美紀『避難区画には薬があるって書かれてるんです。』
そして遂にゾンビ達がバリケードを破壊した。
その頃由紀は雨が降る外を見て佇んでた。するとあの時を思い出した。
由紀「う・・・うう・・・!」
あの時を思い出した瞬間頭痛が走った。すると謎の唸り声を聞いた。そこにゾンビが現れた。
由紀「誰・・・?」
そのゾンビは、クラスメイトの貴依と酷似していた。
由紀「うわあああああああ!!!」
寝室で悠里達が由紀の叫び声を聞いた。
佐倉先生「由紀ちゃん!?」
圭「由紀先輩!?」
慶彦「由紀さん・・・まさか・・・」
悠里「由紀ちゃん・・・由紀ちゃん・・・どうしたの・・・?」
そこにゾンビが現れた。しかし悠里達に気付く事なく去って行った。全員に戦慄が走った。
そして美紀も同じだった。そこにゾンビ達が現れた。
美紀「え・・・?」
櫂「まさか・・・バリケードが・・・!美紀さん逃げろ!」
しかし美紀は恐怖のあまり動けなかった。櫂が拳銃を取り出そうとするが。
櫂「しまった!!」
手を滑らせて落としてしまった。ゾンビが美紀を襲おうとしたその時。
由紀「みーくん!!」
そこに由紀が美紀を押し倒して救った。
由紀「かい君!」
櫂「分かってる!」
シグザウエルP220とデザートイーグルを拾ってすぐにゾンビを撃ち殺した。
櫂「お前らの行き先は天国だ!」
そして2丁拳銃で周りのゾンビ達を駆逐した。
難を逃れた3人は部室に立て籠もった。しかし別のゾンビが部室のドアを叩く。
由紀「大丈夫だよ・・・鍵閉めたから・・・誰も入って来れないから・・・」
櫂「向こうでも鍵を掛けてるだろうな。」
同じ寝室でも悠里が鍵を閉めた。
胡桃「がああああああ!!!」
しかしその間にも胡桃の異常が激増した。感染が止まる事なく進行しており、激しく暴れる。
佐倉先生「恵飛須沢さん・・・」
慶彦「このまま私達が料理されるの待てと言うのか・・・」
屋上でもゾンビが増殖していた。すると落雷が落ちて避雷針を壊した。そして避雷針が落ちた先には発電機はあった。避雷針が発電機に刺さると停電がした。
由紀「うわあ!」
停電に驚いて美紀に抱き付く。
由紀「だ、大丈夫・・・大丈夫だから・・・」
美紀(このままじゃ・・・そうだ・・・薬取りに行かなきゃ・・・薬・・・人間に効く薬なら太郎丸にも・・・)
そして美紀は由紀を慰める。
美紀「由紀先輩。」
由紀「何・・・?」
美紀「らしくないですよ。」
由紀「みーくん・・・?」
美紀「お願いですから、何時もみたいにバカな事を言って下さい。楽しい事、教えて下さい。」
由紀「え〜?バカな事って、酷いよみーくん・・・」
美紀「そうですか?」
由紀「先輩に対するビスケットが足りない!」
櫂「おい由紀、それを言うならリスペクトだろ?」
由紀「ああ、そうリスが足りない!」
櫂「言えてねえ・・・」
美紀「ふふふふ。」
由紀「胡桃ちゃんの病気が良くなったら、また遠足に行こ?プールじゃなくて皆で海にも行きたい。秋には焼き芋を食べたい!それから、冬になったらスケートやスキーも良いよね!今年は良い雪が降ると良いな〜!」
櫂「由紀が雪の話をしてるな。」
由紀「う〜んと、えっと〜、それとね!くるみちゃんとかい君サイクリングしたり、りーさんとめぐねえと買い物に行ったり、みーくんと圭ちゃんと美味しい物を食べたり!あ!勿論太郎丸と一緒に!」
美紀「ぁ・・・」
すると美紀が立ち上がった。
由紀「みーくん?」
