煮!」

 

太郎丸が大和煮を食べる。

 

胡桃「りーさん早く。」

 

悠里「ちょっと待って。」

 

軍手を嵌めて太郎丸を持つ。

 

由紀「りーさんずるい!」

 

櫂「何言ってんだ?悠里、どうだ?」

 

悠里「ふぅ〜・・・大丈夫、噛まれてないわ。」

 

櫂「そっか。」

 

悠里「はい、由紀ちゃん。」

 

由紀「わぁー!初めまして。ワンちゃん。」

 

すると太郎丸が由紀を舐めた。

 

由紀「わーい!わーい!」

 

興奮した由紀が太郎丸を持ち上げた。

 

佐倉先生「由紀ちゃん落ち着いて!?」

 

悠里「あの子は?」

 

胡桃「地下でバッタリ会った。」

 

櫂「その後大和煮咥えて逃げてここまで来たんだ。」

 

悠里「飼い主はどうしたのかしら?」

 

胡桃「居たら連れて来るって。」

 

櫂「いや、多分・・・」

 

由紀「ねえねえ胡桃ちゃん!この子の名前って何かな?」

 

胡桃「さあ?首輪か何かに書いてないか?」

 

首輪を見ると。

 

由紀「あ!本当だ!えっと、太郎丸・・・太郎丸?」

 

太郎丸「ワウン!」

 

櫂(太郎丸?電子辞書で調べたら嘘やペテンの意味だったな。)

 

由紀「そっか!宜しくね!太郎丸!」

 

太郎丸「ワン!」

 

 

 

 

 

 

その後CDショップを出て次の店へ向かう。太郎丸は由紀のバッグに入ってる。

 

由紀「エスカレーター故障中?」

 

櫂「今日も点検中か。」

 

太郎丸「ワン!」

 

胡桃が太郎丸を見て笑った。

 

 

 

 

 

 

3階に到着した。

 

胡桃「上の階程奴ら少ないな。」

 

櫂「楽だな。」

 

悠里「階段が苦手みたいね。取り敢えず、家電屋さんへ行きましょ?」

 

胡桃「了解。」

 

 

 

 

 

 

5人が向かったのは家電製品店。

 

悠里「コンロにボンベ、それから・・・あった!これこれ。」

 

防犯ブザーを発見した。

 

胡桃「防犯ブザー?」

 

悠里「そう。」

 

由紀「可愛いー!確かここを引っ張ると〜。」

 

悠里「弄っちゃダメよ?イベント中だって言ったでしょ?」

 

由紀「え〜?ちょっとくらい・・・ヒィィィ!!!」

 

悠里「ダ・メ・よ?」

 

怖い笑顔で由紀を脅す。

 

由紀「ワカリマシタ・・・」

 

胡桃「どうすんだよそんな物?」

 

悠里「防犯よ。ぼ・う・は・ん。」

 

物資を手に入れた。

 

悠里「さ、大体必要な物は集まったわね。」

 

4人「うん!」

 

悠里「それじゃあ、次はお洋服を見に行きましょう。」

 

4人「やったー!」

 

悠里「しーっ。」

 

4人「ごめんなさい・・・」

 

 

 

 

 

 

次に向かったのは洋服店だった。すると由紀がハイヒールを見て目をキラキラさせてた。

 

胡桃「こんな事してて良いのかな?」

 

悠里「こんな時だから良いと思うの。」

 

ハイヒールを履いた由紀がすぐにバランスを崩して俯せで倒れた。

 

悠里「だって私達、女の子でしょ?」

 

櫂「俺は男だけどな。」

 

次は服を選んで試着する。由紀と佐倉先生が何かに追い掛け回されてた。それは白い服だった。それは太郎丸が服を被って走ってたからだった。次は水着を試着する。しかし悠里の方が胸が大きかった。そして櫂の腹は腹筋が割れてた。由紀が佐倉先生の試着を見に行く。

 

由紀「はっ!!」

 

佐倉先生「だ、大丈夫よ・・・全然大丈夫だからね・・・私だってまだまだ・・・ふん!あ!」

 

しかし破れてしまった。

 

由紀「ヒィ!!」

 

胡桃「おーい、他行くぞー?」

 

由紀「お願い、ちょっと待ってあげて?色んな意味でめぐねえ立てない状態だから・・・」

 

櫂「何だそれ?」

 

由紀「店員さんには一緒に謝ってあげるから・・・」

 

佐倉先生「大丈夫じゃなかった・・・」

 

全員が何時もの制服に着替えた。

 

悠里「え?めぐねえが?」

 

由紀「うん、元気付けてあげたくて。」

 

