胡桃「よう。何作ってるんだ?」
由紀「卒業アルバムだよ!」
胡桃「卒業アルバム?」
由紀「学園生活部オリジナル!」
胡桃「へぇ〜。」
悠里「あら、良いわね。」
胡桃「でも何で手書きなんだ?」
由紀「手書きの方が良いってめぐねえが。」
櫂「そう教えたんですか先生?」
佐倉先生「ええ。」
胡桃「くふふふふ・・・でも由紀の絵が下手過ぎ!」
櫂「ん?あ〜確かに!」
由紀「にゃ!にゃにを〜!?」
悠里「美紀さんも手伝ってあげてるのね?」
美紀「・・・他の活動もするって条件付きです。」
胡桃「お!由紀の落書きとは違って、やっぱり美紀は上手いな!」
由紀「む〜!」
佐倉先生「あら本当だわ。」
由紀「む〜めぐねえまで〜!」
胡桃「本読んでるのが美紀で・・・」
由紀「あ!これみーくんの友達だね?」
美紀「はい・・・私の大切な友達です。」
すると美紀はあの出来事を思い出した。
美紀『あの日、授業が早めに終わって、でも空があんまり青くて綺麗だったから、まっすぐ帰るのが勿体なくてちょっとだけ寄り道をした。』
それは美紀がまだ由紀達と出会う前の事だった。美紀が1人の友達と寄り道していた。
???「美紀!早く〜!」
美紀「うん!」
2人が寄ったのはショッピングモールだった。
???「美紀は何処に寄る?」
美紀「私、欲しい本があるんだ。」
???「よぉし!本屋ね!じゃあその後ゲーセン寄って良い?」
美紀「勿論。」
すると美紀はあるニュースを観た。それは玉突き事故のニュースだった。
???「またプリクラ撮ろうよ!新しい機能付きの奴!」
美紀「あ!ちょっと待って!圭!」
圭「ん?」
少女の名前は「祠堂圭」。美紀の親友。この時2人は後に悲劇と出会う事は知る由も無かった。
美紀と圭はCDショップに来店し、圭がCDを買った。
女性店員「ありがとうございました。」
美紀が圭を見て少し笑った。
圭「何何?」
美紀「何でも無い。」
圭「む〜、何よ〜。」
その後2人は休憩所のベンチに座った。圭はポータブルCDプレーヤーで音楽を聴いてた。
圭「いや〜!やっぱりモノラルは良いね!」
美紀「今時ポータブルCDプレーヤーとか・・・」
圭「あ!馬鹿にして!絶対音が違うんだって!」
怒った圭は膨れっ面になった。
犬「ワンワン!」
そこに犬用のカートに乗ってる1匹の犬が吠えた。
圭「可愛い!君もCD派かな?」
犬「ワン!」
圭「ほら!」
美紀「え〜?」
お婆ちゃん「あら太郎丸。遊んで貰ったの?」
そこに飼い主のお婆ちゃんが来た。
圭「すみません。可愛くて。」
お婆ちゃん「良いのよ。此方こそありがとう。ほら、お姉ちゃんにさよならって。」
太郎丸「ワウン!」
この犬は太郎丸だった。太郎丸は飼い主のお婆ちゃんと一緒に美紀と圭にさよならした。
圭「じゃあねー!」
お婆ちゃん「またね。」
次に寄った所は本屋だった。圭が美紀の読んでる本を見る。
圭「凄〜い!これ読むの?」
美紀「翻訳版は読んだから、何とか読めるかなって。」
圭「ふぅ〜ん。」
しかし、そんな平和は続かなかった。
女性「きゃあああああ!!!」
突然ショッピングモールの1階が非常事態に包まれてた。人々が何者から逃げるように走ってる。
圭「何これ・・・?」
アナウンス『ご来店のお客様にお伝えします!ただいま店内にて、傷害事件が発生しました!現在事態の収拾に当たっておりますので、皆様におかれましては、慌てずに店員の指示に従って・・・』
