少年が行く幻想学園   作:スカイマーク

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どうもスカイマークです。
何も言う事ありませんw
それでは本編どうぞ!


家族 後編

 

八雲家の家に到着した。

高層マンションだった。

車から降りたケンシは高層マンションを見上げた。

見た目から見ればセレブやVIPが住むマンションである。

 

ケンシ「タカイナ。」

 

ケンシは思わず日本語で口にしてしまう。

すると

 

橙「エヘヘ、すごいでしょ?」

 

橙がケンシの左腕を抱きしめ照れ臭そう笑いそして喋る。

その表情はまるで太陽だった。

 

橙「私達の家はこの上なんだよ!」

 

ケンシ「……ソウカ。」

 

 

 

 

 

ケンシを含めた八雲一家はエレベーターで最上階まで上がり部屋の玄関で立ち止まった。

橙はカードキーで玄関のドアのロックを解除して勢いよく開ける。

 

橙「たっだいまー!」

 

そして大きな声で叫び中へと駆けて行く。

 

藍「こら橙!走っては駄目だといつも言っているだろうが!」

 

廊下を駆けて行く橙に対し藍は怒り、橙の後を追う形で中へと入った。

 

ケンシ「……」

 

そんな2人の姿をただ無表情で見るケンシ。

 

紫「此処が私達の家よ、さぁ入って入って。」

 

彼の後ろに居る紫がケンシを部屋へと招く。

彼は無言のまま中へと入った。

日本は土足で家へ入るのではなく、玄関で靴を脱ぐ習慣がある。

半分日本育ちであるケンシは日本の常識いわゆるジャパニーズスタイルを知っている。

玄関の中で靴を脱いだケンシは廊下を進んだ。

廊下の横に二つドアがあった。

其れ等はトイレ、洗面場付きのお風呂場だった。

廊下を突き進むと広いリビングに出た。

一般のリビングより2倍あり、バルコニーや大きなキッチンがあった。

橙と藍の姿が見当たらない。

しかし叱る声は聞こえる。

多分自分の部屋に居るのだろう。

紫はケンシの後にやって来た。

 

紫「どう?すごいでしょ?」

 

日本語で話しかける紫。

黙っていたケンシは口を開いた。

 

ケンシ「日本の国防省は儲かっているんだな。」

 

日本語に対し英語で返す。

 

紫「ウフフ、女性に仕事やお金の話を持ち出さすのはタブーよ♡」

 

英語に対し紫も英語で返す。

そして懐から扇子を出し開いて口を隠す。

おまけにウィンクも付ける。

 

ケンシ「じゃあお前は女性だからこの任務を放棄しよう。」

 

紫「あら、一本取られちゃったわ。ウフフ。」

 

ケンシ「…………」

 

小さく高笑いする紫にケンシまた口を閉ざしてしまった。

 

紫「それじゃ、今から貴方の部屋を紹介するわ。ついて来て。」

 

気を取り直して紫はケンシの部屋を案内した。

 

 

 

 

 

紫「此処よ。」

 

紫はある部屋のドアを開けた。

その部屋はケンシが使う部屋だった。

ケンシは中へと入った。

部屋の中はリビングと同様洋風、

家具は箪笥とベッドとL字デスクだけ。

スーツを入れるクローゼットはあるが荷物が少ないケンシには必要無いだろう。

 

ケンシ「すまないな、部屋まで用意してくれて。」

 

紫「客間用に使ってたけど客と言う客は来ないからちょうど良かったわ。」

 

ケンシ「そうか、それは良かった。」

 

ケンシの言葉を聞いて少し笑みを見せる紫。

すると彼女はドアを閉めロックし表情を変える。

部屋の中はケンシと紫だけになった。

 

紫「これからの事を話すわ。あなたが通う学校は政府が一番力を入れている学校よ、そこの生徒は必ず学生寮で暮らさないといけないルールがあるの。」

 

ケンシ「ルール?何故寮に入らないといけなんだ?」

 

紫「島だから。貴方と藍そして橙が行く学校は島を土地としている高校、ショッピングモールと言った娯楽施設もあるわ。」

 

ケンシ「つまりスクールタウンってやつか。」

 

紫「ええ、生徒達は『幻想郷』と呼んでいるわ、話を戻しましょう。学校の名前は国立『幻想学園』中等部と高等部が二つある学校よ、貴方は高等部の一年生になって貰うわ。それと貴方をサポートする者も居るから何か困った時には聞いて頂戴。」

 

ケンシ「質問がある。」

 

紫「何?」

 

ケンシ「藍と橙に俺の事をどう話した。まだ俺は『八雲 ケンシ』と言う人物を把握していない。」

 

紫「そうね…強いて言うなら『ある事情でアメリカに暮らす事になった実の息子』ね。」

 

ケンシ「藍が車の中でアメリカで何をしてたのか、と聞かれた時軍で働いていたと答えたら納得していたぞ。」

 

紫「……それはそうよ、だってあの2人には隠し子だ、て1週間前に言ったのよ?」

 

ケンシ「もう少し偽り方を考えろ。」

 

紫「…ごめんなさい、急な事だったから。」

 

ケンシ「………まぁいい、此方にも落ち度がある。上手く演じればいい話だ。」

 

紫「助かるわ、それじゃ私はご飯の準備に行くわ。これから宜しくねケンシ。」

 

ケンシ「ああ、宜しく頼む紫。」

 

紫「ここでは紫じゃなくて『お母さん』よ。」

 

ケンシはデコに手を置いてため息を吐いた。

 

ケンシ「ワカッタヨ母サン。」

 

そしてカタコトな日本語で紫を「母さん」と呼んだ。

紫は嬉しかったのか鼻歌を歌いながらケンシの部屋を出てキッチンへ向かった。

1人となったケンシはL字型ディスクの椅子に座り深く息を吐き天井を見つめた。

 

ケンシ「これから大変だな。」




いやぁ紫さん金持ちですねぇ。
次回はケンシと藍そして橙が幻想学園へ行きます!
そして幻想郷メンバー登場するかも!?
お楽しみに!

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