悠里「そうね・・・プレゼントなんてどうかしら?」

 

由紀「うん!そうする!」

 

悠里「めぐねえの好きな物分かる?」

 

由紀「う〜ん、何だろう?」

 

胡桃「そりゃあこれだろ!」

 

鍵に付いてるクマのキーホルダーを見せる。そして由紀はぬいぐるみをプレゼントする。

 

由紀「はい!めぐねえ!これプレゼント!」

 

佐倉先生「え?私に買ってくれるの・・・?」

 

由紀「うん!」

 

佐倉先生「良いの?」

 

由紀「勿論!」

 

佐倉先生「ありがとう由紀ちゃん・・・でも、これは由紀ちゃんが持ってて?」

 

由紀「え?何で?もしかして同じの持ってた・・・?」

 

佐倉先生「それもあるけど・・・」

 

由紀「やっぱり・・・」

 

佐倉先生「でも、だからこそ、由紀ちゃんにも同じ物を持ってて欲しいの。」

 

由紀「そっか!お揃いだね!分かった!じゃあこの子はめぐねえだと思って大事にするよ!そう言えばこの子、めぐねえに似てるしね。」

 

佐倉先生「え・・・何処が・・・!?」

 

由紀「主にこの辺!」

 

ぬいぐるみの頭を指す。

 

佐倉先生「えええええ!?」

 

 

 

 

 

 

お金を払って4階へ向かう。

 

悠里「それで結局自分の物にしちゃったんだ。」

 

由紀「うん!何だかな〜?」

 

櫂「先生、良かったんですか?」

 

佐倉先生「うん。お揃いだと安心するからね。」

 

櫂「流石先生ですね。」

 

由紀「1番到着!」

 

胡桃「やっと最上階だな。」

 

太郎丸「ワンワンワン!」

 

由紀「太郎丸?」

 

胡桃「どうした?」

 

突然太郎丸が吠え始めた。

 

太郎丸「ワンワンワンワン!」

 

 

 

 

 

 

その頃美紀は1人で太郎丸と圭を待っていた。

 

 

 

 

 

 

太郎丸「ワンワンワンワン!ワンワンワン!ワンワンワンワン!ワンワンワンワン!」

 

由紀「太郎丸?」

 

櫂「どうした?トイレでも行きたいのか?」

 

悠里「太郎丸、しーっよ?」

 

 

 

 

 

 

その頃美紀は、太郎丸の鳴き声を聞いた。

 

美紀「はっ!太郎丸・・・!?」

 

 

 

 

 

 

ドアに耳を当ててもう1度確かめるが、聞こえなかった。悠里が太郎丸を止めたのだった。

 

悠里「太郎丸静かに。ね?」

 

太郎丸「クゥ〜ン・・・」

 

悠里「ありがとね。」

 

胡桃「りーさん。」

 

悠里「どうしたの?」

 

胡桃「物音がした。椅子を倒したみたいな音。」

 

悠里「彼奴らかしら?」

 

胡桃「でも、1階下には殆ど居なかったし。さっき、太郎丸が吠えてたのって・・・」

 

悠里「もしかして生存者・・・?太郎丸の飼い主とか・・・?」

 

櫂「いや、それとも飼い主じゃない別の生存者とか。」

 

胡桃「もしそうなら、助けなきゃ!」

 

悠里「うん!」

 

櫂「ああ!」

 

 

 

 

 

 

5人が向かった場所は、映画館だった。

 

悠里「ここ・・・」

 

胡桃「うん。間違いない。」

 

由紀「映画館だ〜!」

 

胡桃「もしもーし!すみませーん!」

 

櫂「誰か居ませんかー!?居たら返事して下さーい!」

 

悠里「誰も居ないみたいね。」

 

櫂「皆、俺ちょっと調べて来るぜ。」

 

胡桃「待って。私も行く。」

 

悠里「ここで待ってる。」

 

櫂「了解。」

 

悠里「気を付けて!」

 

 

 

 

 

 

2人が向かった場所はシアタールームだった。

 

櫂「シアタールームか。胡桃、慎重にな。」

 

胡桃「うん・・・」

 

懐中電灯を照らして恐る恐る近付く。すると物音がまた聞こえた。ドアを発見した。

 

櫂「ドアが塞がれてる?もしかすると・・・」

 

ドアを開けて中を見る。すると。

 

胡桃「!?」

 

櫂「何!?」

 

 

 

 

 

 

2人が戦慄した。シアター内には生存者が居なかった。居たのは無数のゾンビ達だった。ゾンビ達は2人を発見して襲う。

 

 

 

 

 

 