すると途中でアナウンスが切れた。それと同時に警報が鳴り始めた。すると周りの人達が逃げ惑う。
圭「私達も行こ!!」
美紀と圭もモールから逃げようとするが、エスカレーターに行列が出来てた。
美紀「下は無理っぽい・・・」
圭「・・・あっち!」
今度はエレベーターで逃げる事に。エレベーターの前は空いていた。
美紀「すみません!エレベーター動いてますか!?」
男性「分からない・・・僕達も来たばかりなんだ・・・」
圭「そうですか・・・」
美紀「止まってるみたい・・・」
圭「え!?」
美紀「1階から動かないよ・・・」
エレベーターは全然動かなかった。しかしエレベーターが作動した。
美紀「動いた・・・!」
圭「きっと全部何かの間違いだよ・・・」
美紀「そう・・・だよね・・・」
2人はそう思って安心した。するとエレベーターが到着して扉が開く。
しかし2人の考えてる事は外れた。エレベーターの中に大量の血液が床に滲んで、複数の死体が倒れてた。人々は戦慄した。
そして美紀と圭は走って逃げ出す。圭は泣きながら美紀を引っ張って逃げる。
圭「何よあれ!?何なのよ!!」
そして美紀も泣きながら逃げる。ショッピングモールの中はもう絶望に陥ってしまった。
時間が過ぎて夕方になり、美紀と圭は試着室に入ってカーテンを閉める。
圭「さっきのエレベーターの人達・・・死んでたのかな・・・?」
美紀「多分・・・血がいっぱい付いてた・・・」
圭「火事や事故じゃ、あんな風にならないよね・・・?」
すると外から物音がした。何者かが2人が隠れてる試着室を襲った。
圭「きゃああ!!!」
その正体は太郎丸だった。太郎丸は圭の額を舐める。
圭「さっきのワンちゃん!」
太郎丸「ワン!」
圭「無事だったんだね!」
美紀「け、圭・・・その子、怪我してる・・・?」
圭「え?ううん、この子は怪我してないみたい・・・」
美紀「じゃあ、その血は・・・」
すると唸り声が聞こえた。カーテンを少し開けて見ると、得体の知れない者達が人を食っていた。その得体の知れない者達の中に変わり果てた飼い主のお婆ちゃんが居た。
時間が過ぎて夜になり、外でもショッピングモールの中でも無数の得体の知れない者達が徘徊していた。その者達の正体はゾンビだった。
美紀『何が起きたのか本当に理解出来たのは、もう少し先だった。ただ・・・取り返しの付かない事が始まったのは、分かった。』
そして美紀と圭と太郎丸は辛うじて生き延びており、人気の無い廊下にある部屋で静かに眠った。ドアの前には重い荷物で塞いでた。
そして翌朝。
美紀・圭「いただきます!」
朝食でコーンフレークを食べる。太郎丸は餌をガツガツ食べる。
美紀「伝染病、なのかな?・・・映画みたい・・・」
圭「病気なら、ワクチン、治療薬作ってるとか。きっと、外国からも軍隊や救助隊とか来るよね。」
美紀「・・・うん。」
圭「ま、くよくよしてもしょうがないよね。」
美紀「そうだね・・・」
そう思いながら朝食を食べ続ける。
美紀『でも、何時まで経っても、助けなんて来なかった・・・来る気配すら無かった・・・』
待ち続けて既に数日が経った。圭は1人でCDプレーヤーでラジオを聴く。
美紀「圭、何聴いてるの?」
圭「ラジオ・・・」
美紀「そっか。それ、ラジオも聴ける奴だもんね。」
圭「そうなんだけど・・・何でか、ずっと何処の局も入らないんだ・・・」
するとドアを叩く音が聞こえた。
美紀「圭・・・!」
圭「彼奴らだ・・・!」
