TALES OF CRYING ―女神の涙と黒い翼―   作:ILY

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世界観・用語解説3

「身」の一族、「心」の一族

 

 太古の昔、二柱の神から宝珠と世界を守るべく力を与えられた二種族。

 アエスラングの種族が大気と心を通わせ高い深術の適正を持つ「心」の一族。イクスフェントの種族が深術を使えない代わりに長い寿命と高い身体能力を持つ「身」の一族であり、両者の総称が「シン」の一族である。

 二種族の能力が異なるのは「互いが手を取り合う事」を望んだアエスラングとイクスフェントの願いからであり、またそれぞれの差異に二柱の神の性質の違いを見て取ることが出来る。

 

『混血児』

 

 身の一族と心の一族、そして人間の血が混ざった者の中に稀に現れる突然変異とも呼ぶべき存在。

 高い深術の適正と身体能力、治癒能力を持ち、皮膚の異常で獣の様な体毛が発生する。個々の能力としては「心」や「身」の一族に劣るものの、戦闘に限れば総合的に両者を上回る能力を持つ。

 世間一般には「獣の子」として認知され、モンスター等の血を引いたものと考えられて(※実際シンの一族の混血の者に体毛は存在しない為、先祖の中に本当にそれらの血が混じっている可能性はある)殆どが殺され、現代においてはその血筋はほぼ絶えている。

 

宝珠の「座」

 

 狭義には六つの宝珠を安置するべき地点を指し、広義にはそこからのディープスの流れを安定させるべくシンの一族によってその地点に作られた台座も含む。

 宝珠はただ存在するだけでは機能せず、「座」に在ることで初めてディープスの流れを通して二つの世界を繋ぐ。

 地点ごとに二つの世界で対になっており火と風、水と地、光と闇の宝珠が対応している。その為、二つの世界の間のディープスの流れによる影響はこれらの地点の周辺が特に強くなっている。

 

(あけ)天傘(あまがさ)』と『(よい)地衣(ちごろも)

 

 同一の職人の手により作られた対となる武器。火鼠(ひねずみ)(ころも)氷鼠(ひねずみ)(ころも)と呼ばれる特殊なモンスターの皮から作られており、ディープスの集束を手助けし並の武器とは比較にならない戦闘能力を持ち主に与える、詠技の使用も可能な武器。

 タリア・キサラギが娘達の身を守るため姉妹に与えた。姉のリョウカが宵の地衣を、妹のトウカが明の天傘を所持し、タリア・トウカが出奔し『ジェイン・アキ』と名を変えた後も愛用し続ける。

 本来姉妹での使用を想定されている為、二つが揃ってこそ真価を発揮する。

 

命令刻印術式

 

 「他者に命令を聞かせる事」を目的として開発された深術を応用した技術の一つ。通常の深術はその都度術式を組み立てるのに対し、体内に成立した術式を埋め込む事で常時発動し続ける。

 しかし、人間の精神はそう簡単に制御できるものではなく、現段階の技術では他人の行動を制御するところまでは至っていない。その為実際は「主が従者を任意のタイミングで殺す事が出来る」機能を持った爆弾の様なもの。

 その経緯から忌まれた技術だったがジェイン・リュウゲンはそれを逆手にとり、処罰される寸前だったブレイド・アズライトに見せしめとしてこれを埋め込む事で自分の手駒として彼を獲得した。

 ブレイドに埋め込まれたものはエッジとブレイドの父親によって改良されたものらしく、『そう簡単に爆発する事はない』とブレイドが発言している。


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