櫂「おい胡桃!客達から逃げるぞ!」

 

2人はすぐに逃げた。ゾンビ達が一斉に襲いに来る。

 

 

 

 

 

 

その頃由紀達は。

 

由紀「見て見てりーさん!このワンコ太郎丸に似てない?」

 

太郎丸「ワン!」

 

悠里「そ、そうね・・・」

 

そこに胡桃と櫂が走って戻って来た。

 

胡桃「逃げろー!!」

 

3人「ん?」

 

胡桃「奴ら!凄い数だ!!」

 

櫂「ここに居たら奴らの飯にされるぞ!」

 

由紀「え?」

 

胡桃「由紀!行くぞ!」

 

すると由紀がゾンビを見て固まった。

 

胡桃「由紀!」

 

佐倉先生「由紀ちゃん!」

 

5人は走って逃げる。

 

由紀「胡桃ちゃん!りーさん!かい君!めぐねえ!」

 

胡桃「大丈夫だ!今は走れ!」

 

櫂「このまま世界の果てまで走れ!」

 

 

 

 

 

 

その頃美紀は太郎丸の声が聞こえずにいた。

 

美紀「やっぱり・・・気のせいだよね・・・」

 

そう自分を納得させたその時。

 

胡桃「急げ!」

 

太郎丸「ワンワン!」

 

胡桃と太郎丸の声を聞いた美紀が驚いた。美紀は決心した。荷物をバッグに入れる。そして圭が残したCDプレーヤーも一緒に。荷物を退かしてドアを開ける。

 

 

 

 

 

 

そして5人はすぐにショッピングモールから脱出しようとするが。

 

胡桃「ヤバイ・・・」

 

悠里「あんなにいっぱい・・・」

 

櫂「お出でなすったな・・・」

 

そして横にもゾンビが現れた。

 

胡桃「りーさん!下にライトばら撒いて!」

 

悠里「分かったわ!」

 

バッグからサイリウムを出して、発光させて下へ投げた。ゾンビ達が光と音に反応した。

 

胡桃「突破する!付いて来て!」

 

櫂「行くぞ!」

 

悠里「由紀ちゃん行くわよ!」

 

胡桃「だああああああ!!!」

 

エスカレーターの手摺の上を滑って、ゾンビ達にキックする。

 

櫂「どりゃああああああ!!」

 

そして櫂は2階からジャンプしてドロップキックした。

 

櫂「良い夢見ろよ!」

 

そして由紀は回想した。それは教室の机の上で寝ていると、貴依達が由紀を起こして笑った。由紀も笑う。そして見ると、貴依達が一瞬にしてゾンビ化してしまっていた。

 

悠里「由紀ちゃん、由紀ちゃん。」

 

由紀「何・・・?」

 

 

 

 

 

 

5人が辿り着いた場所は迷子センターだった。

 

悠里「大丈夫?」

 

由紀の額に手を当てる。

 

悠里「熱があるわね。」

 

由紀「平気だよ・・・」

 

胡桃「怪我は?」

 

悠里「それは大丈夫。」

 

櫂「そっか。」

 

胡桃「やっぱり遠足で熱出るタイプだったか!」

 

由紀「えへへ、ごめん・・・」

 

佐倉先生「良いから休んで。ね?」

 

由紀「はぁ〜い。」

 

すぐに横になる。すると太郎丸が由紀の腕を舐める。

 

由紀「太郎丸・・・」

 

胡桃「少し寝かせておこう。」

 

悠里「胡桃と櫂君も休んで?1番疲れてるはずよ?」

 

胡桃「ああ。」

 

櫂「助かる。丁度筋肉痛になりそうだぜ。」

 

悠里「はい、お水。」

 

胡桃「サンキュー。」

 

櫂「ありがと。」

 

2人は水を飲む。

 

櫂「ふぅ〜、やっぱ水良いね〜。」

 

悠里「居なかったわね。生きてる人・・・」

 

胡桃「あの映画館、子供が多かったんだ。」

 

櫂「見た瞬間に戦慄が走ったな。」

 

悠里「ずっと助けを待っていたのかもね・・・」

 

胡桃「いや、扉の外にバリケードがあった。中の奴らを閉じ込めるみたいに。きっと外から襲われたんじゃない、内側に・・・噛まれた奴も居たんだ・・・」

 

櫂「これじゃあまるで監禁と同じだな。」

 

胡桃「私嫌だな・・・あんなの嫌だ・・・だって!あそこには、きっと大事な人を守りたくて逃げ込んだ人も居たんだ!その人、守る為にさ・・・もし、私が感染したら、迷わないで欲しい。」

 