それはゾンビ達だった。唸り声を上げながらドアを叩く。美紀と圭は2人で力いっぱい押す。ゾンビの力は強かった。すると音が鳴り止んだ。
美紀・圭「はぁ・・・」
2人はホッとした。すると圭が窓の外を見る。
圭「外に・・・出たいな・・・」
美紀「え!?そんな!!危ないよ!!」
圭「でも!ここも何時まで大丈夫か・・・」
美紀「圭・・・!」
落ち着かせようと美紀が圭の手を握る。圭が落ち着きを取り戻した。
圭「分かったよ・・・美紀・・・」
その夜、美紀と圭は手を握りながら寝る。圭は美紀を悲しそうな顔で見る。
それからまた数日が経ち、水もどんどん無くなって来た。
圭「私・・・やっぱり外に出たい・・・」
美紀「え・・・!?」
美紀「ここにはまだ、水も食料もあるんだよ?助けが来るまで一緒に頑張ろう?」
圭「外に出なきゃ、私達がここにいるって分からないじゃない・・・シャワーだって久し振りに浴びたいし・・・」
美紀「ここは、水道が使えるだけラッキーだったよ・・・」
圭「トイレの洗面台だけじゃない!!あんな汚い・・・」
遂に圭の怒りは頂点に達した。
美紀「ごめん・・・私・・・」
圭「食べ物だって・・・何時か無くなるんだよ・・・?そしたらどうするの・・・?」
美紀「それは・・・」
圭「何か私ばっかり・・・我儘みたい・・・」
すると圭が立ち上がった。
美紀「圭・・・?」
圭「トイレ・・・」
トイレに向かった圭。すると太郎丸が美紀に近か寄った。その夜、圭は美紀より早く寝た。美紀は圭を見てる。
そして同じ頃学校の寝室では、由紀と胡桃と悠里と櫂と佐倉先生が寝ていた。
由紀「凄い事思い付いた!!」
寝ていた由紀が突然起きて何かを思い付いた。デカイ声で胡桃と櫂と佐倉先生が起きた。
胡桃「何だよおい・・・」
佐倉先生「どうしたの・・・?」
櫂「おい由紀何だ・・・?」
由紀「すっっっっっっごく楽しい事だよ!!!」
胡桃「はいはい・・・何ですか・・・?」
佐倉先生「何・・・?」
櫂「楽しい事って何ですか・・・?幽体離脱ですか・・・?」
由紀「ふっふっふ〜!それは〜、部員4人とめぐねえで〜。」
2人がゴクリと息を飲む。
胡桃「4人とめぐねえで?」
佐倉先生「何かしら?」
櫂「何だ?」
由紀「後は明日のお楽しみ!!」
胡桃「アチョ!!!」
櫂「よっこらほい!!!」
胡桃と櫂が由紀の頭にチョップ攻撃した。
佐倉先生「2人共・・・」
すると悠里が起き上がった。
悠里「もう・・・五月蝿いわね・・・」
由紀「はううう〜〜〜〜・・・・」
チョップを受けた由紀が悠里に抱き付いた。
悠里「あらあらどうしたの?」
由紀「うう・・・胡桃ちゃんとかい君のチョップが旋毛に減り込んだ!」
胡桃「減り込むか!!」
櫂「俺達は殺人者か!!」
悠里「乱暴はめっ!」
由紀「ぐすん・・・」
櫂「このお子ちゃま娘が・・・」
胡桃「此奴が勿体振るからさ・・・」
佐倉先生「2人共落ち着いてね?」
胡桃「めぐねえまで・・・」
櫂「先生・・・」
由紀「だってだって、今言っちゃうより、明日も良い事あるって思える方が楽しいでしょ?」
胡桃「ぁ・・・分かったからそう言うのは寝る前にな。」
櫂「ほんじゃおやすみちゃん。」
悠里「そうね。早く寝ましょうか。」
由紀「はぁーい!」
佐倉先生「おやすみ。由紀ちゃん。」
由紀「おやすみめぐねえ!」
電気を消して再び寝ようとするが、由紀がまた声を出した。
胡桃・櫂「寝ろ!」
由紀「だって〜。」
