神威達が旅館に戻り廊下を一人で歩いていると殺せんせーと会った。
殺せんせー「神威君……あの時のことを…」
神威「話す気は微塵もねぇ。それと、あいつらにも伝えとけ。広めんなって」
殺せんせー「分かりました磯貝くんや前原くんにも伝えておきます...
それとね神威くん」
神威「?」
殺せんせー「せっかくの修学旅行なんですからもう少し楽しみましょう?」
神威「…分かったよ」
神威は頷いた。
殺せんせー「ヌルフフフフ!!あぁそれと旅館の部屋割りが決まったので見ておいて下さい」
神威「ん?〜
...おい」
殺せんせー「はい?」
神威「なんで俺が女部屋なんだぁ…?」
そう言いながら神威はナイフを殺せんせー目掛けて思いっきり振った
殺せんせー「ニュヤー!!!だって神威くんその見た目だと男子達の部屋はちょっ…
神威「死ね」
殺せんせー「ニュヤー!!」
ナイフを当てようとしたがにげられてしまった。
神威「....風呂にでも入るか...」
神威がまた廊下を歩いていると矢田と会った。
矢田「あ、神威君!どうしたの?」
神威「矢田か、いや風呂に入ろうかと思っていた」
矢田「それなら私も丁度入るところだけど一緒に行く?」
神威「あぁ」
移動中〜
矢田「ねぇ神威くん」
神威「?」
矢田「あの、あの時助けてくれてありがと」
神威「.別に...あれは偶々俺がいいタイミングで起きただけだ...」
矢田「でも、助けてくれたのは事実だから…本当にありがとう!」
矢田の笑顔に神威は頬を染める。
神威「…///」
二人が話してるともう大浴場に着いた。
神威「じゃあ...俺こっちだから...」
神威が男湯に入ろうとすると
従業員「お客様!女湯はそちらです!こちらは男湯ですので!!」
神威「え…」
抵抗する暇もなく神威は女湯に入れられてしまった。
神威「なんで...」
矢田「まぁ仕方ないとりあえず入ろう」
神威「...」
〜風呂にて〜
現在風呂には神威と矢田しか入っておらず、他の生徒は男女それぞれの部屋で休んでいた。
今二人は湯船に浸かっていた。
「ふぅ〜疲れが取れる〜。神威くんもう少しこっち来なよ」
神威は矢田と少し距離を置いて浸かっていた。神威は風呂の時でもサラシを解かなかった。
「別にいい…」
矢田の誘いに断る。すると、矢田は何かを思いつきこっそりと 神威に近づいた。
そして
「えいっ!」
「!?」
矢田は神威の背後まで近づくと手を回し抱きついた。いきなり抱きつかれた事により、神威の顔は真っ赤に染まる。
「は…離せ…」
「い〜や♪」
フニュ
矢田は更に身体を密着させてきた。矢田の胸が神威の背中に当たり形を変形させる。
「お…おい…」
「ふふ♪」
神威の普段見せない反応に矢田は面白がっていた。すると、少しずつ神威の体温が上がってきた。
「…熱い」
「あ…ごめん」
流石にやり過ぎたのか、矢田は抱擁をやめた。
「はぁ…俺はもう出る。じゃあな…」
「うん」
そう言い神威は一足先に早く風呂を上がった。
ーーーーーーー
矢田も風呂を上がると脱衣所に出る。そこには既に神威の姿は無かった。
「早いな。もう行っちゃったのかな?」
自分も着替えると部屋へと向かっていった。
「ふぅ…気持ちよかった〜」
「お?お帰り」
部屋に戻ってきた矢田を倉橋が迎える。
「あれ?神威君は?」
部屋に戻っても、神威がいない事に疑問に思い皆に尋ねた。
「何か帰ってきた途端にどこか行っちゃったよ?」
「そっか」
〜しばらくして
片岡「え?好きな男子?」
中村「そうよ!こういう時はそんな話で盛り上がるものでしょう?」
倉橋「はいは〜い!私は烏間先生!」
中村「はいはい皆だいたいそうでしょう。クラスの男子での例えばよ」
倉橋「え〜」
中村「うちでマシなのは磯貝と前原くらい?」
片岡「そうかな〜...」
中村「そうだよ前原はたらしだからしょうがないとしてクラス委員の磯貝は優良物件じゃない?」
矢田「顔だけならカルマくんとかかっこいいよね」
岡野「素行さえよければねぇ...」
女子全員「「「そうだねぇ〜...」」」
奥田「あ、でも普段はおとなしいですよ」
速水「野生動物か...」
茅野「神崎さんは?」
神崎「いや...私は別に」
茅野「えー?本当かー!」
そう言い茅野は神崎をくすぐりはじめる。すると茅野は何か思い出したのか神崎のくすぐりをやめると矢田へと目を向けた。