悠里「え!?何言ってるのもう・・・」

 

胡桃「約束してくれ・・・」

 

そして悠里の隣に座る。

 

胡桃「指切り。」

 

2人は指切りを交わした。

 

由紀「う・・・」

 

すると由紀が起きた。

 

佐倉先生「由紀ちゃん?」

 

悠里「どうしたの由紀ちゃん?」

 

由紀「う・・・お腹空いた・・・」

 

すると由紀の腹が鳴った。

 

櫂「そうだな、流石の俺の腹も我慢の限界みたいだな。」

 

悠里「そうね、帰ってご飯にしましょうか。」

 

胡桃「だな。帰ろう。学校へ。」

 

5人が立って帰ろうとしたその時。

 

櫂「ん?」

 

胡桃「ん?櫂、どうした?」

 

櫂「静かに。」

 

悠里「え?」

 

壁に耳を当てると。

 

???「はぁ・・・はぁ・・・」

 

櫂「な!?」

 

佐倉先生「市川君、どうしたの!?」

 

櫂「皆、先に帰ってくれるか?」

 

悠里「え!?」

 

櫂「この隣から誰かの声が聞こえた。」

 

胡桃「もしかしたら・・・生存者か?」

 

櫂「そうかも知れない。行ってくる。」

 

由紀「かい君、何処へ行くの・・・?」

 

櫂「え?ああちょっとトイレさ。俺そろそろ限界なんだ。先に行っといてくれ。後でバイクで追い掛けるから。」

 

悠里「気を付けてね。」

 

櫂「ああ。」

 

 

 

 

 

 

そして櫂は外に出て、隣の部屋の前に立った。

 

櫂「放送室か。」

 

ドアを開けようとするが。

 

櫂「鍵か?」

 

デザートイーグルを取り出してサプレッサーを取り付けてドアノブを撃った。ドアノブが外れて中に入る。

 

櫂「誰か居るのか?ん?手?」

 

そこに誰かの手を発見した。恐る恐る近寄ると。

 

櫂「あ!女の子!?しかも俺と同じ高校の制服着てる・・・」

 

そこに1人の少女が倒れてた。

 

櫂「君!大丈夫か!?」

 

少女は倒れてたが呼吸はしていた。櫂が心臓の音を確認する。

 

櫂「まだ生きてるな。でも気を失ってる。何処か外傷は・・・無いな。」

 

傷や噛まれた箇所が無い事を確認して、少女をお姫様抱っこをしてこの場から離れる。

 

櫂「待ってろ。すぐに回復させてやるからな。」

 

 

 

 

 

 

そして2階には、落ちてるサイリウムを拾う人物が居た。美紀だった。

 

美紀「やっぱり誰か来てたんだ・・・」

 

すぐに1階へ降りようとするが、ゾンビ達がウロウロしていた。

 

美紀「怖い・・・」

 

圭『でも生きていればそれで良いの・・・?』

 

美紀「良い訳・・・無い!」

 

 

 

 

 

 

その頃由紀達4人は無事脱出した。

 

胡桃「脱出!」

 

悠里「さて、戻りましょ?」

 

胡桃「そうだな。」

 

???「おーい!」

 

そこに櫂が戻って来た。

 

胡桃「櫂!」

 

悠里「ん?櫂君、その子は?」

 

櫂「ああ、生存者だ。迷子センターの隣に放送室があったんだ。中を探るとこの子が。気を失ってるが無傷だ。」

 

由紀「あれ?この子私達と同じ制服着てるよ?」

 

悠里「どうやらこのリボン、私達の後輩みたいね。」

 

櫂「先生、この子を車に乗せてくれますか?」

 

佐倉先生「分かったわ。」

 

少女を車に乗せる。すると由紀が何かを感じた。

 

悠里「それじゃあ帰りましょうか。」

 

胡桃「ああ。由紀ー!行くぞー!」

 

しかし由紀は立ち止まってる。

 

胡桃「由紀?」

 

由紀「ねえ、今何か聞こえなかった?」

 

胡桃「え?別に・・・」

 

由紀「声がしたの!私達を呼んでた!」

 

太郎丸「ワンワンワン!」

 

胡桃「・・・由紀、それ気のせいだよ。早く帰ろうぜ?」

 

由紀「違うもん!本当に声がしたんだもん!」

 

佐倉先生「由紀ちゃん落ち着いて?」

 

由紀「めぐねえも聞こえたでしょ!?」

 

佐倉先生「そ、それは・・・」

 

櫂「ん?いや待て。」

 

4人「え?」

 

すると櫂が携帯望遠鏡でショッピングモール内を覗く。

 