胡桃「五月蝿くて寝れねえだろうが。ねえりーさん?」
櫂「ん?・・・悠里?」
悠里「すぴー。」
胡桃「流石りーさん・・・」
櫂「早くも夢の中を楽しんでらっしゃるな。」
悠里「すぴー。」
そして翌朝。美紀と圭が寝ている部屋では、圭が何かを準備していた。美紀が起きた。
美紀「何・・・してるの・・・?」
圭「私、行くよ。」
美紀「え・・・?行くって、出てくって事・・・!?」
圭は何も言わずに行こうとする。
美紀「ねえ!」
行こうとする圭を止める。
美紀「待ってよ!」
圭「ねえ、美紀はずっとここで暮らしていくつもりなの?」
美紀「それは・・・」
言い返せない美紀を見て、圭は積んでる荷物を退かした。そこに太郎丸も心配しそうな顔で圭を見てる。
美紀「太郎丸・・・」
荷物を退かした圭はドアを開けて警戒する。
圭「今なら大丈夫そう。」
美紀「圭・・・!」
行こうとする圭の手を握る。
圭「部屋に閉じこもって・・・生きていればそれで良いの・・・?」
美紀「ぁ・・・」
圭「大丈夫・・・絶対に助けを連れて来るから。それまで、これ預かっておいて。」
CDプレーヤーを預けて欲しいと言ったが、美紀は首を振って否定する。圭はCDプレーヤーを床に置いた。
圭「じゃあね・・・」
そして圭は出て行ってしまった。
太郎丸「ワン!ワンワン!」
CDプレーヤーを嗅ぐ。
太郎丸「ワン!ワン!」
美紀「静かにして!!!!」
怒鳴られた太郎丸が美紀から逃げようとする。逃げる太郎丸を美紀が捕まえて離さない。
美紀「ごめんね・・・ごめんね・・・」
その頃学園生活部では、朝食の準備をしていた。炊飯器を開けると炊き立ての白米が。
櫂「う〜ん!いやあやっぱ米良いね!日本の誇りだ!」
佐倉先生「市川君、お茶椀取って来てくれる?」
櫂「了解です。」
悠里がお茶椀に白米を盛る。そこに起きた由紀が来た。
由紀「おはよー!」
悠里「おはよう由紀ちゃん。」
佐倉先生「由紀ちゃんおはよう。」
由紀「あ!ご飯だ!」
悠里「缶詰あるから好きな種類選んでね。」
由紀「ん?ああ!大和煮!まだあったんだ〜!」
するとそこに胡桃も来た。
胡桃「おはよー。」
櫂「お!胡桃おはようさん!」
由紀「ねえ胡桃ちゃん!見て見て!大和煮!」
胡桃「ん?ああ。」
由紀「朝から牛だよ!?ぜ、贅沢〜!!」
胡桃「昭和かよ。」
悠里「大事にね。それ大和煮最後だから。」
由紀「え?う〜ん。ねえ!これ皆で食べよ!?」
胡桃「え?」
悠里「由紀ちゃんが食べて良いわよ。」
佐倉先生「そうね。」
由紀「ダメだよ!最後の1個なら皆で分けるの!」
悠里「・・・じゃあ、他の缶詰も全部5当分にしましょうか。」
胡桃「だな!」
櫂「良いね!」
佐倉先生「ええ!」
由紀「うん!!」
缶詰を全部開けて5人分に分ける。
5人「いただきま〜す!」
早速由紀が大和煮を食べる。
由紀「はぅ〜!美味しい〜!」
悠里「由紀ちゃん朝からご機嫌ね。」
由紀「うん!」
そして櫂は大和煮を口に入れて白米と一緒に食べる。
櫂「あ〜良いね〜。おかずと一緒に噛む米は。」
胡桃「お前もご機嫌だな。」
櫂「まあな。飯と言えば、海軍は毎週金曜の昼飯は必ずカレーだしな。」
由紀「え?そうなの?」
櫂「ああ。海軍と言う部隊は、基本的には海の上での仕事なのは皆知ってるだろ?」
由紀「うん。」