美紀「私達、行きます。櫂先輩行きましょう。」
櫂「あ、ああ。」
美紀「由紀先輩はこの部屋から出ないで下さいね。」
櫂「部屋から出たら偉い事になるぞ。」
出発の準備をする。
由紀「みーくん!かい君!私も一緒に!」
美紀「絶対にダメです!」
そして由紀が持ってる胡桃のシャベルを持つ。
美紀「もし、太郎丸が戻って来れた時に誰も居なかったら可哀想じゃないですか。」
櫂「そうだな。太郎丸が泣くぞ?」
鍵を開けてドアを開く。
美紀「部屋の電気、消えてた方が呼び寄せないみたいですね。」
櫂「そうみたいだな。俺達が出たらすぐに鍵を閉めてくれ。良いか?」
美紀「それじゃあ、直樹美紀。行って来ます。」
櫂「市川櫂少尉。行って来るぜ。」
由紀「みーくん・・・かい君・・・やっぱり私も!」
しかし2人が廊下に出てドアを閉めた。
由紀「みーくん・・・かい君・・・」
そして櫂と美紀は廊下を走る。
美紀「うわあああああああ!!!」
目の前のゾンビをシャベルで駆逐した。しかしゾンビはまだ生きてた。
美紀「嘘!?」
しかし櫂が拳銃で駆逐した。
櫂「急ごう!」
美紀「あ、はい!」
すぐに地下へ向かう。
美紀(こんなに重かったんだ・・・胡桃先輩・・・何時もこんな・・・)
???「櫂!美紀さん!」
2人「え!?」
後ろから慶彦と圭が走って来た。
櫂「親父!?」
美紀「圭!?」
慶彦「圭さんが美紀さんに渡したい物があるって来たんだ。」
美紀「私に?」
圭「美紀、これを・・・」
渡したのは圭が愛用してるCDプレーヤーだった。
美紀「これを?」
圭「何か役に立てると思って・・・美紀、絶対に生きて帰って来て?」
美紀「圭・・・大丈夫。絶対に帰って来るから。今度は私が圭を守る番だから。」
圭「美紀・・・うん!」
慶彦「櫂、無事に帰って来いよ?」
櫂「任せろって。もし死んだら俺を供養してくれ。」
慶彦「ああ。お前の墓は太陽の下に立ててやるよ。」
美紀「じゃあ圭、行って来る!」
櫂「行って来るぜ親父!」
2人は再び地下へ向かう。
そして部室では胡桃の感染は止まらないままだった。悠里の戦慄が上昇していた。
佐倉先生「このままじゃ・・・」
すると悠里があの言葉を思い出した。
胡桃『もし私が感染したら、迷わないで欲しい。約束してくれ・・・』
その頃櫂と美紀は物陰に隠れた。
櫂「美紀さん、大丈夫か?」
美紀「ええ・・・」
櫂「にしても彼奴ら、わかめみたいにどんどん増えてるな・・・」
すると美紀は掲示板に貼ってある体育祭のポスターを見た。
美紀(気が付いたら、沢山の思い出があった。楽しい事、暖かい事、希望、負けられないよね。)
櫂「大丈夫だな。行こう。」
そして屋上の発電機が炎上したと同時に爆発した。発電機の近くに居たゾンビ達が巻き込まれて炎に包まれた。炎に包まれた1人のゾンビが倒れ、側にあった菜園が燃え上がった。
その頃櫂と美紀は必死に走った。しかし、階段を登るゾンビ達を発見した。横のバリケードの奥からもゾンビ達が居た。
櫂「くそ!」
拳銃で周りを駆逐した。しかしまだ増え続けるばかりだった。
櫂「これ以上撃ったら弾が無駄になる・・・」
美紀「大丈夫です。」
CDプレーヤーを再生して、バリケードの上に置いた。
櫂「流石だ。」
美紀「行きましょう。」
その頃由紀は部室で留守番してた。
そして櫂と美紀はゾンビ達を駆逐していた。駆逐させて地下へ向かう。
美紀(焦るな!でも急げ!)
