暗殺教室〜 穢れた少年〜   作:狂骨

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家の時間 二時間目

矢田の提案によって神威は矢田の家にお世話になることとなった。

 

「ここだよ。上がって」

「あぁ…」

矢田に言われると神威は家に上がろうとしたが中断し水桶をを頼んだ。神威は常に裸足であったために足は泥だらけである。

「分かった。ちょっとまってて」

数分後 渡された洗面器に水をいれ 神威は脚を洗った。すると瞬く間に綺麗だった水が泥水へと変貌した。

「……」

神威はその水を近くの溝に捨てると脚を拭き家に上がった。

「こっちこっち〜!」

矢田の声がする方に神威は移動した。着いた場所はキッチンであり、エプロンをつけた矢田が冷蔵庫を開け中を調べていた。

 

「あ!そこ座って」

矢田に言われた通り神威は近くの椅子に座った。

 

「すぐに作るからまってて!」

「あ…あぁ…」

神威の前で矢田はせっせと食事の用意を進めた。

そんな中神威は周りの景色を見渡した。

 

「……変わらんな……」

 

 

 

 

20分後

 

 

「ジャーンッ!私 の得意料理のオムライス!」

満面の笑顔で出来上がった料理を神威に見せた。その瞬間 神威の口から微量のよだれがでた。

「(お…俺が好きだったやつ……)」

「どうしたの?」

「ッ!」

矢田は不思議に思い質問した。すると我に帰ったのか神威はすぐさまよだれを拭いた。

「す…すまん…(や…ヤバイ…気づかれちまうとこだった…)」

 

神威の意外な一面に矢田は笑みを浮かべた。

「やっぱり神威君は可愛いね。オムライスでよだれなんか垂らしちゃって♪」

「う…/////」

神威は赤面になりながらもオムライスを口に運んだ。すると神威の目から微量の涙が流れた。

 

「(懐かしい味……た…)」

 

ーーーーーー

ーーーー

 

オムライスを食べ終え時計を見るともう8時を過ぎていた。

「あ、お風呂 沸かしてあるから入っていいよ」

「分かった…」

神威は立ち上がるとキッチンを出た。

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

神威は風呂場でいつも着用している黒い衣を脱ぎ捨てた。そしていつもつけてある眼帯も外した。だが、胸にあるサラシだけは取らなかった。

 

「姉に見られてるし…ここでは隠す必要はないな…」

そう言うと神威は渡されたタオルを巻くと風呂場へ入った。

 

神威は自分の肌を磨きながら自分の皮膚を見ていた。

(……鬼の件の為か肌が少し薄くなってるな…目のひびも少しずつ無くなってきてる…やはり実験の通り殺せば殺すほど人間に戻るみたいだ…)

 

そう思いながら神威は身体を洗った。

 

その時、神威の手が止まった。

 

(どうして俺は…あの時…)

思い出したのだ。あの日の事を

 

回想

神威side

 

 

俺と姉は同じ中学に通っていた。

 

俺と姉は普通の成績で問題もなかった。だが俺は病弱で一ヶ月に4回は休んでいた。

 

 

そんなある日、テスト当日の朝

 

 

「ゴホッ!!ゴホッ!!……ゴホッ!!」

 

俺は突然の熱や咳にみまわれた

 

 

「桃矢…大丈夫?」

 

「それは…こっちのセリフだよ…姉ちゃん……今日テストでしょ……欠席したら……E組に落とされちゃう……だからもう行きなよ…!」

 

「たった一人の弟をほっとくわけにいかないでしょ!!!今日は一日私が看病してあげるからジッとしてて!」

 

 

「!!」

 

 

その後俺の姉はテストをすっぽかしたという事となりE組に落ちた。同じクラスの奴からも多くの批判を受けたようだった…

 

 

side out

 

神威は歯を噛み締めた。

 

(あの時を思い出すだけで虫唾がはしる…とりあえず……タコとアイツを殺したら俺はここを去る。そして、二度とここには戻らない……)