櫂「陸に居る時は問題無いが、訓練で海に出るとな、海しか見えない日々が続くからな。そこで、曜日の感覚が狂ってしまう事の防止策として、『毎週土曜日の昼食はカレー』となったとの事だ。昔は日曜日だけが休日だったからな。1週間の締めくくり、午後の仕事で休みに突入!となるように、土曜日の昼食になってたんだ。まあ今は金曜の昼食がカレーなのだから、これも時代の流れによるものだ。だから海上自衛隊も、今では週休二日制だから、休みの前日である金曜日の昼食がカレーの日になったんだ。」
由紀「そうだったんだ〜!じゃあ毎週金曜カレーが食べたいな〜!」
佐倉先生「由紀ちゃんそれはちょっと・・・」
胡桃「にしても櫂、お前軍隊について詳しいんだな。」
櫂「親父と爺ちゃんが元軍隊だったからな。そう言えば由紀、昨日の夜何か思い付いたって言ってたよな?」
由紀「はっ!そうだった!昨日の夜凄い事思い付いたんだった!!」
悠里「へぇ〜、何かしら?」
すると由紀が立ち上がり高らかに宣言した。
由紀「遠足行こう!!遠足!!」
胡桃「遠足?」
櫂「何で遠足なんだ?」
由紀「今は遠足には持って来いの季節じゃない?」
櫂「それだけかよ。」
悠里「由紀ちゃん・・・」
由紀「ね!良いアイデアでしょ?」
悠里「お行儀が悪いわ。」
由紀「お、おっとと。」
悠里「それと忘れたの?学園生活部の規約で、学校出ちゃダメだって。」
佐倉先生「そうね。由紀ちゃん少しは考えた方が良いと思うよ?」
由紀「ふっふっふ〜!私、気付いちゃったんだ!学校を出てはならない。しかし例外もある!学園行事なら外に出た事にはならない!」
釈明してドヤ顔した。しかし皆の反応は皆無。
由紀「よね!?よね!?」
胡桃「いやいや可笑しいだろ・・・遠足って部でやるもんじゃないから。」
櫂「そうそう。遠足はクラスでやるもんだろ。」
由紀「胡桃ちゃんとかい君は頭が固いね。私達の後で道が出来るんだよ?」
胡桃「アチョ!!」
櫂「どっせい!!」
悠里「そうね、じゃあ提出用の文章を作りましょう。めぐねえに見て貰わないと。」
佐倉先生「今から作るの?」
由紀「じゃーん!実はもう作ってたりして!」
既に由紀が文章を完成させていた。
胡桃「・・・」
櫂「何で毛虫が?」
悠里「そうね。これ見て貰ったら良いんじゃないかしら。」
由紀「うん!じゃあめぐねえ、お願いします。」
佐倉先生「はい。」
提出用の文章を拝見する。
佐倉先生「はい。受け取りました。」
由紀「あ!やったー!」
悠里「良かったわね。由紀ちゃん。」
櫂「許諾早。」
胡桃「ほんじゃ、しょうがないな。」
由紀「えへへへ。」
櫂「あ、でも先生、移動はどうします?遠足と言ってもバス無いですし。」
佐倉先生「私の車なら4人行けるはずよ?」
由紀「めぐねえの車に乗せて貰えるの!?」
佐倉先生「でも運転久々だから、ちょっと緊張しちゃうわ。」
胡桃「じゃ、私が運転するか。」
由紀・佐倉先生「えーーー!?」
由紀「胡桃ちゃん運転出来るの・・・?」
胡桃「ん?大丈夫だよ。私の方がめぐねえより絶対運転上手いから。」
櫂「いやそもそもお前無免許だろ?」
由紀「あ〜そうだね。」
佐倉先生「ちょちょちょ!」
櫂「納得すんな!」
由紀「ああ、ごめんめぐねえ。」
悠里「まあ、いざと言う時の為に胡桃も運転慣れしてた方が良いですよね先生?」
佐倉先生「た、確かにそうだけど・・・」
由紀「でも何時免許取ったの?」
胡桃「ハッハッハ!」
佐倉先生「私の車・・・」
悠里「でも、4人だと櫂君は乗れないんじゃ・・・」
