暗殺教室〜 穢れた少年〜   作:狂骨

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親愛の時間

次の日の昼過ぎ、今回の体育は鷹岡が持つこととなり、皆は鷹岡の前に集まっていた。

 

「今日から練習メニューが少しキツくなるからな!終わったらまた美味いモン食わしてやるからよ!」

「そんなこと言ってどうせ自分がたべたいんでしょ〜?」

「まぁな!お陰でこんな腹だ♪」

中村の言葉に鷹岡は腹を見せながら答えると皆は一斉に笑った。

 

その光景を神威は旧校舎の屋根に座りながら見ていた。

 

「(……やはりアイツ…何か企んでるな…)」

神威は鷹岡を睨むとそこから降り、教員室へと入っていった。

 

ーーーーーーー

ーーーー

神威が教員室へと入ると、そこには烏間がいた。見ると烏間は一枚の写真を見つめていた。

烏間は神威に気づくとその写真を置いた。

 

「君か…訓練は受けないのか?」

その問いを神威は無視し、置かれた写真へと目を通した。その写真には、鷹岡の他に四人の男性が満面な笑顔で写っていた。

 

「……これは?」

「…奴が教官を務めていた時の教え子達だ。今では優秀な軍人になったと聞いている。俺もアイツと同じ家族のように接した方が良かったのかもしれんな」

烏間は神威の問いに一拍置いて答えると教員室を出て行った。

 

 

「フン………ん?このもう一枚の写真はなんだ?」

俺はその写真の下に置かれていたもう一枚の写真を見た。

 

「…!」

神威は目を大きく開いた。そこには、先程と変わらず満面な笑みを浮かべる鷹岡と背中に大量の痣が浮かんでいる四人の訓練生が写っていたからだ。

 

ーーーーーーー

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神威が教員室へ入った直後に、鷹岡はプリントを取り出し、皆に配った。

 

「さて、今日から訓練内容が結構変わり、E組の時間内容が変更になった!」

 

皆は配られたプリントを見た。

 

その瞬間

 

 

「え…?」

「嘘…だろ…?」

皆は絶句した。

 

そこには、通常の6時間+4時間つまり、10時間目までのカリキュラムが組まれていたからだ。

 

「このくらいは当然さ。理事長にも話して承諾してもらった。“地球の危機ならしょうがない”と言ってたぜ。このカリキュラムについてくればお前らの能力は飛躍的に上がる!さてまずは腕立て300「ちょ…ちょっと待ってくれよ!」

 

鷹岡の説明に、前原が抗議した。

 

「ん?どうした?」

「いや!いくらなんでも無理だぜこんなの!!勉強の時間が少なすぎて成績が落っちまうよ!それに遊ぶ時間もねぇしできるわけねーよ!こんな…ガハッ!!」

 

前原が最後まで言おうとした時、前原の鳩尾に鷹岡の膝が潜り込んだ。

 

「『できない』じゃない『やる』んだよ。言っただろう?俺達は家族で俺は父親だ。世の中に父親の言う事を聞かない奴がどこにいる?」

その瞬間、鷹岡の表情が一変した。その顔は異常と呼ぶに相応しいほど狂気に満ちていた。

 

「もちろん抜けたい奴は抜けてもいいぞ?その時は俺の権限で新しい生徒を補充する。けどよ〜?俺はそう言う事はしたくないんだ。お前達は大事な家族だからな〜?」

鷹岡はそう言いながら皆の後ろをゆっくりと徘徊した。一歩一歩 その音が響くたびに皆の顔は恐怖に染まっていた。

 

「家族みんなで地球を救おうぜ!」

鷹岡は近くにいた三村と神崎の肩へ手を回した。二人の顔は恐怖に包まれた。

 

「な?お前は父ちゃんについて来てくれるよな?」

「……」

鷹岡は神崎に目を向けながら聞いた。すると神崎は震える足で立ち上がると答えた。

 

「わ…私は嫌です。烏間先生の授業を希望します!」

神崎は怯えながらも笑顔で答えた。

 

そう言った直後、鷹岡の手が神崎の頬へ向かって放たれた。

 

「…!神崎さん!」

瞬間、近くにいた矢田が神崎を庇った。

 

 

パァーンッ!!

 

結果、放たれたその手は矢田の頬へと直撃した。

 

「桃花ちゃん!!」

「矢田さん!」

吹っ飛ばされた矢田は地面へ身体を打ち付けた。

 

「お友達を庇ったのか?随分と泣かせてくれるなぁ」

 

ガシッ!

そう言いながら鷹岡は矢田へと近づくと首を掴み上げた。

「ぐ…がぁ…」

「でもいけないな〜?父ちゃんの教育を邪魔する奴は…!」

鷹岡は拳を矢田に向かって放った。皆は助けようとしたがもう間に合わなかった。

 

「(助けて……)」

矢田は一滴の涙を流した。

 

 

 

(神威……君…!)

 

 

 

 

 

 

その時、

 

鷹岡の腹に何かが抉りこまれた。

 

「ガハァ!」

 

瞬間に鷹岡の体は宙を舞い、50メートルもの距離を飛ばされた。鷹岡の手から離された矢田はその場に尻餅をつき、自分の目の前にいる影を見た。

 

「か……神威……くん……?」

矢田は一瞬閉じた目を開いた。そこには、輝く金色の目で鷹岡を睨む神威が立っていた。

 

ーーーーーーー

ーーーー

 

パァーンッ!

 

俺が写真を見た直後、グラウンドから何かを叩いた音が聞こえた。俺は窓を開けた。

 

「ッ!」

俺は目を大きく見開いた。そこには、神崎に覆い被さりながら吹っ飛んでいる義姉の姿が映った。

 

 

その瞬間、俺の頭の中に何かが流れ込んできた。いや、流れ込んだものじゃない。元々あった『記憶』だった。

 

1人の小学生にしては大柄な少年が笑いながら小柄な少年を突き飛ばした。

 

『うぅ…』

『あぁ?お前 女の癖に俺たちに逆らうのか?』

『僕は男だ!!それに僕はただ注意しただけだ!!正しい事をして何が悪いんだ!』

『ッ!いい子ぶってんじゃねぇよ!!女がよぉぉ!!』

 

『私の弟をいじめるなぁ!!!』

すると、1人のポニーテールの少女が新聞を丸めたチャンバラ棒でその少年の頭を叩き、追い払った。

 

その少女はゆっくりと振り向くと倒れている少年に手を差し出した。

『大丈夫。心配しないで…

 

 

 

 

 

 

 

 

______桃矢はお姉ちゃんが守ってあげるから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドクン…

 

 

その瞬間 一つの大きな心臓の鼓動と共に神威の心は殺意に満ち溢れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

殺す

 

 

 

 

 

 

 


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