その時

 

 

ガラガラガラガラ

「神威く〜ん私も入るね〜」

 

 

ふろのドアが開きタオルを巻いた矢田が入ってきた。その瞬間 頭を洗っていた手が止まった。

 

「な…なんで入ってきた…!?」

「え?一緒に入りたいから♪」

「…!?」

そう言い矢田はゆっくりと神威に近づいた。

神威は逃げようとしたがこの至近距離では逃げようにも逃げられなかった。

 

「ほら、背中 洗ってあげるよ」

「…わかったよ……」

神威は諦め矢田に背中を頼んだ。

 

 

 

 

ゴシ ゴシ ゴシ ゴシ

 

 

 

「どう?神威くん」

 

「悪くない…」

「そっか。サラシ取らないの?」

「取らん。ほっとけ」

「ハイハイ」

矢田は笑いながら神威の背中をシャワーで流した。

「私も頼んでいい?」

「……分かった…少しだけなら……」

神威は渋々頷くと同じように矢田の背中を洗いシャワーで流した。

流し終わると神威はそろそろ出ようと出口に向かった。すると

 

「お風呂にはいりましょうね〜♪」

「…!?」

突然目の前の視線が上がったと思いきや 矢田に抱き上げられていた。女子にしては高い身長に対し、神威は140なので楽々と持ち上げられた。腕も動かせず、足もバタバタさせる事しかできなかった。

「は…離せ…」

「だめ♪」

矢田は神威を赤ん坊の様に抱き上げると湯船に浸かった。

 

「ふぅ〜…」

「…」

湯船に浸かっても腕は解けることはなかった。神威も神威でそろそろ限界が来ていたようだった。

 

「う……あ…あが…る…」

 

そう言い神威は矢田の腕から抜けようとすると

 

「ふふ♪」

ギュ

神威「!!!!」

矢田はさらに抱きしめる力を強くした。

「もうちょっと一緒に入ってようよ〜♪」

フニュ

すると神威の背中に矢田の豊満な胸が押し付けられた。

 

神威「もう…無理…ッ!!」

すると神威は無理やり手を解くと矢田の腕から逃れ風呂から走り出ていった。

 

「も〜!」

 

その後

 

 

 

 

 

 

「……俺の服は…」

 

「あ、神威くんの服洗っちゃったから私のパジャマ貸してあげるよ」

「……」

神威は服が一着しかない為 仕方なく矢田のパジャマを借りる事となった。

「向こう向いてろ…」

「はいはい」

 

 

 

「いいぞ」

 

「は〜い。……お〜!似合ってるじゃん!」

「…」

着用したパジャマは神威にしては少し大きめであり、手はギリギリ出るか出ないかである。

そして時計を見るともう11:30を過ぎていた。

「じゃ、そろそろ寝よっか」

「じゃぁ俺はそこのソファーで寝る」

そう言い神威は近くにあるソファーへ向かおうとするが、またまた矢田に抱き上げられた。

 

「ふふ♪一緒に寝よ♪」

「うぐ……」

疲れが溜まっている為か反抗する体力も残っていなく そのまま部屋へと連れられた。

 

 

〜矢田の部屋

 

「電気消すよ」

 

「あぁ」

 

 

カチッ

 

 

神威は矢田に抱きつかれる形で寝ていた。

 

(う……抱きつきすぎだ……だけど…離れる力もない………………睡魔が…睡魔…………………が……………………」

「スー…スー…スー…」

矢田は神威が目を閉じた後 目を開け 神威の寝顔を楽しんでいた。

「寝顔も可愛いな。こういうとこも弟そっくりだね…♪」

 

矢田が神威の寝顔を眺めていると

 

「え…?」

 

 

神威の顔が一瞬 別の何かに見えたのだ。

 

 

「なんだろ…一瞬神威くんが桃矢に………まさかね」

 

 

 

そして矢田は神威を見て

 

「おやすみ」

 

 

自分も意識を沈めた。

 

 




編集しました。

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