そして悠里はまだ戦慄していた。そして遂に決心した。包丁を持って胡桃を刺し殺そうと振り上げる。
佐倉先生「悠里さん!止めて!」
その頃櫂と美紀は遂に地下に来た。
櫂「美紀さん、こっちだ。」
そして3人でゾンビ達と戦った場所へ行く。すると前にゾンビ達が立っていた。
櫂「くそ、まだ生き残りが居たか・・・でも以前より少ないな・・・」
美紀「櫂先輩、どうします・・・?」
櫂「一旦退散だ。」
その場を退散して作戦を立てる。
櫂「良いか?俺が後ろから援護する。その間に美紀さんが薬がある部屋へ走る。チャンスは一度だけだ。良いな?」
美紀「・・・分かりました。」
そして再びゾンビ達の前に立つ。
櫂「ミッションスタート!」
そして拳銃を発砲した。
同じ頃由紀の頭に何か走り、圭のCDプレーヤーがバリケードから落ちて破損した。
その頃櫂と美紀は薬のある部屋に到着した。
美紀「ここが・・・」
櫂「この中に薬があるはずだ・・・」
するとその時サイレンが鳴り始めた。次の瞬間地下の電気が赤になった。
アナウンス『警告、警告!電力低下により、地下避難区画は非常電源に切り替わりました。』
警告音を聞いたゾンビ達が音がした方へ歩く。
美紀「ここの何処かに薬が・・・」
櫂「ん?美紀さん、彼処に不審なケースがあるぞ。」
床に落ちてあるケースを開けると、入ってたのは救急箱だった。
美紀「鎮静剤、抗生物質、初期感染者用実験薬・・・これだ!これで胡桃先輩が助かる!」
救急箱が入ったアタッシュケースを櫂が持つ。
櫂「結構重いな。」
美紀「大丈夫ですか?」
櫂「ああ。それじゃあ早くこの暑苦しい場所から脱出するか。」
一方その頃由紀は別の世界に入ってた。以前の平和な学校に居た。人混みの中を歩く。
由紀『すみません!ちょっと通して下さい!待って!皆何処へ行くの!?』
目線の先には胡桃達が歩いてた。しかし由紀の存在に気付いていない。
由紀『ねえ待って!置いてかないで!!』
佐倉先生『丈槍さん?』
由紀『え?』
後ろに佐倉先生が立っていた。
佐倉先生『何大きな声出してるの?』
由紀『めぐねえ・・・?』
佐倉先生『めぐねえじゃありません。佐倉先生でしょ?』
由紀『はぁ〜い・・・』
佐倉先生『良いから早く教室に入りなさい?』
由紀『でも皆が・・・』
佐倉先生『皆教室に居るわよ?』
由紀『そっか!』
ホッと安心した由紀が教室のドアを開ける。
由紀『皆!お待たせー!え・・・!?』
しかしそこで戦慄の光景を目にした。無惨に荒らされた教室に胡桃達が立っていた。由紀はその光景を見て声も出なかった。すると由紀が目を覚まして現実に戻って来た。
由紀「今のは・・・」
その頃櫂と美紀が地下を走ってた。大量の救急箱が入ったアタッシュケースを櫂が持ってる。しかし目の前にゾンビ達が現れた。
美紀「そんな・・・時間が無いのに・・・!」
櫂「くそ!此奴ら元気過ぎるだろ!」
別ルートを走る。しかし壁からゾンビが出て来た。追い詰められた2人。すると美紀が後ろのドアを開けた瞬間、何かが出てそのまま走り去った。
美紀「今のは・・・?」
櫂「何だ・・・?」
すぐに部屋に入って鍵を閉める。
美紀「早く戻って薬を届けないと・・・胡桃先輩が・・・」
櫂「マガジンも少なくなって来た・・・だがまだだ!」
懐からベレッタM92を取り出してゾンビ達を駆逐する。