櫂「あ、心配すんな。俺バイクの免許持ってるから。」
由紀「え?そうなの?」
櫂「ああ。高校入学と同時に取得したからな。駐輪場に置いてある。俺の移動は俺のバイクで行く。」
由紀「じゃあ決まりだね!」
そして地図を作って作戦を立てる。
悠里「1番駐車場に近い安全圏は、2階バリケード手前の家庭科室だけど。」
胡桃「そっから梯子で降りるのが、車と櫂のバイクまでの最短距離だな。」
櫂「そうなるな。」
悠里「ジャベル背負って全力疾走よ?」
胡桃「イケルイケル。」
櫂「よし。由紀、佐倉先生、準備完了です。」
佐倉先生「分かったわ。」
由紀「はぁーい!」
佐倉先生「じゃあ恵飛須沢さん、鍵を渡すわね。」
胡桃「サンキューめぐねえ。櫂も鍵あるか?」
そして櫂はウエストポーチからバイクの鍵を確認する。
櫂「ああ。バッチリだ。」
悠里「気を付けてね。」
胡桃「うん!じゃあ行って来る!」
櫂「それまで待合室で待ってろよ。」
そして夕方になり、胡桃と櫂が梯子前に立つ。胡桃は髪を結び、櫂はベレッタM92とデザートイーグルをホルスターから取り出して、マガジンを挿入する。
櫂「いよいよだな胡桃。」
胡桃「ああ。油断するなよ櫂。」
櫂「分かった。」
そして胡桃と櫂の順び梯子を降りて着地する。
胡桃「ヨーイ・・・」
櫂「ドン!!!」
合図とともに全速力で駐車場へ走る。途中でゾンビが立ち塞がるが、胡桃がシャベルでゾンビを倒した。
胡桃「鬱陶しいな!」
そして櫂の前に2体が塞いだが、拳銃を同時に銃弾を撃って2体の脳幹に直撃させた。
櫂「天国へ逝ってらっしゃい。」
その頃由紀と悠里と佐倉先生はバリケードから出て見付からないように移動する。
由紀「階段工事中なの?」
悠里「そうね。」
佐倉先生「由紀ちゃん、逸れないようにね。」
その頃胡桃と櫂は。
胡桃「ああ!!」
途中で胡桃が飛ばされて後ろに倒れた。シャベルが花壇の奥に飛んで行ってしまった。
櫂「胡桃!」
胡桃にゾンビが襲い掛かる。しかし櫂がデザートイーグルで倒した。
櫂「早く拾え!」
胡桃「分かってる!」
すぐにシャベルを拾いに行く。しかしゾンビ達が胡桃を囲む。すると胡桃は笑みを浮かべてシャベルを拾う。
胡桃「だあああああ!!!」
そして花を利用して油断させた。ゾンビが油断してる隙にシャベルで振り払った。
櫂「やるねえ胡桃!俺も最高のパフォーマンスを見せてやるか!」
早速櫂が高速回転する。
櫂「胡桃!避けろ!」
胡桃「え!?」
するとベレッタM92とデザートイーグルを乱射した。
胡桃「うわ!!」
銃弾が周りのゾンビを蹴散らす。胡桃はシャベルを使って防いだ。
胡桃「危ねえだろ!」
櫂「おっと失礼!それより早く行こうぜ!」
その頃由紀達は玄関に到着した。
由紀「玄関も工事中?」
悠里「そうね。他のクラスは授業中だから静かにね。」
佐倉先生「2人が来るまでここで待とうね。」
由紀「はーい。」
悠里(胡桃・・・櫂君・・・)
その頃胡桃と櫂は駐車場に到着した。
胡桃「やべえ!」
櫂「どうした?」
胡桃「めぐねえのってどれだ?」
櫂「しまった!聞けば良かった・・・」
するとゾンビ達が2人を見付けた。
櫂「おっと!胡桃!早くしてくれ!」
胡桃「分かってる!」
櫂「おーいお客さん!俺とサンバ踊ろうぜー!」
標的を櫂に集中して襲い掛かるが、櫂は銃弾を連射する。
胡桃「落ち着け・・・落ち着け・・・すぅ〜、はぁ・・・」
深呼吸して集中する。そして佐倉先生の車を発見した。バックミラーに結んでるクマがあった。