櫂「可笑しい。」

 

悠里「どうしたの?」

 

櫂「奴ら、奥へ遠ざかって行く。」

 

由紀「え!?」

 

櫂「これもしかしたら、誰か居るのか?」

 

すると太郎丸が由紀から降りてショッピングモールの中へ走って行った。

 

胡桃「おい太郎丸!」

 

由紀「一緒に行く!」

 

悠里「ダメ!由紀ちゃん!」

 

胡桃「由紀!」

 

 

 

 

 

 

そしてショッピングモール内では、ゾンビ達が美紀に徐々に近付いて行く。美紀がエスカレーターを降りて逃げようとするが、塞がれてしまった。後ろも塞がれてしまった。

 

美紀「嫌だ・・・!」

 

すると下を見ると、オルガンがあった。オルガンの上に飛び降りた。しかし無数のゾンビがオルガンと美紀を囲んだ。美紀はもう逃げられない。

 

美紀「嫌だ・・・来ないで・・・助けて・・・誰か!!!誰か来て!!!!お願い・・・お願い・・・!」

 

 

 

 

 

 

???「ワン!」

 

???「居た!彼処!」

 

 

 

 

 

 

すると誰かの声が聞こえた。前を見ると、太郎丸と由紀が立っていた。その後ろから胡桃達が駆け付けた。

 

美紀「太郎丸・・・?それに・・・本当に居た・・・」

 

悠里「ダメ!由紀ちゃん危ないわ!」

 

由紀「でも!!でも!!」

 

すると突然由紀があの惨劇を思い出してしまった。

 

由紀「きゃああああああああ!!!!!」

 

叫び声を上げて逃げてしまった。

 

悠里「由紀ちゃん!」

 

佐倉先生「由紀ちゃん!」

 

胡桃「あーもう!」

 

美紀「助けに・・・」

 

するとゾンビが美紀の足を掴んだ。由紀が逃げた先にゾンビ達が立ち塞がった。そこに胡桃がシャベルで蹴散らす。そして櫂が2丁拳銃でゾンビ達を蹴散らす。

 

胡桃「これじゃ切りが・・・!」

 

櫂「このまま押し競饅頭しようってのか!?」

 

悠里「皆!耳塞いで!!」

 

すると悠里が防犯ブザーを鳴らした。モール内に音が響き渡る。

 

由紀「ねえ!一緒に行こ!」

 

その隙に由紀が美紀に声を掛ける。そして胡桃がシャベルで蹴散らし、櫂が2丁拳銃で蹴散らす。

 

胡桃「早く!」

 

櫂「急げ!」

 

 

 

 

 

 

そして遂に由紀達は美紀を助けた。

 

美紀(太郎丸・・・良かった・・・無事で・・・)

 

櫂「あぁ〜防犯ブザーのお陰で耳がキーキーする・・・」

 

美紀「あの、すみません・・・私の他に女の子を見ませんでしたか?同い年くらいの・・・」

 

櫂「もしかしたら、車に乗ってる子?」

 

美紀「え!?」

 

すぐに車の中を確認すると。

 

美紀「圭・・・!」

 

あの時櫂が助けたのは、美紀の親友の祠堂圭だった。

 

美紀「あの・・・圭は・・・」

 

櫂「大丈夫。気を失ってるだけだ。目立った外傷と噛まれた跡は無い。」

 

すると美紀が崩れて泣いた。

 

美紀「良かった・・・」

 

胡桃「あ、でもどうするんだ?この人数じゃ車は入り切れないぞ?」

 

櫂「だったら誰か1人、俺のバイクに乗るか?」

 

悠里「それじゃあ、私乗ってみようかな?」

 

櫂「悠里が?」

 

悠里「ええ。櫂君の運転なら大丈夫らしいから。」

 

櫂「OK。ファーストクラスをお楽しみ下さい。」

 

こうして生存者2人を助け、遠足は幕を閉じた。

 

「END」




         キャスト

      丈槍由紀:水瀬いのり
    恵飛須沢胡桃:小澤亜李
      若狭悠里:M・A・O
      直樹美紀:高橋李依
       佐倉慈:茅野愛衣
       太郎丸:加藤英美里

       市川櫂:村瀬歩

       祠堂圭:木村珠莉

「次回予告」

由紀「お買い物♪お買い物♪」

佐倉先生「あんまり無駄遣いしちゃダメよ?」

由紀「漫画は無駄遣いじゃないよ?」

佐倉先生「ちゃんと宿題も。」

由紀「新刊あるかな〜?」

由紀・佐倉先生「次回!がっこうぐらし!第6話!ようこそ」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。