茅野「そう言えば矢田さん……今日神威君に抱きついてたね〜?」
岡野「あ〜!あの時ね!」
矢田「え!?ちょちょちょ……ちょっと!ここでその話は!」
いきなり自分があの時神威に抱きついたことを話され矢田は赤面した。
すると中村はニヤニヤしだし矢田の肩に手を回した。
中村「おやおやおや〜?それは面白い事を聞いたね〜?」
矢田「ちょっと!莉桜!!」
茅野「写真もほら…♪」
そう言うと茅野はゲスな笑みを浮かべながら昼間に撮った写真を見せた。それは泣きながら矢田が神威に抱きついている様子だった。
中村「ほほ〜う…これはこれは…衝撃の一枚ですな〜」
速水「うん…背丈的に姉と弟みたい……………LOVE………」」
狭間「クックックッ………………」
矢田「莉桜も凛香もやめて!!あと狭間さん何か怖い!!!!私はただあの時神威君に助けてもらったから…///」
そう言うと矢田は頬を赤く染めながら小声になった。
片岡「でもさ、神威君いいんじゃない?意外と優しいし強いし頭もいいし何しろカッコいいというより可愛いよね」
矢田「う………うん////」
すると
イリーナ「お〜いガキども〜そろそろ就寝ってこと一応伝えに来たわよ〜」
中村「一応って...」
イリーナ「どうせ夜通しお喋りするんでしょう?」
倉橋「先生だけお酒呑んでずる〜い」
イリーナ「あったりまえでしょ?大人なんだから」
矢田「そ…そうだ!ビッチ先生のオトナの話聞かせてよ!」
倉橋「普段の授業よりタメになりそう!」
イリーナ「なんですって!?」
矢田「まぁまぁいいからいいから!」
矢田がイリーナを部屋へ入れた。
女子全員「「「え〜!!」」」
中村「ビッチ先生まだ二十歳!?」
片岡「経験豊富だからもっと大人だと思った。
岡野「ね〜毒蛾みたいなキャラだし」
イリーナ「そう、濃い人生が作る毒蛾のような色気...だれだ!?いま毒蛾っつたの!」
矢田「ツッコミが遅いよ」
イリーナ「いい?女の賞味期限は短いの。あんた達は私と違って危険が少ない国に生まれたのよ。感謝して全力で女を磨きなさい。
岡野「ビッチ先生が真面目な事言ってる〜」
中村「なんか生意気〜」
イリーナ「舐めんな!ガキども!」
イリーナが怒ると突然矢田が
矢田「じゃあさ!ビッチ先生が今まで落として来た男の話聞かせてよ!」
倉橋「あ!興味ある!」
イリーナ「いいわよ子供には刺激が強いから覚悟なさい♪」
そう言いながら語りだし辺りを見回すと『奴』がいた。
イリーナ「おいそこ!!されげなく紛れ込むな!!女の園に!」
殺せんせー「え〜いいじゃないですか〜私もその色恋話聞きたいです」
中村「そういう先生はどうなのよ〜」
倉橋「そうだよ人のばっかずる〜い」
茅野「先生も恋バナとかない訳?」
不破「そうだよ!巨乳好きだし片思いくらいあるでしょう?」
皆から詰め寄られた殺せんせーは汗を流すとすぐさまマッハで逃げた。
ーーーーーー
皆が殺せんせーの暗殺へ取り掛かっている時、神威は1人、旅館の屋根に座りながら欠けた三日月を眺めていた。
「…」
神威の中にあの日の出来事が映像のように流れる。
?「ソイツを殴り続けて怒りや憎しみの感情を増幅させろ」
そう言われた瞬間 少年の前に立っていた男性が少年の顔を殴った。鼻からは血が流れ落ちる。
そして、殴るだけでは終わらない。
渡されたハンマーで少年の頭を殴りつけ、無理やり拘束した瞬間に爪を剥がす。
?「ぁぁぁぁあああああああああああ!!!!!!!!!」
少年が叫び声を上げる中 その姿をカメラ越しで見ている男がいた。
?「いいぞ。手を休めるな。死なない程度に殴り続けろ…!」
?「やめて!! ?さん!!」
?「邪魔をするな!!」
一人の女性が拷問を止めようとしたが男はその女性を平手打ちした。
?「じきに今日の拷問は終わる。今度からあいつもお前が監視しろ」
?「...」
その後女性は拷問された少年の監視役にされた。
「…大丈夫だよ。私が絶対出してあげるから…」
女性の言葉に少年は何も返さなかった。ただ何も喋らず下を向いていた。
ドギャァァァーーーン!!
突然の大爆音
少年の前には監視をしていた女性が生き絶え倒れていた。
「?さん...」
その時神威は目を覚ました。
「……俺に…こんな事やってる暇はあんのかよ…」
そう言いながら神威は夜 ずっと屋根の上へと寝転びながら星を見ていた。