胡桃「あれだ!櫂!見付かったぞ!」
櫂「本当か!じゃあ俺も行くか!」
胡桃「あ、やば・・・!」
しかし無数のゾンビが2人を囲んだ。
櫂「おいおい彼奴ら元気過ぎるだろ。」
胡桃「よっと!」
すると胡桃が車の上に乗った。
胡桃「櫂!こっちだ!」
櫂「よっしゃ!」
そして櫂も車の上に乗ってジャンプして移動する。
胡桃「ご、め、ん、な、さーい!!」
そして胡桃が佐倉先生の車に乗ってエンジンを噴かす。
櫂「胡桃が入ったな。俺も行くか!」
そして櫂は自分のバイクに跨って、鍵を挿入してエンジンを噴かす。
その頃由紀達は2人を待っていた。するとエンジン音が聞こえた。胡桃と櫂が到着した。
櫂「お待たせお客さん!歓迎の車へお乗り下せい!」
悠里「ええ!」
3人が車に乗る。助手席に悠里、後部座席に由紀と佐倉先生が乗る。
胡桃「しっかり掴まってろよ!」
悠里「待って!シートベルトを!」
由紀「待って待って!」
佐倉先生「私の車、ぶつけないように気を付けてね?」
シートベルトを装着。
由紀「ふぅ〜。」
窓を開ける胡桃。
胡桃「櫂!準備良いか!?」
櫂「OKだ!それとこれ預けておいてくれ!」
フルフェイスヘルメットを投げ渡す。
胡桃「おっと!」
悠里「ヘルメット?」
櫂「俺ノーヘルに憧れてたんだ!」
胡桃「そっか!怪我するなよ!」
櫂「承知!」
由紀「胡桃ちゃん、運転本当に出来るの?」
胡桃「何時もとちょっと感覚違うけど、まあ任せろって!」
由紀「違う?」
胡桃「何時もはハンドルコントーラーじゃなくて、パッド派だからな。」
佐倉先生「え?それってゲームの・・・」
櫂(おいおいマジかよ。)
由紀・悠里・佐倉先生「えええええ!?」
胡桃「大丈夫だって!私の華麗なスピン見せてやるぜ!!櫂!行くぞ!」
櫂「ラジャー!!」
アクセルを全開にして走り出す。
悠里「スピンはしちゃダメよ!!」
佐倉先生「私の車が・・・」
櫂「良い感じだ!」
悠里「胡桃!」
胡桃「任せろ!」
櫂「俺が前を蹴散らす!付いて来い!」
胡桃「分かった!」
そしてアクセルペダルを力強く踏む。そして櫂はアクセルグリップを限界まで捻って車の前を走る。そして左手でベレッタM92をゾンビ達に撃つ。
櫂「おらおらそこで寝んねしてな!!」
胡桃「抜けるぞ!!」
そして全員がグラウンドを抜けて、街中を走る。
胡桃『昔観た映画の、エンディングみたいだった。車に乗った2人、遥か地平線の彼方に続く道。過去を捨てた2人は、夕日の中へ旅立つ。そんな感じの奴。』
その頃美紀は、何時の間にか寝ていた。しかしある事に気付いた。
美紀「太郎丸・・・何処・・・?あ。」
何と太郎丸の姿が無かった。ドアの方を見ると、通気口が開いてる事に気付いた。
美紀「太郎丸・・・!?」
「END」
キャスト
丈槍由紀:水瀬いのり
恵飛須沢胡桃:小澤亜李
若狭悠里:M・A・O
直樹美紀:高橋李依
佐倉慈:茅野愛衣
太郎丸:加藤英美里
市川櫂:村瀬歩
祠堂圭:木村珠莉
店員:芳野由奈
おばあちゃん:伊沢磨紀
客A:山本兼平
客B:手塚ヒロミチ
客C:天崎滉平
「次回予告」
由紀「めぐねえそのクマ好きだよね?」
佐倉先生「グームちゃんよ?可愛いでしょ?」
由紀「う〜ん、めぐねえって本当に。」
佐倉先生「本当に?」
由紀「子供っぽいよね!」
佐倉先生「先生です!」
由紀・佐倉先生「次回!がっこうぐらし!第5話!であい」