櫂「飯はまだあるぜ!」
美紀「何処か抜け道は・・・ここ、丸であの部屋みたい・・・」
それは圭と2人で閉じ籠ったあの部屋とそっくりだった。
美紀「どうしてよ・・・彼処から抜け出せたはずなのに・・・ここで終わりなの・・・?結局・・・こんな狭い部屋の中・・・何処にも逃げ出せない・・・助けも来ない・・・」
櫂「このままお陀仏になってたまるか!」
その頃悠里は、包丁を落としてその場に崩れた。結局胡桃を殺す事は出来なかった。
悠里「ごめんなさい・・・」
慶彦「悠里さん・・・」
圭「悠里先輩・・・」
佐倉先生「悠里さん・・・」
そして櫂と美紀が塞いだドアが破壊された。
それと同時に由紀に、何かが目覚めた。
由紀「私・・・行かなきゃ・・・行かなきゃ!学園生活部が終わっちゃう気がするんだ!ん?」
棚の上から何かが落ちて来た。それは佐倉先生からの手紙だった。
由紀「手紙・・・?」
手紙の中を見ると、放送室へのルートが書かれてた。
由紀「放送室?」
そして裏には、「皆を助け出せるかも知れない。」と書かれてた。
由紀「ありがとうめぐねえ。」
近くにあった金属バットを持つ。
由紀「重!」
ドアを開けて手紙を頼りに廊下を歩く。
由紀「(この辺もう居なくなってるね・・・さっき大きなサイレン聞こえたけど、そっちに行っちゃったみたいだね・・・)私・・・また皆に会えるかな・・・?それとも・・・」
すると由紀は幻を見た。それはバリケードを作ってる昔の自分達の幻だった。
胡桃『大分進んだけど、脱出路の確保はまだまだ遠いな。』
悠里『そうね。1階はまだ時間が掛かりそうね。』
由紀『うわ!』
机を運んでる最中に由紀が倒れた。
佐倉先生『大丈夫?』
由紀『ごめんなさい・・・』
佐倉先生『誰も責めてないわよ?』
由紀『私ドジだし・・・力も無いし・・・居るだけで皆の足手纏いだよね・・・迷惑だよね・・・』
佐倉先生『ううん。そんな事無い。由紀ちゃんにだって、誰にも負けない取り柄があるじゃない。あなたの笑顔って素敵よ?皆に元気をくれるもの。』
由紀『本当・・・?』
佐倉先生『勿論!だって、私が何時も由紀ちゃんから元気を貰ってるんだもの。きっと皆もそう。だから、先生と約束して?この先何があっても、その笑顔忘れないで?由紀ちゃんの事は、先生がずっと見守っててあげるから。』
由紀『ずっと・・・?』
佐倉先生『ええ。』
由紀『じゃあ!私頑張る!凄く頑張る!』
胡桃『おいおい!笑顔も頑張る物じゃねえだろ?』
悠里『そうね。』
由紀『そうだね!』
その幻を見て由紀が涙を流した。ふと目を開けると、幻が無かった。そして由紀は泣くのを止めて勇気を取り戻した。
由紀(めぐねえ、私頑張るよ!)
「END」
キャスト
丈槍由紀:水瀬いのり
恵飛須沢胡桃:小澤亜李
若狭悠里:M・A・O
直樹美紀:高橋李依
祠堂圭:木村珠莉
佐倉慈:茅野愛衣
太郎丸:加藤英美里
市川櫂:村瀬歩
市川慶彦:竹内良太
「次回」
美紀「楽しかった運動会!」
胡桃「皆で行った遠足!」
悠里「屋上プールの水泳大会!」
櫂「はしゃぎ回った日常!」
圭「迎い入れてくれた部活!」
由紀「皆大切な思い出です!」
全員「次回!がっこうぐらし!最終話!そつぎょう!」
佐倉先生「またね。」
慶彦「じゃあな。」
太郎丸「ワン!」